2018年07月22日

アオダイショウ出現

IMG_0281 TFDにアオダイショウが出現しました。茂みから蛇の尻尾が出ていたところを発見し、とりあえず捕まえました。ちっちゃいやつでしたが結構元気というかやんちゃというか凶暴なやつで、捕まえる際に2ヶ所ほど噛まれて出血しました。(笑)マムシとかはちょっかいを出されて不機嫌になるとガラガラヘビみたいに尻尾を震わせますが、こいつも同様で捕まえる途中に押さえつけると尻尾をビリビリ震わせていました。アオダイショウでこんな奴は初めて見ましたが、蛇的にもこの暑さで気が立っているのでしょうか?
 今の少年たちは蛇を見たらとりあえず逃げるのでしょうか?自分の世代だと男の子たるもの、蛇を見つけたらとりあえず追いかけて捕まえなければならない、みたいな不文律が有ったような。(俺が勝手に思っているだけか)
 子供の頃、夏休みに蛇を捕まえると首に巻いて歩き回っていたりしました。暑い夏休み、蛇は冷たくて気持ち良いんです。今その辺でそんな子供が居たら周りの反応は凄いでしょうね。(爆)  

Posted by cpiblog00738 at 13:14雑記

2018年07月19日

筑波TT

BOTT 6 遅くなりましたが先週末の筑波TT参戦のご報告です。結果的には予選4位、決勝5位という成績でした。骨盤4か所を骨折する怪我をしたのが4月12日でしたからそれから丁度3か月です。おかげさまで回復も歳の割には順調で、まあ何とかなるだろう、という思いでエントリーしましたが、まあ何とかなった感じで良かったです。(笑)
 無理せずに大事にしてくださいという温かいお言葉を沢山いただいて感謝の極みではありましたが、年齢的にのんびりしていると後がどんどん押して来るのでそんなわけにはいきませんでした。
 で、レース当日はとにかく暑かったです。一時は路面温度が64度ということで、人間はもちろんですがどんなタイヤも正常に機能しない状況です。そんな環境でツナギやヘルメット等の装備を装着した状態でいるのは殆ど拷問でした。表彰台の自分を見ても額の血管がブチ切れそうになっていますね。(笑)
 後日動画サイトで当日のレースのオンボード映像をいろいろと鑑賞しましたが、面白いことに気付きました。トップグループの人達は別ですが、中段以降の人達の場合は全10周のレースのうちの7周目あたりから急に「止めた」ような走りになるんですね。動画を見ていて、今チェッカーが降られたのか、と思うのですがそのまま次の周も走り続けるのです。あ、まだチェッカーじゃないんだ、という感じで、要するにライダーの電池切れ状態です。いかに過酷な環境であったかということですね。そんな中、トップグループの人達は全くペースが落ちません。変態です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:16レース

2018年06月13日

シャシダイセッティング

 シャシダイセッティング、今回はちょっと古めの996デスモクアトロエンジンです。元々のエンジンはベーシックモデルなのでデカいクランクウェブに鉄コンロッド、カムシャフトも普通の大人しいタイプです。そのエンジンにSPSのクランクとチタンコンロッド、カムもSPS、インテークバルブは748RS、バルブスプリングも748RS、そういった部品を組み込んだエンジンです。それに加えてインジェクターを並列接続してツインインジェクターに変更しました。その理由は、元々のスロットルボディーはシングルインジェクターのため出力が上がるとインジェクターの容量不足が発生する懸念があったからです。最初はこんなに大改造してしまってちゃんとセッティングが出せるのか、正直に言ってちょっと不安でした。

S4R いろいろとやり込んだ結果、そこそこ満足のいく結果が出ました。スロットル全開のパワーチェックです。





S4R-1 中低速域もこの通り。勿論これらの結果はあくまでシャシダイ上でのもので、実走となるとまた変わってくることは承知の上です。それにしても実走してみての結果が大いに気になるところです。  
Posted by cpiblog00738 at 17:46エンジン/メンテナンス

2018年06月09日

クロモリフレーム

先日フレーム交換のご依頼をいただきました。クロモリフレームを入手したのでスタンダードのフレームと操安性がどう違うのかを体験したいとのことでした。サーキット専用車なのでフレームにも大きな負荷をかけて走行しますから、お客様がどういった違いを感じることが出来るのか私も興味があります。自分の経験でもサーキット走行をするとコルサと街乗り車ではフレームの硬さというか剛性感が明らかに異なることが体感できますから、それと似たような印象となるのでしょうか?

IMG_0145 今回使用するクロモリフレームです。7と40の数字は製造時期で1997年の40週ということです。その後のアルファベット「C」がクロモリ製を表します。このフレームは1998年式の916SPSや748SPSに使用されていたものです。一部の1999年式のバイクにも使用されていたとの情報もありますが、それは実物を見ての判断ということになるでしょうか。ノーマルフレームの場合、材料はALS450と表記されていますがそれがどんなものかはよく判りません。450という数字は引張強さ(N/mm2)を表しているのでしょうか?一方クロモリフレームの方の材料は25CrMo4と表記されています。これはドイツのDIN規格での表示です。日本のJIS規格ではSCM420、もしくはSCM430が相当品であるということなので、引張強さは少なくとも830N/mm2以上ということになります。

IMG_0141 試しにフレームの重量を計測してみました。先に計測したのは今迄使用していたノーマルフレームです。10.14kgということで、結構軽量ですね、という印象です。




IMG_0144 で、次はクロモリフレームの方です。何と、8.93kg。9キロを切っています。構造はほぼ等しいので重量の差は肉厚の差ということになります。






 重量の違いだけで判断しても、形が同じだけでモノとしては別物ということになりますでしょうか?フレーム交換作業はもう終わっていますからあとは実走してみるだけです。どんな違いを感じることが出来るのか、楽しみです。  
Posted by cpiblog00738 at 10:15エンジン/メンテナンス

2018年05月29日

シャシダイセッティング

 某お客様の1098Rですが、イマイチどころかかなり乗り難い、これはエンジンの出力特性がおかしいのではないか?ということでシャシダイ上でセッティングを施すことになりました。エンジンは基本的にノーマルですがDPのカムが組んであります。ECUはマイクロテックのフルコン(M197)を使用しています。エンジンマネージメントのデータファイルはマイクロテックによる御仕着せのものをそのまま使用しています。以前DP製のECUを使用していた時はエンジン特性に唐突なところは無く特に問題なかったのですが、マイクロテックのECUに交換してから問題が発生した印象がありました。

1098R Before まず現状がどんなものなのか、とりあえず測定した結果です。2番シリンダはまあ許せるとして、1番は酷すぎですね。スロットル開け始めから40%開度迄、6,000〜7,500rpmでA/Fは10に張り付いています。測定可能な範囲が10以上なのでこうなっていますが、実際の数値はもっと低いことが窺い知れます。
 それとは別の問題はスロットル開度100%(全開)時の1番シリンダのA/Fです。8,500rpm近辺でA/Fが15を超えて15.6くらいです。とりあえずこうした問題を是正すべくセッティングを行っていきました。
 その結果、A/Fが濃すぎる問題はクリアできたのですが、例の全開域で薄い状態を改善しようとすると新たな問題が発覚しました。適切な空燃比を得るためにインジェクターからの燃料の噴射時間を増加させていくのですが、そうすると適正な空燃比を得るためには燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。M197の御仕着せのフューエルマップを見ると1番シリンダの8,500rpmの噴射時間は最初から約16ミリセックです。エンジンが8,500rpmで回っているということは、4ストロークエンジンの場合だと60秒÷4,250で1サイクルは約14ミリセックです。まあいろいろな要素が絡むのでこの数字を比較して即「噴きっぱなしだ」と決めつける気はありませんが、それでもほぼ限界に近いことは確かです。
 噴射時間の数字を増やして空燃比を正常な値に近付けていきましたが、やはりこの条件ではムリがあるようです。M197にはダイアグの中に噴射時間がオーバータイムになった回数を記録する欄があり、シャシダイ上で数回テストしただけでその数字が万の単位になります。経験上このまま走らせていくとM197は壊れてしまう可能性が高いと判断しました。噴射時間のオーバータイムが積み重なると回路のトランジスタが焼けてしまい、その結果インジェクターが閉じなくなって燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。こうなってしまった場合ECUの修理は不可で、対策としてはECUの交換しかありません。
 ではどうするか?燃圧を上げるという手段もありますが、今回はインジェクターの交換に踏み切りました。1098Rは1気筒当たり2個のインジェクターが使われています。プライマリー側がIWP162(容量329cc/min)、セカンダリ側がIWP189(容量510cc/min)というタイプです。これを両方とも容量の大きいIWP189にしてみました。当然燃調のセッティングは最初からやり直しになりますが。

1098R After 改めてセッティングをやり直した結果がこのグラフです。スロットル開度の大きいところの燃調は合わせやすいのですが、開度の小さいところは気温、湿度、エンジン温度、といった諸条件によって結果が安定し辛いので苦労します。とりあえずこの状態で実走してみて、足りないところや不満がある場合は改めて対応しようと思います。ちなみにインジェクターの開弁時間の最大値は13ミリセック程度に収まりました。セッティング後のオーバータイムの数値も百単位だったので問題無いでしょう。

1098R 100% 最後にスロットル全開のパワーチェックの結果です。180馬力を超えました。この時の気温は26度くらいでしたが、もし冬の気温が一桁のような寒い条件下で測定したら190馬力とか出るような気もします。ちゃんと扱えるかどうかはまた別問題ですけど。
 今時のバイクと異なりこのバイクには特に大した制御が介在することはありません。何時何処でもその気になればこの馬力を出力させることが出来るわけです。当時のA級ライダーのインプレッションを思い出しました。「馬力は売るほどあります。無理に開ければリアが滑るかバイクが上を向くかのどちらかです。(笑)」ある意味最後のバイクらしいバイクとも言えます。今時のバイクは200馬力以上のスペックを持っていても常に何かの制御が介在していて、フルパワーを発揮するシチュエーションは極僅かだと思います。安全ですけど。  
Posted by cpiblog00738 at 11:58エンジン/メンテナンス

2018年05月28日

ピストン割れ

 怪我をしてからそろそろ1か月半。おかげさまで順調に回復しており、既にフツーに仕事をしています。問題があるとすれば重量物の運搬くらいでしょうか。動くとそれなりに痛いのは仕方がないですが、痛さには慣れてしまうものです。痛み止めの薬も最近は使っていません。骨が完全に付くまでに3ヶ月くらいはかかるのが普通と聞きますから、1か月半としては上々な仕上がり?です。

IMG_3409 ところでまたピストン割れが出現しました。ピストンを使用した距離は約3,200kmとのこと。もちろんサーキット走行専用車両です。経験的にレース用ピストンの耐用距離は大体3,000kmと昔から認識していますから、今回もまさにその通りということになります。運が良ければシリンダは再使用、ピストンの交換のみでエンジンを復活させることが出来るのがドゥカティの凄いところです。  
Posted by cpiblog00738 at 15:29エンジン/メンテナンス

2018年05月04日

退院しました

昨日、無事退院することが出来ました。

関係者の皆様には大変ご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。現在、加重制限が体重の1/3という条件の下、松葉杖で徘徊しております。多くの方から御見舞い、ご心配、また励ましのメールを頂戴し、大変有り難く感謝しております。一日も早く通常通りの仕事に戻れるよう、体の回復に努めたいと思います。

今後ともどうか宜しくお願いいたします。  
Posted by cpiblog00738 at 10:13お知らせ

2018年04月12日

お知らせ

都合により暫くの間休業させていただきます。
 
4月13日追記:
怪我の療養のため、休業期間は約1ヶ月程度の予定です。 

お客様には大変ご迷惑をおかけしますが、どうかよろしくお願いいたします。  
Posted by cpiblog00738 at 18:45

2018年04月06日

ピストン割れ

 先日ピストン割れの記事を掲載しましたが、その続報です。新品のピストンが入荷したので作業を再開しました。トラブルが起きたのはリアシリンダでしたが、ピストンは当然ながら前後セットで交換します。壊れたのはリアだけなのにセットでの交換はもったいないと思いますか???

IMG_3408 フロントのヘッドを外しました。同じことが起こりつつあります。もしリアだけ交換して走行すれば、おそらく次の走行でこっちも同じことになるでしょう。考えてみれば当然で、前後ピストンにかかるストレスは同等です。今時の製品は製造技術が進んでいるので製品のばらつきは少ないです。従ってこのような結末は容易に予想できます。  
Posted by cpiblog00738 at 16:22エンジン/メンテナンス

2018年03月22日

トルクレンチ

 以前ブログで紹介したデジタルトルクレンチのお話です。その時は角度締めを行った時にかかったトルクが確認できるので非常に便利ですが、ボルトの伸びとその時のトルクを同時に管理できればもっと良い、と評価しました。
IMG_0084 最近それが出来る方法を発見しました。(今更かよ、という人もいるかもしれませんけど。)トルクレンチの先にこのようなアダプタを取り付けます。このアダプタはセンター間が2インチ(50.8mm)です。そしてこのトルクレンチにはこうしたオフセットに対する補正の機構が存在するのです。頭良いですね。画像のマイクロメーターが指示している0.069という数字はこの状態でのコンロッドボルトの伸びを示しています。

IMG_0086 トルクレンチの表示はこうなっています。OFFSET IN USE と表示されていますが、設定でオフセットは50.8mmと入力してあります。その下の表示は角度ではなくトルクで、この状態だと130Nmが目標値で、そのトルクがかかるとアラームが作動しますが、この使用方法の場合この数字は大きめに適当に設定してあります。


IMG_0087 そこでマイクロメーターの数字を見ながら目標の伸びが得られるまでボルトを締め込んでいきます。例えば今回の目標値は0.155mmで、そこまで絞め込んだところでトルクレンチへの入力を緩めるとその時のトルクが表示されます。
 今回はボルトが0.155mm伸びるところまで締め付けを行い、その時に要したトルクは88.9Nmだったということです。例えばメーカーが、ボルトの伸びが0.155±0.005mmでその時要したトルクは55〜95Nmの範囲にあること、と指定しているのであれば、今回の締め付けはその範囲内にあり適正であったと判断できます。
 今迄は伸びもしくはトルクのどちらか片方しか管理できなかったのですが、これでコンロッドボルトの締め付けに関する管理は完璧ですね。





  
Posted by cpiblog00738 at 19:57エンジン/メンテナンス

2018年03月18日

これですか・・・。

 今日も絶好調だぜ!!とレーストラックを爆走中に突然のエンジンストール。持ち込まれたバイクを一見しても特に問題は無さそうで、セルを回すと異音もなく普通にクランキングします。そこでまずは電気関係を疑ってみます。プラグを換えればOKでしょう、と安易に考えていたのですが、全くダメ。そこでギアを入れて後輪を回してみたところ、片側気筒の圧縮がありません。

IMG_3401 そこで改めてプラグホールの奥を注視してみると・・・・。明らかに普通じゃないですね。






IMG_3403 ヘッドを外してみるとこんなになっていました。このパターンは何度か経験済みですが、要するにピストンの寿命だと私は認識しています。






IMG_2592 このように燃焼ガスの圧力がピストントップ全体にかかるのですが、それを支えるのはピストンピンなので、1本の線で支えているようなものです。ピストンピンの位置を中心にピストンには曲げ応力がかかります。で、ピストンに寿命が来ると真ん中から折れてしまう、私はこのように認識しています。 
 特定銘柄の社外ピストンだからこうなるという訳ではなく、勿論他社の社外製品でもこうなった経験はありますし、純正ノーマルピストンでも同様なことを経験しています。要するに「使い切ったぜ!」ということなので、開け切った勲章みたいなものだと思ってください。  
Posted by cpiblog00738 at 11:25エンジン/メンテナンス

2018年03月13日

自分用競技車両

 随分前にクランク、コンロッド、ピストン、という主要部品3点は用意できていたのですが、そのまま暫く放置状態が続いていました。2018年シーズンの開幕までに完成を間に合わせることが出来るかどうか自信が無かったのです。最悪の場合は去年までのバイクのままで行くしかないのですが、新しいエンジンは今までのエンジンの部品もかなり流用するので、作業を開始すると今まで使用していたエンジンもバラバラになります。つまり元の状態には戻れない、作業を開始した場合後戻りは出来ないということです。 
 しかし自身の年齢を考えるとのんびりしている余裕はありません。やるしかないです。ということで作業に着手しました。おかげでここ最近はこれにかなりの時間を費やすことになり、他の仕事が手に付きませんでした。
 作業の様子を以下に紹介します。ちなみにベースエンジンは1098Rです。

IMG_3360 クランクシャフトです。1098Rの部品ではなく普通の1098の部品ですからストロークは64.7mm。ヘビーウエイト入りのバランス取りが施されています。






IMG_3358 コンロッドです。パンクル製の削り出しチタンコンロッド。61と62の数字はクランクピンとのメタルクリアランスで、それぞれ0.061mmと0.062mmということです。992や994といった数字は使用することになったハーフベアリングの厚さで、例えば992なら1.992mmということです。通常目にするノーマルのハーフベアリングの厚さは1.5mmですから、これらの2mmという厚みはかなり特殊です。昔のRSの部品です。クランクピンの直径は42mmで変わりありませんから、コンロッドのビッグエンドの内径が大きいということですね。それに伴いコンロッドボルト2本のピッチも若干広くなっています。

IMG_3362 クランクにコンロッドを組んだところです。今この時点ではこれらの部品の組み合わせでエンジンが成立するのかどうか、まだ不確定要素があります。






IMG_3347 とりあえずクランクケースの中にピストン、コンロッド、クランクを仮組してみて問題なく回転するかどうか確認していますが、やはり干渉する部分が存在しました。クランクケースとシリンダは1098Rの部品です。1098Rのクランクシャフトはウェブの径が若干小さいということですね。ここまで来たら後戻りは出来ないので今回はシリンダ側を削ってしまいます。次回、同仕様のエンジンを製作する機会があるとすれば、クランクのバランスをとる前にウェブの方を削ることになりますが。

IMG_3363 クランクケースを組み立てる下準備が整いました。。使用するミッションはDP部品としても販売されていた1098RSのレーシングミッションです。従来のレーシングミッションとギア比は同一ですが各部に改良が施されています。ドッグの形状が変わっていますし、かなりの軽量化も施されています。



IMG_3364 エンジン右側です。こちらはかなりノーマル然としています。







IMG_3369 エンジン左側です。こちらはノーマルとはかなり眺めが異なります。Motecによってエンジンの制御を行いますからエンジンの回転信号とカムタイミングを別々のピックアップで拾うためにピックアップが2個必要で、その結果このようになります。



IMG_3371 ヘッドの作業に取り掛かります。まずはバルブガイドをTFDオリジナルのベリ銅製に交換し、その後バルブシートをリフェースしています。手前のシートは加工前でオリジナル状態、右奥がリフェース中、左奥がリフェース終了した状態です。TFDの場合当たり幅はオリジナルより狭くしています。



IMG_3372 ヘッドが完成し、組み立て前の状態です。ヘッドは1098Rの部品なので組み込むバルブは6mmステムのチタンバルブです。通常チタンバルブの場合はバルブフェースのリフェースはおろか、バルブシートとのすり合わせも厳禁とされています。その理由はそうした行為を行うとチタンバルに施されている硬質の酸化皮膜が削れて無くなってしまうからです。
 しかし私の場合はレース仕様の場合に限り、バルブの状態に少しでも疑問があれば躊躇なくリフェースを施してしまいます。その場合バルブの酸化皮膜は当然ながら削り落とされてチタンの材質そのものが露出して直接バルブシートに当たるようになりますが、そんなことはお構いなしです。バルブとシートがちゃんと当たることこそが本来の目的です。 
 これをやってしまうとバルブスプリングを用いたエンジンではバルブフェースがバルブシートに激しく叩きつけられるようで硬質酸化被膜が無いバルブフェースは急速に摩耗が進むと聞きますが、私の経験上ドゥカティのデスモドロミックの場合はどうもそんなことは無いようで、オーバーホール時に確認しても大したダメージが見受けられないことが多いのです。例えば1999年以降ドゥカティの市販レーシングマシンにはチタンバルブが使用されていましたが、1999、2000、2001年型のチタンバルブには表面のコーティングがありませんでした。表面はチタンそのものです。それでも定期的なオーバーホールで状態を確認しながら継続使用していましたが特に問題が起こることは無く、チタンバルブといえども普通の感覚でハンドリング出来ていました。

IMG_3386 ちょっと飛びますが、既にエンジンは大体組み上がりバルブタイミングの調整も済んでいます。カムはレースキット用のカムなので基本的にノーマルの1098R用とプロフィールは同一のはずですがノーマルとは指定されているバルブタイミングが若干異なります。簡単に言えばオーバーラップを大きくとるようなタイミングです。このエンジンはストロークも本来と異なるのでバルブリセスとバルブのクリアランスを確認しました。バルブリセスに粘土を付けてエンジンを組み、クランクを回転させてみるという原始的な方法です。黄色い粘土にバルブの跡が付いていますが、さすがに問題はありませんね。
 1098Rのストロークダウン仕様なので当然ですが圧縮比も確認しています。燃焼室容量とピストン上面の容量を実測し、スキッシュの容量も含めて計算します。その結果圧縮比は13.5前後でした。予想よりもかなり高いです。通常単純にストロークダウンしただけだと圧縮比はかなり落ちますからね。ちなみにこのエンジンに1098Rのノーマルピストンを組んだと仮定して計算すると圧縮比は12.8となりました。また今回使用したピスタルのピストンをノーマル状態の1098R(1198cc)に組んだらどうなるかと計算してみたところ、その場合はなんと圧縮比は14.2です。
 ただし実のところベースとして今回使用した中古の1098Rエンジンですが、既にヘッドの面研が施されていたであろうと私は認識しています。それは目視でのヘッド面の風合いと上記の圧縮比の件からそう思っています。

IMG_3391 さて、エンジンが完成し、車体にも載った状態になったのでシャシダイを使用してマッピングに取り掛かります。ニューエンジンのマッピングをイチから始める場合、通常はまずエンジンが始動するまでに高いハードルがあります。初爆を得るまでが大変で、一旦エンジンがかかるようになってしまえば一安心なのです。特にドゥカティの場合はエンジンがかかりにくい状態でいろいろトライしているとスターターのワンウェイクラッチがすぐに壊れてしまいます。この件を当初からかなり不安に思っていたので、エンジンのかかりが良さそうなマップを製作したりして用意周到な状態でエンジンの始動にチャレンジしました。とりあえずは今迄使用していたマップを基に作業開始しましたが、幸運なことにあっけなくエンジンの始動に成功し、マッピングを順調にこなすことが出来ました。

Before シャシダイセッティングのグラフですが、3段あるうちの上段が馬力、中段が1番シリンダの空燃比、下段が2番シリンダの空燃比です。このグラフはこんなもんだろうという最初に作成したフューエルマップでの結果です。%の表示はスロットル開度です。もっとひどい結果になると予想していましたが意外とちゃんとしています。このままでも走れそうです。スロットル開度によっては馬力のグラフの線が鋸歯のようにギザギザしていますが、これはシャシダイが自動で負荷をかけたり抜いたりして回転上昇をコントロールしているためにこういった表示になります。当然ですが馬力を正しく表示していません。

After 何度かマップに修正を施した後に計測したグラフです。空燃比はかなり揃ってきています。





1098&1148 比較 最後にスロットル全開のグラフです。去年まで使用していたエンジンと今回のエンジンの比較です。青線が去年まで使っていたエンジン、赤線が今回製作したエンジンです。表示されている馬力の数字が本当に正確かどうかはさておき、単純に言えることは去年のエンジンよりも最高出力が15馬力増えた、ということです。この後はとりあえず実走して詰めていくことになります。
 ここで新たな不安が頭をもたげてきました。最新バイクと違ってトラクションコントロールややウイリーコントロールなんかは存在しない野獣のようなバイクです。果たして俺にちゃんと扱えるのだろうか?


  
Posted by cpiblog00738 at 16:23レース

2018年02月15日

超久しぶりの更新です

 久しぶりの更新ですが、内容は「バイク関係」ではなく「釣り」です。ここのところ仕事が忙しく、仕事に加えてまた仕事に関する記事の更新をするのが億劫になっていました。で、気晴らしと言っては何ですが久しぶりに釣りに出かけてきました。今回は日帰りの強行軍でしたが、一緒に付き合ってくれた釣り友達(元TFDのライダー)のおかげで快適な釣行でした。

IMG_0082 今回快適だったとご機嫌な理由はこいつです。人生4本目のロクマルです。重量は4,280グラム。使用したルアーはワームではなくてハードルアーというのも満足度が高い理由です。自分はルアーフィッシングに関しては考え方が古い人間なので、ワームで釣った魚の価値はハードルアーで釣った魚と比較して明らかに劣るのです。


IMG_0081 体長、重量ともに自己記録のセカンドベストでした。冬の釣りは寒いのはもちろんバイトも1日に何回もないので辛いと言えば辛いのですが、その代わり釣れればデカいので冬の釣りは大好きです。  
Posted by cpiblog00738 at 11:15釣り

2017年12月13日

Ducati Corse slipper clutch kit

IMG_2709 以前も紹介したことがあるドゥカティパフォーマンスの Ducati Corse slipper clutch kit 、純正品番968590AAAです。今や完全に廃番になってしまいました。新品を入手しようとすると流通在庫を探すしかないというのが実情です。
 そんな状況の中、TFDでは新品を少数ですが確保することに成功しました。この部品の特徴は以前紹介した通りで、価格は¥170,080-(税別)。世の中に出回っているスリッパークラッチのキットとしては平均以下の価格設定だと思います。ただこれを装着する人が増えると、自分が1コーナーへ進入する順位が下がりそうな気がするのがイヤなんですが・・・・。(笑)
  
Posted by cpiblog00738 at 14:19商品情報

2017年11月20日

シャーシダイナモが稼動しました

IMG_3106 シャシダイ本体の設置はずいぶん前に終わっていたのですが、付帯設備を整えるのに予想以上の時間とお金がかかってしまいました。今日やっとのことでめでたくシェイクダウンの運びとなりました。
 まだ少ししか触っていないのですが、今時のシャシダイは優秀ですね。その性能にびっくりしました。基本的な造りは昔から変わっていないと思いますが、負荷装置が装着されたことと、当時と比較してPCソフトが驚異的な進化を遂げたことによって今まで使用していたエンジンダイナモを上回るパフォーマンスを持っていると感じました。

IMG_3107 そしてこれがTFDのシャシダイの売り(だと私は思っています)である、冷却システムです。エンジンの冷却に車載のラジエーターを使用しません。エンジンダイナモで使用していた既存の冷却システムを利用してエンジンを直接冷却します。この冷却システムは屋外に設置してある巨大な水タンクからポンプによって水が循環するようになっており、サーモスタットも装備しているので水温が非常に安定します。バイクのメーターであるAIMのディスプレイ上の表示で水温68度でサーモスタットが作動しますが、暖機してこの温度に到達した後は何をやってもほぼ70度で水温が安定します。
 今日はいろいろなテストを連続して行いましたが、水温は68度から72度の間しか変動しませんでした。もちろん真夏のような季節になればもう少し水温は上がると思いますが、エンジンダイナモを使用していた時の経験に照らし合わせると真夏でも80度は超えないと思います。この冷却システムがあってこそ、このシャシダイの性能を発揮させることが出来ると考えます。 
 ただエンジンダイナモの時は人間は部屋の外にいますが、シャシダイの場合は人間もダイナモ室の中ですから、換気を始めると今の季節はとても寒いし、エキパイのそばの足は火傷しそうに暑いし、音は大きくてうるさいし、体力的な負担はありますね。それと凄い勢いでリアホイールが回っているのも結構怖いです。実際にバイクに乗っているときは気にならないのにちょっと不思議です。(笑)
 ちなみにダイナモ室の換気システムもかなり完璧ですから、ダイナモ室の中でテストを連続して行っていても、ガス臭いとか息苦しいとか目がチカチカするとか、そういった状況とは全く無縁です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:35エンジン/メンテナンス

2017年11月19日

これも売ります

IMG_3100 エンジンダイナモで使用していた純正レース用のワイヤーハーネスです。916レーシングの1995年型及び1996年型の純正部品で、品番は51010901Aです。当時新品で購入し、エンジンダイナモ専用に短期間使用したのみで実際に車両に装着したことはありません。当然ながら程度は非常に良いです。
 価格は¥60,000-(税別)です。
 ご興味のある方、ご連絡をお待ちしています。  
Posted by cpiblog00738 at 17:37商品情報

2017年10月24日

売ります

IMG_3048 シャーシダイナモ導入費用を補填したいのでお宝を放出します。(笑)オーリンズGPフォーク、マグステム、ハンドル、アクスルシャフト、ホイール取り付けカラー等のセットです。
 価格は¥800,000-(税別)です。



IMG_3047 基本的に916/998系にボルトオンの状態です。ノーマルホイール、またはそれに準じた社外ホイール用に製作してあります。アクスルシャフトはRSのワイドスパン用のホンモノをノーマルスパン用に短く加工したものです。ただしこのままではスピードメーターギアは取り付け不可で、それをするにはそれなりの加工が必要です。


IMG_3054 フォークはFG8760というタイプで、916レーシング(コルサ)の1998、1999年型の純正です。ちなみにコルサのGPフォークはドゥカティ専用の設計となっており、オーリンズ汎用GPフォークの流用ではありません。入手するにはドゥカティからコルサの補修部品として購入するしか方法がありませんでした。


IMG_3052 このフォークは当時私が新品を購入し、街乗りのお客様が暫く使用した後、私がレース専用車両に取り付けて数回走行したというものです。TFD放出品としては珍しいことに無転倒なので、ボトムケースにもコケ傷がありません。




IMG_3053 反対側も綺麗です。φ320mmとφ290mmのブレーキディスクに対応するようにキャリパー取り付け穴は4箇所です。使用するフェンダーに合わせて取り付けブラケットは加工が必要になると思います。




IMG_3055 これはオプションというか別料金になりますが、2ピースビッグブレンボもあります。
 フォークはお渡しする前にオイルとオイルシールの交換を行います。それなりに古いものではあるのでそれなりの瑕疵はありますが、かなりの美品であると言えます。詳しい内容はお問い合わせください。可能であれば実物をご覧になっていただけると良いと思います。

追記:Sold Out  
Posted by cpiblog00738 at 12:05商品情報

2017年10月19日

ダイナモ入れ替え

 この度TFDの工場内にシャーシダイナモを導入する運びとなりました。今迄はエンジンダイナモが活躍していたのですが、最近稼働する機会がめっきり減り、あまりにも効率が悪くなってきたのでこの際思い切っての入れ替えです。エンジンダイナモだとエンジンを単体にして機械にセットする必要がありましたが、シャーシダイナモならバイクをそのまま載せるだけですから稼働率は段違いになると思います。

IMG_3038 本体の設置作業はほぼ終了したのですが、実際に稼働させるにはまだいろいろと作業が必要です。来月の初めくらいにはシェイクダウンしたいですね。  
Posted by cpiblog00738 at 20:27エンジン/メンテナンス

2017年09月11日

筑波TT

DSC_0755 先週末、筑波TTに参戦しました。予選は目標の59秒台まで0.05秒足りなくて1分00秒04。このタイムが出た次の周、もうちょっとと頑張ってみたのですが、結局ダメでした。それでもグリッドは3番手でフロントロウのイン側でしたから、ここまでは全く問題ありませんでした。
 で、肝心のレースですが、なんとスタートでエンスト!!!後ろの方々に追突されてもおかしくないような状況だったのですが、皆さんうまいこと避けていってくださって大感謝です。心からお礼を申し上げます。次からはこのようなことが無いようにしますのでご勘弁を!
 レースは結果的に総合で5位だったのですが、当然ながらトップは遥か彼方です。トップグループの人たちと一緒に走りたかった・・・・。  
Posted by cpiblog00738 at 19:41レース

2017年08月06日

暖機中にギアが入って・・・。

 エンジンを暖機するために空ぶかしをしていたら突然ギアが入って後輪が空転し、タイヤウォーマーがちぎれ飛ぶ、という光景をサーキットでたまに目にすることがあります。状況によってはチェーンが部分的に伸びてしまったり、酷い時にはスプロケットシャフトまでもが曲がってしまうことさえあります。何故そんなことが起きるのでしょうか?
 勿論暖機中にシフトレバーを何かのはずみで押したりしてしまったとすればそれは論外ですが、そうでない場合の原因はギアが本来のニュートラルではなく、俗に言うハーフニュートラル、というような状態にあるからです。

IMG_2823 ギアシフトはシフトドラムという部品が回転することによってシフトフォークが動作して行われます。例えばこの状態は2速に入った状態です。ドラムの端は画像のような形状になっていて、ローラーがアームによって窪み部分に押し付けられる構造になっており、ドラムがむやみに回転しないようになっています。ドラムが回転して次の窪みがローラーのところにやって来れば、次のギアにシフトされたということになります。窪みと窪みの中間の山の部分にはそれぞれギアがかみ合っていないニュートラルになるところがあります。

IMG_2822 この状態が1速と2速の間にある「ホンモノ」のニュートラルです。ドラムの山はここだけ平らになってローラーが落ち着きやすいようになっています。





IMG_2825 「ホンモノ」のニュートラルの時は、それに加えてドラムの反対側ではこのようにドラムの窪みにスチールのボールがスプリングの力で押し付けられる構造になっています。要するにドラムのニュートラルの位置はしっかり固定されてドラムがむやみに回ったりしないようになっているということです。



IMG_2824 それで例えばこの状態ですが、これは2速と3速の中間のニュートラルになっている状態です。俗にハーフニュートラルとかと呼ばれたりします。確かにこの状態ではギアは全くかみ合っていませんからニュートラルと言えばニュートラルですが、押し付けられているローラーの位置はドラムの山の頂点ですから何かの拍子にドラムがちょっと回ってローラーが窪みの部分に移動しやすいことは理解しやすいと思います。そしてローラーが窪みの部分に来るということはギアが入った状態になるということです。
 つまりこのようなハーフニュートラルと呼ばれる状態で暖機運転をしていると、エンジンの振動等の要因でドラムがちょっと回転してギアが入ってしまうということが非常に起こりやすいと言えます。
 という訳で、暖機する前にギアが「ホンモノ」のニュートラルの位置になっているかどうかを必ず確認することで、この事故は防止することが出来ます。


  
Posted by cpiblog00738 at 01:14エンジン/メンテナンス