2021年11月24日

オーバーホール中のエンジン

 オーバーホールのご依頼をいただき、エンジン単体で持ち込まれたテスタストレッタエンジンです。かなり調子が悪かったと思われる個体です。

IMG_4531 取り外したバルブです。取り外したままの状態ですが、カーボンの付き方から一見すると左がエキゾーストバルブに見えます。しかし大きさを見れば判る通り左がインテーク、右がエキゾーストです。エキゾーストバルブにはカーボンが全く付いていません。
 たまにこういったエンジンに出会いますが、こうなる原因は主にバルブタイミングの大幅な狂いです。この手のエンジンはタイミングプーリーが組み立て式になっていてある程度のタイミングの調整しろがあり、適当なところでボルトを締めて固定するような構造になっています。何かの原因で正しくない位置に固定してしまったのでしょうね。バルブとピストンが当たらなかっただけでもラッキーと言えるかもしれません。

IMG_4534 エキゾーストポートもこんな状態です。分解しただけで何も手を付けていませんが、カーボン付着が皆無です。エキゾーストバルブにカーボンが全く付着していないくらいですから、ポートも同様ですね。完璧すぎるクリーン燃焼と言えるかもしれません。エンジンの調子は良くないに決まっていますが、こんなものだと思って乗っていたんでしょうね。


IMG_4530こちらはシリンダヘッドのサイドカバーです。シリコンガスケットのてんこ盛りでした。オイル漏れが止まらないのでこうした処置を施したものと思われます。最近の作業者は何かあるとすぐにシリコンガスケットを塗りたくる傾向が有りますね。私のような古いメカからすると、こうした仕事は自分のスキルの無さを世間に公開しているとしか思えません。自分の組んだエンジンをどこかで誰かが開けたときに、良い仕事をしていると思ってもらえるような仕事をするように毎日精進するべきだと思います。最近の作業環境がとにかく仕事をこなすことに重点を置く場合が多いのかもしれませんが、それでこんなおざなりの仕事が横行するようであればいろいろな意味で悪循環に陥っていると言えるでしょう。

IMG_4535 オイル漏れには必ず原因が有ります。この場合はオーリング溝に存在するバリです。画像のドライバーの先端の部分はバリに引っかかっていて、手で支えていないのにドライバーは固定されて落ちないような状態です。このバリはヘッドのこの面を機械加工した時に刃物の動きの下流側に発生するもので、よく観察するとかなり大きなものです。このバリの存在が原因でオーリングが正しく溝の中に納まらず、それでオイル漏れが発生するというのが事の顛末です。ということでこのバリをリューター等で削って除去すればオイル漏れの症状は改善されます。

IMG_4544 これはカムシャフトのジャーナルですが、中央にある傷というか溝はもちろんですが本来は無いもので、エンジン始動後に発生したものです。原因は異物がこの部分を通り過ぎたということですが、その異物が何処から来たかというとこの場合はおそらくカムシャフトの中です。カムシャフトは中空構造となっていてプラグで蓋をしてあり、内部はオイルラインになっています。つまりオイルラインの中に製造時に異物が入ってしまっていたということでしょう。と言う事なのでこればっかりはいくら気を付けても防ぎようがありません。こういったエンジンに当たってしまった場合は運が悪かったと諦めるしかないのですが、多くの場合これが原因でエンジンが不調になることは無いので目をつぶって良いと思います。







  

Posted by cpiblog00738 at 08:45エンジン/メンテナンス

2021年11月23日

チェーン切れ

 レーストラックではたまにチェーン切れたという話を聞くことがあります。私個人としては体験したことは無いのですが、それなりの頻度で発生しているような印象です。しかし切れたチェーンはたいていの場合手元に残らないので、どのような状態で切れたのか目にすることは少ないです。

IMG_4529 先日チェーンが切れたバイクが入庫しましたが、チェックするとたまたま切れたチェーンのリンクがベリーパンの中に残っていました。これを観察すると、チェーン切れのきっかけとして最初に起こる事象はピンの破断なのでしょうか?次にリンクプレートが破断し、もう一方のピンがプレートから引き抜かれる、というような順番のように見えます。それともリンクプレートの破断が先なのか?とにかくチェーン切れが発生するとタダでは済まない場合が殆どなので、日ごろのメンテナンスとそれなりの頻度での交換は重要ですね。520サイズのチェーンとスプロケットに150馬力以上のパワーはかなり荷が重いような気がします。
  
Posted by cpiblog00738 at 17:23エンジン/メンテナンス

2021年11月16日

851系のレストア作業

 最近はこの作業に付きっきりでなかなか他の作業が出来ない状況となってしまい、皆様にご迷惑をおかけしてしまって申し訳ありませんでした。やっとひと段落したところでオーナー様の許可をいただき、作業の内容をかいつまんでご紹介します。
 このバイクはTFDとは全く関わり合いが無かったバイクで、ずいぶん昔に某ショップが製作したものです。オマケに乗らなくなってから15年ほど経過しています。果たしてどんなサプライズが出現するのか、どんな罠が待ち構えているのか、ちょっと緊張しながらの作業スタートとなりました。

IMG_4187 851SP系のフレームは年月を重ねるとペイントが例外なくこのような状態になってしまいます。これは保管状態云々の問題では無いと思います。ということでフレームは塗り直すということで決定です。




IMG_4190 ペイントでフレーム単体にする前にステッププレートの曲がりを点検中です。このバイクはレースでも使用されていたので転倒歴があり、ステップの取り付けプレートを修正する必要がありました。
 エンジンの外観に目を向けると、こちらもペイントかなり痛んでいます。ということでエンジンの方も塗り直しということになりました。


IMG_4194 15年の時を経たガソリンタンク内部の状況は手を付ける前から一番の懸念材料でした。タンクキャップを開けた瞬間に強烈なガソリンの腐敗臭が.....。内部部品はこんなになっていました。不用意に手を触れるとホース表面は融けたチョコレート状になっていてグチャグチャです。手がとんでもないことになりました。物凄い悪臭を放つのでこれらはビニール袋に包んで速攻で廃棄です。


IMG_4206 この年式迄のウォーターポンプシールはメカニカルシールではなく一般的なオイルシールを使用しています。水漏れ発生の頻度が高く、弱点となっています。オイルシールのサイズが特殊で、今となっては基本的に入手困難な部品となってしまっています。特殊サイズのオイルシールを何とかして入手して、という手もありますが、今回はカバーごとメカニカルシールを使用している後年式の部品に交換することにしました。

IMG_4339 こちらは塗り直したエンジン部品です。全部で37点。かなりの数で、ペイント屋さんにはご苦労をおかけしました。クラッチカバーはマグネシウム製の部品を使用するので塗っていませんが、それを塗ったとすると38点になり、これだけの点数になるとそれなりの費用が発生するのは想像に難くないと思います。
 エンジンのペイントで大変なのは通常のオーバーホールでは取り外さない部品まですべての部品を取り外す必要があるということです。それらの部品の脱着の手間や労力を考えるとかなりの大仕事です。また常識的に考えて取り外したベアリングその他の部品の再使用は憚られますからそれらは新品に交換となります。従って部品代も嵩むこととなります。

IMG_4217 エンジン内部ですが、これが使用していたピストンです。社外のピストンでボア径はφ96mm。ということで実はこのエンジン、排気量は926ccとなっていました。ところが一つ大きな問題がありまして、このピストンはストロークが66mmのクランクシャフト用の955cc用ピストンなんですね。このエンジンのクランクは851系の64mmストロークですから、単純に考えてピストンのピン上高さがストロークの差の半分の1mm足りません。要するにピストンとシリンダヘッドとのクリアランス、つまりスキッシュの隙間が通常よりも1mm広いということになります。低圧縮仕様のエンジンですね。随分中途半端な作業をされています。そしてスロットルボディーは916/996純正の部品が取り付けられ、ECUはオリジナルのP7からP8へと換装されています。使用しているEPRomは996SPS用の#073でした。この仕様のままではどう考えてもマトモに走るとは思えませんが、お情けで、何処かのサブコンみたいなもの、が付いていました。

IMG_4367 勿論今回の作業ではちゃんと走るようにするのが前提なので、クランクは916系の66mmストロークの部品を使用して本物の955cc仕様にします。コンロッドはオリジナルのままですが、この時代からノーマルでもH断面のビレットです。材質はこの時代ですからチタンではなくスチールです。でもこの時代にH断面の削りのコンロッドは国産車では考えもつかない有り得ない仕様だったと思います。もちろんクランクのバランス取りも施しました。

 IMG_4399それでエンジンがいったん組み上がり、バルブタイミングの計測調整を行い、各部のチェックを行いましたがまた問題が発生しました。実際にエンジンをクランキングさせると、インテークバルブとピストンのクリアランスが足りません。このエンジンのインテークカムはGカムが使われていますが、ピストンの方はノーマルカム対応となっているようです。


IMG_4388 仕方がないのでピストンのバルブリセスを加工して対処することにしました。組んでチェックしてバラして対策して組んでチェックして、と大変な手間がかかりますが、後戻りは出来ませんしね。




IMG_20211116_0001 そんなこんなでエンジンは完成し、途中は省略しますがバイクは形が出来上がり、次の難関は燃調のセッティングです。
 セッティングはシャシダイ上でバイクを走らせてモニターした空燃比データに基づいてファイルを書き換えていきます。スロットル開度は全閉のアイドリング状態から全開までを13段階に分け、それぞれのスロットル開度における各エンジン回転数の空燃比を合わせていきます。かなり面倒で時間がかかる作業です。特にこのP8ECUの場合はRom式なのでエンジンを走らせながらのファイルデータ変更が出来ません。作ったファイルで走らせてデータを取り、書き直したファイルで走らせてデータを取る、の繰り返しになります。
 画像はスロットル開度が25度の時のグラフで、赤線が最初の状態、青線が6回書き換えた後の状態です。グラフ中段が1番シリンダ(前側)、下段が2番シリンダ(後ろ側)の空燃比です。セッティングというのは誤解を恐れずに簡単に言えば空燃比を13前後に合わせる作業なので、セッティング前後の差が良く判ると思います。特に街乗りバイクの場合、常用するのは全開域ではなくパーシャル域なので、気持ち良く走るエンジンにするためにはこういったスロットル中開度のセッティングが重要です。

IMG_20211116_0002 こちらはスロットル全開のパワーチェックです。120馬力を超えたので良い数字だと思います。数字はあくまでTFDのシャシダイで計測されたもので、他の計測機で計測したら数値は別のものになるとは思います。何かしらの比較が目的であれば同じ計測器で計測して比較しないと正確なところは判りません。TFDで計測した履歴があるバイクのデータと比較すると完調な996モノポストと同じくらいですね。996SPSが126馬力前後なのでなかなか良い数字だと思います。




  
Posted by cpiblog00738 at 11:55エンジン/メンテナンス

2021年10月30日

バルブ

IMG_4497 特殊工具として製作した大径バルブです。バルブとシートのすり合わせ用です。例えば1098Rエンジンの場合、インテークバルブの材質はチタン、径はφ44.3mm、ステム径はφ6mmです。新品バルブを組み込む場合でも、バルブシートとの当たりを取るためにはすり合わせが必須だと考えています。しかし材質がチタンの場合は表面の硬質酸化被膜にダメージを与えてしまうので基本的にすり合わせはご法度。ということはすり合わせ専用のバルブを用意する必要が有ります。もちろんそれまで使用していたバルブをリフェースしてすり合わせに使っても良いのですが、すり合わせ専用のスチール製バルブが有ると便利です。画像のものはφ6mmステムの小径バルブに鉄板を溶接して大径化し、バルブリフェーサーで仕上げて製作しました。すり合わせすると当然バルブフェースも減りますからそうなってきたらリフェースを繰り返して使用します。 
 しかし困ったことに稀に新品バルでも芯が出ていなくて振れが有るものが出現することが有るんですよね。そうした場合はリフェースして使用することになります。スチール製の場合はそれで全く問題無いのですが、チタンバルブの場合は困ってしまいます。予算に余裕が有れば新たに新品を取り寄せれば済むことですが、チタンバルブは高額です。時と場合によってはチタンバルブでもリフェースして使用せざるを得ない場合もあるということになります。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:57エンジン/メンテナンス

2021年10月09日

59秒台

!cid_49F3E9CA-BE5E-4D08-A094-2A3CFFFC0F8C-L0-001 最近面白いネタが無いので更新が滞っていましたが、久しぶりに嬉しいことがありました。今日は筑波選手権のTC-Formuraクラスに参戦していましたが、決勝走行中に59秒台が出ました。前回59秒台を出したのは5年前で、その時は「やったぜ59歳59秒!エイジシュート達成だぜ!」と喜んでいたのですが、今となってみればまだまだ青かったですね。(笑)
 今日のレースではこの後マシントラブルが発生したために18周のレースの12周目でリタイヤとなってしまいましたが、またこのタイムに返り咲いたということでモチベーションアップしました。私の今年のレースはこれで終了ですが、来年のレースが待ち遠しいです。やるべきことは山積みですが、仕事の合間にいかにしてそれを消化するかが一番の課題でしょうか?まだまだ頑張りますよ!
  
Posted by cpiblog00738 at 19:58レース

2021年07月05日

トラブル発覚の続き

IMG_4079 エンジンを分解したところ、やはり予想通りでした。クランクシャフトの左右をボールベアリングが支持していますが、フライホイール側ベアリングの球が1個壊れています。





IMG_4081 取り外したベアリングです。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、このボールベアリングはパンタエンジンが登場した時からこの部分に使用されているものです。反対側のちょっと大きい方のボールベアリングはもっと昔、ベベルの時代から使われています。その頃のエンジン出力はせいぜい50馬力程度。それがこのベアリングを使用したエンジンの最終型である1098Rになると180馬力。ベアリングってある意味凄いです。

IMG_4083 ベアリング球を取り出してみました。普段あまり気にしていませんが、ベアリングの球ってどうやって造るんだろう?って思いませんか?以前その製造工程が何かで紹介されていましたが、非常に興味深かったですね。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:59エンジン/メンテナンス

2021年07月04日

トラブル発覚

 多忙ゆえ自分の競技車両の整備は恒常的におざなりになりがちなのですが、ふと思いついてオイル交換をしました。ドレンボルトの磁石に付く異物の量はいつも通りで少量だったのですが、よく見るとそこに通常とは異なる見慣れないものを発見していしまいました。

IMG_4077 これです。ボールベアリングの球の破片に見えます。ということで急遽エンジンを降ろして腰下を分解する羽目になりました。経験上ボールベアリングの球が割れるのはクランクシャフト支持ベアリングのフライホイール側、ということになるのですが、果たしてどうなんでしょう?
  
Posted by cpiblog00738 at 12:08エンジン/メンテナンス

2021年06月02日

ミッションが....。

 競技専用車両のお話ですが、特に乱暴な運転をするわけでもないのですが何故かエンジンが壊れてしまう、そんなパターンが続くことがあります。

IMG_4021 今回はミッションです。外見では判別できない問題を抱えた部品がその人のところに集まって来るのか、一見普通に見える乗り方の奥に実は何か問題が隠れているのか、真相は分かりませんがそんな方は一般的にクラッシャーとか壊し屋さんとか呼ばれたりしますね。



IMG_4024 それにしても見事にギアの歯が無くなっています。乱暴なギアシフトでギアの位置を保持するサークリップが飛んでギアが二重に噛み合ったために起こるミッション粉砕の場合ではなく、単純にギアの歯が折損するトラブルはこの手のエンジンの場合メインシャフト(クラッチが付く方のシャフト)の3速に発生することが多い印象があります。


IMG_4025 また、このギアのドッグは6速を駆動するものですがこのドッグの折損を目にしたこともあります。そう考えると構造的にこのギアの3速側にウイークポイントがあるのでしょうか?すべてのギアのうちこのギアだけが2つのギア(3速と4速)が一体になった構造です。材質的なばらつきは考えにくいので他のギアより複雑な形状のために熱処理が難しいとか、何らかの理由が有るのかもしれません。

  
Posted by cpiblog00738 at 09:20エンジン/メンテナンス

2021年05月12日

カムシャフトのバリ取り

IMG_3961 デスモクアトロ系のカムシャフトです。ドリルを差し込んでいるのはオイル供給路で、この穴からカムの内部にオイルが入り、カムローブの穴から出てカムとロッカーアームの摺動面を潤滑します。
 ドリルを差し込んでいる目的は穴径を広げるという訳ではなく、穴の内部のバリ取りです。







IMG_3962 カムの山にはオイル吐出穴が開いていますが、この穴は当然ながら外側からドリルで貫通させて開けます。そうすると貫通した穴の内側にバリが残るのですね。小さなベーゴマのような形状のバリが結構取れます。
 ずいぶん昔のことですが何かの拍子にバリの存在を確認し、それからは作業中にカムが単体になる機会があると必ずドリルを通してバリを除去するのが習慣になっています。
  
Posted by cpiblog00738 at 20:33エンジン/メンテナンス

2021年05月10日

748RS2002

 748RSがTFDに帰ってきました。748RSというのは当時ドゥカティ社が販売していたSS600カテゴリー用の市販レーサーです。2000年型、2001年型、2002年型が存在し、TFDではそれぞれ1台を新車で購入しましたが、今回の個体は2002年型です。

IMG_3955 この個体はここ10年ほど全く動かすこともなく車庫に保管されていたもので、このまま放置しておくと朽ち果ててしまうのは明らかだと考えて引き取ってきました。




IMG_3956 SS600のレースレギュレーションに則って製作されていますから改造範囲は狭いですが、レギュレーションで許される範囲で最大限のモディファイが施されています。専用のエアファンネルは非常に格好良いです。




IMG_3957 メーターはマレリ製です。ヴィンテージですね。







IMG_3958 フロントフレームは996/998RSと共通のカーボン製です。
 748RSはライディングのスキルを磨くには最適のバイクです。乗っていて面白いし、プッシュすればしただけそれがタイムに反映される、私にとってはそういったイメージのバイクです。近いうちにメンテナンスを施してサーキットへ持ち込もうと考えています。
  
Posted by cpiblog00738 at 12:05748RS2002

2021年05月06日

開けられた履歴があるエンジン・その2

 先日のものとはまた違うエンジンです。中古で入手したエンジンは履歴が判らないので分解するまではアタリなのかハズレなのか、結構ドキドキなのですが......。

IMG_3936 今回はこんなの出ました!純正PANKL製チタンコンロッドなのですが、コンロッドボルトの頭をナメちゃってます。左回転の緩める方向にナメちゃっているので、緩めようとしてこうなってその結果緩めるのを諦めた、という顛末でしょうか?こんな状態では工具が正しくかからないので果たしてボルトの取り外しが可能なのか?工具が機能しない場合はフライス盤でボルトの頭を削り落とすことになるのでしょうか?まったくもう。

IMG_3937 ちょっと頑張ってみた結果、無事にボルトを取り外すことに成功しました。面倒なことにならずに、ああ良かった、という感じです。しかし思うのですが、なんでこれをこのまま放置しておくのか、理解に苦しみます。オーナーさん個人がやったとは思えませんから、やはり請け負ったのは業者さんでしょう。コンロッドまで外そうとしたのですからオーバーホール作業をしていたのだと思いますが、最終的にどんな顛末だったのでしょうか???


  
Posted by cpiblog00738 at 08:56エンジン/メンテナンス

2021年04月12日

開けられた履歴があるエンジン

 2018年の12月に「開けられたことのないエンジン」という記事をアップしましたが、今回は「開けられたことがあるエンジン」です。開けられた履歴が有って何かをやらかしちゃってるエンジンは雰囲気が怪しいので何となくわかります。そうしたエンジンの場合はそこかしこに罠が仕掛けてあるので、作業の際には特に注意が必要です。
 以前に某ショップで腰上オーバーホールの履歴があるという情報はオーナーの方から聞いていましたが、オーバーホール直後にエンジンから異音が発生したりといろいろあったらしく、それを聞いて作業開始するにあたっては特に慎重を期する必要があると判断しました。
 で、エンジンの分解を開始しましたが、腰上はシリコンガスケットがてんこ盛りです。ここまで塗りたくるんだったらオーリングは無しでも大丈夫ですね、(笑)という感じです。それはさておき、まず最初の問題はカムからタイミングベルトプーリーが外れない、抜けない、という問題です。固定ナットのみでなく、カムシャフトとプーリーの間もロックタイトで固められている模様です。それも4本ともでロックタイト648とかの超強力な永久固定用が使われています。

IMG_3875 手の力ではどうしようもないので、結局温めた上でプレスを使って抜きました。そうしたらその部分はこんなになっていました。ロックタイト漬けになっていてキーがプーリー側に固定されてしまい、抜いた時にキーがネジ山を乗り越えてしまいました。痛んだネジ部はダイスで修正することになります。



IMG_3879 ロックタイトのカスを取り除くとこんな感じです。キー溝が広がってしまっていますね。プーリー固定ナットを締めないでしばらく走行していたのでこんなことになってしまったのでしょう。事の経緯は今となっては不明ですが、だからと言って何もロックタイトでこんなに固めなくても.......。



IMG_3877 それとカムシャフトのうちの1本ですが、山の頂上が平らになってしまっています。これはバルブとピストンが当たったためにこうなってしまったのですね。こんな状態のカムでも通常の走行では特に支障を感じることは無いと思われますが、やはり気持ちが悪いということでこのカムは交換します。



 幸いピストン、バルブ、ロッカーアーム等にダメージは見受けられないので、これらの部品は既に交換済みであると思われます。
 とりあえず今回はここまでですが、何とかベストな状態にエンジンが仕上がるように誠意努力中です。
  
Posted by cpiblog00738 at 10:14

2021年03月04日

フューエルコネクタのトラブル

IMG_3772 TFDでも販売している金属製のフューエルコネクタに発生するトラブルのお話です。純正のプラスチック製のコネクタは長年使用していると経年劣化でクラックが入ったり折れたりして燃料漏れのトラブルを起こします。そのため交換する場合は画像のような金属製のコネクタに交換する場合が多いと思います。
 ところがこの部品を購入したまま使用していると、燃料の流路が詰まって燃料が流れなくなりエンジンストップ、始動困難、といったトラブルに見舞われる場合があります。その原因についてお話しします。

IMG_3776 このコネクタを分解するとこうなります。矢印で示しているのが問題のオーリングです。この手のコネクタは相手側との結合を解くと自動的にバルブが閉じて流路をシャットアウトします。そのバルブの役目を担うオーリングです。




IMG_3777 バルブからオーリングを取り外したところです。このオーリングの材質が問題です。どうも一般に流通しているこの類のコネクタに装着されているオーリングはガソリンの使用を前提としていないものが多いようです。このコネクタのラインナップの中にはガソリン使用に対応するオーリングを使用しているタイプも存在するのだとは思いますが、通常入手できるものの多くはガソリン使用に対応していないものが殆どという印象です。

IMG_3779 そこでオーリングの耐ガソリン性について簡単にテストをして見ました。この3個のオーリングは上記のオーリングで、同じ規格の同じサイズです。つまり元々の大きさは全く同じものです。一番右のものはTFDが使用している材質がフッ素系のものの新品。中央はそれを一晩ガソリンに浸け置きしておいたもの。左は元々コネクタに装着されていたものを同じく一晩ガソリンに浸け置きしておいたもので、こちらの材質は不明です。一見して判りますが、左の最初からコネクタに装着されていたものは明らかに膨潤して一回り以上大きくなっています、それと比較してフッ素系材料のものはガソリンに浸け置きしても大きさの変化はありません。
 このようにオーリングがガソリンで膨潤して大きくなってしまうため、燃料ポンプが起動して燃圧がかかるとその拍子にオーリングが溝から外れて本来の位置から移動してしまい、そのために燃料の流路を塞いでしまう、というのが事の顛末です。
 この手のトラブルに悩んでいる人、心当たりのある人はとりあえずオーリングの交換を試してみてください。ちなみにオーリングを交換する場合、コネクタの分解の必要はありません。もちろんコネクタを単体にすることは必要ですが、相手側のコネクタを差し込んだ状態にしてコネクタの裏側(ネジがある側)から先を曲げた針のようなものでオーリングをひっかけて取り出せます。逆にオーリングを取り外さないとコネクタの分解は出来ません。


  
Posted by cpiblog00738 at 09:33エンジン/メンテナンス

2021年02月18日

コロナ禍なのに結構早い

IMG_3730 コロナ禍なのに荷物の到着は結構早いです。2/15にイタリアとイギリスから発送された荷物が今日揃って到着しました。発送時の案内だと双方とも到着は来週となっていたのですが、かなりの前倒しです。ありがたいですね。年末にイタリアから発送された荷物が1/4に到着しましたし、物流は順調に機能している印象です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:31エンジン/メンテナンス

2021年01月21日

1098系用スイングアーム 続き

IMG_3675 先日紹介した1098系用の改造スイングアーム、早速車両に取り付けてみました。今時の外径が大きなタイヤを履けるようにという改造ですが、実際のところどんな感じなんだろうと興味津々でした。画像は装着状態でのタイヤとスイングアームのクリアランスです。条件としては、ファイナルが15x38(ノーマル状態)、履いているタイヤはスーパーコルサの200/55-17です。クリアランスは実測で約14mmです。このサイズのタイヤなら余裕です。
 では200/60タイヤを履くとどうなるのか?そのサイズのタイヤがここには無いので実際にはまだ試していませんが、ピレリのテクニカルデータによると200/55と200/60のタイヤ外径は半径で10mm異なります。要するに画像の状態からタイヤを200/60に変更するとタイヤとスイングアームのクリアランスが10mm少なくなると予想できます。現状で14mmですからそれが4mmになるという事です。ギリギリOKだと思いますが、走行にはおそらく問題無いと思われるもののタイヤウォーマーが入るのか?かなりビミョーです。サーキット走行では問題にならないと思いますが、公道走行では路面から跳ね上げた小石等が挟まりそうです。まあそもそも1098系に200/60タイヤを履くとおそらくバランス的におかしなことになって、メリットがあるのはごく限られた走行条件下で一瞬だけ、という事になりそうと予測しますから、やはりタイヤ的には200/55が賢明な選択であると思います。
 コストについて言及すると、スイングアームの改造費が¥140,544-。イタリアまでの往復の送料が原価で約2万円でした。トータルで約16万円です。ただしこのコストにはスイングアーム入手の原価、及び新品のベアリングとオイルシール類の部品代、交換工賃は含まれていません。
 今回入荷したもう一つの方のスイングアームはベアリング、オイルシール類は新品(ただしベアリングは国産品)を組み込み済みの状態で、¥180,000-(税別)で販売します。ただしノーマル部品下取りの条件付きです。(曲がりや傷の無いものに限ります)ご興味のある方はお問い合わせください。
  
Posted by cpiblog00738 at 17:08エンジン/メンテナンス

2021年01月04日

1098系用スイングアーム

IMG_3667 848/1098/1198用のスイングアームですが、イタリアの某社に送って改造してもらったものがつい先程到着しました。12/29に発送したとの連絡が来たのですが、それがもう届くとは、イタリアの郵便システムは非常に優秀です。改造の内容は、今風の外径が大きなタイヤが履けるようにタイヤが干渉する部分の造り直しです。1本はお客様からオーダーをいただいていたものですが、せっかくイタリアまで送るなら1本だけでは効率が悪いのでもう1本一緒に送り、1本はTFD在庫にしました。

IMG_3668 改造部分はこんな感じです。最近出現してきた200/60タイヤにまで対応とのことですが、その通りであれば1098系でサーキット走行をする人にとっては朗報です。近々実車両に装着して確認してみます。
 ちなみに改造費は今のところ未定ですが、決まったらこの場でお知らせします。
 
  
Posted by cpiblog00738 at 15:37エンジン/メンテナンス

2020年12月27日

Supermono レース用カウル

IMG_3635 仕事が一段落したのでスーパーモノにレース用のカウルを取り付けました。元々純粋なレーサーにレース用カウルって、何?と思われる方もいらっしゃると思いますが、当時は現在と違ってオイル受けのアンダーカウル装着が義務付けられていませんでした。つまりオイル受けの無い当時のオリジナルのカウルを装着した状態では現在のレースレギュレーションに合致せず、レースに参加できません。そうかといってせっかくのオリジナルカウルを改造してしまうのはもったいなさすぎます。という事で、アメリカからレプリカのカウルを取り寄せ、それを基にしてオイル受け付きのカウルを製作したという訳です。

IMG_3636 オリジナルはアッパーと左右の3ピース構造でしたが、あまりに整備性が悪いので同じ3ピース構造ながら上下に分割できるように製作しました。
 バイクは既に9月にFISCOで初走行を済ませています。FISCOはオイル受けがどうのこうのとか、うるさいことを言いません。古き良き時代の要素を残した私が一番好きなサーキットです。来春からは筑波でも走行してみようと思っています。
  
Posted by cpiblog00738 at 00:56レース

2020年11月21日

新品スイングアーム

IMG_3516 10年以上工場の壁にぶら下げてあった998RS純正の新品スイングアームです。当時ドゥカティ本社に有った在庫の最後の1個だったもので、これを購入したところパーツリストのアイテムステイタスが供給不可という表示になりました。
 純正マグネシウムスイングアームには前期型と後期型があって、2001年の996RSまでが前期型、2002年の998RSからが後期型です。どこが違うかというと、当時の流れでタイヤの外径と幅が大きくなる傾向に対応してそうした大型化したタイヤに対応する形状に変わりました。今となってはそれでも大きさが全く足りないのですが。

IMG_3517 それで、そのスイングアームに付属品を取り付けている様子です。このスイングアームのために保管していた新品部品です。






IMG_3518 社外品ではない純正の各部品は立て付けが非常に良いです。カーボンカバーはスイングアームの出っ張りにぴったり嵌って、ボルトで固定しなくても動かないくらいです。




IMG_3520 このスイングアームをどうするのかというと、自分が乗っているバイクに装着しちゃいます。今迄使用していたスイングアームは前期型だったので、タイヤとのクリアランスの確保が目的です。




IMG_3522 スイングアーム交換の結果、タイヤとのクリアランスが今までと比較して5割程度増えました。心機一転頑張って走ります。
  
Posted by cpiblog00738 at 19:05レース

2020年10月15日

昔のカセットテープ

 仕事をしながらたまに昔のカセットテープを聞くことがありますが、今日そんな気分になってカセットデッキにテープを入れてPlayボタンを押したところ、何故か音楽が始まりません。確認してみると、テープの端がドラムから外れてしまってドラムが空回りしているようです。

IMG_3347 これがそのカセットで、私が学生だった70年代にLPレコードから録音したものです。録音されているのはフラワー・トラベリン・バンドの「Make Up」というアルバムです。知らないですよね。(笑)
 このカセットもこれでお終いか、と思ったのですが、よく見るとカセットの本体はネジで組み立てられているではないですか!


IMG_3348 おお!ネジ式だぜ!メメクラゲだぜ!!(わかんないですよね・笑)とか言いながらバラして見ました。テープの始まりをドラムに固定する部品が折れたのが原因でした。




IMG_3351 最初は瞬間接着剤で何とかなるかな、と思って試してみましたが、残念ながら瞬間接着剤は効かない材料でした。それじゃ溶かして付けてしまえ、とハンダゴテで荒療治です。これでとりあえず復活しました。デッキに装着して音を出してみましたが、何の問題もありません。
 自分でバラせて修理できる、私はこのような類のものが大好きです。全てにおいて製品というものがこんなノリだった良き時代でした。今だとこの手のものは絶対に使い捨てですよね。
 ちなみに80年代に入ってCDというものが出回りだしたとき、私はCDに関して懐疑的でした。自分の好みの音楽まではCD化されることは無いだろうと思っていたからです。ところがある時CDショップに寄って何気なく物色していると、なんとこのフラワー・トラベリン・バンドの「Make Up」がCD化されて売っているではないですか!こんなものがCD化されるのであれば、将来的に今までの音源のすべてがCDになるかも、と思い、その場でそのCDを購入しました。要するにそれが私が生れて初めて購入したCDという事になります。いま手持ちのCDは1,000枚を超えていると思いますが、最初の一枚はこれだったという事です。2枚目は何だったか、不覚にも覚えていません。





  
Posted by cpiblog00738 at 19:19雑記

2020年09月03日

商品情報

 商品情報欄に幾つか新たな商品をアップしましたので気になる方はチェックをお願いします。とりあえずサワリの写真を上げておきます。

IMG_3083
 ピックアップ。これは先日紹介済みです。







IMG_3087 RS純正シートスポンジ。 Sold  売れちゃいました。 







IMG_3114 オイルキャッチカウル。916レーシング初期型用。







IMG_3108 オイルキャッチカウル。998RS、2002年型748RS用。 売約済み。
  
Posted by cpiblog00738 at 13:49商品情報