2023年02月12日
4速が無い?!
とあるコーナーを立ち上がって全開で加速し、シフトアップしていきます。2速から3速へ。次に3速から4速へ。しかし4速に入らず空ぶかし状態に。慌ててもう一度シフトアップ操作をすると5速に入ってしまいます。そこで4速に入れようとしてシフトダウンをするとギアが入らずにニュートラル状態に。そこでもう一度シフトダウン操作をしてみると3速に入ってしまいます。おかしいと思ってシフトをガチャガチャやっているとだんだん状況が飲み込めてきます。出た結論は「4速が無い!」です。

勿論対策は部品交換しかありません。それも現在入手できる新品への交換が推奨されます。部品取りエンジンから外した中古品は勿論問題無く使えますが、可能であるならば新品が進めです。

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09:25
│エンジン/メンテナンス
2023年02月07日
Super Mono シャシダイセッティング

しかし空燃比を計測するためにはエキパイに空燃比センサーの取り付けボスを取り付ける必要があります。でもオリジナルのエキパイに溶接してセンサーボスを取り付けるのには抵抗がありました。オリジナル状態を保ちたかったからです。そこでエンジン真下付近のエキパイの接続部にセンサーボスが付いたアダプターのパイプを製作して割り込ませるという方法でその問題をクリアしました。


最高出力は64〜65馬力というところでした。最高出力を発生する回転数は9,000rpm弱なので、やはりそんなに高回転型のエンジンではありませんね。550ccの単気筒でボアストロークが100x70mmですから妥当なところでしょうか。オリジナルファイルの回転リミッターは11,000rpmで介入しますが、9,000rpmを超えると明らかに馬力は落ち込んでいきます。
今年も最低1回はこのバイクでレースに出ようと考えていますが、あまり高回転まで回さずに優しく運転するように心がけようと思います。
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22:24
│エンジン/メンテナンス
2023年01月08日
商品情報を更新しました
久しぶりに商品情報を更新しました。倉庫を整理して、今迄隠し持っていた部品を幾つか放出することにしました。ホームページのトップ画面から商品情報をクリックしていただき、内容をご確認ください。まだ続きもあって、それは後日に追加掲載する予定です。
2023年01月01日
謹賀新年
あけましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。

2022年10月28日
996RS TFD号 続報
先日再びFISCOを走行してきました。10月も終わりに近づくとさすがにちょっと寒さを感じる毎日が続きましたが、この日の走行枠は13:40からと一番気温が上がるタイミングで気温も21度くらいと良いコンディションでした。先日の走行ではダンロップのスリックでしたが今回はピレリのスリックを使用しました。特にリアタイヤの大きさが各メーカーで異なるのでそれに対する車体側の調整が必要ですが、現状ではまだ走行のレベルが低いのでそのあたりはまだ適当です。


ところで私がFISCOライセンスを取得したのは1980年代の前半で、それから一度もライセンスを切らしたことは無く、ずっと更新し続けてきました。その割には年に数回しか走らないことが殆どで、一度も走らなかった年もあったくらいです。それでもライセンスを更新し続けたのは、要するにFISCOが好きなんですね。そういった意味でまだまだ走り込んでいないので自分には伸びしろがあると思っています。最高速が何キロ出た、というような楽しみもあって、これは他のサーキットにはない要素だと思います。
ということで次回は低めの気温でストレートが追い風だったら何キロ出るんだろう、という期待もしています。
余談ですが、私が初めて走行したサーキットはFISCOでした。バイクはベベルの900でした。既に30度バンクこそは走れなくなっていましたがその他はそのままで、100Rの手前の左コーナーは高速の260Rでしたし、ヘアピンを立ち上がったらその先はそのままメインストレートへつながる右の高速コーナーでした。最初は広いコース幅の何処を走ったら良いのか判らず、とりあえず真ん中を走っていたところ両側からものすごい勢いで抜かれて怖かった思い出があります。それでも少し走り込んでいくと周りの様子が良く見えてきて、当時FISCOを走っていた一番の大排気量車はカワサキのZ系でしたが彼らは高速コーナーでは常にグラグラと揺れまくっていて、それに比べるとベベルの900の方はそんな挙動が出ることも無くビシッと安定していて、ドゥカティの方が車体的にはかなり上を行っているんだな、と納得した記憶があります。
で、FISCOメインだった自分が初めて筑波サーキットを訪れた時の印象です。トンネルをくぐってパドックに入ると左側がS字ですが、そこをバイクが全開で走っています。FISCOしか知らない私にはそこがピットロードに見えたんですね、狭いから。筑波を走っているやつらは危なすぎる!ピットロードをあんな勢いで走るなんて!と私はその時本気で思いました。(笑)その後ピットの上からコースを見渡して思いました。ここは全周がピットロードじゃん!(爆)
いつの間にかそのサーキットが自分の走るメインのサーキットになったという訳ですけど。
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09:05
2022年10月03日
996RS TFD号
夏休み中に修理とオーバーホールを終えた996RS(エンジンは1098R)ですが、先日FISCOにて完成検査を行い、概ね問題が無いことを確認していました。その後ファイナルの見直しその他の細かいセッティングの変更を行い、今日その結果の確認のために再度FISCOを走らせてきました。それと走行のもう一つの目的は、先日の筑波TTの決勝レース中に転倒して怪我をした自分の体がサーキット走行出来るレベルまで回復しているかどうかの確認でした。


Posted by cpiblog00738 at
19:47
│エンジン/メンテナンス
2022年09月03日
2022年08月29日
エンジンブロー
お客様のエンジンが筑波サーキット走行中にブローアップ。私もその場所に居合わせており、急遽バイクを持ち帰り修理となりました。パッと見てオイル受けのカウルに冷却水が溜まっていて、ふとエンジンの下から上を見上げると前側気筒のシリンダーが割れている、、、。出場予定の筑波TTのレースまで約2週間ちょっと。果たしてエンジンの中はいかなる状態になっているのでしょうか?

状況が判明したところでどのような方向性でレースに間に合わせるのかを検討したところ、部品取りのエンジン部品を使用してこのエンジンを修理することになりました。この時代のドゥカティエンジンの凄いところはこんな壊れ方をしても結構使える部分が多いということです。自分はそれが当たり前だと認識しているのですが、他メーカーのエンジンの事情を聞くとどうもそうでも無いようで、こんな壊れ方をしたらエンジンは全損で何も使えないのが普通らしいです。
で、概要ですがクランクは計測したところ特に問題無いので再使用。前側気筒のコンロッドは流石に曲がりがあるので中古品に交換。壊れたピストンとシリンダーは中古品に交換。前側気筒のシリンダヘッドは丸ごと中古品に交換。そんな感じで作業しました。
つつがなく作業は終了して、先程シャシダイに載せて10分間ほど検査試運転を行い不安要素も払拭しました。あとはこのエンジンにレースで頑張ってもらうだけです。
Posted by cpiblog00738 at
17:38
│エンジン/メンテナンス
2022年08月26日
1098Rエンジン修理オーバーホール その3



Posted by cpiblog00738 at
08:04
2022年08月25日
1098Rエンジン修理オーバーホール その2


ちなみにこれだけの軽傷で済んだのはとにかく異常を感じた瞬間にエンジンを止めたからにほかなりません。あと1周の走行が致命傷になっていた可能性は非常に高いです。
以前実際にあったTFDのベテランのお客様の事例ですが、筑波の最終コーナーの立ち上がりで全開にしたら一瞬だけどエンジンブレーキがかかったような感触があったので即走行を中止し、エンジンを開けてくれ、とリクエストされたことがありました。エンジンを開けた結果、今回と全く同様な結果でクランクピンを磨いてメタルの交換をしたのみでエンジンが復活しました。
それとは逆に、走行中に違和感を感じたにもかかわらず、確認のためと称して次の走行枠に出走してエンジンに止めを刺した方もいらっしゃいます。
確かにエンジン損傷の復旧には高額な費用が必要になりますから、感じた違和感は気のせいでエンジンに問題は無いと信じたい気持ちは非常に良く判ります。実際にその違和感は気のせいであることもありますしそうでないこともあります。本当にトラブルが発生していればそのまま走らせるとエンジンに止めを刺すことになりますが、実際はただの気のせいだった場合は無駄な出費だったということになります。正しい判断は難しいです。
そう考えてみると何となくサーキット走行のリスク管理にも似ていますね。あそこでもう少し無理をすればタイムアップしそうと思える場合、それを実行して上手く行けばタイムアップ、上手く行かなければ転倒してバイクが壊れる。結局は自己責任ということになりますが、自分の場合は違和感を感じたら即走行中止です。走りの方は結構転ぶのでそうでは無いみたいですが。(笑)ちなみにどのようなものを違和感と感じるかというと、自分の場合は「いつもと違う何か」です。

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07:50
│エンジン/メンテナンス
2022年08月23日
1098Rエンジン修理オーバーホール その1
自分がレースで使用している996RS01の車体に1098Rのエンジンを載せた車両のお話です。今年のレースもこの車両を使用する予定でしたが、今年(2022年)のシーズンが始まった3月の筑波サーキット初走行時にエンジントラブルが発生し、それからしばらくの間放置状態になっていました。
その時の状況ですが、コースインして13周目の最終コーナーをスロットル全開で立ち上がったところ通常と異なる違和感のある振動を一瞬だけですがエンジンから感じました。しかしその後1コーナーに侵入しインフィールドを走行すると何の違和感もありません。その時は先程の症状は単なる気のせいかとも思いましたが、そのまま2ヘアをクリアして立ち上がりでスロットルを全開にしたところ、先程と全く同じ違和感を感じました。その時点で即走行を中止しピットイン。持ち帰ったバイクは仕事のスケジュール上触ることも出来ずそのまま保管状態となりました。
それから半年近く経過し、やっと仕事が落ち着いてきて時間が取れるようになったので、お盆休みを利用して原因究明と修理オーバーホールを行うこととなりました。


そこでとりあえずクランクケースを分解してクランクシャフトを取り出しました。クランクにコンロッドを組んだままの状態でコンロッドを動かしてみると縦方向、横方向共に過大なガタも無く違和感はありません。そこでコンロッドを取り外そうとコンロッドボルトを緩めると、片側のコンロッドの動きが悪くなりました。


こうなるとトラブルが発生した方のコンロッドが再使用可能かどうかが問題ですが、今回は問題無いと判断しました。経験上メタルがコンロッド大端の中で回転してしまうとコンロッド側も摩耗してしまいNGですが、今回はそうなっていませんでした。
そして何より一番の懸念はクランクシャフトのクランクピン部分です。1098Rのクランクシャフトは既に入手不可という状況になっていますので、既にお金で解決できる問題ではありません。
Posted by cpiblog00738 at
10:19
│エンジン/メンテナンス
2022年08月15日
工具


例えば「2」の方は自分がこの業界に入ったばかりの時に購入した工具のうちの一つです。値段も覚えていますが、確か1本¥5,500-だったと記憶しています。今考えても非常に高価ですね。当時のスナップオンのスパナは小さいサイズでも¥5,000-くらい、大きいサイズだと大雑把に言って1万円くらいというイメージでした。10mmサイズは使用頻度が非常に高いのでスペアが必要と考えて2年後に追加購入したのが「4」の方です。
使用し始めてから40年、そう考えると凄いですね。このサイズは仕事をしていればほぼ毎日必ず使用します。ピカピカだったメッキもそれなりに曇り始めてはいますが機能的に全く問題無いままですし、メッキの剥がれなどは皆無です。この頃のメッキは材質が良いのでしょうね。裏を返せば非常に環境に対して悪影響を及ぼすようなメッキ処理が許されていた時代だったということもあるのでしょうか?自分的にはこういった類のものが本当に良いモノ、本物と呼べるもの、だと思います。面白いのはこの時代のスパナに関して言えば同じ品番でも一つ一つ微妙に形状が異なります。職人さんが一つ一つを手作業で削って整形していたのだと思われます。手持ちの中にも中央のバーの部分が極端に薄く仕上げられていてやたら細身でスマートな個体等もあり、とても興味深いです。
Posted by cpiblog00738 at
13:50
│エンジン/メンテナンス
2022年07月25日
筑波TT

思えば私がアマチュアレースに参加し始めたのは20代の頃でした。生まれて初めて筑波を走った時のバイクはベベルでしたが、実際にレースに参加した際はパンタ系のバイクからでした。そしてアマチュアレースに参加し続けて長い年月が経過し、生れて初めて筑波で公式に1分を切るタイムを記録したのは私が48歳の時でした。アマチュアレーサーにとって筑波の1分切りは夢のような遠い目標だったので、これで自分のレースはアガリ。これからあとはオマケだ、と本気で思いました。
しかしそれから10年後の58歳の時にこのタイムを更新しました。この時のタイムが自分の生涯におけるベストタイムです。(今のところ、と言っちゃいます)その翌年は59歳59秒台を目標に走行して、レースの予選や決勝で2回その目標を達成できました。これで本当にアガリだと思っていたのですが、その5年後の去年の筑波選手権において再度1分切りのタイムを記録することが出来ました。今更ながら「継続は力なり」という言葉の重みを噛み締めることとなっています。レースに限らず何事においても、こうしたい、こうありたい、と思うことがまず最初にありきだと思いますが、まさにその通りだと思います。強く欲して、それに向かって自分なりに努力し続けること、となりますでしょうか。

そういえばこんな話を聞いたことがあります。ちょっと昔のことですが、アメリカのデイトナウィークに行われた旧車レースでヤマハのTD-3というバイクで人生初優勝を遂げたおじいちゃんライダーがいたそうです。この方は若い頃にTD-3を新車で購入してレースに参加するようになりましたが、なかなか結果が付いてこなかったらしいです。ちなみにTD-3とは1970年代前半に販売されていたヤマハの市販レーシングマシンでTZ250の前身です。そのバイク一筋でレースを続けていくうちに時は流れていつの間にか最新の市販レーサーだったTD-3が思いっきり旧車になってしまったんですね。それでとうとう優勝する順番が回ってきた。良い話だと思います。
まあレースというのは結局その時に走っていた周りのメンバー次第という要素が大きいと自分は思っています。その時に自分より速いメンバーがいなければ自分が優勝、そうでなければそれなりの順位、ということです。もちろん複雑なあらゆる要素が絡み合ったうえでのレース結果ではありますからそう簡単に結論付けることは出来ませんが、自分は上記のように単純に考えることが多いです。長くレースを続けていると良く判りますが、自分より明らかに速い人が沢山存在するという事実から目をそらすことは不可能です。そうすると始まる前から優勝の可能性がないレースはつまらないじゃないか、という話になりますが、そんなことは決してありません。レースは自分との戦いに帰結すると自分は考えています。例えばあるレースでぶっちぎりの優勝を遂げたとしてもタイムが自己ベストには全く届かなかったとすれば、優勝は嬉しくてもその喜びはそれなりで大したことはありません。逆にレベルの非常に高いレースに参戦して結果は周回遅れになってしまったとしても、それまでの自己ベストを大幅に更新できた、というような状況となれば自分としてはその方が嬉しさ、達成感、満足度、次回へのモチベーション、その他あらゆる要素に於いてぶっちぎりに上です。そういった意味で自分よりも速い人と一緒に走りたいという欲望が強いです。レースという場は大げさに言えば自分の限界を高めることが出来る現在においては非常に稀有な場所です。若い頃は勢いで行っちゃうような状況も散見されてその結果転倒したりすることも多いですが、この歳になると転倒ははっきり「悪」だと言い切れますから、かえって自分を高めるハードルは若い時よりも高いと思います。
自分の場合は何はともあれ体が言うことを聞くうちは走り続けるつもりです。
2022年07月11日
デッドストックのオイルクーラー
2022年06月20日
Supermono

ところでSupermonoは今となっては非常に珍しいバイクで、写真は見たことがあるが実物を見るのはこれが初めてです、という声も随分いただきました。我々のピットにこのバイクを見にいろいろな方が訪れてくれたのですが、一点だけ気になることがあったので書かせていただきます。
世間一般の常識では見ず知らずの人のバイクを写真撮影する時には通常「写真撮っても構いませんか?」という感じで一言声をかけるのが当たり前ですよね。少なくとも私の認識ではそうです。ところが何の断りも挨拶もなしで勝手にバシャバシャ写真を撮って去っていく人が沢山いて、驚くとともにそのことで自分は結構不機嫌になってしまいました。悲しいことに印象としてはどちらかというとそういった人の割合の方が多かったかもしれません。自分的には信じられません。日本人ってこんなだったっけ?それともバイクが好きな人は個性が強い人が多いのでこんななの?中には何の断りもなくいきなりバイクに張り付いて長時間にわたって舐めるように接写状態で詳細な写真を撮り続ける人まで出現しました。さすがにこの人には一言声をかけさせていただきましたけど。着ているシャツからこの人が何処のショップのお客さんかは何となく想像が付きましたが、こんな行為をしていてはそのショップの品格迄貶めてしまいますよ。TFDのお客さんの中には旧知の仲なのに、SNSには出しません、あくまで自分だけで見て楽しみますから写真撮って良いですか?と聞いて下さる方さえもいらっしゃいます。うちはお客様に恵まれていて幸せです。感謝しかないですね。
また別件ですが、今回もFISCOの長いストレートでの接触事故が発生しました。原因は明らかで、追い抜かれる側のストレートでの進路変更です。FISCOのストレートでは速いバイクの場合300km/hに近いスピードが出ます。このスピードでスロットル全開の走行をしていると急な進路変更は不可能です。追い越す寸前で追い抜かれる方のバイクが進路変更して自分の進路に入ってきたらそれを避けることはほぼ不可能です。速度の遅い側の言い分としては、自分は後が見えないのだから避ける義務は追い越す側にある、と言うかもしれませんが、それは完全な間違えです。相対的に速度が速いバイクもそうですが、特に相対的に遅いバイクの場合はストレートでの進路変更は厳禁ですとあえて言います。それは何より自分の身を守るためにそうする必要があるということです。例えば自分のバイクの最高速200km/hでその時にFISCOを走行しているバイクの中では遅い方だとしても、その走行時間には50ccの最高速100km/hが精一杯のレーサーも走っていて、それがストレートエンドで前にいて不自然な進路変更をしそうな怪しい動きをしているという状況を想像してみて下さい。私の言っていることが判ると思います。
また特に最高速のあまり速くないバイクの場合、FISCOの最終コーナーを立ち上がってバイクが直立したらその時のラインを守ったまま1コーナーを目指してください。自分のバイクはあまり速くないと認識しているのにたまたまアウトいっぱいで立ち上がってしまったとしても、あわてて走行ラインをイン側に振る必要はありません。それはかえって危険極まる行為となります。後ろの速いバイクはインから抜きにかかりますから接触の可能性が非常に高いです。この場合はアウト一杯のまま1コーナーまで走るのが一番安全です。速いバイクはストレート上でイン側から勝手に追い抜いて行ってくれます。また、ストレートで真ん中あたりのラインを走り続けた後にブレーキングポイント近くになってラインをアウトに振る行為もよく見かけますが、これも非常に危険です。後ろから来る速いバイクが300km/hくらいのスピードからフルブレーキングで侵入してくる場合、当然ながらその状況での進路変更は不可能です。前にいる追い越すバイクがそれまでストレートの中央を走行しているのを見てアウトから進入していたとすると、いきなりその前に出てこられたら100%突っ込みます。
サーキット走行での常識は一般公道のそれとは大きく異なる場合も多いです。自分が突っ込まれたり突っ込んだりしないためにはどのようなことを心掛けるべきなのか、相手の立場になったつもりで考えれば解りやすいと思います。サーキットなので目的は速く走ることです。それを前提とした上でいかに自分の身を守るかを考えて欲しいと思います。それは自分だけでなく相手の身を守る事にもなります。サーキットでの事故が多いとサーキットに対する世間一般の印象が悪くなります。サーキットを走行したいと考える人の新規参入も妨げます。我々はレースもするけどそれは趣味で、目的は楽しむことです。速く走る事だけではなく、安全に楽しむことが大切です。
2022年06月08日
チタンバルブ
先日エンジンブローしたエンジンはチタン製のバルブを使用しています。一般的にチタンバルブをリフェースするのはNGということになっていますが、その理由は硬質な酸化被膜がリフェースにより除去されてしまい、その結果バルブフェースの摩耗が著しく進行するからだと理解しています。


私がリフェースしたチタンバルブを使用して組んだエンジンの数は相当数ありますが、この状況は初めての経験です。いろいろと原因を調べたところ、今まで問題無かったエンジンの使用状況と一つだけ明らかに異なる条件でこのエンジンは使用されていました。それはガソリン添加剤の使用です。おそらく添加剤の優秀な洗浄作用でバルブフェースが常にクリーンな状態に保たれ、その結果酸化被膜のようなものが生成されなかったのではないでしょうか。
ところで私がチタンバルブまでリフェースしてしまう理由ですが、それはあくまでバルブフェースとバルブシートの当たりを最優先しているからです。新品バルブを使用すれば良いじゃないかという声も聞こえますが、例えば999Rのチタンバルブの価格は1本約5万円、1098Rであれば約8万円です。8本全部交換したらと考えると、全く現実的では無いと思います。それに加えて私の経験上、新品バルブといえども全数が完全無欠の状態であるとは言えないのです。新品なのにセンターが出ていなくて振れがあるバルブも実際に存在します。新品バルブを使用する場合、それがスチール製であれば私はたいていの場合まず最初にバルブリフェーサーでリフェースしてしまいます。チタンの新品の場合は流石に躊躇して考えに考えた末にどうするか決定しますが。言えることは優先されるのはバルブとシートの当たりが正しく出ているかで、バルブフェースに荒れや振れが有る場合にそのまま再使用する選択肢は有り得ない、というのが私の認識です。あ、それはあくまで使用目的がレースの場合で、バルブとシートの当たりが多少おかしくてもバイクはそれなりに走りますから街乗りの場合は持ち主の考え方次第ではあります。
Posted by cpiblog00738 at
11:33
│エンジン/メンテナンス
2022年05月08日
エンジンブローその2

この手のエンジンのクランクシャフトは基本的に非常に丈夫に出来ていて、例えば走行500kmごとに多種類の部品交換が指定されているコルサやRSに於いてもクランクシャフトは定期交換部品に指定されていませんでした。そんな部品がこのような状況に陥るということは製造時に何かの問題が発生していたのでしょうね。
Posted by cpiblog00738 at
08:46
│エンジン/メンテナンス
2022年05月06日
エンジンブローその1

何かの原因でクランクシャフトが振れてエンジン左側カバーを破壊したと思われますが、いったい何が起ったのでしょうか?

Posted by cpiblog00738 at
08:27
│エンジン/メンテナンス
2022年04月29日
28年前ですか
こんなのあるよ、とイタリアの友人から連絡が来ました。
5:33あたりですね。若いです!
当時は何とも思わなかったんですが、今改めて考えてみるといろいろな意味で凄いところにいますね。今まで誰も知らなかったポット出のプライベートチームとライダーです。
第1ヒートのレースでは1周目、2周目ともに6位で帰って来て3周目に転倒、再スタート。ほぼ最後尾の36位から21位まで追い上げてチェッカー。帰ってきたバイクを見たら転倒時に左のステップバーが無くなっていて、シフトレバーも曲がってあらぬ方向を向いていました。「左足はサイレンサーの上に置いて、シフトは曲がったレバーを蹴り込んだり蹴り上げたりして運転してたッス」とのことでした。あきれ返るほど凄いヤツでした。
レースウィークの練習走行時にコース上で初めて芳賀選手に遭遇したフォガティ選手に、「あいつは誰だ!」と言わしめた、という逸話を思い出しました。