2024年07月12日

これもやめてください!

DSC01416 これは998R/999Rの純正シリンダーです。ボア径はφ104mm。今でも入手は可能ではありますが、ピストンとシリンダーのセットでの販売となり、その価格も半端ではありません。入手しようと思うと現実的なのは中古部品となってしまいます。このシリンダーはエンジンAssy でやっとこさ入手したものなのですが、なんと、やらかされていました。
 ガスケットリングの溝の脇に何やら穴のようなものが‥‥。


DSC01417 このφ104mmボアのタイプのみ、ヘッドガスケットにウィルスリング(だと思います)が使われております。内部が空洞で加圧されているリングです。確かにこれを交換するために溝から取り外すのはちょっと大変かもしれません。しか〜し!!!これは無いんじゃないですか???かんべんしてください!!!お願いしますよ、ほんとにもう!!!
 これを取り外す場合はリングに小さい穴を開けて細い針金を通して引っ張れば、自分の経験からすると120%何の問題も無く取り外し出来ます。そのくらいは思いついてくださいよ。
  

Posted by cpiblog00738 at 20:35エンジン/メンテナンス

これはやめてください。

DSC01777
 とある車両の整備を行っておりまして、冷却水周りのホースを外しました。そうしたら全てのホースの差込個所がシリコンガスケットのてんこ盛りです。何じゃこりゃ、と思ってオーナーの方に聞いたところ、ちょっと前に某所でラジエーターホースを全て新品に交換してもらったとのことです。新品ホースにシリコンガスケットをてんこ盛りに塗って差し込む???意味不明です。草臥れ切って水が漏れてくるようなホースに対する応急処置ならまだ理解の範疇ですが。
 おかげでホースの中や差込口にこびりついて残ったシリコンガスケットの除去にえらい時間がかかってしまいました。カスをそのまま放置で組み立てたら、ホース内に残ったカスが冷却水通路に回ってしまいます。
 今回は純正のゴムホースだったのである意味まだマシでした。もしこのホースが社外のシリコンホースだったら、シリコンホースとシリコンガスケットが同じシリコン同士で癒合してしまってえらい事になります。
 繰り返しますが、こういうのはやめてください。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:42エンジン/メンテナンス

2024年07月04日

888SP4 再生 その8

DSC01595
 エキパイを加工して取り付けています。こちらは左側で、角度だけ合わせてそのまま取り付けると本来の姿よりも少し短くなってしまうので、少しパイプを足して延長もしています。




DSC01596 右側ですが、こちらはちょっと手こずりました。元々レース専用設計のエキパイなのでストリートバイク用のステップと干渉してしまいます。レーサーの右側ステップ周りはコンパクトでもう少し高い位置にあるのですね。




DSC01597a 取り付け後の後ろ姿です。格好がつきました。








DSC01599DSC01600 ここまで来ればほぼ完成です。







DSC01601 16年ぶり?に車検を取ります。取り付けてあるアッパーカウルは形状がちょっとおかしいのと色も合っていませんが、これは車検用に間に合わせで取り付けたものです。
 これにて今回のレポートは終了です。長期間の眠りから覚めて久しぶりに公道走行に復活です。おめでとうございますと言いたいです。

 話は変わりますが、次にもう一台、同様に長期間放置してしまった名車のレストアが控えています。事情が許されるようであればそれのレストア記もご紹介できるかもしれません。お楽しみに。
  
Posted by cpiblog00738 at 11:42888SP4レストア2024

2024年06月30日

888SP4 再生 その7

DSC01542
 さて、作業は車体周りに移ります。フロントブレーキディスクはオリジナルの鋳鉄製です。さすがに16年間放置されていると、保管場所が室内だったとはいえ錆が酷いです。そのまま走行すればそのうち綺麗になるでしょう、という考えもありますが、パッドは新品に交換する予定なのでディスクも出来る範囲で錆を落としました。右が既存の状態、左が手作業でオイルストーンによる研磨を行った状態です。ここまで綺麗にしておけば短期間のうちにディスクの表面は綺麗な状態になると思います。


DSC01578 ステアリングヘッドのベアリングを交換しています。この時代はテーパーローラーベアリングが採用されています。ボールベアリングの場合はボールが点でレースに接触しますが、ローラーベアリングの場合は線で接触します。そう考えるとこのタイプは非常にタフなベアリングと言えると思います。しかしこの時代はベアリングを護るシールが設けられていません。つまりベアリングは外部の環境にさらされていてゴミや水等は入り放題。それを護るのはグリスだけです。そういった意味では頻繁に状態の確認、ベアリングの交換等が必要とされるでしょう。

DSC01544 エキパイを取り付けました。前述の通りエキパイは90年代当時にWSBを走っていたバイクのものです。さすがに立て付けが良いとは言えず、エンジンやスイングアームに干渉しないように数か所切った貼ったで形状を整えています。
 ウォーターポンプカバーの色が周りと異なりますが、、内部のインペラーとともに916の部品に交換してあります。特にエンジン低回転時の冷却水の圧送能力が改善されます。


DSC01576 フロントフォークのメンテナンス中です。このフォークは純正ではありません。純正はオーリンズの初期型GPフォークですが、このフォークはそれより一つ世代が新しいGPフォークです。おそらくカワサキ用ではないかと推測します。何はともあれ当時最高峰とされていたフォークです。インナーチューブ径が42mmで、今となってはシールの入手に苦労するのですが…。何とオーナー様はこのフォーク用の純正シールを何台分も所有しておられました。さすがに保管期間が長いので材質的な劣化が懸念されましたが、保存状態が良かったおかげで外見は問題無し、触ってみた感触もOK、ということでその部品を使用して作業を進めさせていただきました。


DSC01581 ブレーキキャリパーのメンテナンス中です。本体は2ピース構造のキャリパーですが、ブレンボ社からのお達しがあって左右の締結を解いての分解はしません。この状態のまま清掃、シール交換を行います。





DSC01585 キャリパーはすっかり綺麗になりました。フォークも元々の状態が良かったのでほぼ新品?というような佇まいです。






DSC01587 冷却水関係のホースは当然ながら新品に交換しますが、純正部品ですべてそろえることはもはや難しい状況です。ということでSAMCO製のホースを調達しました。色はいろいろと選択可能ですが、今回は黒を選択しました。




DSC01592 ここまで組み立てが進むとだんだんそれらしくなってきました。完成までもう一息です。
  
Posted by cpiblog00738 at 09:37888SP4レストア2024

2024年06月26日

888SP4 再生 その6

DSC01520
 エンジンが概ね組み上がったところで、バルブタイミングの計測と調整を行っています。この作業はかなり重要です。TFDではバルブタイミングをメーカーの指定値に合わせています。バルブタイミング変更、というようなマイルールの暴挙は行いません。カムの摩耗によって開弁時間が少なくなっているような場合はそれなりに考えた上で最適と思われるタイミングを設定しますが、その場合でも基準となるのはメーカーの指定値です。


DSC01521 DSC01522エンジンが完成しました。







DSC01523 さて、エンジン以外の作業に取り掛かります。これはスロットルボディーですが、結構酷い状態です。フューエルホースとクランプ等は新品に交換します。不安なのはインジェクターが正常に作動するかどうかですが、結果的に4個のうちの1個が動作不良を起こしていました。ガム化したガソリンでノズルが固着するというよくあるトラブルです。


DSC01525 フューエルタンクです。これはオーナー様に持ち込んでいただいたスペアのタンクで、今回はこちらを使用します。既存のものの再使用はちょっと無理そうでした。




DSC01530 リアサスです。これも結構草臥れています。バンプラバーはとっくに崩壊していて存在していません。とりあえず出来る範囲でですが綺麗にしてオーバーホールします。




DSC01532 分解したリアサスです。外見は酷い状態に見えますが、内部は当然ですがかなり綺麗な状態です。






DSC01533 リアサスのメンテナンスが完了しました。このくらいの状態になればOKでしょう。






DSC01534 DSC01535車体の組み立てですが、まず最初にエンジンにスイングアームを取り付けます。この時に後方気筒のエキパイを仮付けしておきます。今回使用するこのエキパイは1990年代にWSBで実際に使用されていたもので、純正ノーマルとは太さや形状が異なるため、車体が組み上がった後では取り付け不可能になる可能性があるからです。このエキパイはオーナー様に持ち込んでいただいたもので、アンドレアス・メクロウ号に使われていたもの、ということで入手されたそうです。

DSC01536 リアスイングアームの下側にフェンダーを取り付けました。この部品も当時のコルサ専用部品で憧れた方も多かった気がします。






DSC01538 WSB仕様のエキパイと組み合わせて使用する目論見で持ち込んでいただいたスリップオンサイレンサー(新品)ですが、残念ながら取り付け角度が全く合いません。そのまま差し込むとこんな感じになってしまいます。これは後から切った貼ったの作業で何とかします。



  
Posted by cpiblog00738 at 23:06888SP4レストア2024

2024年06月25日

888SP4 再生 その5

DSC01509
 新品のバルブガイドを取り付けました。TFDオリジナルのベリリウム銅合金製です。ベリリウム銅合金と言っても種類はいろいろな種類が存在し、バルブガイドに使用すると秀逸なもの、バルブシートに使用すると性能を発揮するもの、等いろいろです。用途を間違えると期待した性能を発揮しない場合があり、材質の選択には注意が必要です。以前にベリリウム銅合金製のバルブガイドなのに短期間でガイドが摩耗して穴が広がり、バルブステムとのクリアランスが過大になってしまった個体を見たことがあります。選択を間違えるとそういったことが発生するということです。

DSC01511 バルブシートをリフェースしています。ガイドを交換するとガイドの角度(バルブの角度)が交換前の状態から少なからず変化し、バルブフェースとバルブシートが密着しない状態になるのでこの作業は必須です。
 左奥のシートはリフェースと使用するバルブとの擦り合わせが終了しています。手前の2ヶ所は作業前です。


DSC01518 バルブとシートの作業が終了したのでシリンダーヘッドの組み立てに取り掛かりました。
 この当時のヘッドの表面処理はアルミの地肌の上にクリアコートが乗っているだけです。洗浄その他の作業でどんどん剥がれていきます。オーナーの方はエンジン外観は気にせず、あくまでエンジンの調子の良し悪しにこだわるということでしたのでそのまま組み立てていきます。

DSC01519 シリンダーヘッドの組み立てが完了しました。緑色に見えるカバー類はマグネシウム製で、当時のコルサの純正部品です。






  
Posted by cpiblog00738 at 10:06888SP4レストア2024

2024年06月13日

MAX10レース in 富士スピードウェイ

FSW-8 先週末の日曜日、富士スピードウェイに於いて「大人のレースごっこ」MAX10のレースが開催されました。私が参加したクラスはSUPER MAXというクラスでしたが、全体の参加台数が少ないために全クラス混走ということでかなりスペクタクルな展開が予想されます。


FSW-2 予選は3番手。クリアラップが取れなかったこともありますが、それよりも良かれと思って変更したフロントフォークのセッティングが結果的にハズレで、セッティングを元に戻して決勝に臨むことになりました。
 スタートは下手くそなのは自覚していますので、今回はスタートに関してはレーシングスタートという意識ではなく街乗りの延長で、とりあえずエンストとバク転は避ける、という心構えで行くことにしました。



 結果は久しぶりのお立ち台の真ん中。何はともあれ嬉しいものです。富士スピードウェイの場合はやはりエンジンパワーが頼りになります。コーナーが速くない自分ですが、直線番長大いに結構、安全第一、何と言われようがストレートでの順位の入れ替えは安全ですから。
 1098Rエンジン、現在でも十分すぎるほど通用しますね。
  
Posted by cpiblog00738 at 01:07レース

2024年06月07日

888SP4 再生 その4

DSC01475
 クランクケース内部の部品を仮組しています。各部品はシム調整によってその位置が決定されます。クランクシャフトであればコンロッドの位置がシリンダーの中央になるように調整します。ミッションシャフトやシフトドラムであればギアの送り、噛み合い具合等の加減を見ながら最適と思われる位置に各部品を調整します。かなり細かくて面倒な作業ですが、正しく行えばギアチェンジの良好な感触を獲得できます。ただし乱暴なギアチェンジを行ってシフトフォークを曲げたりすればせっかくの調整も元の木阿弥となってしまいます。

DSC01479 DSC01478クランクケース左右を合わせて組み立てたところです。






DSC01481 DSC01485クランクケースの左右を組み立てていきます。







DSC01486 クラッチは今迄ノーマルでしたが、今回はお客様が持ち込まれたスリッパークラッチを使用します。






DSC01488 概ね腰下が組み上がりました。シリンダーとピストンを仮組しておきます。







DSC01489 さて、ここからはシリンダーヘッドの作業に取り掛かります。前バンクは例の腐食による粉問題がありますが、後バンクに関してもいかにも調子が悪かったであろうと思われる見た目です。




DSC01491 シリンダーヘッド内部の部品です。意外と言っては何ですが、特に大きな問題はありません。






DSC01492 とりあえずヘッドを洗って綺麗にしました。







DSC01493 DSC01495ここがポート内に問題があった場所ですが、バルブガイドがおかしなことになっています。割れて欠けた?融けた?状況は確認できましたが何が起ったのかは判りません。ただガイド以外に問題は無さそうなので、ガイド交換を行えば問題なさそうな印象です。


DSC01504 DSC01505ガイド交換はオーバーホール作業に於いてルーティンです。抜いたガイドは銀色のものがインテーク、銅色のものがエキゾーストです。エキゾーストの方が過酷な環境に置かれるので高級な材料で製作されていると思われます。


DSC01507 バルブはリフェースして再使用します。粉事件の起こった場所のバルブの状態も特に問題はありませんでした。左がリフェース前の洗っただけの状態、右がそれにリフェースを施した状態です。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:47888SP4レストア2024

2024年06月04日

888SP4 再生 その3

DSC01456 ピストンの点検中にピンボスの軽微なカジリの発生が発覚しました。キズ部分を磨いてこのまま再使用しても問題は無いかもしれませんが、それはあくまで代替え部品が無い場合の対応と考えます。TFDに中古良品のピストンの在庫が幾つかあるので、今回はそれを使用することにします。
 もう片方のピストンを点検したところ、こちらはピンとピンボスの勘合がきつく、印象としてはピストンに歪みがあってピンボスの整列が正しくない印象でした。ということでこの際ピストンは2個とも交換することにしました。

DSC01460 ピストンとシリンダーです。ピストン重量はほぼ同一です。シリンダーは既存の部品の再使用ですが、状態に問題はありません。






DSC01461DSC01462 クランクシャフトです。結構な頻度で発生するトラブルですが、クランクピンのプラグが緩んで外れかけています。M20のネジになっていますが、この当時はネジロックを塗布して組んであるだけなので、緩んで飛び出してくることがままあります。飛び出した部分はクランクシャフトを支持しているボールベアリングのアウターレースに接触して少しずつ削れて行くのでこのような模様が付きます。
 組み直す時にはプラグの端をポンチで打って雌ネジと軽くカシメてしまうので再発の心配はありません。

DSC01465 コンロッドです。チタニウム製ではなくスチール製ですが、H断面の削り出しです。ただしコンロッドボルトは使い捨ての安価なタイプが使われています。SPSやSP5だと専用の高価なボルトが使用されていて差別化が図られているのですが、この安価なタイプのボルトは現行車種のものが使用可能で、現在でも普通に入手できるのでかえって好都合です。


DSC01466 クランクシャフトにコンロッドを組んだところです。ハーブメタルの選定が重要な作業です。ちらっと見える83という数字は使用しているメタルの厚さで、1.483mmということです。69と見えるのはコンロッドボルトを指定の方法で締め付けた時に要した締め付けトルクで、69Nmということです。ちなみに締め付けトルク管理ではなく締め付け角度で管理しているので、結果的にトルクの方にバラツキが出現します。48と見えるのはメタルクリアランスで、0.048mmということです。

DSC01470 こちらはミッションのメインシャフト(クラッチが付く方のシャフト)です。この頃はニードルベアリングが金属製のリテーナーを使用した分割式です。もう少し時代が進むとリテーナーが樹脂製の一体式になります。サークリップは交換、グルーブワッシャーは目視でダメージのあるものだけ交換します。
 もう片方のカウンターシャフト(スプロケットが付くシャフト)の方も同様に作業しましたが、すいません、写真を撮り忘れました。いずれにせよ両者とも特に問題は無く、状態は良好でした。

DSC01471DSC01480 さて、シフトドラムの位置決めの機構についてです。例えばシフトドラムが回転して2速に位置に来ればギアが2速に入るということになるのですが、ドラムをその位置に留めておく機構が存在します。その機構が916から変更されています。詳しいことは省きますが、オーナー様からその点を刷新してほしいとのご要望をいただきましたので対応しました。クランクケースに加工を施し、916のシフトドラムとギアストッパーのロッカーアームを取り付けました。これでシフトのフィーリングがかなり改善されたということになります。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:47

2024年05月31日

888SP4 再生 その2

 とりあえず出来ることから作業を進めていきます。ちなみにこのエンジンの走行距離は1万キロ以内なので、基本的には良い状態を保っていると予想しています。しかし出だしから前述のような問題が露呈していて不安を感じているのも事実ですが。

DSC01451 クランクケースです。問題ありません。ベアリングも含めて再使用します。







DSC01452 エンジン右側の部品です。乾式クラッチ、1次ギア、オイルポンプ等が存在します。状態は問題ありません。交換するシール類やベアリングは既に取り外してあります。





DSC01449 オイルポンプです。こちらも状態は良好です。







DSC01453 エンジン左側のカバー類です。ウォーターポンプのローターとカバーはオーナー様の希望により916系の部品に交換予定です。ローターのプロペラの形状が改良され、それに合わせてカバーの内部形状も変わり、冷却水の圧送能力が高められています。



DSC01454 エンジン左側の部品、フライホイール、タイミングギア、シフトアーム、発電機のローター等が存在します。これらの部品にも特に問題はありません。






DSC01455 セルモーターを分解しています。オイルシールとベアリングは新品に交換します。ブラシセットは交換しようかどうか迷いましたが、ブラシの減りは大したことは無く状態も良いので再使用することにしました。コミュテーターは研磨によるリフレッシュで対応しました。




  
Posted by cpiblog00738 at 09:16888SP4レストア2024

委託販売中の1098R BAYLISS

 委託販売中の1098R BAYLISS の価格ですが、オーナー様のご厚意いただき値下げしました。詳しくは商品情報欄をご覧ください。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:21商品情報

2024年05月29日

888SP4 再生 その1

 不動となっている888SP4のレストアをご依頼いいただきました。今回はその作業の様子をご報告していきたいと思います。

 まずバイクの状態ですが、屋内保管ではあるものの放置期間は16年にわたります。オーナー様は仕事の都合で長期間の海外勤務となり、その間の保管場所は非常に環境の良い場所を確保したものの、さすがに16年という期間は長すぎたようです。

DSC01423 バイクは陸送で運ばれてきました。まずは燃料タンク内部の状態を確認しようとしましたが燃料キャップに鍵を差し込んで回そうとしても鍵が回りません。何をやってもいうことを聞かないので、仕方がなくキャップのフランジごと取り外しました。するとキャップの裏はこんな感じで、瞬く間に辺りに異臭がたちこめます。腐ったガソリンの臭い、これは強烈ですね。これでは鍵が回らないのにも納得です。


DSC01425 タンク内部はこんな感じです。これはNGでしょう。普通ならどうしたものかと悩むところですが、流石オーナー様はスペアの燃料タンクAssyをお持ちです。あっさりそっちを使うという結論になりました。




DSC01428 まずはとにかく分解して行きます。汚れと積もった埃が半端ではないので、とにかく掃除です。しかしこの状態になるまでにすでに発覚していたのですが、前バンクのインマニの中の様子が異常です。




DSC01430 インマニの中がこんなになっています。粉が積もっている状態で、粉は微粒でちょうどきな粉みたいに見えます。これって何なんでしょう?さすがに見たことが無いものです。




DSC01431 早速エンジンをスタンドに載せて分解して行きます。







DSC01439 前バンクのシリンダーを外したところ、内部はこんな感じです。う〜ん、このピストンとシリンダーは果たして使えるのか?ちょっと疑問です。






DSC01441 一方こちらは後バンク側の燃焼室です。普通です。見慣れた光景ですが今回はこれを見て何故だかホッとした気分になり、なごみました。






DSC01442 とりあえずですが、概ね分解して各部の状態を把握しているところです。







DSC01447 今のところ最も心配なのはこの粉の件です。いったい何が原因だか見当がつきませんし、この粉の正体も判りません。
 とりあえずこの粉の件は棚上げして他の作業を進めていきます。最悪の場合これ等の部品が使えなくても代わりの部品は何とかなるのでそんなに心配はしていませんが。
  
Posted by cpiblog00738 at 09:43888SP4レストア2024

2024年04月04日

今週末は筑波TTレースです、が…。

 今週末は今年最初のレース、筑波TTが開催されます。私もBOTTWCTクラスにエントリーしており、先週、先々週と練習走行も行い、今日は週末のレースに向けての整備作業を行っていました。オイルをはじめとする油脂類を交換、タイヤも新品に履き替え、クラッチその他を一通り点検し、よし、これでOK、となったところでしたが…。

 そのタイミングでクラッチカバーの下部付近に若干のオイルの流れた痕跡を発見しました。オイルはクランクケース最下部迄は到達していませんから、量としては微量です。普通ならパーツクリーナーをスプレーして清掃して終了、としてしまうような状態です。しかし職業柄、一応オイル漏れの場所を確認しておかねばと考えチェックを開始しました。

 クラッチカバーの下ですから、まず疑うのは乾式クラッチからのオイル漏れです。しかしチェックするとオイル漏れの場所はそこではありません。オイルの流れた痕跡をたどるとそこより前側のオイルクーラーへのオイルホース取り付け部分に辿り着きます。しかしそこでもない。もっと上の方から伝ってきています。その上にはタイミングシャフトのプーリーが存在するのですが、このあたりで嫌な予感が‥‥。

 タイミングシャフトのオイルシールからのオイル漏れであれば対応は簡単で全く問題無いのですが、私が自分で組んだエンジンですからその可能性は限りなく低い‥‥。

 DSC01514タイミングプーリーを外して点検するとクランクケースにクラックが発生していました。自分は慣れているので目視すれば判断できるのですが、確認と撮影のために染色浸透探傷剤(クラックチェッカー)を使用してみました。

 う〜ん、昔やっていた全日本のような本気のレースならケース交換をしてレースに間に合わせるということになるのですが、現状ではそこまでしなければならない理由が有りません。従って今回のレースは潔くDNS、応援お手伝い&観戦ということにします。
  
Posted by cpiblog00738 at 18:20レース

2024年02月12日

TFDのメールアドレス

 最近TFD宛の訳の分からない迷惑メールや詐欺メール等が著しく増加しているため、やむを得ず一時的にウェブサイト上に表記してあるメールアドレスのリンク機能を停止させていただいております。そのため現状ではウェブサイト上からTFDにメールを送ることが出来ないということになっており、大変ご迷惑をおかけすることになって誠に申し訳ありません。
 不本意ながら、ひとまずTFDのメールアドレスをカタカナで表記しますので、お手を煩わせて恐縮ですが一文字ずつ手打ちでの打ち込みをお願い申し上げます。
 TFDのメールアドレスは以下の通りです。

エヌ、エー、ジー、オー、ワイ、エー、アットマーク、ティー、イー、エー、エム、エフ、ディー、ドット、シー、オー、エム

 以上宜しくお願いいたします。
  
Posted by cpiblog00738 at 07:50お知らせ

2023年11月30日

DUCATI SUPERMONO 筑波TTレース参戦

image06 先日の11月18日、DUCATI SUPERMONOで筑波TTレースに出場しました。出場クラスはMS-1でしたが、このカテゴリーへのエントリーは私1台のみ。昔は隆盛を誇ったシングルクラスも今やそんな状況に陥っています。もちろん他のクラスと混走のレースとなりますが、流石に出走が1台では最初から賞典外扱いです。しかし自分としてはこのスーパーモノがレディー・トゥー・レースの状態であることを世界にお披露目したかったのがレースエントリーの動機でしたから、賞典外云々は全く気にしていませんでした。
 しかし激戦区である国産の250ccクラスとの混走、おまけに出走台数が31台というほぼフルグリッドの状況。何があっても絶対にバイクを壊せない自分にとっては強烈なプレッシャーがかかります。周りは真剣にレースをしてますから、その中でいかに安全にトラブルなく走り切るかを考えなければなりません。しかし一番後ろを安全にゆっくり走行では出場した意味が無いですし、かと言って本気で競り合いをしている中に飛び込むのもリスクが高すぎます。

 そんなことを試行錯誤しているうちに予選が始まりました。今回もオンボード映像は撮っていました。使用カメラはGo〇roです。このカメラ、他に選択肢はないとはいえ調子が悪くなることが多くて困ります。今迄4台購入しましたが、2台は正常に機能しなくなって使えなくなりました。1台はクレームで新品に交換、もう一台はゴミ箱行きでした。どうでもよい時はちゃんと撮影出来ていて、肝心な時にトラブルが起こる、というのがいつものパターンで本当に困ります。ちなみに去年のFISCOでのレースの時も、走行開始直後に動画がフリーズして音声のみが記録されていたり、同じく走行開始直後にピットロードを走行中に電源が落ちていたりと散々で、結局オンボード映像は全く撮れずでした。今回はトラブルなく動画が撮れていることを期待していたのですが、果たして結果は?

 
 
 結論から申し上げると、まず予選のオンボード映像は問題無く撮れていました。路面は完全なドライコンディションではなく、部分的にまだ乾いていない場所がありました。しかしこの程度であれば特に問題は無く普通に走れます。出来る限り単独走行を心がけますが、それでもやはり前の集団に追い付いてしまうことになります。今回はリスク回避のためにその集団の中に入っていくのは避けました。前に追い付いたらペースを落として間隔を開け、また追い付いたらまた間隔を開けて、という感じの予選となりました。予選順位は13番手、ちょうど真ん中からちょっと上の感じなので、自分よりも速い人はたくさんいたと思います。自分が他車に抜かれたのはペースを落としている時なので、速い人もやはり追い付いても無理に抜きにかかったりせずに一旦下がってまたペースを上げる、という予選だったのではないでしょうか?

 それで次は決勝レースなのですが、オンボード映像、撮れていませんでした。カメラのスイッチを入れ、録画開始のボタンを押して録画が開始されたのを確認していたのに・・・・そんな結果でした。まあ今回は予選とは言え走行中の動画は撮れたので良しとします。
 決勝レース、スタート直後の数周はやはり混雑の中での走行となり、危なっかしい状況に身を置くことになったのですが、周回を重ねると後続が離れた状況で前のバイクを追うような展開となり、ある意味安全地帯に定位したままチェッカーを受けることが出来ました。何はともあれ無事にレースを終えることが出来て本当に安堵しました。絶対に転べないというようなプレッシャーがきついとタイムも出ないし、まともなレースになりませんね。左腕のケガが完治していない状態でも特に不自由なくレースが出来ることを確認したことも収穫でした。でもこのバイクはせいぜい60馬力ちょっとです。いつも乗っているバイクはその3倍くらいの馬力ですから、それに乗ったらどうなるかは乗ってみないと何とも言えませんが。

FB_IMG_1700353482328 レースから無事に帰還したところの画像です。転倒等の最悪に事態に備えてカウル類はオリジナルでは無いものを装着してありますが、この後はオリジナルの状態に戻して保管する予定です。次回の走行予定は・・・・未定です。絶対に壊してはいけないバイクでレースをするとあまり楽しめないことを痛感したので、次のレース出場は無いかな、というのが現在の心境です。もちろん気が変わる可能性はありますが。

 
  
Posted by cpiblog00738 at 08:53DUCATI SUPERMONO

2023年11月17日

筑波TT

 お知らせです。
 明日11月18日は筑波サーキットで筑波ツーリストトロフィーのレースが開催されます。名越はスーパーモノでエントリーしておりますので、筑波まで来ればスーパーモノが実際に走行している様子を見られます。天気も良さそうなので如何でしょう?
  
Posted by cpiblog00738 at 15:00レース

2023年10月17日

DUCATI SUPERMONO スーパーモノ・レストア記 その17

DSC00678 さて、2023年の2月、今までの懸念だった空燃比の改善を試みました。シャーシダイナモに載せてスロットル開度ごとの空燃比を測定し、フューエルマップを書き換えて対応します。シャーシダイナモ上で走らせ、空燃比を測定し、それによって得られた空燃比データを頼りにマップを書き換え、もう一度走らせて結果を確認する。この作業を何度か繰り返します。測定1回、書き替え1回で決まるほど作業は甘くはありません。同じ作業を何度か繰り返す必要があります。


DSC00689 空燃比を計測するためにはエキパイに空燃比センサー取り付けますが、そのためにはエキパイに取り付け用のボスが必要です。しかしオリジナルのエキパイにそのようなボスは存在しません。その場合、通常はボスをエキパイに溶接して取り付けることになりますが、何せ相手はスーパーモノです。オリジナル状態をモディファイしてボスを取り付けることはしたくありません。

 その対応としてボスを取り付けたアダプターを製作し、それをクランクケース下のエキパイの接合部に割り込ませました。そうするとサイレンサー位置が本来の位置からずれておかしな取り付けになりますが、実際にサーキットで走行するのではなくシャーシダイナモ上で走らせるだけなのでそれで問題はありません。
 
 また、TFDのシャーシダイナモはバイクを載せるスロープが無いので、バイクを電動ホイストで吊り上げてシャーシダイナモ上に載せています。その結果シャーシダイナモ上でエンジンを始動することになりますが、スーパーモノにはセルモーターが装備されていません。シャーシダイナモ上でリアホイールスターターを使用してのエンジン始動となりますから、その点でもいろいろと面倒なことが多いのです。


DSC00679 まずは1回走らせて測定してみました。今迄はこの状態で走行していたということです。測定したスロットル開度は11.4度から82度までの11段階です。ちなみにここではスロットル開度82度が全開です。%表示ではなく角度表示なのでここで100の数字は出て来ません。
 
 グラフを見ると、空燃比はまるで合っていませんね。今迄コーナー立ち上がりで不具合を感じたのはエンジン回転数が5,000rpm前後ですが、グラフにしてみるとどのスロットル開度でもそのあたりの空燃比は濃すぎます。逆に7,000rpm前後の範囲では極端に空燃比が薄いスロットル開度もあります。


DSC00680 何度かフューエルマップを書き換えた結果のグラフです。本音を言えばもう少し詰めたかったところはありますが、経験上これ以上セッティングを詰めてもその結果を実走行で体感できない場合が多いです。それに加えて将来的にもエンジンに負担をかけたくないという思惑もあり、ちょっと濃い目の空燃比でOKとしました。



DSC00769 パワーチェックのグラフです。計測された最高出力は8,760rpmの時に64.3馬力でした。エンジンはまだアタリが付いた状態とは言えないので、暫く走行して慣らしが進めば5%程度の出力アップが期待できると思います。
グラフをチェックするとかなりフラットな印象です。参考のために発生しているトルクを計算してみました。計算してみた結果、6,500rpm〜8,500rpmの広い範囲でトルクは5.4kgm前後をキープしています。トルク特性はかなりフラットと言えます。

 何はともあれ空燃比セッティングが終了したのでエンジンのパフォーマンスはかなり改善されたと予想されます。次の目標としてはこの状態で筑波サーキットでのレースに出場したいと考えております。勿論いたずらに走行距離を延ばすのは避けたいと思っておりますが、もう1〜2回くらいはレースで走らせてください、という感じです。

今回のレポートはひとまずこれで終了です。何かご不明な点やご興味がある点があればメール等にてお問い合わせください。解る範囲で、ですが真摯に対応させていただきます。

 前にも書きましたが、あと数回レースで走らせた後にこのバイクは売却を考えております。価格は応談となりますが、今のご時世ですから勿論安くはありません。それでもご興味がある方いらっしゃいましたら、ご連絡をお待ちしております。

チーム・ファンデーション代表 名越公一     2023年10月 記
  
Posted by cpiblog00738 at 07:55DUCATI SUPERMONO

2023年10月08日

DUCATI SUPERMONO スーパーモノ・レストア記 その16

 とりあえずバイクが完成したのが2020年の5月23日のことでした。そして同じく5月30日、エンジンに火が入ります。



 特に問題無くエンジン始動確認が終了し、安堵しました。

 次はサーキットでの実走行ですが、それはちょっと間が開いて2020年9月19日のことでした。場所は富士スピードウェイです。
 
 スーパーモノのオリジナルカウルにはオイル受けの部分が存在しません。当時はそういったものの装着が義務付けられていなかったからです。その状態で走行可能なのはFISCOのみ、ということで富士スピードウェイに行ってきました。その時の様子は以下です。




 この時はまずこのバイクがバイクとして正しく機能するかどうかの確認でした。何かしらのトラブルが起きるのではないかという一抹の不安はありましたが、いざ走行を開始してみると特に問題無く走行出来ました。シケイン等の低速コーナーからの立ち上がりでは明らかに燃調が合っていない症状が認められましたが、FISCOの長いストレートではノーマルのファイナル(15x36)にもかかわらず6速ギアでエンジンは10,000rpm以上回りました。

 とにかく大きな問題はなく、概ねOKという結論が出て安心しました。今回の目的はあくまでも完成検査。この時の走行距離は約23kmでした。 


IMG_3635IMG_3636 さて、純正のオリジナルカウルを装着している限り、レース出場や筑波サーキットでの走行は不可能です。ということでオイル受けを装着したレース用のカウルを製作しました。

 まずは素材の入手から始めなくてはなりません。純正と同形状のFRP製のカウルを販売しているショップがアメリカにあり、そこからアッパーカウルと左右のサイドカウルを取り寄せました。この時代のバイクのカウルは搬送の利便性を考えていませんから、いざ段ボール箱でカウルを梱包すると超巨大です。なんじゃこりゃ、というくらい大きな段ボールがアメリカから届きました。商品代金と送料がほぼ同額というちょっと理不尽な感じでした。 

 それを知り合いの業者さんに持ち込んで加工をお願いしました。左右サイドカウルの底部を繋いでしまい、その代わりサイドカウルを上下分割式に改造してもらいました。繋いだ底部に仕切り板を取り付けてオイル受けになるようにしました。フィッティングを終えてから改めてペイントを施していただき、完成した姿がこの画像です。これでレース出場が可能です。バイクがこの状態まで出来上がったのが2020年の年末のことでした。

 開けて2021年になりましたがなかなか走行する機会に恵まれず、やっとその機会が訪れたのは11月23日のことでした。場所は筑波サーキットです。20分の走行枠でしたが、周回数は15周。慣熟走行から少しずつペースを上げ、タイム的には6秒台に入ったくらいでした。
 
 しかし実はこの走行でトラブルが発生してしまいました。それは何かというと、ブレーキをかけてフォークが沈み込むとフロントタイヤがカウルに激しく干渉するのです。ラジエーターの下あたりで左右のカウルが連結しているのですが、その部分にタイヤが干渉します。走行中に強くブレーキをかける場面でフロントからガツガツという突き上げ感があったのですが、原因はそれでした。その対策ですが、このカウルはレース用に製作したもので純正のオリジナルではありませんから、干渉する部分を惜しげもなく切り飛ばして対応しました。

 また前回走行したFISCOで感じたタイトコーナー立ち上がりにおける燃調の不具合は、ここ筑波でも明らかに感じられました。ちゃんと走らそうと思うのであれば、シャシダイに載せて燃調のセッティングが必要だと改めて確信しました。

 さて、次の走行は2022年6月19日。場所は富士スピードウェイ。MAXのレースです。天候にも恵まれレース日和ではありましたが、場所がFISCOですからスーパーモノで大排気量車と一緒のレースはちょっと厳しいです。とはいっても、今回の目的はスーパーモノがFISCOの長いストレートを全開で走行する姿を皆さんにお披露目したいということなので、レースの結果には全く拘っていませんでした。


20220619_141510 グリッドは後ろの方ですが、ストレートが遅いのでスタート直後に後ろから突っ込まれる可能性を考えるとかえって良かったかもしれません。予選タイムは2分7秒台。決勝でも6秒台でした。2分は切れるだろうと思っていたのですが、全くお話になりませんでしたね。以前748Rで1分55秒、空冷DS1100エンジンを748の車体に載せたバイクで1分54秒、くらいのタイムは出ていたので2分は切れるだろうとタカをくくっていたのですが…。FISCOの場合は少なくともエンジン出力が90馬力くらい出ていないと2分は切れないのでしょうか。そのあたりにしきい値があるのかもしれません。


image01a でもストレートで抜かれてコーナー進入で抜き返すというレースはここ暫くありませんでしたから、それはそれで楽しめました。まあ、何はともあれ転倒しなくて何よりでした。





 
 ストレートではスーパーモノの全開走行の排気音をグランドスタンドに響かせて、それを皆さんに聞いてもらうことが出来て良かったです。

 やはり今回のレースでもタイトコーナー立ち上がりにおける燃調の不具合をかなり感じました。ということで早急にその問題を解決して、次回の筑波サーキットでのレースにバイクを持ち込みたいと考えました。
  
Posted by cpiblog00738 at 11:10DUCATI SUPERMONO

2023年09月30日

DUCATI SUPERMONO スーパーモノ・レストア記 その15

IMG_2543
 フロントアクスル周りです。この時代のブレーキディスクローターの材質は鋳鉄です。1993年の888コルサは確かに鋳鉄ローターで、1994年の926コルサからステンレスローターになりましたから、この年式は丁度切り替わりの時期ですね。ディスクローターのディメンジョンは当時のYAMAHA TZ250に使用されていたものと同一だと思われます。


IMG_2645IMG_2646 フューエルタンクのマウロ・ルッキアリのサインですが、タンクにマーカーペンで記してあるだけなのでこのまま放置すると消滅してしまうことは明らかです。パーツクリーナーで拭いたりワックスをかけたりすれば簡単に消えてしまうでしょう。このままという訳にはいきません。

 そこでペイント屋さんにお願いしてクリア塗装をオーバースプレイしてもらいました。勿論塗装前に脱脂は必要なのですが、そのあたりは流石プロフェッショナル、うまく処理してくれました。これで一安心です。
 
 それにしてもこのフューエルタンク、斬新というか何というか、かなり独特は形状ですね。


IMG_2649IMG_2650 タンク内部です。カーボンとケブラーの繊維で製作されているように見えます。よく目にする社外品の危なっかしいカーボンタンクとは一線を画す、素晴らしい造りのタンクだと思います。



IMG_2647IMG_2648 こちらは既存の純正シートカウルですが、部分的にかなり痛んでいたので修正とリペイントをお願いしました。シート後端はドーム状の造りになっていて、こちらもまた斬新なデザインです。



IMG_4912IMG_4916IMG_4917 
 




 この3点のカウルは純正部品の新品です。社外品ならともかくとして、今時こんな部品は手に入りませんよね。なんだかもったいなくて取り付けを躊躇する気分になってしまいました。


IMG_2669IMG_2670IMG_2672 





 と言いながら外装を取り付け、ひとまずバイクは完成しました。こうしてみると本当に美しいというか何というか‥‥言葉が見つかりません。素晴らしいデザインだと思います。今迄のどのバイクにも似ていません。斬新ですが、それなのにまさに宝石のような美しさを持ったバイクです。


IMG_2673IMG_2676 このデザイン、本当のところは誰の作品なのでしょうか?このデザインの流れでインジェクション仕様になった900/1000SSとか749/999系に変遷していくのですが、一般的にスーパーモノとこのシリーズは同一デザイナーの作品と言われていますよね。私にはどうしてもそうは思えません。スーパーモノに関しては、実はタンブリーニさんが関わっていて、監修等を担当していたとすれば納得できるのですが。

 それと個人的な意見ですが、このバイクは純粋にレーシングマシンとしてのこの佇まいで完璧に完成されてしまっているのではないでしょうか?この状態にヘッドライト、ウインカー、テールランプ、といった保安部品を取り付けた姿を想像すると、私は急に幻滅を感じてしまいます。それがストリート仕様が発売されなかった理由だったり……、しないですかね?
  
Posted by cpiblog00738 at 11:47DUCATI SUPERMONO

2023年09月23日

DUCATI SUPERNOMO スーパーモノ・レストア記 その14

 ここからは車体関係のレポートとなります。基本的にエンジンのレストア作業終了後に着手した作業ですが、中にはエンジンの作業と並行して行っていた作業もありますのでその点はご承知おきください。

IMG_2459IMG_2460IMG_2461     






 フロントフォークのオーバーホールです。作業内容としてはバラして部品を綺麗にして不具合が無いかを点検し組み立てる、ということになりますが、一つ問題となるのがフォークシールです。この手のフロントフォークの場合、インナーチューブ径が42mmです。純正オイルシールのサイズは42x54x10.5というサイズです。このサイズのオイルシールは現在なかなか入手が出来ません。今回使用したシールは42x54x11.0というサイズで厚さが0.5mm大きいですが、何とか問題無く使用することが出来ました。しかしこのオイルシールは日本製ではないので経験的に耐久性に難があります。要するにオイル漏れが始まるまでの時間が短い、ということです。まあこれに関しては致し方ないですね。使えるものがあるということだけで感謝しています。 


IMG_2462 エンジンを台に乗せてフレームの載せる準備をしています。







IMG_2464 エンジンを載せる前にフレームの単体重量を計測してみました。その結果は5.82kg、さすがに軽量です。







IMG_2466 エンジンマウントボルトです。これは既存のものにクロメート処理をやり直したものです。錆や腐食の痕跡が残っていますが、これは仕方ありません。






IMG_2467 ステアリングステムの上下です。緑色のアッパーブラケットはマグネシウム製で、純正の新品部品です。ステムベアリング等は勿論新品に交換です。






IMG_2470 フレームのヘッドパイプにステムを取り付けているところです。今のところ順調に作業は進んでいます。







IMG_2474 ハンドルです。何と純正の新品です。








IMG_2475 スイングアーム周りの部品です。マグネシウムの部品には陽極酸化処理、スチールの部品にはクロメート処理を施してあります。






IMG_2479 リアホイールですが、こちらの箱入りの方は何と新品です。この純正のリアホイールサイズは5.00x17です。もう1本、5.25x17というサイズもありまして、こちらはリペイント済みです。当時の指定タイヤサイズは155/60-17というサイズですが、それに近いサイズは現在では160/60サイズとなります。この160/60サイズのタイヤを5.00と5.25のホイールで履き比べてみて、その違いと感触を試してみるということになりますね。


IMG_2482 フロントのアクスルシャフトとナットです。こちらも今迄使用していたものですが、クロメート処理をやり直しました。






IMG_2484 とりあえずバイクとして成り立つのかどうかの確認で車体を仮組しています。







IMG_2485IMG_2487 これはリアブレーキマスターのホルダーです。本来、純正部品はカーボンで製作されているものですが何故かアルミの削り出し部品になっています。削り出しには違いないのですが、どう見てもグラインダーで削り出したと思われる力作?です。これをこのまま使用するのはいくら何でも有り得ない感じです。とはいえ代替え部品はありませんから、何かしらの解決策を考えなければなりません。


IMG_2492IMG_2494 いろいろ考えた結果、グラインダー削り出しのこの部品をフライスで仕上げて使用することにしました。かなり時間と手間がかかって苦労しましたが、これなら及第点という仕上がりになったのでこれを使用することにしました。



IMG_2496 リアフェンダーです。純正部品の新品です。








IMG_2499 メインのワイヤリングハーネスです。純正部品の新品です。







IMG_2501 このハーネスはメーターパネルとメインのハーネスを接続するものです。これも純正部品の新品です。







IMG_2502 こちらはシートスポンジです。純正部品の新品です。







IMG_2512 ラジエーターです。純正部品の新品です。








IMG_2513 ボルテージレギュレーターです。こちらは箱入りではありませんが、やはり純正部品の新品です。







IMG_2514 冷却水ホース、ブリーザーホースです。ここに写っているものは純正部品の新品です。しかし新品を用意できなかったホースもあります。それは既存品を使用するか、似たようなサイズのホースの代替品を探して使用するしかありません。




IMG_2515IMG_2516IMG_2517






 車体を本格的に組み立てています。いろいろな部品を仮組して状況を確認し、問題無ければ正式に取り付け、という手順です。部品を付けたり外したりの繰り返しで、二度手間、三度手間は当たり前、という状況です。

IMG_2518IMG_2519IMG_2538 






 例えばインジェクター。やっとエンジン始動テスト迄こぎつけたところで診断機に繋いでインジェクターの動作テストをしたところ、インジェクターが動作しません。
 チェックしたところ、長期間の放置によってインジェクターのバルブが固着したという結論に達し、インジェクターを新品に交換しました。せっかくバイクの形になっているのにまた分解して作業のやり直しです。上記は一つの例ですが、実際にこんな事の繰り返しです。しかしこういったレストア作業にこの手の展開はつきものです。

  
Posted by cpiblog00738 at 09:15DUCATI SUPERMONO