2019年03月05日

888SPS 参号

IMG_1316 TFDには仕舞い込んだままになっているバイクが数台ありますが、これはそのうちの1台で888SPSです。一時期TFDには888SPSが3台存在した時があり、それぞれ壱号、弐号、参号、と呼んで区別していましたが、こいつはそのうちの参号で未だに此処に在ります。保管状態は室内保管で冷却水とブレーキ/クラッチオイルは抜いた状態、ガソリンタンクは中身のポンプその他を取り出して乾燥させた状態での保管です。

IMG_0725 これは888SPSが3台存在していた当時の画像です。今見ても凄い光景ですね。日付を確認したところ10年ちょっと前の画像でした。






 壱号と弐号はかなり昔に販売してしまいましたが、参号だけは残してありました。当たり前ですが、残しておくのは自分が一番良いと思っている個体ですよね。コイツはちょっと特別なのです。言ってみればコレクター向けというのでしょうか?

IMG_1319 村山モータースから出た正規モノ。そしてこれが一番肝心なのですが、工場出荷時のままの「フルオリジナル」です。例えば凄いのはブレーキ/クラッチホースまで新車時のオリジナルゴムホースのままです。さすがにウォーターホースは交換されていますが。車体に付いているガソリンタンクは888SPSオリジナルのカーボンタンクです。当時村山モータースはカーボンタンクを外してオリジナルのアルミタンクを装着した状態で888SPSの新車を販売していましたが、その村山モータースオリジナルのアルミタンクも付属します。そして当時のオーナーズマニュアル、点検記録簿、車載工具も揃っています。

 で、最近そろそろこのバイクを手放しても良いかな、と思うようになりました。どうしても欲しいという方がいらっしゃればですけど。フルオリジナルという状態を鑑みると、どちらかと言えばコレクター向けです。フルオリジナルを優先しているので何も手を入れていません。エンジンがかかることは長期保存状態にする前に確認していますが、はっきり申し上げて調子は良くないと感じました。気持ち良く乗るんだったら当然エンジンから何から全てやり直す必要がありますが、そうするとフルオリジナル状態が崩れるとも言えます。
 ビンテージ物は何でもそうですが、コレクターの世界では最終的にフルオリジナルの状態に価値があるというところに落ち着きます。自分の好きなギターなんかもそうですが、本物のビンテージギターの場合は壊れていてもフルオリジナルに価値があるということになります。音が出なくてもフルオリジナルに価値があるのです。音が出るように修理すると逆に値段が下がるのです。
 バイクは乗ってなんぼだろ!と言われるかもしれませんが、ギターだって弾いてなんぼのものです。そういった世界も現実に存在するということです。勿論ちゃんと整備して乗りたいという場合はいかなるリクエストにもお答えできますが。

肝心の価格ですが、現状のままで324万円(税別)と提示しておきます。この価格の根拠ですが、このバイクは1992年型で販売されてから27年経っています。27年分の保管料として算出しました。室内保管での駐車(お預かり)料金を¥10,000-/1か月とすると、27年x12カ月でこの値段になります。1年経つと12万円上がるということになりますね。(笑)
 ご興味のある方はお問い合わせください。リクエストがあれば他の画像も公開します。


  

Posted by cpiblog00738 at 10:29商品情報

2019年03月04日

926

IMG_0907 926のレストアがどのくらい進んでいるかというと、現在こんな感じです。最近時間が取れずに作業がストップしていましたが、やっと先日入手したキャリパーその他を取り付けました。




IMG_0908 フロント周りですが、フロントホイールもマルケジーニの5本スポークになりました。フォークステムがナロースパンのタイプ用のコルサ専用ホイールは今やなかなか見つかりません。お客様の協力もあって入手することが出来ました。感謝です。こうしてみるとやっぱり格好良いです。とりあえずディスクはφ290mmを装着してあります。

IMG_0910 車体右側の眺めです。当時の状態そのままではなく、若干進化しちゃってます。でもまとまりは決まってますね。もう少ししたらシェイクダウンが出来そうです。  
Posted by cpiblog00738 at 20:29エンジン/メンテナンス

2019年01月31日

鍛造ビッグブレンボ

 レストア中の926レーシング用にキャリパーを調達しました。元々の純正は40mmピッチ削り出しの2ピースビッグブレンボだったのですが、当時はこのブレーキシステムがデリバリーが開始されて間もないタイミングで、使用しているといろいろと初期トラブルが出現しました。主に問題はキャリパーではなくローター側に発生していたのですが、その対策としてキャリパーとローターを普通のレーシングキャリパーと鋳鉄ローターの組み合わせにしてレースをしていました。という訳で926レーシングのオリジナル状態に戻すためにはとりあえず2ピースビッグブレンボのキャリパーが必要となったわけです。通常であればこの手の中古部品は在庫していることが多いのですが、今回はたまたまそういったものが無かったので新たに調達する必要がありました。
 最初は新品を購入しようとも考えましたが、たまたまヤフオクでこのキャリパーを見つけて購入し、ブレンボジャパンにオーバーホールに出して先日戻ってきたところです。

IMG_0850 これが今回調達したキャリパーです。鍛造品の2ピースビッグブレンボです。モノとしてはかなりのレアアイテムです。元々はホンダの市販レーシングマシンであるNSR500Vというマシンの純正部品として企画設計されたものですが、鍛造時に鍛造の型にかかるストレスが半端ではなく、型がすぐにダメになってしまうので型を製造する業者がお手上げしてしまい実際に生産された製品の数量はかなり少量だそうです。ブレンボの人によると生産したのはせいぜい100セット程度ではないかということです。当時は削り出し製品とは異なるのっぺりとした質感やプリントによるブレンボのロゴが不評で、不人気アイテムだったそうです。しかし鍛造ボディーですから剛性の高さも相俟って性能は文句無し。今回は良いものを入手できたと思っています。  
Posted by cpiblog00738 at 11:59レース

2018年12月16日

クランクケース合わせボルト

IMG_0744 車種によってクランクケース左右を締結しているM8のボルトの中に中空になっていてオイルラインの働きをしているものが1本あります。ボルトの中心にφ3.5mmほどの穴が開いていて、それがボルトの首下にあるφ2.0mmくらいの穴とつながっていてオイルジェットに行くオイルの通路になっています。  
 このボルトがヤワで締め付ける時にすぐに伸びてしまうんですね。M8のボルトですから締め付けトルクは23〜25Nm位は掛けたいところです。しかしこのボルト、モノによっては20Nm位から伸び始めてしまい、それ以上トルクがかけられなくなることが良くあります。

IMG_0747 左が伸びてしまったボルト、右が正常なボルトです。伸びてしまった方は途中からネジピッチが広がっているのが判ると思います。クランクケース左右の締結にはM8のボルトがほかにも多数使用されていますが、それらは中空では無いので特に問題は起こりません。いずれにせよボルトの強度が足りないのが原因です。


IMG_0750 ボルトの頭に数字が書いてありますね。伸びてしまう方のボルトの頭のペイントを取り除くと8.8という数字が表れます。黒い方(クロモリと呼ばれている材質のボルト)には12.9という数字が見えます。この数字はボルトの強度区分を表しています。最初の数字は最小引っ張り荷重、次の数字が降伏荷重を表します。
 具体的に言うと、8.8は1平方ミリメートル当たり80キロの引っ張り荷重に耐え、80キロの8割の64キロまでは弾性変形で荷重を抜けば元の長さに戻るということです。12.9なら120キロまで切れずに120キロの9割の108キロまでは元に戻る、ということです。この数字を見ればボルトの強度が一目瞭然です。

IMG_0749 で、当然ですが伸びないボルトも製作しています。強度区分12.9のボルトに穴をあけて製作したのがこれです。最近製作を思いついたわけではなく、ずいぶん昔から自分のエンジンにだけ使っています。(笑)今迄多くの使用例がありますが、さすがに伸びた例は皆無です。締め込んでいくときの剛性感が全く違って安心感があります。最近は穴の開いていない方の合わせボルトもこの手のボルトを使い始めました。ただ表面処理が黒染めなので耐食性を考えて競技車両のエンジンにしか使っていませんが。こっちの方が締め込んて行くときの感触に安心感があって良いんです。弱いボルトだと弾性変形内とはいえボルトが伸びてくる感触が雌ネジが壊れて抜けてしまう前触れの感触ではないかと疑ってしまい、精神衛生上非常に良くないのです。










  
Posted by cpiblog00738 at 19:55エンジン/メンテナンス

2018年12月12日

開けられたことのないエンジン

IMG_0731 手持ちの999R05エンジンですがこれをベースに競技専用のエンジンを製作することになりました。保管している時には気にしていませんでしたが、いざ開けてみると殆ど新車時のままで開けられた形跡があるのはフライホイール側のカバーだけでした。TFDに来る前もレース専用車だったのですけどね。開けられていないかどうかの判断基準は主に液体ガスケットの状態です。新車時のエンジンは各接合面にグレーのシリコンガスケットが過剰に塗布されているのでそのはみ出し方が独特です。そこに透明や黒のシリコンガスケットが使われていたりすれば開けた履歴があるのは一目瞭然ですし、新車時と同じガスケットを使用したとしてもあんなに派手にはみ出すほどは使いません。純正と見分けがつかないようにわざと多く使う人もいるかもしれませんが、その場合は例外ですけど。
 何はともあれ開けられたことのないエンジンには非常に安心感があります。おかしなことをされていないことが保証されますからね。安心して作業を進めることが出来ます。  
Posted by cpiblog00738 at 20:21エンジン/メンテナンス

2018年11月30日

超音波洗浄機

 先日超音波洗浄機なるものを導入しました。昔眼鏡用のものをどこかで見た記憶がありましたが、それの大きいやつですね。水槽にカーボン落としの洗剤入りの水を入れてヒーターで加熱し、適当な温度になったところで部品を沈めてスイッチオン。その後は30分〜1時間くらい放置です。

IMG_0716 今回は試しにこのピストンとバルブを洗浄してみました。ピストンは888と1198、バルブは996RS2001のINとEXです。888のピストンはリングから下の部分に摺動抵抗を軽くするための黒いペイントが施してあるのですが、それがどうなるのかに興味があってテストに採用しました。



IMG_0718 60分間の洗浄後です。まあ期待通りと言って良いでしょうか。ピストンのカーボンはちゃんと落ちますが、バルブに関してはイマイチです。EXバルブが綺麗に見えるのは既にボール盤で耐水ペーパーを用いて磨いてしまったからです。EXバルブは高熱にさらされた状態でカーボンが焼き付くのであまり綺麗になりませんでした。INバルブの方もイマイチですね。
 興味があった888ピストンのペイントですが、綺麗に落ちてしまいました。洗浄中の様子を目視していると、むしろカーボンよりもペイントの方が早く落ちていく感じでした。
 まあこういった類の道具は「使いよう」ですから、これから洗剤の種類や温度等の条件をいろいろと試してみてより良い効果が得られる条件を探そうと思います。  
Posted by cpiblog00738 at 09:27エンジン/メンテナンス

2018年11月14日

926のレストア

 IMG_0696久しぶりの更新です。最近何をしているかというと、例の里帰りしてきた926レーシングのレストア作業です。かなり汚い状態だったので通常のオーバーホールよりかなり手間がかかります。先日やっとエンジンが組み上がったので、今日から車体に載せる作業を開始しました。車体周りも各部品を一つずつ洗浄しながらの作業です。
 組み上がったら勿論走行します。レースも出ちゃいます。今から楽しみです。  
Posted by cpiblog00738 at 00:08エンジン/メンテナンス

2018年10月12日

自己ベスト更新です

 自己ベスト更新と言っても筑波のタイムではなく釣りの話です。今年3回目の釣行に行ってきました。もう10月も半ばだというのにたった3回・・・。仕事とレースと怪我の後始末に追いまくられた一年だったような気がします。(まだ今年が終わるわけではありませんけど)
IMG_3497 でもたまには良いこともあるものです。自己ベストを更新しました。今までの自己ベストを記録したのは2012年のことだったので6年ぶりの更新です。使用したルアーもハードルアーで満足です。




IMG_3495 ロクゴーです。まあ体長に関しては測定の仕方で計測値にはバラツキがあるものですが・・・・。





IMG_3499 でも重量に関しては正しい秤を使えば測定値は信頼できる数字になります。非常に惜しいところですが5キロにほんのちょっとだけ足りません。でも十分すぎるテンパウンダー(10Lb超え)です。









IMG_3502 今回はこれだけではなくロクマルクラスを3本掛けました。もう一本がコイツです。何とコイツもロクゴーです。ちょっとスリムなスタイルで重量的には約4キロ。
 そしてもう1本はランディングネットに収める直前に痛恨のバラシ。でもルアーをチェックしたところ、なんとフックを折られていました。それも前後ともです。トリプルフックが2本ともダブルフックになっていました。通常フックが2本とも掛かれば完璧でまず獲りっぱぐれることは無いのですが、ロク越えともなるとこういったことも起こるんですね。
 何はともあれ1日でロク越えを3本掛けたという夢のような一日でした。












  
Posted by cpiblog00738 at 14:17釣り

2018年09月20日

大漁です!

IMG_0586 キノコハンターのエキスパートであるお客様に連れられてマツタケ狩りに行ってきました。めぼしをつけていた場所に夜明けとともに入りましたが、残念ながら空振り。殆ど登山で体力的にかなりきつかったため、今日は残念でしたということで終わりにしようとも思ったのですが、やはりもう一か所廻ることに。その結果がこれです。諦めて帰らないで良かった! 
 大漁とはいえ 私は彼の後ろをくっついて回っただけでマツタケの発見者は全て彼です。やはり慣れが必要です。雰囲気的には宝探しです。砂金で一攫千金、みたいな感じですね。ハマる人は多いかもしれません。それにしても純日本産天然マツタケ!これだけ買ったらいくらするんでしょう?  
Posted by cpiblog00738 at 20:09雑記

2018年09月17日

ピストン入荷

IMG_3493 先日のピストンと一緒にこのピストンも入荷しています。1098用ピスタル製ハイコンピストン、品番は1005A000です。近々使う予定で取り寄せましたが、時間的に余裕があるので必要な方がいらっしゃれば販売します。価格は¥132,000-(税別)です。  
Posted by cpiblog00738 at 11:00商品情報

2018年09月13日

ピストン割れの次は

IMG_0578 クランクケース割れです。サーキット専用車ですが、走行中に右のハンドルに今迄感じたことが無かった大きな振動を感じるようになり、このまま走行を続けると何かとんでもない事件が起こるのではないかと思って走行を中止したそうです。正しい判断です。人によっては確認のためにとか言って次の走行枠までも走ってしまい、エンジンにトドメを刺した方も少なからずいらっしゃいます。
 エンジンに異常な振動を感じ、そのためにエンジン外観を入念にチェックしても原因が判らない場合があります。そうした場合、私はとりあえずエンジン左側(フライホイール側)のカバーを開けてみます。そうすると原因が判明する場合が結構あります。カバーを取り外した瞬間にその異常な重さでカバーを落としそうになり、びっくりして良く見るとフライホイールが外れていてカバーにくっついて一緒に外れて来ていたなんていう経験は一度や二度ではありません。あとはやはりクランクケースのクラックでしょうか。クランクシャフトからの出力を取り出す1次ギアはエンジン右側にあって、感覚的にはこちら側の方にかかるストレスの方が多そうなのですが、何故かクラックは左側に発生することが多いです。当然ですがクランクケースは交換です。新品はかなり高価なので中古の部品を探してきて交換するのが現実的な選択になります。  
Posted by cpiblog00738 at 19:59エンジン/メンテナンス

2018年09月10日

ピストン入荷

IMG_3491 先日ピストン割れ事件が発生しましたが、やっと代わりのピストンが入荷しました。本来ならこんなに時間がかかることは無いのですが、イタリアには夏休みというものがありましてこの時ばかりはどうにもなりません。8月中は音沙汰がなかったのに9月に入ると急にレスポンスが良くなります。何はともあれ部品が来たので作業開始です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:17エンジン/メンテナンス

2018年08月21日

リアハブ周りの部品を刷新しました。

IMG_0508 今自分が乗っている競技車両の車体は基本的に996RS01ですが、そろそろリアハブ周りにガタが来ているのでは?という懸念が最近捨てきれなくなってきました。特にベアリング類は街乗りバイクと比較して結構華奢な造りに見えます。純粋なレーシングマシンというのはそんなものなんですけど、乗り手が不安に思うとタイムは出ませんからね。そこで時間を見てリアハブ周りの部品を新品に交換しました。これでタイムが上がるかも?多分変わらないんでしょうね。(笑)  
Posted by cpiblog00738 at 22:10レース

2018年08月18日

ピストン割れ 最新

IMG_0512 走行開始直後の3周目、いきなりのパワーダウンと白煙。開けてみたらこんなになっていました。






IMG_0515 ピストンを外して裏側から見ると、かなり派手なことになっています。スペアの在庫が有れば交換するのは簡単なのですが。これから部品の手配にかかりますが9月のレースに間に合うかどうかはかなり微妙です。  
Posted by cpiblog00738 at 17:57エンジン/メンテナンス

2018年07月22日

アオダイショウ出現

IMG_0281 TFDにアオダイショウが出現しました。茂みから蛇の尻尾が出ていたところを発見し、とりあえず捕まえました。ちっちゃいやつでしたが結構元気というかやんちゃというか凶暴なやつで、捕まえる際に2ヶ所ほど噛まれて出血しました。(笑)マムシとかはちょっかいを出されて不機嫌になるとガラガラヘビみたいに尻尾を震わせますが、こいつも同様で捕まえる途中に押さえつけると尻尾をビリビリ震わせていました。アオダイショウでこんな奴は初めて見ましたが、蛇的にもこの暑さで気が立っているのでしょうか?
 今の少年たちは蛇を見たらとりあえず逃げるのでしょうか?自分の世代だと男の子たるもの、蛇を見つけたらとりあえず追いかけて捕まえなければならない、みたいな不文律が有ったような。(俺が勝手に思っているだけか)
 子供の頃、夏休みに蛇を捕まえると首に巻いて歩き回っていたりしました。暑い夏休み、蛇は冷たくて気持ち良いんです。今その辺でそんな子供が居たら周りの反応は凄いでしょうね。(爆)  
Posted by cpiblog00738 at 13:14雑記

2018年07月19日

筑波TT

BOTT 6 遅くなりましたが先週末の筑波TT参戦のご報告です。結果的には予選4位、決勝5位という成績でした。骨盤4か所を骨折する怪我をしたのが4月12日でしたからそれから丁度3か月です。おかげさまで回復も歳の割には順調で、まあ何とかなるだろう、という思いでエントリーしましたが、まあ何とかなった感じで良かったです。(笑)
 無理せずに大事にしてくださいという温かいお言葉を沢山いただいて感謝の極みではありましたが、年齢的にのんびりしていると後がどんどん押して来るのでそんなわけにはいきませんでした。
 で、レース当日はとにかく暑かったです。一時は路面温度が64度ということで、人間はもちろんですがどんなタイヤも正常に機能しない状況です。そんな環境でツナギやヘルメット等の装備を装着した状態でいるのは殆ど拷問でした。表彰台の自分を見ても額の血管がブチ切れそうになっていますね。(笑)
 後日動画サイトで当日のレースのオンボード映像をいろいろと鑑賞しましたが、面白いことに気付きました。トップグループの人達は別ですが、中段以降の人達の場合は全10周のレースのうちの7周目あたりから急に「止めた」ような走りになるんですね。動画を見ていて、今チェッカーが降られたのか、と思うのですがそのまま次の周も走り続けるのです。あ、まだチェッカーじゃないんだ、という感じで、要するにライダーの電池切れ状態です。いかに過酷な環境であったかということですね。そんな中、トップグループの人達は全くペースが落ちません。変態です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:16レース

2018年06月13日

シャシダイセッティング

 シャシダイセッティング、今回はちょっと古めの996デスモクアトロエンジンです。元々のエンジンはベーシックモデルなのでデカいクランクウェブに鉄コンロッド、カムシャフトも普通の大人しいタイプです。そのエンジンにSPSのクランクとチタンコンロッド、カムもSPS、インテークバルブは748RS、バルブスプリングも748RS、そういった部品を組み込んだエンジンです。それに加えてインジェクターを並列接続してツインインジェクターに変更しました。その理由は、元々のスロットルボディーはシングルインジェクターのため出力が上がるとインジェクターの容量不足が発生する懸念があったからです。最初はこんなに大改造してしまってちゃんとセッティングが出せるのか、正直に言ってちょっと不安でした。

S4R いろいろとやり込んだ結果、そこそこ満足のいく結果が出ました。スロットル全開のパワーチェックです。





S4R-1 中低速域もこの通り。勿論これらの結果はあくまでシャシダイ上でのもので、実走となるとまた変わってくることは承知の上です。それにしても実走してみての結果が大いに気になるところです。  
Posted by cpiblog00738 at 17:46エンジン/メンテナンス

2018年06月09日

クロモリフレーム

先日フレーム交換のご依頼をいただきました。クロモリフレームを入手したのでスタンダードのフレームと操安性がどう違うのかを体験したいとのことでした。サーキット専用車なのでフレームにも大きな負荷をかけて走行しますから、お客様がどういった違いを感じることが出来るのか私も興味があります。自分の経験でもサーキット走行をするとコルサと街乗り車ではフレームの硬さというか剛性感が明らかに異なることが体感できますから、それと似たような印象となるのでしょうか?

IMG_0145 今回使用するクロモリフレームです。7と40の数字は製造時期で1997年の40週ということです。その後のアルファベット「C」がクロモリ製を表します。このフレームは1998年式の916SPSや748SPSに使用されていたものです。一部の1999年式のバイクにも使用されていたとの情報もありますが、それは実物を見ての判断ということになるでしょうか。ノーマルフレームの場合、材料はALS450と表記されていますがそれがどんなものかはよく判りません。450という数字は引張強さ(N/mm2)を表しているのでしょうか?一方クロモリフレームの方の材料は25CrMo4と表記されています。これはドイツのDIN規格での表示です。日本のJIS規格ではSCM420、もしくはSCM430が相当品であるということなので、引張強さは少なくとも830N/mm2以上ということになります。

IMG_0141 試しにフレームの重量を計測してみました。先に計測したのは今迄使用していたノーマルフレームです。10.14kgということで、結構軽量ですね、という印象です。




IMG_0144 で、次はクロモリフレームの方です。何と、8.93kg。9キロを切っています。構造はほぼ等しいので重量の差は肉厚の差ということになります。






 重量の違いだけで判断しても、形が同じだけでモノとしては別物ということになりますでしょうか?フレーム交換作業はもう終わっていますからあとは実走してみるだけです。どんな違いを感じることが出来るのか、楽しみです。  
Posted by cpiblog00738 at 10:15エンジン/メンテナンス

2018年05月29日

シャシダイセッティング

 某お客様の1098Rですが、イマイチどころかかなり乗り難い、これはエンジンの出力特性がおかしいのではないか?ということでシャシダイ上でセッティングを施すことになりました。エンジンは基本的にノーマルですがDPのカムが組んであります。ECUはマイクロテックのフルコン(M197)を使用しています。エンジンマネージメントのデータファイルはマイクロテックによる御仕着せのものをそのまま使用しています。以前DP製のECUを使用していた時はエンジン特性に唐突なところは無く特に問題なかったのですが、マイクロテックのECUに交換してから問題が発生した印象がありました。

1098R Before まず現状がどんなものなのか、とりあえず測定した結果です。2番シリンダはまあ許せるとして、1番は酷すぎですね。スロットル開け始めから40%開度迄、6,000〜7,500rpmでA/Fは10に張り付いています。測定可能な範囲が10以上なのでこうなっていますが、実際の数値はもっと低いことが窺い知れます。
 それとは別の問題はスロットル開度100%(全開)時の1番シリンダのA/Fです。8,500rpm近辺でA/Fが15を超えて15.6くらいです。とりあえずこうした問題を是正すべくセッティングを行っていきました。
 その結果、A/Fが濃すぎる問題はクリアできたのですが、例の全開域で薄い状態を改善しようとすると新たな問題が発覚しました。適切な空燃比を得るためにインジェクターからの燃料の噴射時間を増加させていくのですが、そうすると適正な空燃比を得るためには燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。M197の御仕着せのフューエルマップを見ると1番シリンダの8,500rpmの噴射時間は最初から約16ミリセックです。エンジンが8,500rpmで回っているということは、4ストロークエンジンの場合だと60秒÷4,250で1サイクルは約14ミリセックです。まあいろいろな要素が絡むのでこの数字を比較して即「噴きっぱなしだ」と決めつける気はありませんが、それでもほぼ限界に近いことは確かです。
 噴射時間の数字を増やして空燃比を正常な値に近付けていきましたが、やはりこの条件ではムリがあるようです。M197にはダイアグの中に噴射時間がオーバータイムになった回数を記録する欄があり、シャシダイ上で数回テストしただけでその数字が万の単位になります。経験上このまま走らせていくとM197は壊れてしまう可能性が高いと判断しました。噴射時間のオーバータイムが積み重なると回路のトランジスタが焼けてしまい、その結果インジェクターが閉じなくなって燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。こうなってしまった場合ECUの修理は不可で、対策としてはECUの交換しかありません。
 ではどうするか?燃圧を上げるという手段もありますが、今回はインジェクターの交換に踏み切りました。1098Rは1気筒当たり2個のインジェクターが使われています。プライマリー側がIWP162(容量329cc/min)、セカンダリ側がIWP189(容量510cc/min)というタイプです。これを両方とも容量の大きいIWP189にしてみました。当然燃調のセッティングは最初からやり直しになりますが。

1098R After 改めてセッティングをやり直した結果がこのグラフです。スロットル開度の大きいところの燃調は合わせやすいのですが、開度の小さいところは気温、湿度、エンジン温度、といった諸条件によって結果が安定し辛いので苦労します。とりあえずこの状態で実走してみて、足りないところや不満がある場合は改めて対応しようと思います。ちなみにインジェクターの開弁時間の最大値は13ミリセック程度に収まりました。セッティング後のオーバータイムの数値も百単位だったので問題無いでしょう。

1098R 100% 最後にスロットル全開のパワーチェックの結果です。180馬力を超えました。この時の気温は26度くらいでしたが、もし冬の気温が一桁のような寒い条件下で測定したら190馬力とか出るような気もします。ちゃんと扱えるかどうかはまた別問題ですけど。
 今時のバイクと異なりこのバイクには特に大した制御が介在することはありません。何時何処でもその気になればこの馬力を出力させることが出来るわけです。当時のA級ライダーのインプレッションを思い出しました。「馬力は売るほどあります。無理に開ければリアが滑るかバイクが上を向くかのどちらかです。(笑)」ある意味最後のバイクらしいバイクとも言えます。今時のバイクは200馬力以上のスペックを持っていても常に何かの制御が介在していて、フルパワーを発揮するシチュエーションは極僅かだと思います。安全ですけど。  
Posted by cpiblog00738 at 11:58エンジン/メンテナンス

2018年05月28日

ピストン割れ

 怪我をしてからそろそろ1か月半。おかげさまで順調に回復しており、既にフツーに仕事をしています。問題があるとすれば重量物の運搬くらいでしょうか。動くとそれなりに痛いのは仕方がないですが、痛さには慣れてしまうものです。痛み止めの薬も最近は使っていません。骨が完全に付くまでに3ヶ月くらいはかかるのが普通と聞きますから、1か月半としては上々な仕上がり?です。

IMG_3409 ところでまたピストン割れが出現しました。ピストンを使用した距離は約3,200kmとのこと。もちろんサーキット走行専用車両です。経験的にレース用ピストンの耐用距離は大体3,000kmと昔から認識していますから、今回もまさにその通りということになります。運が良ければシリンダは再使用、ピストンの交換のみでエンジンを復活させることが出来るのがドゥカティの凄いところです。  
Posted by cpiblog00738 at 15:29エンジン/メンテナンス