2005年08月31日

748/916/996系のフレームの話・その4

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こちらはレーシングフレームではなく、市販車モデルのホモロゲフレームで、車種は1998年型748SPSです。748にもホモロゲフレームを持つものが存在するのですね。私も最近まで気が付きませんでした。

メーカーがわざわざこんな事までするということは、この構造は748/916/996系のレーシングフレームにとって不可欠な要素である、と理解してよいと思います。

例えば以前走らせていた748RSも、そのフレームをパーツ番号で拾ってゆくと、748系ではなく、ホモロゲフレームである99年型の996SPSのフレームと同一だったりします。

パイプフレームというものはかなりデリケートなもので、ガセットを一つ追加したり外したり、小さなパイプを1本補強したり外したりする事で、かなり操縦性の味付けを変えることが出来るのでしょうね。

そう考えると現行の749/999系のフレームは、ディメンジョンこそ748/916/996系と同一ですが、フレームの持つ特性はかなり違うのだと思います。見た目にもパイプの数が違ったりして、それによる特性の変化は今回SUGOの全日本で749Rを走らせて見て、改めて思い知らされました。

  

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748/916/996系のフレームの話・その3

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こちらは2003年式998RSです。やはり前述の916レーシングと同じ造りになっています。こちらは溶接がTigで綺麗ですね。コルサやRSと呼ばれるマシンのフレームは皆この造りに準じています。

スーパーバイクレギュレーションでは、フレームは市販車モデルと基本的に同じでなければなりません。そのレギュレーションに合致させるために、当然市販車にも同じ造りのモデルが存在します。ホモロゲモデル、と呼ばれています。

このタイプのフレームを持つ市販車は公には公表されていませんが、今まで見たことがあるものとして、95年頃の916SP、98年頃の916SPS、99年頃の996SPS、等があります。私の印象では、同じ年式の同じモデルでも、個体によってホモロゲフレームを持つものと、そうでないものが有るように感じます。

今までこんな事を気にした事がなかった方も、もし自分のマシンのフレームがホモロゲモデルのそれだったら、かなり気分が良いですよね。気になる方は早速見てみてください。

  
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748/916/996系のフレームの話・その2

4f12c032.JPGそしてこれは1995年型916レーシングの同じ部分です。立ち上がったパイプの溶接部の形状が明らかに違いますね。スイングアームピボットから立ち上がったパイプがメインフレームのパイプまで届くように延長されて溶接されています。  
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2005年08月30日

748/916/996系のフレームの話

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今日はフレームの話です。

これは2002年型998Rのフレームです。位置的には左のステップブラケットの前側です。スイングアームピボットから立ち上がっている2本のパイプのうちの、前側の上端に注目して下さい。エンジンマウントボルトの通るパイプに溶接されています。この画像のような溶接のやり方が広く一般的に見られる方法です。

  
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2005年08月21日

749Rのフレーム

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ただいま全日本SUGO大会に向けて749Rのエンジンをオーバーホール中です。今のところエンジンに問題は無さそうです。

画像はエンジンを降ろした残りのフレームです。中央部に斜めに走る補強パイプが1本しか見えません。オマケにエアボックスとの干渉を避けるために潰してあります。748/916/996モデルとの操縦性の違いはおそらくこのあたりに起因するのではないかと最近思うようになりました。748/916/996系はここは×印の補強パイプになっています。またその他にも細かい違いが色々有り、749/999系は剛性を落とす方向になっており、そのひとつひとつがそれぞれ影響していると思います。749/999系がいきなり乗って乗りやすく感じるのはフレームのこのあたりの剛性を故意に落としているからでしょうね。その乗り易さと引き換えに本気のレースではネガが出てしまうのも現在の情勢では致し方ないと思います。

748/916/996系は街乗りやそれに準じた速度域では乗りづらいですが、フレームの補強部を切り飛ばしてこの画像のように造リ直せば749/999系のように乗り易くなるかもしれません。またその逆のことも言えると思います。

  
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2005年08月14日

シートサポート

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カーボンのシートサポートも新品にしました。今まで付いていたものは、これまた私が当時修理したもので、転倒によって粉砕したものを寄せ集め、アルミ版とリベットでつなぎ合わせた殆ど芸術品?というか、オブジェとも呼べるようなシロモノでした。機能的にはちゃんと役目を果たしていたんですけどね。

  
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2005年08月13日

フルエキゾースト

c5fdc681.JPGフルエキはなんと!φ57mmです。本当はφ54mmがベストマッチかと思ったのですが、あいにく手持ちが無い!元々付いていたのは当時のSTDであるφ50mm。今時これはちょっとイケてないので、以前TFDで走らせていたRS01のスペアだったφ57mmが登場しました。これは以前何回かの転倒歴があるので、それなりにキズがあります。元々はカーボンサイレンサーだったのですが、転倒で片側が壊れ、そっち側だけチタンのサイレンサーになっていました。私は左右の材質が揃っていなくても気にしていなかったのですが、今回は新しいオーナー様のため、もう片方もチタンに組替えました。  
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バッテリーケース周り

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バッテリーケースは新品にしました。今まで付いていたものは、私が当時(95年頃)手造りで製作したアルミ製のもの。当時はカーボンのバッテリーケースは高価だったので(今も?)壊してしまったら新しく作ってしまったほうが手っ取り早かったのです。配線類もかなり汚くなって傷んでいたので、出来る限り綺麗に作り直しました。

  
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スロットルボディー

76a746dc.JPGスロットルボディーは今やお約束のφ54mm。このφ54mmというのは96年型コルサの仕様です。748/916/996系のノーマルはφ50ですから、それに較べてかなりビッグボアです。とはいえ、最近のモデルは748Rあたりからφ54mmがあたりまえになっているとも言えますが。  
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スプロケット周り

1d5be027.JPGリアのスプロケット周りです。前に紹介したスプロケットホルダーにSTM製スプロケットの組み合わせです。おそらく筑波でシェイクダウンすることになるので、それにあわせてZ36の新品です。チェーンはDIDの520ERV2。最近ERV3が出たとの事ですが、今回はとりあえずERV2の新品で我慢して下さい。  
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ステップ周り

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またまた超ピンぼけですいません。ステップ周りは新しく造りました。今度の運転手様が正チェンジをご所望だからです。ステップバーのブラケット(黒い3角のヤツ)は最近のRS用の部品(新品)です。ロッドはころがっていた材料から削りました。

  
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少しづつ作業は進んでいます

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ピンぼけで失礼します。キャリパーは当然ビックブレンボです。そして当然のことながら、しかるべきところへ頼んでオーバーホール済みです。耐圧テストまでやってくれています。

ローターはφ320mmの厚さ6mm。但しこのホイールに関してはコロガシ用で、実際には他のものが装着されます。フォークはちょっと古めとはいえGPフォークですから、最近の量産フォークなどぶっちぎりの動きをします。

  
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2005年08月07日

そして車体の組み上げが始まりました

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エンジンにフレームを載せ、前後の足回りを取り付けてゆきます。
全ての部品が綺麗にメンテナンスされたものか、もしくは新品ですから、ちょっとオーバーかもしれませんが、新車みたいでしょう?
フロントホイールアクスルシャフトも新品です。今まで使っていたものは度重なるクランプの締め付けで、締め付けられていた部分の直径が部分的に小さくなっていました。
このマシンの以前の姿を知っているお客様が、これを見るなり、こうおっしゃいました。「凄いね、アレがこんなになるんだ!」
  
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新品のステアリングブラケットです

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以前に紹介した新品のステアリングブラケットです。もともと車両についていたものに、経年変化とその他の要因でクラックが発生していたので新品を取り寄せました。
既にステアリングチューブに上下2個のベアリングとともに組み付けてあります。
ちなみに今回のレストアでは、車体周りに関して全てのベアリング類とオイルシール類は、新品を使用しました。
  
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リアスプロケットのホルダーです

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リアスプロケットのホルダーは2001年あたりに仕様変更されています。外から見ると判りませんが、裏から見ると違いが判ります。左が従来型、右が新型です。
旧タイプはスプロケットをサークリップで位置決めしていましたが、新型ではサークリップを廃止し、幅広なカラーでスプロケットの位置を決めています。
このマシンには元々旧タイプが使われていましたが、今回は新型の方を奢る事にしました。
  
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車体に使われている主要ボルト類です

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一番太くて長いのがスイングアームピボットシャフトです。このシャフトはレースをすると容易に曲がります。ちなみにこれは新品です。今まで使用していたものは使用不可でした。このシャフトはストリートバイクのそれと長さが違いますので、混同しないように気をつけます。
その横の黒っぽい長い2本はエンジンマウントボルトです。これは見るからにストリートバイクのそれとは異なりますね。
その他はサスの取り付けボルトや、リアのエキセントリックハブの締め付けボルトです。
  
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スイングアームが上がってきました

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そんなこんなしていたら、アルマイトに出していたスイングアームが出来上がってきました。黒です。
画像では良くわからないかもしれませんが、どちらかというとつや消し黒、という感じです。
私の好みとしては、こうしたスイングアームに関してはペイントより断然アルマイトの方が好きです。
  
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こちらはフロントフォークです

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フロントフォークがバラバラになりました。こちらはリアショックに較べてかなりスラッジの量が多く、各部品の上側に真っ黒に積もっていました。またフォークインナーチューブの普段外から見えない部分にも、毎度の事ですがスラッジがこびりつき、こいつを綺麗になるまで落とすのが大変です。
これも一般的によく言われる100万円フォークのうちの一つですが、結構簡単な造りなので、何処が100万円なんだろう?とよく思ったりします。でも実際にバイクを走らせて他のフォークと比較すると、やっぱり値段分の違いが有るんですよね。
  
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リアショックのオーバーホールです

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そろそろスイングアームのアルマイトが出来上がってきそうなので、車体の組み上げに備えてサスペンションのメンテナンスを行いました。
バラバラになっているのはリアショックです。
これといって特に問題はありませんでしたが、スラッジがかなり多く見受けられ、バルブシムの上などに積もっていました。
 
 
  
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