2007年02月08日
ピストンのお話
ピンで連結したピストンは右が998や999のノーマルピストン(φ100mm)、左が998Rや999Rのピストン(φ104)です。ピン上の高さにかなり差が有るのがお判りいただけると思います。104ボアの方がハイコンプだから?いやいや、そうではなく、これは各エンジンのストロークに起因するものです。
104ボアのエンジンと100ボアのエンジンの、クランクセンターからヘッド面までの距離は同じです。使っているコンロッドの長さも同じです。ということは、上死点におけるピストンピンの位置は、100ボアのエンジンより104ボアのエンジンの方が低くなります。
どのくらい低くなるかというと、双方のエンジンのストロークの差の半分です。100ボアエンジンのストロークが63.5mm、104ボアエンジンのストロークが58.8mmなので、(63.5−58.8)÷2で、その値は2.35mmです。
この差を埋めるために、104ボアエンジンのピストンは画像のようにピン上の高さが高くなっており、矢印で示したその差が2.35mmということになるわけです。
ピン上の寸法が大きくなるということはピストンが縦に大きくなる事を意味します。その結果、104ボアのピストンは実際に計測するとかなり重量があります。どのくらいの重量があるかというと、実測値で998Rが510グラム前後、999R05で525グラム前後です。私の知る限り、歴代スーパーバイクのピストンの中ではブッチギリの最重量です。ちなみに100ボアの998ノーマルピストンだと470グラム前後で、その約50グラムの差はピストンのピン上の寸法の増大によって生まれたものでしょう。
高性能なはずの104ボアのピストンがそんなに重くて大丈夫なのか?ということにもなりますが、ショートストローク故のピストンスピードの遅さがそのあたりのネガをカバーしているものと思われます。
ピストンのお話の続き
こちらの画像は、同じく左は104ボアのピストンですが、右はこれまた強烈にハイトが低いですね。矢印で示したその差はなんと7mm以上有ります。
実はこれ、999のファクトリーマシンや999RSに用いられている純正のレース用ピストン(同じく104ボア)なのです。何でこんなに高さが低くて大丈夫なのか?それはレーシングエンジンのコンロッドが市販車のそれよりも長く作られているからなのです。ピストンのピン上の寸法を伸ばさないで、その分コンロッドを長くしているのですね。コンロッドを長くすると当然コンロッドも重くなるとは思いますが、コンロッドが長くなればコンロッドにかかる側圧が減るので強度的に余裕が生まれ、思ったより重量増は少ないのでしょう。
それよりもこのピストン、重量は393グラムに過ぎません。
やはりレーシングマシンって凄いですね。そのうち機会があったらコンロッドも比較して見たいと思います。
ちなみに画像に写っている104ボアのピストンは優秀な社外品で(ノーマルも社外品もピン上の高さは当然同じです。中央の出っ張りは別として)、かなりの技術力で軽量化に努力していますが、それでもその重さは455グラムあります。
2007年02月04日
新しいツナギです
新調したツナギが出来上がってきました。
画像上でいろいろとシミュレートしてこのようなデザインにしたのですが、実際に出来上がってみるとやっぱりイメージと違ってしまったところは有りますね。ここをこう直してああして、とか思うのですが、たぶん実際に使い出すともうどうでもよくなってしまうと思います。
着心地は最高です。例えて言うなら、分厚いサポーター感覚という感じでしょうか?他メーカーに多く見られる、鎧甲冑感覚のものとは一線を画しています。動きやすいので、その結果として細身に作れて見た目もスタイリッシュです。私くらいの歳になると、こうした体型を矯正してくれるようなツナギはありがたいです。