2009年02月18日
バルブガイド交換
空冷エンジンのエキゾーストバルブガイドを抜いたところです。レースで酷使されていたエンジンですが、開けてみるとエキゾーストガイドが1箇所動いて2mm程浮いて来ていました。ガイドの上部にはクロージングロッカーで叩かれた痕跡があったので、ガイドは出たり入ったりしていたのかもしれません。
ためしに冷間のまま軽く叩いてみたところ、あっけなく抜けてしまいました。私の感覚的には締めシロが0.00mmという感じでした。画像のようにガイドの入っていた穴の内面は荒れてしまっています。
計測器を用いて抜いたガイドの外径を計ってみると13.08mmです。一方ガイド穴の径はやっぱり13.08mm。思ったとおり締めシロはゼロでした。他の3箇所ですが、インテークは2箇所とも締めシロ0.04mmを確保しており正常。残りのもう1箇所のエキゾーストは締めシロ0.01mmでこちらはNG。エキゾースト側は熱的にかなり厳しいようですね。この穴にオーバーサイズのガイドをそのまま入れるのはちょっとイヤなので、一度穴にリーマを通して内面を整え、その穴に合わせたガイドを製作して装着します。手間とお金はかかりますが、その代わり安心が買えます。まあ知らなければ(状況を理解していなければ)それまでとも言えるのですが。
やはり空冷のエンジンは熱的に厳しいですね。昔の空冷エンジンは発生する馬力もタカが知れていたので何とかなったようですが、最近の空冷エンジンはそれなりの馬力を発生します。そこから発生する熱を吸収して放出するためには空冷はちょっと役不足のようですね。
品番の刻印
昔から例えばエキパイには部品番号の刻印がありました。昔の刻印はいかにも「刻印」という感じで、字が凹んで刻まれていました。それでもエキパイの場合は丸い部分に綺麗にムラ無く字が彫られていたので、一体どうやって刻印しているのだろうと不思議でした。
何時の頃からか、部品番号の表示は画像のようなものに変っています。レーザーとかでの印字でしょうか?時代は進みますね。
まだ有るんだ!
データ上ではまだ有るということなので、部品を発注してみました。何かといいますと、888SP3/SP4の純正サイレンサーです。左側のみでしたが、ちゃんと来ましたね。ちょっとびっくり。
この頃の純正サイレンサーは画像のようにアルミの筒で、中は直管です。テールエンドに申し訳程度にディフーザーが溶接の点付けで付いています。当時はこのディフーザーを外した状態で新車に装着されていたような覚えがあります。何はともあれ貴重な一品ですね。
添加剤の影響か?
先日オーバーホール中のエンジンで、ピストンリングがこんなになっているものがありました。3分割タイプのオイルリングのスクレーパーで、拡張スプリングの痕がはっきりと付いていました。一瞬これは拡張スプリングとリングが擦れ合って焼きついてしまったのかと思いましたが・・・。
思い直して溶剤をつけた布で擦ってみると、この痕は消えました。画像の右半分、綺麗になっているところが拭き取ったところです。これは何だろうと考えましたが、おそらくおかしな添加剤でも入れていて、それが積もって固着していたのではないかという結論に達しました。こうなっていると、本来自由に動くはずのリングの動きが制限されるわけで、どう考えても良くない事になっていると思います。
私の持っている添加剤に対するイメージは偏見に満ちていますが、それは以下の通りです。
「添加剤が効くようなエンジンは既に完調ではありません」