2009年09月29日
シリンダーを仮組み
シフトコントロールアーム
2009年09月27日
クランク
クランクケースは
ミッションメインシャフト
ミッションカウンターシャフト
ピストンリングについて
画像はピストンリングのシリンダーと擦れ合っている部分です。判りやすいように2ndリングの画像にしました。画像の上半分が黒色、下半分が金属の地肌が出て銀色になっているのがお判りいただけると思います。新品は全て黒色で、シリンダー壁と馴染んでアタリが付いたところが金属の色になります。この金属の色の部分が一周しないとリングは本来の性能を発揮しません。そしてこのまま使い続けるとアタリがついた部分がどんどん広がり、全面が金属の地肌になってベタ当り状態になります。組んだばかりの状態では全体が黒色で、その状態ではリングが本来のシーリング性能を発揮しないので、はっきり言ってエンジンは遅いです。慣らしが進むに従って当たりがついた部分が細い金属色の線となって現れます。新品のピストンリングを使用すると、アタリがつくまで結構な時間がかかります。丁度画像のような状態が、アタリがついた旬の状態と言えるでしょうか。
という訳で、アタリのついたリングはなかなか交換する気になれません。(少なくても合口隙間がリミットを越えるまでは)新品にすると少なくとも500kmくらい走行しなければリングは本来の性能を発揮しないのです。(これはドゥカティのスーパーバイクの場合です。他の車種の場合はどうだか知りません)全日本をやっている頃、黙ってリングを新品にすると、必ずライダーから「今回のエンジンは遅い!」とクレームがついたものです。ピストンの交換が必要な走行距離になって、でも遅くなるのがどうしても許されない場合は、しょうがないのでピストン本体だけ交換してリングは再使用、なんてこともずいぶんやりました。つまりここだけの話、レース直前にピストンリングを新品にするなんてことは・・・・・。お判りですね?
ピストンです
洗浄が終わったピストンです。状態は良好です。2個ともクラス「C」なので外径は普通より大きめです。99.95mmと99.96mmでした。
ピストンリングの合口隙間も初期値の範囲内に収まっていますので、当然ながらそのまま使用します。
2009年09月24日
クランクが組み上がりました
コンロッドボルト
コンロッド
こちらはコンロッド、洗浄済みです。チタンコンロッドは使用してゆくに従ってメタルとの接触面に剥離が発生し、それが進行してゆきますが、このコンロッドはまだ剥離も殆ど発生していません。やはり走行距離の少ないエンジンの部品のようですね。
ちなみにボルトとメタルまで含んだ総重量は404.2gと404.4gで殆ど同じです。一般的にチタンコンロッドの場合は切削したりしての重量合わせをしないので、本気で重量合わせをしようとすると、大量のコンロッドを用意してその中から重量の同じものを選出するという方法になります。非現実的です。という訳で、このエンジンの場合は非常にラッキー、良いエンジンになりそうですね。
クランクケース加工
クランクケースにちょっとした修理加工を施しました。一番下の底の部分ですが、ボルト4本で止まっているオイルサンプカバーの取り付け面とドレンプラグの取り付け面は本来同一の高さで、ツライチになっています。しかしこのケースを見るとドレンプラグの座面だけ削りこまれて段差が出来ています。
実はこのケース、ドレンプラグの座面にちょっと大き目のキズが有り、そのためそこからオイル漏れを起こしていました。このクランクケースが使用されずに放置されていた理由はそこにあります。
ということで、その傷が消えて座面がまっさらの綺麗な状態になるまで、フライスを使って削り込みました。そのために出来た段差というわけです。これでバッチリです。逆に考えると、このケースは新車時からこういった状態だったため、殆ど使用されていません。つまりほぼ新品ということになりますね。
2009年09月23日
ドゥカティカップ・マスタークラス
先週末に筑波サーキットでドゥカティカップが開催されました。一番の注目を集めたと思われるのが、アマチュアドゥカティライダー最速を競うマスタークラスでした。私はレースを観戦する立場でしたが、近年まれに見る、手に汗握る白熱したレースで、実際に走行していた選手は勿論の事、レースをご覧になっていた方も大満足のレースだったと思います。
ところがこのレース、レース後の再車検でケチがつき、トップの2台が車輌規定違反で失格という事になりました。せっかくの雰囲気を台無しにする裁定でしたが・・・。まあ、レースというのはレギュレーションありきですから、しょうがないといえばしょうがないのですが。
ここから先は私の個人的な意見です。
サンデーレースはお客様(エントラント様)に如何に楽しんでいただくかという事が最優先される、主催者にとってはお客様相手の「客商売」であります。お客様がレースを終えて、「楽しかった!また次も出るぞ!」と思うような運営がなされて当然というか、それを目指さなくては開催の意味がありません。何しろエントラントは自分のお金で高価なバイクを購入し、さらにお金をかけ、レースというある意味危険の伴う高尚な趣味を持っている方々です。エントラントの皆さんの年齢を見ても、ドゥカティカップなら平均40歳を越えているかもしれません。(ちなみに先日のMAX10のレースでは、エントラントの平均年齢は40歳代半ばでした)こうした方々は社会的にも責任のある高い立場におられることも多く、当然ながら世の中の構造や酸いも甘いも知り尽くしているわけです。そうした方々にとって、こうした世の中の流れと逆行するような仕打ちに会うことは非常に不本意なのではないでしょうか?
昔から車検担当者とエントラントは犬猿の仲というのがレース界の常識でしたが、それはプロのレースやそれを目指す選手権においての事で、そのノリをサンデーレースに持ち込んだとしたら、お金を払って参加したお客様に「お前はもう来るな!」といっているようなものです。頭悪すぎです。レースが廃れる最大の原因の一つだと私は思っています。
今回の出来事の原因は、レギュレーションにあります。車輌規定はNT(ノーマルツインクラス)に順ずる、ただし例外あり、となっていました。ノーマルツインクラスのレギュレーションなら、殆ど改造不可です。何でこんなレギュレーションにしたんでしょう?マスタークラスに出るようなエントラントは、趣味としてのバイク歴、ドゥカティ歴が非常に長く、バイクの改造にも熱心です。彼らのバイクはそんなレギュレーションに合致するものであるわけはありません。そんな事は業界の中に居る人間なら百も承知な筈です。例えば今回私が車検をまかされて、ノーマルツインクラスのレギュレーションに合致しない車輌は全て失格にしろ、と言われれば、今回のエントラントの過半数を失格にできる自信が私にはあります!それほど今回のレギュレーションは現状からかけ離れていたと言い切れます。ですから、マスタークラスにおいてのレギュレーションに限っては、例えばFIMの車輌基本仕様に準じていれば何でもOK、というような感じにするしかないでしょう。大改造されたお金のかかったバイクはやはり華がありますし、イベントの雰囲気を盛り上げます。それにいくらマスターカップのライダーが速いとはいえ、所詮アマチュアライダーですから、お金がかかったバイクの方が絶対的に速いかというと、実はそうでもありません。これがバイクの面白いところでもあります。
あとは車検をやっている方々、選手権とこういったサンデーレースを一緒に括って同じ対応をするのはどうかと思います。確かに与えられたレギュレーションを守るのが車検の方々に与えられた仕事です。しかし、例えば50km/h制限の一般道を51km/hで走ったからといって、「お前はスピード違反だ」と捕まえるような行為は、プロのレースと選手権のレースだけにしてください。おまわりさんも一般公道においてはスピード云々よりもまず流れのスムーズさを優先していると思います。開催されているレースの雰囲気を察して、そのイベントが如何に盛り上がって大成功するかを優先した曖昧な裁定も、時には非常に大切で必要とされると思います。
上手くまとまりませんが、以上です。
2009年09月05日
エンジン番号
ベンチテスト用エンジン
近い将来、EVR製のフルコンを扱う事になるので、とりあえずデータ取り用のエンジンを製作することにしました。このエンジンをEVRのフルコンを使ってエンジンダイナモ上で回し、データを取ります。ECUが現地から送られてくる時に一応基本マップはインストールされているのですが、どうもそれでは上手くエンジンが回らないようなのでこちらでもマップを製作しておこうというわけです。
とりあえず一番需要が有りそうなので、最初は998/999のエンジンで行く事にしました。このタイプのエンジンなら手持ちの部品を寄せ集めれば1台出来上がるというのもこれでいこうと思った理由です。
画像は使用するクランクケースです。今ちょうど仕事が空いているので、この隙に手早く組上げてしまおうと思います。