2009年09月29日

シリンダーヘッド

3d6ddeb8.JPGシリンダーヘッドの作業開始です。ヘッド単体にして、ガイド交換のためにまず既存のガイドを抜き取りました。ガイドの穴の状態は良好です。穴の内径を計測し、それに合ったサイズの新品ガイドに交換します。  

Posted by cpiblog00738 at 00:46

シリンダーを仮組み

732aaffd.JPG組み上がった腰下にピストンシリンダーを仮組みしました。これからヘッドの作業に取り掛かりますが、そっちが出来上がるまでこちらはこのまま暫くお休みです。ヘッドが出来上がったところでスキッシュクリアランスの測定から作業再開の予定です。  
Posted by cpiblog00738 at 00:42

エンジン左サイドです

03a2186c.JPGシフトアームやフライホイール等を組み込み、エンジン左サイドも出来上がりました。  
Posted by cpiblog00738 at 00:38

シフトコントロールアーム

cc05ddd4.JPG分解したシフトコントロールアームです。普段はスプラインの切ってあるシフトシャフトの先だけがエンジンから突き出して見えています。内部には2個のスプリングが使用されていて、どちらか片方でも折れたりするとシフト操作に支障が出ます。具体的には、シフトしたのに次のギアに行かなかったり、次のギアを飛び越してギアがカラカラ言いながら噛み合わず、ニュートラル状態になったりします。その状態からいきなりギアが噛んで危うい事になったりもします。ということで、スプリングとサークリップは交換です。太い方のスプリングを交換すると各部品の位置関係が微妙に変化しますから、アームの途中にあるエキセントリックシャフトを調整して部品が正しく機能するようにする必要があります。これが結構面倒な作業で、完璧を求めるといつまでたっても終わらないということになったりします。  
Posted by cpiblog00738 at 00:35

2009年09月27日

エンジン右サイドです

360fde93.JPGエンジン右側を組み立ててゆきます。この状態でエンジンカバーが取り付けられ、その外側に乾式クラッチが付きます。  
Posted by cpiblog00738 at 01:16

クランクケース組上げ

0272941b.JPGいよいよ左右のクランクケースを合わせて組上げです。  
Posted by cpiblog00738 at 01:14

クランク

8a7facec.JPGクランクケース片側に中身の部品を組み付けました。一番手間がかかるのは、これら内部の部品の左右の位置決めです。シムを使って調整しますが、クランクケースを合わせたり割ったりと何度も何度も繰り返しながら作業を進めてゆきます。地味な作業なんですが、一番神経を使う作業の一つですね。  
Posted by cpiblog00738 at 01:10

シリンダー&ピストン

ab8ce458.JPGシリンダーとピストンです。シリンダーの方も状態は良好です。ピストンがクラスCなので、当然シリンダーもクラスCです。  
Posted by cpiblog00738 at 01:06

クランクケースは

d2269305.JPGクランクケースは鋳込まれた数字から判るとおり、2005年製です。という事は、2006年型のバイクに使用されていたエンジンという事が判ります。このあたりの年式になるとシリンダースタットボルトの座は一段下がっていて、スタッドボルトも座が付いたタイプになっています。  
Posted by cpiblog00738 at 01:03

ミッションメインシャフト

a5734d74.JPGこちらはミッションのメインシャフト、クラッチが付いているほうのシャフトです。カウンターシャフトに比べると簡素な感じがします。こちらも状態は良好です。サークリップとクラッチロッドが通る部分のオイルシール、ニードルベアリングは交換します。  
Posted by cpiblog00738 at 00:59

ミッションカウンターシャフト

284e562a.JPGミッションのカウンターシャフト、スプロケットが付いているシャフトのほうです。状態は良好です。このシャフトはレーシングスタートの負荷などでたまに曲がっている事がありますので、そのチェックも必要です。外したサークリップは新品に交換です。  
Posted by cpiblog00738 at 00:55

ピストンリングについて

3f1834c6.JPG

画像はピストンリングのシリンダーと擦れ合っている部分です。判りやすいように2ndリングの画像にしました。画像の上半分が黒色、下半分が金属の地肌が出て銀色になっているのがお判りいただけると思います。新品は全て黒色で、シリンダー壁と馴染んでアタリが付いたところが金属の色になります。この金属の色の部分が一周しないとリングは本来の性能を発揮しません。そしてこのまま使い続けるとアタリがついた部分がどんどん広がり、全面が金属の地肌になってベタ当り状態になります。組んだばかりの状態では全体が黒色で、その状態ではリングが本来のシーリング性能を発揮しないので、はっきり言ってエンジンは遅いです。慣らしが進むに従って当たりがついた部分が細い金属色の線となって現れます。新品のピストンリングを使用すると、アタリがつくまで結構な時間がかかります。丁度画像のような状態が、アタリがついた旬の状態と言えるでしょうか。

という訳で、アタリのついたリングはなかなか交換する気になれません。(少なくても合口隙間がリミットを越えるまでは)新品にすると少なくとも500kmくらい走行しなければリングは本来の性能を発揮しないのです。(これはドゥカティのスーパーバイクの場合です。他の車種の場合はどうだか知りません)全日本をやっている頃、黙ってリングを新品にすると、必ずライダーから「今回のエンジンは遅い!」とクレームがついたものです。ピストンの交換が必要な走行距離になって、でも遅くなるのがどうしても許されない場合は、しょうがないのでピストン本体だけ交換してリングは再使用、なんてこともずいぶんやりました。つまりここだけの話、レース直前にピストンリングを新品にするなんてことは・・・・・。お判りですね?

  
Posted by cpiblog00738 at 00:49

ピストンです

0152264c.JPG

洗浄が終わったピストンです。状態は良好です。2個ともクラス「C」なので外径は普通より大きめです。99.95mmと99.96mmでした。

ピストンリングの合口隙間も初期値の範囲内に収まっていますので、当然ながらそのまま使用します。

  
Posted by cpiblog00738 at 00:22

2009年09月24日

クランクが組み上がりました

b76e59c4.JPGクランクシャフトが組みあがりました。メタルクリアランスは0.049mmと0.051mmで、レース専用で使う場合よりは若干狭めです。レーシングユースでは殆ど慣らしをしないのでもっと大きな値をとりますが、今回はあくまで街乗りをメインと考えました。  
Posted by cpiblog00738 at 11:15

コンロッドボルト

78f632b9.JPGクランクとコンロッドを組み付けて、コンロッドボルトの締め付け中です。このマイクロメーターは締め付けながらにしてボルトの伸びを計測できるという優れもので、ドゥカティの純正部品です。コの字型の本体部分はチタン製、とても凝った造りで、価格も非常に高価なSSTです。一度購入して使い始めるとこれなくしての作業は考えられません。壊れたりしたらやっぱり無理してでも同じものを買うだろうなあ・・・・。  
Posted by cpiblog00738 at 11:08

コンロッド

58c8625d.JPGこちらはコンロッド、洗浄済みです。チタンコンロッドは使用してゆくに従ってメタルとの接触面に剥離が発生し、それが進行してゆきますが、このコンロッドはまだ剥離も殆ど発生していません。やはり走行距離の少ないエンジンの部品のようですね。

ちなみにボルトとメタルまで含んだ総重量は404.2gと404.4gで殆ど同じです。一般的にチタンコンロッドの場合は切削したりしての重量合わせをしないので、本気で重量合わせをしようとすると、大量のコンロッドを用意してその中から重量の同じものを選出するという方法になります。非現実的です。という訳で、このエンジンの場合は非常にラッキー、良いエンジンになりそうですね。

  
Posted by cpiblog00738 at 11:01

クランクシャフト

b82ce7d0.JPGこちらはクランクシャフト、洗浄済みです。部品取エンジンから持ってきたものですが、状態は非常に良いです。こちらの部品取エンジンもそんなに使われていなかったようですね。  
Posted by cpiblog00738 at 10:51

クランクケース加工

921a8540.JPG

クランクケースにちょっとした修理加工を施しました。一番下の底の部分ですが、ボルト4本で止まっているオイルサンプカバーの取り付け面とドレンプラグの取り付け面は本来同一の高さで、ツライチになっています。しかしこのケースを見るとドレンプラグの座面だけ削りこまれて段差が出来ています。

実はこのケース、ドレンプラグの座面にちょっと大き目のキズが有り、そのためそこからオイル漏れを起こしていました。このクランクケースが使用されずに放置されていた理由はそこにあります。

ということで、その傷が消えて座面がまっさらの綺麗な状態になるまで、フライスを使って削り込みました。そのために出来た段差というわけです。これでバッチリです。逆に考えると、このケースは新車時からこういった状態だったため、殆ど使用されていません。つまりほぼ新品ということになりますね。

  
Posted by cpiblog00738 at 10:47

2009年09月23日

ドゥカティカップ・マスタークラス

7ade780d.JPG

先週末に筑波サーキットでドゥカティカップが開催されました。一番の注目を集めたと思われるのが、アマチュアドゥカティライダー最速を競うマスタークラスでした。私はレースを観戦する立場でしたが、近年まれに見る、手に汗握る白熱したレースで、実際に走行していた選手は勿論の事、レースをご覧になっていた方も大満足のレースだったと思います。

ところがこのレース、レース後の再車検でケチがつき、トップの2台が車輌規定違反で失格という事になりました。せっかくの雰囲気を台無しにする裁定でしたが・・・。まあ、レースというのはレギュレーションありきですから、しょうがないといえばしょうがないのですが。

ここから先は私の個人的な意見です。

サンデーレースはお客様(エントラント様)に如何に楽しんでいただくかという事が最優先される、主催者にとってはお客様相手の「客商売」であります。お客様がレースを終えて、「楽しかった!また次も出るぞ!」と思うような運営がなされて当然というか、それを目指さなくては開催の意味がありません。何しろエントラントは自分のお金で高価なバイクを購入し、さらにお金をかけ、レースというある意味危険の伴う高尚な趣味を持っている方々です。エントラントの皆さんの年齢を見ても、ドゥカティカップなら平均40歳を越えているかもしれません。(ちなみに先日のMAX10のレースでは、エントラントの平均年齢は40歳代半ばでした)こうした方々は社会的にも責任のある高い立場におられることも多く、当然ながら世の中の構造や酸いも甘いも知り尽くしているわけです。そうした方々にとって、こうした世の中の流れと逆行するような仕打ちに会うことは非常に不本意なのではないでしょうか?

昔から車検担当者とエントラントは犬猿の仲というのがレース界の常識でしたが、それはプロのレースやそれを目指す選手権においての事で、そのノリをサンデーレースに持ち込んだとしたら、お金を払って参加したお客様に「お前はもう来るな!」といっているようなものです。頭悪すぎです。レースが廃れる最大の原因の一つだと私は思っています。

今回の出来事の原因は、レギュレーションにあります。車輌規定はNT(ノーマルツインクラス)に順ずる、ただし例外あり、となっていました。ノーマルツインクラスのレギュレーションなら、殆ど改造不可です。何でこんなレギュレーションにしたんでしょう?マスタークラスに出るようなエントラントは、趣味としてのバイク歴、ドゥカティ歴が非常に長く、バイクの改造にも熱心です。彼らのバイクはそんなレギュレーションに合致するものであるわけはありません。そんな事は業界の中に居る人間なら百も承知な筈です。例えば今回私が車検をまかされて、ノーマルツインクラスのレギュレーションに合致しない車輌は全て失格にしろ、と言われれば、今回のエントラントの過半数を失格にできる自信が私にはあります!それほど今回のレギュレーションは現状からかけ離れていたと言い切れます。ですから、マスタークラスにおいてのレギュレーションに限っては、例えばFIMの車輌基本仕様に準じていれば何でもOK、というような感じにするしかないでしょう。大改造されたお金のかかったバイクはやはり華がありますし、イベントの雰囲気を盛り上げます。それにいくらマスターカップのライダーが速いとはいえ、所詮アマチュアライダーですから、お金がかかったバイクの方が絶対的に速いかというと、実はそうでもありません。これがバイクの面白いところでもあります。

あとは車検をやっている方々、選手権とこういったサンデーレースを一緒に括って同じ対応をするのはどうかと思います。確かに与えられたレギュレーションを守るのが車検の方々に与えられた仕事です。しかし、例えば50km/h制限の一般道を51km/hで走ったからといって、「お前はスピード違反だ」と捕まえるような行為は、プロのレースと選手権のレースだけにしてください。おまわりさんも一般公道においてはスピード云々よりもまず流れのスムーズさを優先していると思います。開催されているレースの雰囲気を察して、そのイベントが如何に盛り上がって大成功するかを優先した曖昧な裁定も、時には非常に大切で必要とされると思います。

上手くまとまりませんが、以上です。

  
Posted by cpiblog00738 at 20:40

2009年09月05日

エンジン番号

5efa566c.JPG言い忘れましたが、このエンジンはエンジンダイナモ上でのデータ取りが終了した暁には、希望する方がいらっしゃれば販売しようと思っています。このエンジンのエンジン番号は画像の通りです。996R、998S、999Sに使用できます。車検証の原動機の型式欄に「ZDM998W4B」とある車輌なら載せ替えはOKです。ご興味のある方は早めに意思表示してくださいね。それまで使用していたエンジンの下取りも可能です。  
Posted by cpiblog00738 at 01:00

ベンチテスト用エンジン

c145b5c7.JPG

近い将来、EVR製のフルコンを扱う事になるので、とりあえずデータ取り用のエンジンを製作することにしました。このエンジンをEVRのフルコンを使ってエンジンダイナモ上で回し、データを取ります。ECUが現地から送られてくる時に一応基本マップはインストールされているのですが、どうもそれでは上手くエンジンが回らないようなのでこちらでもマップを製作しておこうというわけです。

とりあえず一番需要が有りそうなので、最初は998/999のエンジンで行く事にしました。このタイプのエンジンなら手持ちの部品を寄せ集めれば1台出来上がるというのもこれでいこうと思った理由です。

画像は使用するクランクケースです。今ちょうど仕事が空いているので、この隙に手早く組上げてしまおうと思います。

  
Posted by cpiblog00738 at 00:50