2012年02月27日
999R
999系のバイクはシートを固定するシートレールのブラケットが折れやすいです。このバイクも両側ともブラケットが折れてなくなっていました。ついでというわけではありませんが、シートレールに溶接でブラケットを取り付けて対処しました。
Posted by cpiblog00738 at
23:20
999R
スイングアームのベアリングの状態が酷かったので、ステアリングヘッドのベアリングも点検することになりました。分解してみると、こちらのベアリングの状態は全く問題ありませんでした。以前転倒して修理した時に、ベアリングは交換した履歴があるようです。
その転倒時にアンダーブラケットのステアリングストッパーの片側が折れてしまい、ボルトを取り付けてその代わりにしてあったのですが、そのボルトがグラグラするので外してみました。ご覧のようにネジがダメになっています。
その転倒時にアンダーブラケットのステアリングストッパーの片側が折れてしまい、ボルトを取り付けてその代わりにしてあったのですが、そのボルトがグラグラするので外してみました。ご覧のようにネジがダメになっています。
Posted by cpiblog00738 at
23:18
2012年02月25日
999R
さて、エンジンを車体に載せる前に車体の各部を点検します。
リアサスペンションリンクのロッカーアームですが、動きが渋いので分解点検しました。ニードルにグリスが入っていませんね。ドゥカティの場合は大体新車時からこんなものなので、車体関係のメンテは早めに施した方が良いですね。
リアサスペンションリンクのロッカーアームですが、動きが渋いので分解点検しました。ニードルにグリスが入っていませんね。ドゥカティの場合は大体新車時からこんなものなので、車体関係のメンテは早めに施した方が良いですね。
Posted by cpiblog00738 at
23:44
2012年02月24日
999R
シリンダヘッドの組み立て中です。
φ6mmステムのバルブはクローズ側のアジャストメントを固定するのにテーパー状のコッターを使用しますが、これがなかなか曲者です。同じ組み合わせのコッターとアジャストメントを用いて組んでも、組むたびにクローズ側のバルブクリアランスが変化します。再現性というものが全くといって良いほどありません。毎回毎回が一発勝負で、組上げるのに非常に時間がかかります。
クローズ側が終了しオープン側に取り掛かると、こちら側は計測した数字の通りにクリアランスが変化しますから、作業は簡単に終わります。
φ6mmステムのバルブはクローズ側のアジャストメントを固定するのにテーパー状のコッターを使用しますが、これがなかなか曲者です。同じ組み合わせのコッターとアジャストメントを用いて組んでも、組むたびにクローズ側のバルブクリアランスが変化します。再現性というものが全くといって良いほどありません。毎回毎回が一発勝負で、組上げるのに非常に時間がかかります。
クローズ側が終了しオープン側に取り掛かると、こちら側は計測した数字の通りにクリアランスが変化しますから、作業は簡単に終わります。
Posted by cpiblog00738 at
23:29
999R
エンジン組み立て中です。腰下が大体組み上がりました。
ところでピスタルのピストンについて一言。使用したのは高圧縮のタイプということになっていますが、ピストンヘッドをノーマルと比較してもそんなに圧縮が高くなっているようには見えません。それで寸法を計測してみると、このピストンはノーマルと比較してピストンピンから上の寸法が0.3mm高くなっています。スキッシュクリアランスの寸法で言えば、このエンジンの場合ノーマルピストンを組むとスキッシュが1.15〜1.20mm程度になることが多いです。そのエンジンにそのままこの高圧縮タイプのピストンを組むと、スキッシュは0.3mm減って0.85〜0.9mmくらいになります。
私個人的にはこの数字は小さすぎると思います。一般道を走るならともかく、サーキットで高回転を維持するとなると、スキッシュはもう少し大きい方が良いですね。経験的なことを挙げますが、98mmボアのエンジンで回転リミットを12,400rpmとした場合は、スキッシュ0.8mmくらいからヘッドとピストンが干渉するようになります。このエンジンはボアがもっと大きいのでピストンが傾いた時にピストンの端の部分はもっと持ち上がりますから、さらに干渉しやすくなると思います。今まで見たことのあるワークスエンジンは皆スキッシュがもっと広く設定してありますね。
このエンジンの場合はノーマルより厚いベースガスケット(RS用)を使用してスキッシュをもう少し広げました。
ところでピスタルのピストンについて一言。使用したのは高圧縮のタイプということになっていますが、ピストンヘッドをノーマルと比較してもそんなに圧縮が高くなっているようには見えません。それで寸法を計測してみると、このピストンはノーマルと比較してピストンピンから上の寸法が0.3mm高くなっています。スキッシュクリアランスの寸法で言えば、このエンジンの場合ノーマルピストンを組むとスキッシュが1.15〜1.20mm程度になることが多いです。そのエンジンにそのままこの高圧縮タイプのピストンを組むと、スキッシュは0.3mm減って0.85〜0.9mmくらいになります。
私個人的にはこの数字は小さすぎると思います。一般道を走るならともかく、サーキットで高回転を維持するとなると、スキッシュはもう少し大きい方が良いですね。経験的なことを挙げますが、98mmボアのエンジンで回転リミットを12,400rpmとした場合は、スキッシュ0.8mmくらいからヘッドとピストンが干渉するようになります。このエンジンはボアがもっと大きいのでピストンが傾いた時にピストンの端の部分はもっと持ち上がりますから、さらに干渉しやすくなると思います。今まで見たことのあるワークスエンジンは皆スキッシュがもっと広く設定してありますね。
このエンジンの場合はノーマルより厚いベースガスケット(RS用)を使用してスキッシュをもう少し広げました。
Posted by cpiblog00738 at
23:28
2012年02月22日
999R
フライホイールです。他車種と共通部品でかなり大型です。999R専用というわけではありません。一般公道を走行するにはこのくらいあっても良いでしょう。サーキットでも大きければ大きいなりのメリットもあると思います。
ただサーキット走行においては、私の経験では、フライホイールが大きいとフライホイールナットが緩みやすいと思います。フライホイールを軽量化したエンジンのフィーリングの評価は運転手の好みによりますが、私の立場としてはトラブルの種は無くしておきたいので、フライホイールは適当に削って軽量化することにしました。
ただサーキット走行においては、私の経験では、フライホイールが大きいとフライホイールナットが緩みやすいと思います。フライホイールを軽量化したエンジンのフィーリングの評価は運転手の好みによりますが、私の立場としてはトラブルの種は無くしておきたいので、フライホイールは適当に削って軽量化することにしました。
Posted by cpiblog00738 at
00:14
999R
クランクケースに内部の部品を仮組したところです。
私が個人的に一番手間がかかって大変だと認識している作業が、クランクとミッションシャフトの左右の位置決めです。これ等はそれぞれの部品の左右に入るシムワッシャーによって位置決めされますが、この作業に骨が折れます。元通り組んだらダメなんですか?と聞かれることがありますが、自信を持って言えます。ダメです!
元々から位置が正しくバッチリ合っていることは非常に稀です。また、もし最初が本当に正しく合っていたとしても、走行距離が進むにつれて部品の位置関係は変化してゆきます。
例えばクランクシャフトにかかるプリロードは走行が伸びるとだんだん緩くなっていきますが、こうなる主な原因の一つはクランク左右のベアリングのアウターがその外側のブッシュの中で回転し、その結果ブッシュが減ってしまうことです。この場合主に磨耗するのは発電機側の片側だけで、反対の1次ギア側は殆ど減りません。その結果クランクはだんだん左側に寄っていくことになります。
また、ミッションの場合は、シャフトの位置は変わりませんが、シフトフォークが多少なりとも必ず曲がります。その結果3本の各シャフトの位置関係が最適ではない状態になってしまいます。
それらを調整するのはかなり手間のかかる作業です。このエンジンでも有る程度納得がいくまでには4〜5時間かかりました。
私が個人的に一番手間がかかって大変だと認識している作業が、クランクとミッションシャフトの左右の位置決めです。これ等はそれぞれの部品の左右に入るシムワッシャーによって位置決めされますが、この作業に骨が折れます。元通り組んだらダメなんですか?と聞かれることがありますが、自信を持って言えます。ダメです!
元々から位置が正しくバッチリ合っていることは非常に稀です。また、もし最初が本当に正しく合っていたとしても、走行距離が進むにつれて部品の位置関係は変化してゆきます。
例えばクランクシャフトにかかるプリロードは走行が伸びるとだんだん緩くなっていきますが、こうなる主な原因の一つはクランク左右のベアリングのアウターがその外側のブッシュの中で回転し、その結果ブッシュが減ってしまうことです。この場合主に磨耗するのは発電機側の片側だけで、反対の1次ギア側は殆ど減りません。その結果クランクはだんだん左側に寄っていくことになります。
また、ミッションの場合は、シャフトの位置は変わりませんが、シフトフォークが多少なりとも必ず曲がります。その結果3本の各シャフトの位置関係が最適ではない状態になってしまいます。
それらを調整するのはかなり手間のかかる作業です。このエンジンでも有る程度納得がいくまでには4〜5時間かかりました。
Posted by cpiblog00738 at
00:12
999R
クランクにコンロッドを組み付けました。
このクランクのピン径は42.00mmで、どちらかというとちょっと細めです。一番多いと感じるのは42.01mmでしょうか。一口に42.00mmといっても、実際には計測する場所によって5ミクロンくらいの誤差があるのが普通です。その中でどの数値を取るかは個々の作業者の持っている判断基準によると思います。
メタルクリアランスは2本のコンロッドともに0.060mmになっています。勿論クリアランスが揃うようにメタルを選択して作業しますが、千分の1mmまで揃うことは珍しいです。
このクランクのピン径は42.00mmで、どちらかというとちょっと細めです。一番多いと感じるのは42.01mmでしょうか。一口に42.00mmといっても、実際には計測する場所によって5ミクロンくらいの誤差があるのが普通です。その中でどの数値を取るかは個々の作業者の持っている判断基準によると思います。
メタルクリアランスは2本のコンロッドともに0.060mmになっています。勿論クリアランスが揃うようにメタルを選択して作業しますが、千分の1mmまで揃うことは珍しいです。
Posted by cpiblog00738 at
00:10
2012年02月18日
999R
ところでバランスを取るために外注に出していたクランクが戻ってきました。今回はピスタルのピストンを使用するので、その重量に合わせてバランスを取っています。良い出来ですね。見ただけで速くなりそうな気がします。
Posted by cpiblog00738 at
23:37
999R
やはりシャフトは交換になりました。画像中央が割れたギアが付いていた場所です。ギアとシャフトの間にはニードルケージが存在しますが、そのニードルがシャフトに食い込んだ痕跡が多数残っています。ちなみに右隣の3速ギアが付いていた所は当然ですが何の問題もありません。一瞬ですがギアが割れた状態で走行した時の衝撃が原因ですね。
Posted by cpiblog00738 at
23:35
999R
とりあえず曲がりが発生する確率が高いカウンターシャフト本体の曲がりを計測してみました。その結果、ダイヤルゲージの振れは0.15mmでした。これは微妙なところです。使い続けることも可能ですが、この程度の曲がりでもスプロケットの回転に合わせてチェーンの遊びが緩んだり張ったりと明らかに変化するので、気にする人にとっては気持ち悪いものです。
Posted by cpiblog00738 at
23:34
2012年02月17日
999R
クランクケースのベアリング交換が終了しました。ケースをある程度まで暖めて、ベアリングは冷やした状態にして組み込めば、ベアリングはただ落とし込むだけでケースの中に納まります。(たまに失敗はしますが、その場合は不本意ですが叩き込むかプレスで押し込みます)
Posted by cpiblog00738 at
00:06