2013年06月26日

ベベル、溜まっていたスラッジ

aa4b836b.jpg溜まった異物を取り出すと、こんな有様です。重量を測ってみると約15グラムありました。基本的にベベルのエンジンのオイルフィルターは申し訳程度のもので、実質的には無いも同然ですから、このシステムが最後の砦とも言えますね。
  

Posted by cpiblog00738 at 14:34

ベベル、遠心力フィルター

fea5a2f1.jpgベベルのクランクシャフトには遠心力フィルターなるものが存在します。クランクが回転する時に発生する遠心力で、オイルより比重の大きい異物をクランクウェブの外周近くにあるスペースに溜め込む仕組みです。クランクウェブの外周にあるプラグを取り外して内部に溜まった異物を取り出して掃除することが出来ます。
そこで早速プラグを取り外してみました。プラグの内部は一見行き止まりのように見えますが、実はこれが溜まった異物が固まったものです。
  
Posted by cpiblog00738 at 14:28

2013年06月21日

ところで

956fe034.jpgところでこれはお客様からお預かりしたマグステムです。クラック等の問題は無いのですが、経年変化で見栄えがあまりにもみすぼらしくなってしまっています。
ということで、今回陽極酸化処理を施すことになりました。
見違えるように美しくなって帰ってくるはずです。戻ってきたらご報告します。
  
Posted by cpiblog00738 at 23:56

ベベル、例えばオイルパン

422e1adb.jpgクランクケースを左右に分解してオイルパンの底を指でなぞってみると・・・・。
ブラストの粉ですね。ヘドロと一緒にあらかた出てしまったと思っていましたが、それでもこのくらいは残っています。
エンジンを全て分解してステンレスのバットに入れていましたが、最後にバットの底に溜まっていた砂を合わせると、おそらく20ccくらいはあったのではないでしょうか?

  
Posted by cpiblog00738 at 23:51

ベベル、エンジンオイルを抜くと

99189da3.jpg分解する時に最初にエンジンオイルを抜きましたが、その時は別段変わったことはありませんでした。ところがクランクケースを左右に分解すると、オイルパンの底に溜まっていたヘドロ状の物が出るは出るは、こんな状態です。いったい何を入れたんでしょう?おそらく何かの添加剤だと思いますが、たった走行数十キロでこんなになってしまうようではお話にならないですね・・・・。
この後エンジンを分解してゆくと、あらゆる所にこのヘドロが溜まっていて全く参りました。
  
Posted by cpiblog00738 at 23:46

ベベル、ネジ穴をさらってみると

28f5bdc1.jpgそういえばエンジンを分解している時に、殆どのネジというネジがまるでネジロックがかかっているような感触で、緩めて抜くのが大変だったことを思い出しました。そこで早速ネジ穴にタップを通してさらってみると・・・・。こんな状態です・・・・。
ブラストはガラスビーズで行ったようですが、ネジ穴に残っている量たるや、半端ではありません。結局全てのネジ穴というネジ穴にタップを通しました。おかげで使用したタップはてきめんに切れなくなり、新品を発注することに。全くとんでもないですね。今時ブラストをかけた後に洗わないでそのまま組む人がいるとは、恐れ入りました。
  
Posted by cpiblog00738 at 23:40

2013年06月17日

ベベル、一方シリンダーは

e921301d.jpg方やシリンダーはこんな状態です。たった数十キロでこんな状態に・・・・。シリンダーとピストンは使えないでしょう。
  
Posted by cpiblog00738 at 23:56

ベベル、ピストンが・・・・。

e421d164.jpgとりあえずエンジンを降ろして分解を始めました。ヘッドナットを外してヘッドとシリンダーを取り外すと、姿を現したのはこんな状態のピストンでした。ぱっと見た瞬間は、焼き付いてる!?と思ったのですが、どうも違うようです。で、判りました。これはサンドブラストの砂で削れたのでしょう。そういえばエンジン全体はウェットブラストのようなもので仕上げられています。その後処理をちゃんとやらなかったので、エンジンの中にサンドブラストの砂が残っていてこんなになってしまったのだと推測しました。
  
Posted by cpiblog00738 at 23:51

2013年06月16日

事の始まりは

74296125.jpg事の始まりは激しいオイル漏れでした。ちょっと見た所、エンジンは満遍なくオイルまみれでしたが、そこでエンジンをかけてみると、オイルが泉のように湧き出ます。この場所だけではないのですが、特にここは綺麗にオイルを拭いてからエンジンをかけても、数十秒でこんな状態になります。これはエンジンを降ろして開けるしかないですね、ということになりました。(ちなみに非常に悲しいことですが、このエンジンは何処かのショップでオーバーホールというかレストアをしたばかりで、納車されてからまだ数十キロしか走っていないのです)
  
Posted by cpiblog00738 at 20:10

ベベルです

abee6b6d.jpg最近歳のせいか?(笑)ベベルが続けて入庫します。
この個体はちょっと調子が悪いので見てみて、というノリだったのですが、いろいろ見ていくうちにエンジン、車体共にとんでもない事になっていることが判明。結局オーバーホールというか、殆どレストアと言って良いような作業をすることになりました。
普通はバイクがこの状態になってると、「終了宣言」が発令されてバイクは分解されて使える部品だけ売られてしまったりするのが普通ですが、今回は「ベベルをこの世から1台でも消滅させることは可能な限り避けたい」というオーナー様の高い志があり、このバイクを蘇らせることになりました。自分としてもとても嬉しく、オーナー様に感謝の気持ちがいっぱいです。
今回はオーナー様のご好意により、作業の様子をブログで皆様にご報告させていただくことになりました。
  
Posted by cpiblog00738 at 20:01

2013年06月14日

ヘッド完成

1ff3b95c.jpgシリンダヘッドが2個とも完成しました。
次の作業はクランクケース周りと言いたい所ですが、現在ベアリングブッシュの部品待ちです。
  
Posted by cpiblog00738 at 11:36

カムシャフト

c166868e.jpgところでカムシャフトですが、デスモクアトロのカムの内側にはかなりの確率で金属のバリが残っていることをご存知ですか?これはカム山にあるオイルラインの穴を外から開けていって、内部の穴まで貫通させたときに出来たものがそのまま残っているのです。TFDでのオーバーホール時には必ずこのバリを除去する作業を行います。穴の中に穴径より少し小さなドリルの歯(φ4.8mm位)を差し込んで回し、バリを取ります。そうすると多くの場合かなりの数のバリが回収できます。バリはちょうど極小のベーゴマみたいな形をしています。
  
Posted by cpiblog00738 at 11:33

888ヘッド組み立て中

75621e0e.jpg888SP4のシリンダヘッドを組み立てています。
888SPシリーズは使用するバルブアジャストメントシムの寸法が916以降と少し異なります。特にオープン側のシムはかなり薄い寸法のものが必要になるので、そのあたりのものも揃えておく必要がありますね。
  
Posted by cpiblog00738 at 11:23

2013年06月09日

シフトフォークの点検

8c9fd9ab.jpgシフトフォークの曲がりを点検しています。今までは目視で行っていたのですが、最近サーキット走行をする方でシフトフォークを曲げてしまう方が非常に多いので、曲がりを計測出来るような治具を先日製作しました。新品のシフトフォークと比較してどのくらい曲がっていたら交換するべきなのかはまだ判りませんが、例えば手持ちの新品4個を計測すると、計測数値のばらつきはほぼ±0.1mm以内でした。自分の感覚では、新品と比較して0.3mm以上数値に差があれば交換した方が良い気がしますが、どうなんでしょう?

しかし最近シフトフォークを曲げる方が多いですね。勿論レーストラックでの話ですが。その原因として、最近流行のオートシフターがその一つであることは間違いのないところでしょう。勿論シフターを使用している全てのバイクのフォークが曲がるというわけではありません。しかし私の見た範囲では、フォークを曲げてしまったバイクは100%シフター付であることも間違いのない事実です。
ギアチェンジというのはギアのドッグが噛合うことで成立します。それがどういう事かを判りやすく説明すると、ギアの歯ではなくて、隣り合うギア同士の側面にある凸と凹がうまく嵌って動力を隣のギアに伝達するいうことです。凸と凹の位置が合っていなければ当然のことながらお互いを押し付けても嵌りません。その位置が合っていない状態にもかかわらず無理な力をかけて押し付けるので、その結果としてフォークが曲がるのです。要するにやってはいけないことをライダーが無意識のうちにやっているということですね。シフターを過信して、シフターがちゃんと機能していないのに入らないものを無理やり入れようとするので壊れるということです。クラッチを使わずとも右手の操作だけでシフトアップが出来るような心得のある人であれば、シフターを使ってもフォークを曲げるようなことにはならないですね。要は力加減を判っているという事です。
曲がらないフォークが欲しい、とのたまう方もいらっしゃいますが、そんなフォークが有ったら次はシフトドラムが割れたり、シフトアームが曲がったりするでしょう。そうした関連部品をどんどん強くして壊れなくしていけば、最後には足の親指の骨が折れると思います。(笑)
ちなみにシフトドラムを割った方は、既に居られます・・・・。
  
Posted by cpiblog00738 at 19:59

こちらもギアボックス

37f76ae1.jpgこちらはメインシャフト、クラッチが付く方のシャフトです。こちらもサークリップはガタガタでした。このシャフトの中央にはクラッチのプッシュロッドが通ります。その部分のニードルケージとオイルシールは交換です。
  
Posted by cpiblog00738 at 19:24

888のギアボックス

814e35d2.jpgギア類を分解点検中です。こちらはカウンターシャフトで、スプロケットが付く方のシャフトです。特に問題はありませんでしたが、全てのサークリップの締りが緩くて意外でした。3本とも溝の中でカタカタ動くような状態でした。どちらにせよサークリップは新品に交換してしまうので問題はありませんけど。
  
Posted by cpiblog00738 at 19:20

2013年06月05日

クランク組み立て

a3396aec.jpgコンロッドをクランクに組み付けました。コンロッドボルトは勿論新品ですが、H断面コンロッドとはいえ、コンロッドボルトは使い捨ての安価なタイプなのでお財布にはやさしいです。
  
Posted by cpiblog00738 at 18:58

パンクル製コンロッド

f577d1e4.jpg888SP純正のパンクル製コンロッド、スチール製でH断面の削り出しです。コストがかかっていますね!先程メタル合わせを行いました。使用メタルの厚さは1.487mmが1枚と1.486mmが3枚で、メタルクリアランスは0.052mmと0.051mmです。
  
Posted by cpiblog00738 at 18:55