2015年09月14日

KAWASAKI H

ちょっと前にカワサキからH2が新発売されましたが、それについて思いついたことがあったので書いてみます。
自分的には、バイクというのは本来「バカみたいなもの」だと思っています。それが魅力だと思います。今の世の中、そういったものを世に出すことはなかなか難しいご時世ではありますが、久しぶりに出ましたね、「馬鹿げたもの」が。流石カワサキ、今時こんなものを世に放つことが出来るなんて凄い!やっぱバイクはカワサキだな。バイク造りが会社の趣味だもんね。カワサキ、売れるわけですよ。

で、先日ホンダとかかわりの深い方とお話しする機会があったのですが、その時気になる一言を聞きました。
「カワサキのH2については、ホンダの社内では何の話題にもなりませんでしたよ 」と言うのです。
何の話題にもならなかった????
いくらなんでもそれは無いでしょうと思うのですが・・・・。
例えば、「あんなものを出そうとする企画にハンコを押してくれる上層部がいるなんて、うちでは考えられない」とか、「あんなもんまっすぐ走らんだろ」とか、肯定、否定織り交ざった 話題が出て然るべきだと思うのですが。特にバイクを造る人間であれば。
もし本当に何の話題にもならなかったとすると、病んでますね、その人たち。それじゃ魅力的なバイクがそこから生まれてくるはずもない。もしかしてバイクに乗らない人が多いのでしょうか?

IMG_1105こいつは初代のH2ですけど、当時の時代背景からしても「バカみたい」なバイクでしたよね。
現代のH2も本当にこいつの直系ですね。形や性能だけでなく、社会の中における存在感まで当時のまま(と自分には思えます)というのは凄いと思います。
   

Posted by cpiblog00738 at 20:00

2015年09月04日

空冷エンジンのシートカット

シートカッターの刃バルブシートカットを行うときに使用頻度が比較的高い刃のうちの一つがこれです。
バルブフェースと当たる中央の45度の面、その両側の30度と60度の面、この3面をいっぺんに同時カットします。
ちなみにこの手の刃には多種多様の形状のものが存在しますが、この刃の持つ角度の組み合わせはドゥカティの指定している角度と同一なので、この刃の使用頻度は高いです。
バルブと当たる45度面の形状は変わりようがありませんが、その両側の刃の形状には角度違いのものや直線状ではなく曲線状のものもあり、状況によって使い分けています。

空冷バルブシート-2これは上記の刃でカットした空冷エンジンのエキゾースト側バルブシートの画像です。
ガタガタになったバルブガイドを交換した後にシートカットを施したところです。
バルブガイドを抜き換えるとバルブガイドの角度がそれ以前の状態とは多少なりとも異なった状態になります。
で、そのままではバルブシートとバルブフェースはちゃんと当たりません。角度が変わってしまったので当然です。そこで新たにシートカットが必要となるわけです。
バルブフェースとシートをコンパウンドを用いて摺り合わせしてあるので、45度面が白く見えます。
それでこの画像ですが、60度の面を矢印のある11時の方向からぐるっと回って見て行くと、だんだん面の幅が狭くなって行って、5時の方向では殆ど幅が無くなっているのが判ると思います。
ガイドを抜きかえる前はこの3面の幅が全て均等に近い状態が通常です。要するにこうなるくらいガイドが以前と比較して傾いているということですね。
これは熱的に厳しい空冷エンジンの、これまた特に熱的に厳しいエキゾースト側で恒常的に発生している事象で、実はこれはガイドが斜めに入ってしまったのではなく、ヘッドが熱で歪んで変形してしまった結果起こることなのだと認識しています。この画像の状態はまだセーフですが、もう少し位置がずれてしまったりするといくらシートカットをして行ってもバルブフェースとシートが接触しない部分が発生する事態になります。そうすると今度は内径の小さいバルブシートを入れ直して内側を仕上げ直したりする必要が出て来ます。
そもそもそこまで変形していたらバルブのステムエンドとロッカーアームとの位置関係はどうなのよ!ということにもなります。
ガイドを新たに挿入するときの手段として、既存のバルブシートを基準としてガイドの入る穴を機械加工で仕上げ直すという方法も有りますが、ガイド交換の必要に迫られたヘッドは既に高熱で歪んでいますのではたしてバルブシートが正しい基準になるのかどうかもかなり怪しいと思います。

TFDで使用しているバルブガイドはベリリウム合金製でかなりの高品質で優秀です。一度交換してしまえば次回のオーバーホール時に再びガイド交換が必要になることはまず有りません。熱的に厳しい空冷エンジンでもそれは変わりません。
でも空冷エンジンの場合、その2度目のオーバーホール時にシートの荒れを修正するためにシートカットを試みると、またバルブとシートの角度がずれてしまっていてかなりの量を削り込む必要がある場合がまま有ります。前回の組み上げ時にはバルブとシートの当たりはバッチリだったのに、ガイドの交換はしていないのに!
要するに前回のオーバーホール時から今までの走行中にヘッドの歪みがまた進行したということですね。

そういう実例を目の当たりにしていると、世の中から空冷エンジンが淘汰されていくのも当然だと思えてしまいます。昔のリッター当り50馬力程度のエンジンでは問題無かったのですが、今時の空冷エンジンはリッター当たり100馬力近い出力が出ていて、おまけに環境対策で空燃比はやたら薄く設定してあって発熱量はやたら多く、空冷エンジンにはあまりにも状況は厳しすぎますね。
また特にドゥカティに関しては、昔の空冷エンジン(べベルやパンタ)の場合リアシリンダー側は熱的に厳しい排気側が前方の風が当たる側に有って、多少なりとも冷却に有利な状態になっていました。
ところが時代が進むにつれて環境問題その他の事情でインテーク側に大容量のエアボックスが必要になり、それに伴ってリアシリンダのインテーク側が前を向いてVバンクの間にエアボックスが備わるようになりました。
その結果、特にリアシリンダの後側の風の当たらないところにやむを得ずエキゾースト側が位置するようになってしまったということでしょう。
そういった意味ではドゥカティのようなレイアウトのV型エンジンの場合、空冷方式は基本的に向いていないということになりますでしょうか?エキゾースト側が前方にあるBMWやグッツィの空冷は未だに存続していますしね。ですから80年代後半の851での水冷化は必然だったと言えますね。



   
Posted by cpiblog00738 at 11:44

2015年09月03日

カウルのフィッティング

817466fa.jpgカウルのフィッティング作業を行っています。 簡単そうなイメージがありますが、この作業実はかなり大変な作業です。特にこのバイクのように、昔は無かったオイルキャッチカウルを何とかして取り付けたりとか、カウルステーもイチから作るらなければならないような状況だと、とてもじゃないですが一日では終わりません。それどころか何日もかかったりするのが普通です。 お客様がカウルだけ購入されてフィッティングは自分でなさると仰ることは良くありますが、大体の場合二度目はありませんね。たいていの場合二度目は、「お金を払いますから取り付けもお願いします」となります。(笑)  
Posted by cpiblog00738 at 19:34