2016年01月30日

1993年型888コルサエンジン

014ご無沙汰していた例の1993年型888コルサエンジンです。
ヘッドを内燃機屋さんに出してバルブシートの交換をお願いしていたものが出来上がって来ました。





015バルブシートの材質はベリリウム銅です、当然ながら。
シート形状の加工はTFDで行うので、今回はとりあえずシートリングの交換だけをお願いしました。
なので出来上がって来た燃焼室はまだこんな感じで全く未完成です。
まあ急ぐものでもないので、これから暇を見て仕上げて行きます。



016ところでヘッドには必ず固有の刻印があります。
このヘッドの場合は「S」です。
この刻印は、このヘッドは1993年型888レーシングのヘッドですよ、ということを表しています。
他のモデルに関しても同様で、例えば851は「D」、888SP4と916Sには「M」、916SPは「B」、996SPSには「9C」か「T1」、というように刻印されています。
刻印が同じであればヘッドの仕様は同一と考えても良いみたいなので、その辺を調べていくとなかなか面白かったりします。
ちなみにこの件に関してメーカーは何も公表していないようなので、あくまでメーカー内部で識別のために非公式に使われているものなのでしょう。

   

Posted by cpiblog00738 at 09:32

2016年01月23日

996Rのクランクケース

砂型クランクケースの話題が出たところで面白いお話を一つ。
テスタストレッタエンジンの初号機が996Rで、このモデルのクランクケースは全て砂型が採用されていました。

005これは2001年式の996Rに付いていたセルモーターです。 
ボディーにキズがありますね。
実はこのキズはクランクケースに干渉して出来たものなのです。
当時996Rにはセルモーターの取り付け座からオイル漏れする個体が多々存在しました。
対策のつもりか、セルモーターの取り付けボルトに強力なネジロックを使用してある個体もいまだに見られますが、無駄な事です。
原因は明らかで、セルモーターボディーがクランクケースに干渉するため傾いてしまい、いくら取り付けボルトを締めつけたところで、物理的にセルモーターが取り付け座面に密着しないのです。 
オイルが漏れて当然です。 

003-1対策はこうするしかありません。 
楕円で囲んだ部分が対策した場所ですが、要するに干渉する部分をちょっと削ってやるということです。





後日談ですが、この事象の原因が明らかになりました。
メーカーにはこの砂型ケースを製作するための型だったか治具だったかが3個存在していて、それらをフルに使ってケースを製作していたのですが、 何故かそのうちの1個だけに不具合があり、それを使用して製作されたケースだけにこのようなトラブルが起こったそうです。
ということは単純に考えて996Rの3台に1台はこのトラブルを抱えているということになりますね。 
もし今お乗りのご自分の996Rを確認してみたければ、何かしらの紙切れで短冊状のものを作ってセルモーターの周りに通してみればすぐ判ります。
紙が何事もなく通れば問題無しです。

002ちなみにこれは先日入荷した砂型クランクケースですが、それ以降の砂型クランクケースはもれなくこのように最初から機械加工で対策が施されています。
   
Posted by cpiblog00738 at 21:25

2016年01月22日

もう一個来ました

014先日104mmボア用の砂型クランクケースを仕入れましたが、調子に乗ってもう1個買っちゃいました。
何せもう無いものですし、見つけたら買っとけ、ですね。
使う予定は今のところ無いですが、 このケースを使ったエンジンで走っているお客さんがいる限り、TFDとしては1個くらいの予備を確保しておくべきだと思っています。  
Posted by cpiblog00738 at 10:00

2016年01月21日

そしてバルブだって割れます

008オーバーホール中にリフェースしたバルブの当たりを点検していた時に気付きました。
右上に気になる線があります。
肉眼ではなかなか判断できませんが、私にはキズではなくクラックに見えました。 
ルーペで観察するとますますその思いが強まります。




009でも反対側を見るとそんなことも無いような・・・・。







011そこで染色浸透探傷剤の登場です。 
やっぱりクラックでしたね。
以前バルブの傘の端が二等辺三角形状に欠けているのを見たことがありますが、この手のクラックがその始まりだと確信しました。   
Posted by cpiblog00738 at 12:49

2016年01月20日

砂型クランクケースだって割れます

001抜群の信頼性を誇るスーパーバイクエンジン用の砂型クランクケースですが、それでもやっぱり割れる時は割れます。
昔の916SPのクランクケースは訳があってケースが割れやすく、街乗りしかしていないのに新車から走行6,000kmでクランクケースが割れ、リアバンクが丸ごとクランクケースから分離してしまった、というのを見たこともあります。
その頃と比較すると現在ではそうしたトラブルは皆無で、街乗りで使用する限りはまずこうした問題は起こらないと思って良いでしょう。
でもサーキット走行をメインにするとケース割れのトラブルは不可避ですね。
砂型のクランクケースは丈夫で、今迄の経験からすると、スタンダードの金型クランクケースに比べれば砂型のそれは走行距離にして約4倍ほどは耐久性が高いと思われます。
でも寿命はあるということですね。   
Posted by cpiblog00738 at 10:21

2016年01月19日

添加剤?

001テスタストレッタ系エンジンのオイルインテークのネットフィルターです。
ゼリー状というかプリン状というか、そんな物体がたくさん張り付いています。
クランクケースも分解しましたが、ケースの底(というか下面)は3mm位の厚さでこの物体に覆われています。
どう考えても良いことは無いはずです。
どんな銘柄のエンジンオイルを入れていたとしても、エンジンオイルだけではこんな事にはなりそうもありません。
おそらく原因はエンジンオイルに入れる添加剤でしょうね。
エンジン内部はそう簡単に覗けませんから、内部がこんなことになっていても気付くことはなかなか難しいです。   
Posted by cpiblog00738 at 09:07

2016年01月17日

888SPSの売り物が出ました!

a888SPSの売り物が出ました。
詳しくは商品情報のページでご覧ください。  
Posted by cpiblog00738 at 10:55

2016年01月09日

大物部品の入荷です

009ところで去年の暮れに発注していた大物部品が今日届きました。
新品のクランクケースです。
998Rや999Rに使用する104mmボアエンジン用の
砂型クランクケースです。
既に廃番で、正攻法では入手が難しいです。 
無事に入手出来て良かったです。   
Posted by cpiblog00738 at 23:12

エンジンを車体に載せています

皆さんあけましておめでとうございます。
お正月は如何お過ごしでしたか?
私は元旦以外はずっと仕事でした。
まあ仕事と言っても、やっていたのは自分用1098エンジンを車体に載せる作業ですが。

036車体は2001年型996RSです。
エンジンを載せることは特に難しいことはありません。
エンジンに付属する補機類の処理が一大事ですね。





029一番苦労したのはスロットルボディーでしょうか。
かなりの試行錯誤の末、やっとのことでうまく収まりました。
もうやりたくないという感じです。
もしかするとエアボックスの改造まで必要になるかも、
という考えも浮かんだのですが、エアボックスはほぼそのままで
何とかなったのはラッキーでした。


033エキゾーストもそれなりに大変です。
使用したのはドゥカティパフォーマンスの1098/1198用のごく一般的なフルエキで、
ほぼそのまま取り付けも可能です。
でもそれではイマイチ格好が悪い。
996のイメージにしたいのでそれなりに頑張りました。



034シートカウルを付けるとこんなです。
やっぱりこれじゃなきゃ、と感じるのは私だけでしょうか?
   
Posted by cpiblog00738 at 23:02