2016年11月18日

オフセットキー

 パンタ系のエンジンからテスタストレッタ以前までのエンジンでは、バルブタイミングの調整をオフセットキーを使用して行ってきました。タイミングプーリーはキーを介してカムシャフトに取り付けられますが、このキーを段付きにすることでプーリーの取り付け角度を変更してタイミングを調整するということです。
 このキーには2度から16度まで、2度刻みで8種類のものが存在していましたが、 今となっては全てが廃番で入手が困難となっています。TFDではその全てをそれなりの数在庫してきましたが、さすがに最近 種類によってはストックが底をつきそうなものも出てきました。
 そこで今回この部品を独自に試作してみました。

IMG_2154 画像が試作した製品で、変更角度は2度です。 製作工程の都合により、端面がピン角になっていて下手をすると手が切れそうですが、そのあたりはご愛敬ということで。必要とあれば後は手作業で対処することにします。
 さすがにこういった物を単品で製作するとなるとコストがかかりますが、私としては「もう無い」では済まされないものなのでしょうがないですね。   

Posted by cpiblog00738 at 10:06

2016年11月17日

メタルトラブル

IMG_2136最近よく見る光景です。
コンロッド大端のメタルですが、エンジン運転中は通常であればクランクピンとメタルの間にはオイルが存在し、部品同士が直接接触することは基本的にありません。
何かの拍子にお互いが直接接触することがあっても、それが軽微であれば問題はありません。例えば久しぶりにエンジンを始動した時などがこれに当てはまると思われます。
しかしエンジンの負荷が大きい時に直接の接触が起こると、加速度的にダメージが進んでこんな状態になってしまいます。
ちなみに一番手前のメタルが使用済みの状態が良いものです。
メタルがこのようにダメージを受けてしまうと、当然のことですがクランクとコンロッドは使い物にならなくなります。
おまけにメタルクリアランスが1mm超とかになってしまうと、ピストンがその分上昇するのでピストン上部とヘッドが接触します。
場合によってはピストンの下部がクランクウェブに当たる場合もあります。
とにかく見たくない光景ですね。
   
Posted by cpiblog00738 at 10:34