2017年04月27日

トルクレンチ

 先日トルクレンチを購入しました。デジタル方式で角度締めにも対応しているタイプです。早速テストしてみましたが、はっきり言ってこれは便利です。とは言うものの、使用するのはコンロッドボルトの締め付け限定になりそうですけど。
 例えばスチールのコンロッドボルトの場合、最初に20Nm、次が35Nm、ここから角度で65度±1度締め付けるという方法を取ります。その時の最終的なトルクが70〜103Nmの範囲にあることが必要です。要するに65度回したときに必要だったトルクがこの範囲内になければいけないということです。ですが実際問題として一般的な工具では角度とトルクの両方を管理することは難しいので、通常は角度のみを頼りに締め付けてトルクに関しては目をつぶるというのが当たり前でした。
 しかしこのトルクレンチはその両方を管理できます。

IMG_2583 実際にやってみますが、まずトルクレンチの設定を65度の角度に合わせます。
 





IMG_2585 そこから締め込んでいきますが、締め込み途中の角度が表示されています。今54度まで締め込みました。角度の認識はトルクレンチ内のジャイロセンサーによるものだそうです。自分の常識で考えると殆どブラックボックスですね。




IMG_2586 目標の65度まで締め込むとインジケーターランプが緑色に点灯し、アラーム音とともにトルクレンチが振動してそれを作業者に教えてくれます。






IMG_2590 そこで工具にかけていた力を抜くと、今の締め付けに要したトルクが表示されます。今回は97.1Nmでした。締め付けに要したトルクも指定値の範囲内だということが確認できました。
 しかし締め付け角度で管理するのはスチールのコンロッドに使用されているボルトだけで、チタンコンロッドのボルトは角度ではなく伸びで管理します。ボルトの伸びとその時のトルクを同時に管理できるトルクレンチは今のところまだ無さそうですね。あったら買うと思いますが、お値段は如何程になるんでしょう?高そう!



   

Posted by cpiblog00738 at 20:00

2017年04月24日

筑波TT

DSC_0033 先週末、筑波TTのレースが開催されました。2017年度の初戦です。初戦が4月開催だと楽で良いですね。私ももちろんですが、参戦するお客様も歳のせいか冬眠からのお目覚めが年々遅くなってきており、3月に開催されると2月から練習走行を始めなければならず、気分が乗らないので第1戦はパス、というようなことになりがちです。
 今日はお天気もまあまあ。レース日和と言えるでしょう。もちろん私もBOTTのWCTクラスにエントリーです。目標は順位よりもタイムで59秒台を記録すること。エイジシュートです。

DSC_0049 今日はイタリアの友人がはるばる応援に駆けつけてくれました。彼にとって3度目の訪日ですが、今回は筑波TTの観戦が出来るように旅行のスケジュールを立てての来日です。 もちろん大のドゥカティスタで、自分の998RS をフルオリジナルの状態にするレストアがほぼ終了したと言っていました。


 さて、参加者の皆さんがそろそろ予選が始まるということで準備に取り掛かり始めた頃です。コース上で行われた他クラスの予選が赤旗中断。何が起こったかと情報を確認すると、オイルを撒いて1周以上走行したヤツがいて転倒車両続出。コース清掃のためしばらく予選中断とのこと。
 いきなり参加者全員のテンションが下がって不機嫌状態に。自分の場合も目標はタイムを出すことなので、コース全周オイル処理ではいきなりやる気ゼロです。
 そんな中でWCTクラスの予選が始まりましたが、やはりコース上には要所要所に石灰やおが屑のオイル処理跡があってまともなラインを走れません。とりあえず予防線を張ってということでしょうが、全てのポストでオイルフラッグを振っています。「全ポストでオイルフラッグを振るんだったらそんな状態で予選なんか走らせるんじゃねえよ!」みたいな精神状態での予選開始でした。まともなタイムを出そうとすると何処かで必ずオイル処理跡を横断することになるのですが、何処を通れば安全ではないにしろ大丈夫なのか、それが最重要課題の走行です。しかしそんな状況でもタイムを出す人はちゃんと出すんですよね。特殊な才能だと思いますが、それを持ち合わせていない我々にとってはなかなか理解できません。悔しまぎれにそういう人たちを「アタマの悪い人」と呼んだり「予選順位は頭の悪い順」などとおちゃらけては大変失礼ではありますが、自分もちょっとはそういう人たちの仲間に入りたいと思ったりもします。無理だけど。
 自分の予選タイムは0秒台真ん中くらいであのコースコンディションにしては上出来でした。 終わってみれば結構グリップ有ったよね、という印象で、それは実はオフィシャルの方々が一生懸命オイル処理をしてくれたおかげなわけで、今度は感謝です。感情がコロコロ変わります。(笑)

 で、次は決勝レースです。もうコース上のオイルもそれなりにこなれて気にしなくても良い状態になった感じで、よし頑張るぞ、という感じだったのですが、ウォームアップラップでまた事件が発生です。数台前を走っていた1台がダンロップの右で派手にスリップダウン。あの転び方は何かに乗って滑ったという転倒でした。おまけにそのあと後ろの方で裏ストレートでも転倒があり、結局スタートディレイに。「ただいまオイル処理中です」というアナウンスにまたテンションが下がります。
 そこで再開を待っている間に何気なく 1コーナー方面に目をやると、何やらオフィシャルの方々が忙しく働いています。何をしているのかよく見ると、何と皆でデッキブラシを使ってコースをゴシゴシ清掃しているではないですか!「えええ!!今あそこに滑るものがいっぱいあるってこと!?今から俺たちレーススタートしてそこに突っ込んでいくんだぜえ!?」これは精神的に結構効きましたね。
 おかげでレースのスタートは失敗で何台かに抜かれ、おまけに1コーナーの進入速度もかなり控えたのでそこでも何台かにかわされ、1コーナーを立ち上がったら順位は9位でした。周りのみんな、頭悪すぎです。(笑)
 やっと頭がレースモードになったところで順位を取り戻すべく頑張って走り、決勝レースの結果は総合で4位でした。決勝中のベストラップはかろうじて1分を切ったので、今回も目標達成です。めでたしめでたしの結果で良かったです。
 後で思ったのですが、スタート前1コーナーでの オフィシャルのデッキブラシパフォーマンス、結果的にスタート直後に有りがちな1コーナーでの多重クラッシュを防いだかもしれません。全員少しは抑えて1コーナーに入っていったような気がしますから。スタート直後の1コーナーでのクラッシュ防止にはデッキブラシパフォーマンスが有効かも?でも何時もやっていたら効果は無くなるどころか、今度は1コーナーは路面がきれいだから思いっきり行ってOK、となるかもしれませんね。(笑)

image1 自分はスリックタイヤを履いていたので別クラスとなり、単独一人での表彰台です。これは殆どさらしものになっている気分なのでちょっと止めて欲しいです。 もういい歳なんだからタイヤなんか何履いたって良いじゃん、とまた言ってみます。(笑)  
Posted by cpiblog00738 at 12:02

2017年04月14日

ホースバンド

IMG_2561 今回はホースバンドのお話です。右が純正品です。左はメーカーは判りませんがステンレス製と思われ、造りも軽量に出来ているように見えます。双方の大きな違いはバンドのネジへの引っ掛り部分で、純正は山形に盛り上がっていて、社外品の方はバンドに開いた穴になっています。ここにネジの山がかかって絞めたり緩めたり出来るということになります。


IMG_2562 一見すると社外品の方が良さげに見えたりするのですが、実はこの手のホースバンドは場合によっては大きな問題が起こることがあります。
 画像は純正ホースよりも高級品と言われている最近よく使われるシリコン系のホースに使用した例ですが、ご覧になるとわかるようにちょっとおかしなことになっています。


IMG_2564 拡大するとこんなです。ホースバンドを締め付けるとバンドの穴の端面でホースが切れて穴の中から切れたホースがムニムニと出て来てしまっています。まるで花が咲いたみたいな状態です。
 なのでホースバンドを交換する場合はこういったことも考慮してモノを選ぶのが良いと思います。

   
Posted by cpiblog00738 at 19:56