2019年07月27日
2019年07月26日
916SPS 1997 その3





Posted by cpiblog00738 at
09:48
2019年07月09日
916SPS 1997 その2
916SPSの続きです。
クランクです。最初からヘビーウェイト入りです。何故か1次ギア側のウェブに3個、もう一方のフライホイール側のウェブには2個、打ち込まれています。常識的に考えると左右対称になりそうなものですけど、この3個と2個の組み合わせは結構目にした記憶が有ります。この状態でバランスはとれているということなのでしょうけど、なぜこうなっているのか理由は解りません。
さて、コンロッドです。すでにお伝えした通りこのコンロッドの材質はスチールです。で、ハーフメタルですが2個の小さな穴が開いています。
メタルを外すとこうなっています。溝状のオイル通路になっていて中央に穴が開いています。ちなみにコンロッドのキャップ側にはオイル通路は存在しませんから、メタルに穴が開いている必要はありません。穴あきのメタルは非常に高額(万単位の値段です)なので、自分が組む場合はキャップ側には穴のない普通のメタルを組むことが多いです。
この穴が何処に通じているかというと、此処、小端部です。つまり大端部を潤滑するオイルの一部がコンロッドの真ん中の穴を通って小端部分まで来て、ピストンピンを潤滑するという訳です。凝ってますね!
このシステムは888SPSやSP5にも使われていましたが、その時はメタルに開いている穴は3個でした。いつの間にか品番変更になって穴が2個のタイプになっています。
メタルの裏側はこんな感じです。オイル通路の跡が明瞭に確認できます。しかし考えてみるとオイル通路の跡が付いている部分は荷重を受け止めないということになります。自分の考えでは、この部分は出来るだけ単位面積あたりにかかる荷重を小さくしたい場所なので、そういった意味でこの状況はあまりよろしくないかもしれません。何はともあれ理由は不明ですがこのシステムはこのエンジン以降は使われなくなりました。ここまでしなくてもオイル飛沫の管理や小端部に開けるオイル穴の最適化でピストンピンの潤滑に問題は無いという結論に達したのかもしれません。
メタル合わせの後、再び組み上げられたクランクとコンロッドです。




このシステムは888SPSやSP5にも使われていましたが、その時はメタルに開いている穴は3個でした。いつの間にか品番変更になって穴が2個のタイプになっています。


Posted by cpiblog00738 at
21:49
2019年07月05日
レーシングパーツ


ピックアップ用のトリガー(羽)の数も通常とは異なります。普通は4枚羽なのですがこの部品は倍の8枚羽です。これについては使用しているECUが対応出来なければ使いようが無いのですが、こうすることによってより細かな制御が可能となります。自分のバイクはMotec制御なのでこの辺は何とでもなります。そのうち付け替えて試してみますが、果たして私がその違いを体感できるのでしょうか?
Posted by cpiblog00738 at
11:18
2019年07月03日
916SPS 1997

1997年型は996になった最初のモデルです。この年式はまだチタンコンロッドは採用されておらず、コンロッドはPANKL製の削り出しH断面スチールコンロッドが使われています。チタンコンロッドが採用されるのは翌1998年型からです。チタンコンロッドではない代わりにと言っては何ですが、97年型のクランクにはヘビーウェイトが打ち込まれた状態でバランス取りされています。コルサやRSのクランクには普通にヘビーウェイトは使われていますが、市販街乗りバイクでこの916SPS1997以外にヘビーウェイト入りのクランクが使われているのは私の記憶では888SPS、888SP5、748R2002、それと1098R、1198Rくらいではないでしょうか。(他にもあったかもしれませんが今は思い出せません。それとパニガーレ以降は私は門外漢で知識がないため除きます)
1996年の全日本のレースシーズンが終わった頃にドゥカティコルセから来年のコルサは996ccになるというインフォメーションが来ました。レースレギュレーションではスーパーバイクのホモロゲモデルも同じ排気量であることが求められるので、来年は996の街乗り市販車が出るんだ、とピンときて、すぐに当時の輸入元の村山モータースに97年に出る996のバイクを注文した思い出が有ります。その時はまだ発表も何もされておらず、輸入元の人も半信半疑だったのですけれどね。購入したTFDのそのバイクはまず最初にエンジンを組みなおし(と言ってもチューニングはせずにノーマル状態のままでちゃんと組みなおしたというレベルです)、そして黄色く塗られて当時のバイク雑誌にたびたび登場したので記憶にある方も多いかもしれません。
当時某雑誌でゼロヨン&最高速という有名な連載記事があって、そのバイクでFISCOで行われた最高速チャレンジに出場した覚えがあります。その時にFISCOのストレートで記録した最高速は270km/hだった記憶が有ります。メーター読みではなく光電管もしくはスピードガンによる計測だったので実速です。今のレベルで考えてもなかなか立派な記録だと思います。



まあポートがどうとか、なんだかんだ言っても結局馬力が出てる方が偉いでしょ!という言い分もありますが(特に最近世の中がこのような風潮になってきている気がします)、これは趣味の世界の話ですから。趣味の世界は結局自己満足に帰結すると私は考えます。これを仕事にしている私でさえ、普段はエンジンの奥に有って見えない部分をエンジンを開けたときに目の当たりにして、改めて凄いと思ったり感心したり良いなと思ったりすることは多いです。
続きはまた後で。
Posted by cpiblog00738 at
19:46