2021年05月12日

カムシャフトのバリ取り

IMG_3961 デスモクアトロ系のカムシャフトです。ドリルを差し込んでいるのはオイル供給路で、この穴からカムの内部にオイルが入り、カムローブの穴から出てカムとロッカーアームの摺動面を潤滑します。
 ドリルを差し込んでいる目的は穴径を広げるという訳ではなく、穴の内部のバリ取りです。







IMG_3962 カムの山にはオイル吐出穴が開いていますが、この穴は当然ながら外側からドリルで貫通させて開けます。そうすると貫通した穴の内側にバリが残るのですね。小さなベーゴマのような形状のバリが結構取れます。
 ずいぶん昔のことですが何かの拍子にバリの存在を確認し、それからは作業中にカムが単体になる機会があると必ずドリルを通してバリを除去するのが習慣になっています。
  

Posted by cpiblog00738 at 20:33

2021年05月10日

748RS2002

 748RSがTFDに帰ってきました。748RSというのは当時ドゥカティ社が販売していたSS600カテゴリー用の市販レーサーです。2000年型、2001年型、2002年型が存在し、TFDではそれぞれ1台を新車で購入しましたが、今回の個体は2002年型です。

IMG_3955 この個体はここ10年ほど全く動かすこともなく車庫に保管されていたもので、このまま放置しておくと朽ち果ててしまうのは明らかだと考えて引き取ってきました。




IMG_3956 SS600のレースレギュレーションに則って製作されていますから改造範囲は狭いですが、レギュレーションで許される範囲で最大限のモディファイが施されています。専用のエアファンネルは非常に格好良いです。




IMG_3957 メーターはマレリ製です。ヴィンテージですね。







IMG_3958 フロントフレームは996/998RSと共通のカーボン製です。
 748RSはライディングのスキルを磨くには最適のバイクです。乗っていて面白いし、プッシュすればしただけそれがタイムに反映される、私にとってはそういったイメージのバイクです。近いうちにメンテナンスを施してサーキットへ持ち込もうと考えています。
  
Posted by cpiblog00738 at 12:05

2021年05月06日

開けられた履歴があるエンジン・その2

 先日のものとはまた違うエンジンです。中古で入手したエンジンは履歴が判らないので分解するまではアタリなのかハズレなのか、結構ドキドキなのですが......。

IMG_3936 今回はこんなの出ました!純正PANKL製チタンコンロッドなのですが、コンロッドボルトの頭をナメちゃってます。左回転の緩める方向にナメちゃっているので、緩めようとしてこうなってその結果緩めるのを諦めた、という顛末でしょうか?こんな状態では工具が正しくかからないので果たしてボルトの取り外しが可能なのか?工具が機能しない場合はフライス盤でボルトの頭を削り落とすことになるのでしょうか?まったくもう。

IMG_3937 ちょっと頑張ってみた結果、無事にボルトを取り外すことに成功しました。面倒なことにならずに、ああ良かった、という感じです。しかし思うのですが、なんでこれをこのまま放置しておくのか、理解に苦しみます。オーナーさん個人がやったとは思えませんから、やはり請け負ったのは業者さんでしょう。コンロッドまで外そうとしたのですからオーバーホール作業をしていたのだと思いますが、最終的にどんな顛末だったのでしょうか???


  
Posted by cpiblog00738 at 08:56