2021年12月22日

カムシャフトの軸受け

 これはまた別のエンジンの話ですが、タイミングベルト交換作業中に手でカムシャフトを回してみると、4本のうちの1本だけスムーズに回らないのに気付きました。回転はしますが抵抗感がかなりあります。よくあるパターンとしてはカムの閉じ側の山と閉じ側ロッカーアームのクリアランス不足で、常にカムとロッカーアームが接触したままになっているという状態です。その場合の原因のほとんどはバルブの軽微な曲がりです。

 IMG_4597しかしこのエンジンの場合、原因は別の所に有りました。カムの軸受けに異物が浸入して軸受けの面がかなり痛んでしまっています。前回の記事で紹介したパターンそのもので、カムシャフトの中に存在していた異物がオイル穴から出てきてしまったのが原因です。実はこのエンジンは直近でレースに出場し、無事に走り切っています。軸受けにダメージを受けたのはおそらく新車時に初めてエンジンを始動した時だと思われますから、エンジンって結構タフなんですね。
 完璧な対策を求めるとヘッド交換になってしまいますがそれでは負担が大きすぎるので、今回は半分程度埋没している粉砕された異物の一つ一つを鋭利な刃物の先端で取り除き、表面を綺麗に均してカムシャフトが抵抗なく回転するように対処しました。

  

Posted by cpiblog00738 at 09:59