2024年05月31日

888SP4 再生 その2

 とりあえず出来ることから作業を進めていきます。ちなみにこのエンジンの走行距離は1万キロ以内なので、基本的には良い状態を保っていると予想しています。しかし出だしから前述のような問題が露呈していて不安を感じているのも事実ですが。

DSC01451 クランクケースです。問題ありません。ベアリングも含めて再使用します。







DSC01452 エンジン右側の部品です。乾式クラッチ、1次ギア、オイルポンプ等が存在します。状態は問題ありません。交換するシール類やベアリングは既に取り外してあります。





DSC01449 オイルポンプです。こちらも状態は良好です。







DSC01453 エンジン左側のカバー類です。ウォーターポンプのローターとカバーはオーナー様の希望により916系の部品に交換予定です。ローターのプロペラの形状が改良され、それに合わせてカバーの内部形状も変わり、冷却水の圧送能力が高められています。



DSC01454 エンジン左側の部品、フライホイール、タイミングギア、シフトアーム、発電機のローター等が存在します。これらの部品にも特に問題はありません。






DSC01455 セルモーターを分解しています。オイルシールとベアリングは新品に交換します。ブラシセットは交換しようかどうか迷いましたが、ブラシの減りは大したことは無く状態も良いので再使用することにしました。コミュテーターは研磨によるリフレッシュで対応しました。




  

Posted by cpiblog00738 at 09:16

委託販売中の1098R BAYLISS

 委託販売中の1098R BAYLISS の価格ですが、オーナー様のご厚意いただき値下げしました。詳しくは商品情報欄をご覧ください。
  
Posted by cpiblog00738 at 08:21

2024年05月29日

888SP4 再生 その1

 不動となっている888SP4のレストアをご依頼いいただきました。今回はその作業の様子をご報告していきたいと思います。

 まずバイクの状態ですが、屋内保管ではあるものの放置期間は16年にわたります。オーナー様は仕事の都合で長期間の海外勤務となり、その間の保管場所は非常に環境の良い場所を確保したものの、さすがに16年という期間は長すぎたようです。

DSC01423 バイクは陸送で運ばれてきました。まずは燃料タンク内部の状態を確認しようとしましたが燃料キャップに鍵を差し込んで回そうとしても鍵が回りません。何をやってもいうことを聞かないので、仕方がなくキャップのフランジごと取り外しました。するとキャップの裏はこんな感じで、瞬く間に辺りに異臭がたちこめます。腐ったガソリンの臭い、これは強烈ですね。これでは鍵が回らないのにも納得です。


DSC01425 タンク内部はこんな感じです。これはNGでしょう。普通ならどうしたものかと悩むところですが、流石オーナー様はスペアの燃料タンクAssyをお持ちです。あっさりそっちを使うという結論になりました。




DSC01428 まずはとにかく分解して行きます。汚れと積もった埃が半端ではないので、とにかく掃除です。しかしこの状態になるまでにすでに発覚していたのですが、前バンクのインマニの中の様子が異常です。




DSC01430 インマニの中がこんなになっています。粉が積もっている状態で、粉は微粒でちょうどきな粉みたいに見えます。これって何なんでしょう?さすがに見たことが無いものです。




DSC01431 早速エンジンをスタンドに載せて分解して行きます。







DSC01439 前バンクのシリンダーを外したところ、内部はこんな感じです。う〜ん、このピストンとシリンダーは果たして使えるのか?ちょっと疑問です。






DSC01441 一方こちらは後バンク側の燃焼室です。普通です。見慣れた光景ですが今回はこれを見て何故だかホッとした気分になり、なごみました。






DSC01442 とりあえずですが、概ね分解して各部の状態を把握しているところです。







DSC01447 今のところ最も心配なのはこの粉の件です。いったい何が原因だか見当がつきませんし、この粉の正体も判りません。
 とりあえずこの粉の件は棚上げして他の作業を進めていきます。最悪の場合これ等の部品が使えなくても代わりの部品は何とかなるのでそんなに心配はしていませんが。
  
Posted by cpiblog00738 at 09:43