2006年12月22日

スイングアームシャフトを試作してみました

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748/916系でレースをすると、スイングアームのピボットシャフトが曲がってしまう事があります。90年代中盤まではコルサのシャフトは結構強くて曲がりにくかったのですが、いつの頃からか市販車と同じ材質になってしまったようで、曲がりやすくなりました。特に最近のRSでは、このシャフトは使い捨て状態でエンジンを降ろすたびに曲がっているので、その度に新品を投入しています。

そこで今回、曲がらないシャフトを試作してみました。材料や熱処理に関してはどう指定して良いのか解らなかったので、手元に有った国産の丈夫そうなシャフト(熱処理をしたあとにセンターレス研磨で仕上げてあり、かなり良い造りに見えました)を渡して、このくらいにして欲しいと注文しました。

その見本となったシャフトに硬さ試験をして、同程度の仕上がりになるように熱処理を施したりして出来上がったものがこれです。

一番右の曲がった物は、ためしにプレスで曲げて、丈夫さをテストしてみた物です。硬く作るともろくなり、折れたり割れたりしやすくなります。そのためいきなり折れたりすることだけは避けたかったので、曲げてみて折れたりしないかを確認したわけです。両端を支持して真ん中を押し、荷重が10トンあたりで曲がり始め、30トンかけたところであそこまで曲がりました。あとは実際に使って確認してみます。(あとでノーマルを同じように曲げてみたら、同じ格好になるまで曲げるのに要した荷重は2トン以下でした)

ちなみに参考のためにノーマルのシャフトも渡しておいたのですが、あとで「これ、ナマだね」と熱処理屋さんに言われました。また、色が金色ですがこれはただのクロメート仕上げの色で、チタンというわけではありません。



Posted by cpiblog00738 at 13:47