2009年09月23日

ドゥカティカップ・マスタークラス

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先週末に筑波サーキットでドゥカティカップが開催されました。一番の注目を集めたと思われるのが、アマチュアドゥカティライダー最速を競うマスタークラスでした。私はレースを観戦する立場でしたが、近年まれに見る、手に汗握る白熱したレースで、実際に走行していた選手は勿論の事、レースをご覧になっていた方も大満足のレースだったと思います。

ところがこのレース、レース後の再車検でケチがつき、トップの2台が車輌規定違反で失格という事になりました。せっかくの雰囲気を台無しにする裁定でしたが・・・。まあ、レースというのはレギュレーションありきですから、しょうがないといえばしょうがないのですが。

ここから先は私の個人的な意見です。

サンデーレースはお客様(エントラント様)に如何に楽しんでいただくかという事が最優先される、主催者にとってはお客様相手の「客商売」であります。お客様がレースを終えて、「楽しかった!また次も出るぞ!」と思うような運営がなされて当然というか、それを目指さなくては開催の意味がありません。何しろエントラントは自分のお金で高価なバイクを購入し、さらにお金をかけ、レースというある意味危険の伴う高尚な趣味を持っている方々です。エントラントの皆さんの年齢を見ても、ドゥカティカップなら平均40歳を越えているかもしれません。(ちなみに先日のMAX10のレースでは、エントラントの平均年齢は40歳代半ばでした)こうした方々は社会的にも責任のある高い立場におられることも多く、当然ながら世の中の構造や酸いも甘いも知り尽くしているわけです。そうした方々にとって、こうした世の中の流れと逆行するような仕打ちに会うことは非常に不本意なのではないでしょうか?

昔から車検担当者とエントラントは犬猿の仲というのがレース界の常識でしたが、それはプロのレースやそれを目指す選手権においての事で、そのノリをサンデーレースに持ち込んだとしたら、お金を払って参加したお客様に「お前はもう来るな!」といっているようなものです。頭悪すぎです。レースが廃れる最大の原因の一つだと私は思っています。

今回の出来事の原因は、レギュレーションにあります。車輌規定はNT(ノーマルツインクラス)に順ずる、ただし例外あり、となっていました。ノーマルツインクラスのレギュレーションなら、殆ど改造不可です。何でこんなレギュレーションにしたんでしょう?マスタークラスに出るようなエントラントは、趣味としてのバイク歴、ドゥカティ歴が非常に長く、バイクの改造にも熱心です。彼らのバイクはそんなレギュレーションに合致するものであるわけはありません。そんな事は業界の中に居る人間なら百も承知な筈です。例えば今回私が車検をまかされて、ノーマルツインクラスのレギュレーションに合致しない車輌は全て失格にしろ、と言われれば、今回のエントラントの過半数を失格にできる自信が私にはあります!それほど今回のレギュレーションは現状からかけ離れていたと言い切れます。ですから、マスタークラスにおいてのレギュレーションに限っては、例えばFIMの車輌基本仕様に準じていれば何でもOK、というような感じにするしかないでしょう。大改造されたお金のかかったバイクはやはり華がありますし、イベントの雰囲気を盛り上げます。それにいくらマスターカップのライダーが速いとはいえ、所詮アマチュアライダーですから、お金がかかったバイクの方が絶対的に速いかというと、実はそうでもありません。これがバイクの面白いところでもあります。

あとは車検をやっている方々、選手権とこういったサンデーレースを一緒に括って同じ対応をするのはどうかと思います。確かに与えられたレギュレーションを守るのが車検の方々に与えられた仕事です。しかし、例えば50km/h制限の一般道を51km/hで走ったからといって、「お前はスピード違反だ」と捕まえるような行為は、プロのレースと選手権のレースだけにしてください。おまわりさんも一般公道においてはスピード云々よりもまず流れのスムーズさを優先していると思います。開催されているレースの雰囲気を察して、そのイベントが如何に盛り上がって大成功するかを優先した曖昧な裁定も、時には非常に大切で必要とされると思います。

上手くまとまりませんが、以上です。



Posted by cpiblog00738 at 20:40