2012年02月22日

999R

ec8bf9d5.jpgクランクケースに内部の部品を仮組したところです。
私が個人的に一番手間がかかって大変だと認識している作業が、クランクとミッションシャフトの左右の位置決めです。これ等はそれぞれの部品の左右に入るシムワッシャーによって位置決めされますが、この作業に骨が折れます。元通り組んだらダメなんですか?と聞かれることがありますが、自信を持って言えます。ダメです!
元々から位置が正しくバッチリ合っていることは非常に稀です。また、もし最初が本当に正しく合っていたとしても、走行距離が進むにつれて部品の位置関係は変化してゆきます。
例えばクランクシャフトにかかるプリロードは走行が伸びるとだんだん緩くなっていきますが、こうなる主な原因の一つはクランク左右のベアリングのアウターがその外側のブッシュの中で回転し、その結果ブッシュが減ってしまうことです。この場合主に磨耗するのは発電機側の片側だけで、反対の1次ギア側は殆ど減りません。その結果クランクはだんだん左側に寄っていくことになります。
また、ミッションの場合は、シャフトの位置は変わりませんが、シフトフォークが多少なりとも必ず曲がります。その結果3本の各シャフトの位置関係が最適ではない状態になってしまいます。
それらを調整するのはかなり手間のかかる作業です。このエンジンでも有る程度納得がいくまでには4〜5時間かかりました。


Posted by cpiblog00738 at 00:12