2013年06月09日

シフトフォークの点検

8c9fd9ab.jpgシフトフォークの曲がりを点検しています。今までは目視で行っていたのですが、最近サーキット走行をする方でシフトフォークを曲げてしまう方が非常に多いので、曲がりを計測出来るような治具を先日製作しました。新品のシフトフォークと比較してどのくらい曲がっていたら交換するべきなのかはまだ判りませんが、例えば手持ちの新品4個を計測すると、計測数値のばらつきはほぼ±0.1mm以内でした。自分の感覚では、新品と比較して0.3mm以上数値に差があれば交換した方が良い気がしますが、どうなんでしょう?

しかし最近シフトフォークを曲げる方が多いですね。勿論レーストラックでの話ですが。その原因として、最近流行のオートシフターがその一つであることは間違いのないところでしょう。勿論シフターを使用している全てのバイクのフォークが曲がるというわけではありません。しかし私の見た範囲では、フォークを曲げてしまったバイクは100%シフター付であることも間違いのない事実です。
ギアチェンジというのはギアのドッグが噛合うことで成立します。それがどういう事かを判りやすく説明すると、ギアの歯ではなくて、隣り合うギア同士の側面にある凸と凹がうまく嵌って動力を隣のギアに伝達するいうことです。凸と凹の位置が合っていなければ当然のことながらお互いを押し付けても嵌りません。その位置が合っていない状態にもかかわらず無理な力をかけて押し付けるので、その結果としてフォークが曲がるのです。要するにやってはいけないことをライダーが無意識のうちにやっているということですね。シフターを過信して、シフターがちゃんと機能していないのに入らないものを無理やり入れようとするので壊れるということです。クラッチを使わずとも右手の操作だけでシフトアップが出来るような心得のある人であれば、シフターを使ってもフォークを曲げるようなことにはならないですね。要は力加減を判っているという事です。
曲がらないフォークが欲しい、とのたまう方もいらっしゃいますが、そんなフォークが有ったら次はシフトドラムが割れたり、シフトアームが曲がったりするでしょう。そうした関連部品をどんどん強くして壊れなくしていけば、最後には足の親指の骨が折れると思います。(笑)
ちなみにシフトドラムを割った方は、既に居られます・・・・。


Posted by cpiblog00738 at 19:59