2019年07月09日

916SPS 1997 その2

916SPSの続きです。

IMG_1229 クランクです。最初からヘビーウェイト入りです。何故か1次ギア側のウェブに3個、もう一方のフライホイール側のウェブには2個、打ち込まれています。常識的に考えると左右対称になりそうなものですけど、この3個と2個の組み合わせは結構目にした記憶が有ります。この状態でバランスはとれているということなのでしょうけど、なぜこうなっているのか理由は解りません。


IMG_1232 さて、コンロッドです。すでにお伝えした通りこのコンロッドの材質はスチールです。で、ハーフメタルですが2個の小さな穴が開いています。






IMG_1236 メタルを外すとこうなっています。溝状のオイル通路になっていて中央に穴が開いています。ちなみにコンロッドのキャップ側にはオイル通路は存在しませんから、メタルに穴が開いている必要はありません。穴あきのメタルは非常に高額(万単位の値段です)なので、自分が組む場合はキャップ側には穴のない普通のメタルを組むことが多いです。


IMG_1234 この穴が何処に通じているかというと、此処、小端部です。つまり大端部を潤滑するオイルの一部がコンロッドの真ん中の穴を通って小端部分まで来て、ピストンピンを潤滑するという訳です。凝ってますね!
 このシステムは888SPSやSP5にも使われていましたが、その時はメタルに開いている穴は3個でした。いつの間にか品番変更になって穴が2個のタイプになっています。

IMG_1235 メタルの裏側はこんな感じです。オイル通路の跡が明瞭に確認できます。しかし考えてみるとオイル通路の跡が付いている部分は荷重を受け止めないということになります。自分の考えでは、この部分は出来るだけ単位面積あたりにかかる荷重を小さくしたい場所なので、そういった意味でこの状況はあまりよろしくないかもしれません。何はともあれ理由は不明ですがこのシステムはこのエンジン以降は使われなくなりました。ここまでしなくてもオイル飛沫の管理や小端部に開けるオイル穴の最適化でピストンピンの潤滑に問題は無いという結論に達したのかもしれません。

IMG_1238 メタル合わせの後、再び組み上げられたクランクとコンロッドです。

Posted by cpiblog00738 at 21:49