2022年01月22日

ハーフメタル

IMG_4717 オーバーホール中のエンジンから取り外したコンロッド大端部に使用されていたハーフメタルです。表面の銀色部分が無くなって下地の銅色が見えています。左の2個がコンロッドの本体側に使用されていたもの、右の2個がコンロッドのキャップ側に使用されていたものです。ドゥカティ2気筒エンジンの場合、メタルの負担が大きいのはコンロッド本体側になります。キャップ側の方は本体側と比較するとダメージは少ないことが多いのですが、今回の場合でもキャップ側のメタルにはまだ何となく銀色が残っています。
 この状態でもエンジンは普通に動いていたようです。焼損は発生していませんでした。クランクピンは流石に良好な状態とは言えませんでしたが、再使用が憚れる状態でもなかったので再使用しました。コンロッドも当然ながら再使用しましたが、メタルクリアランスが0.050mmとなるようにメタル合わせを行った結果、使用したメタルの厚さは1.480〜1.488mmとなりました。
 画像のメタルの厚さを計測したところ、本体側が1.408mmと1.410mm、キャップ側が1.463mmと1.464mmでした。取り外したメタルと新品メタルの厚さの差から計算すると、分解前のメタルクリアランスは0.14mm前後であったと考えられ、この数字でもエンジンは機能するのだとちょっと驚きました。とは言え、このまま走行していたらとても近い将来にコンロッド大端部の焼損という事態になったと考えられます。


Posted by cpiblog00738 at 09:09