2022年02月04日

996F'00エンジン-1

 996F00エンジンのオーバーホールを行っています。Fはファクトリーの略です。要するに2000年型996ファクトリーエンジン、ワークスエンジンとも言います。TFDでは2002年にF00のエンジンを3基購入しましたが、そのうちの一台です。前回のオーバーホールが2006年の暮れでしたから、約15年ほど眠っていたことになります。今回縁あってこのエンジンを再び走らせることとなり、そのためのオーバーホールです。

IMG_4746 当時のドゥカティの場合、その年のワークスマシンは翌年の市販レーシングマシンとなりますから、このエンジンの仕様としては996RS01のエンジンということになります。しかしワークスエンジンですからそこかしこに手が加えられており、RS01のノーマルエンジンとはずいぶんと趣が異なります。クランクはピカピカに磨かれていますし、コンロッドもRS01のコンロッドとは異なります。
 このエンジンは2000年シーズンの終了後にファクトリーから放出され、2001年シーズンはイギリスのGSEレーシングというチームが使用していました。そのエンジンが2001年シーズン終了後に放出され、それをTFDが入手したという訳です。3基のエンジンはそれぞれ微妙に仕様が異なり、手堅い仕様、イッパツ仕様、その中間、みたいな感じなので、ファクトリーから放出された翌年に手を加えられたのかもしれませんね。いずれにせよGSEレーシングというところはエンジンの管理が常識外れに行き届いていて、それはエンジンを分解してみると直ぐに理解できます。部品の交換はファクトリーの指示通りの走行距離のサイクルで行われていますし、各部品にはそれがどのエンジンの部品なのか識別できるように印が付いています。

IMG_4749 例えばこのクランクにはJT5と記されています。これはジェームス・トスランドというライダー用エンジンの5号機ということです。おそらくかなりの数量のエンジンをハンドリングしていたのでしょう。部品が入れ替わったりしないようにと言う事だと思います。そうしないと距離の管理にも支障が出ますし。でも部品の中にはNHと記されている部品も一つだけ混じっていました。(笑)
今後オーバーホールの様子をかいつまんで紹介していきたいと思います。




Posted by cpiblog00738 at 20:09