2022年03月07日

996F00エンジン-7

 すいません、記事をはしょってしまいますがエンジンは完成して今迄のエンジンと載せ替えられ、既にレーストラックを走行しております。エンジンマネージメントの件ですが、既存のエンジン制御はマレリのP8ECU、それに対して996F00は本来マレリのMF3というフルコンで制御されていました。F00エンジンということで制御にMF3を持ち出すと手間とお金がかかって大変なことになるので、今回はそのままP8で行くことにしました。エンジンをかけるだけなら既存のP8ファイルに全く手を加えなくても全く問題無く、セルボタンを押してクランキングさせれば即エンジンが始動します。既存のエンジンの仕様は916Racing'97(996cc)で、F00エンジンも基本的には同じエンジンなので当然と言えば当然です。その状態からシャシダイに載せて燃調のセッティングを行いました。

無題a シャシダイ上で行ったパワーチェックのグラフです。赤線が既存のエンジン、青線が今回のエンジンです。単純にエンジンを載せ替えただけでエンジン単体以外は吸排気を始めとする何から何までが同じです。その差はまさにエンジンそのものの差ということになります。
 全く同じ排気量ながら明らかに出力は向上しています。数値的には大したことが無いように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、排気量そのままで出力を上げるのは大変なことなのです。ピークパワーで5馬力、ピーク以外も同様に上乗せされており、この差は凄いと思います。市販車とコルサの差ではなく、年式違いのコルサ同士を比較した差ですからね。主な違いはインテークカム、バルブ径、ピストンと燃焼室の形状、といったところですが、当時のコルサの仕様の変遷を見ていくと非常に興味深いところがあります。ちなみに排気量を上げれば出力を向上させることは簡単なんですけどね。経験上ですが排気量を5%大きくすれば出力もほぼ同様に5%上がります。
 同じ造りでこれだけの差が有るということは当然ながらその分何処かにしわ寄せが来ることになりますが、それはエンジンのライフということになるでしょう。趣味のレースですから大事に使って長持ちさせていただきたいと思います。



Posted by cpiblog00738 at 09:14