2022年08月15日

工具

DSC00104 たまには工具の話です。これは片目片口スパナ、コンビネーションスパナなどと呼ばれているもので、サイズは10mmです。Snap-on製のOEXM10というモデルです。現在においては所謂旧ロゴと呼ばれるようになっている旧タイプですが、私が入手した当時の新品はこのタイプでした。少しでも自分でバイクを触る人であれば、このタイプのこのサイズは非常に使用頻度が高い工具であると解りますね。


DSC00105 全ての工具にという訳ではないですが、スナップオンの工具には製造年が記されている場合があります。この2本のスパナの場合、文字列の中央に上のスパナには「2」、下には「4」という数字が見えます。これの意味するところは1982年製と1984年製ということです。年代によって数字の字体が決まっていて、画像のこの数字の場合は1980年代の数字ということになります。例えば1990年代であればまた別の字体で数字が記されているのでそれと判別できます。ネットで調べてみると詳しい解説を目にすることが出来ると思います。
 例えば「2」の方は自分がこの業界に入ったばかりの時に購入した工具のうちの一つです。値段も覚えていますが、確か1本¥5,500-だったと記憶しています。今考えても非常に高価ですね。当時のスナップオンのスパナは小さいサイズでも¥5,000-くらい、大きいサイズだと大雑把に言って1万円くらいというイメージでした。10mmサイズは使用頻度が非常に高いのでスペアが必要と考えて2年後に追加購入したのが「4」の方です。
 使用し始めてから40年、そう考えると凄いですね。このサイズは仕事をしていればほぼ毎日必ず使用します。ピカピカだったメッキもそれなりに曇り始めてはいますが機能的に全く問題無いままですし、メッキの剥がれなどは皆無です。この頃のメッキは材質が良いのでしょうね。裏を返せば非常に環境に対して悪影響を及ぼすようなメッキ処理が許されていた時代だったということもあるのでしょうか?自分的にはこういった類のものが本当に良いモノ、本物と呼べるもの、だと思います。面白いのはこの時代のスパナに関して言えば同じ品番でも一つ一つ微妙に形状が異なります。職人さんが一つ一つを手作業で削って整形していたのだと思われます。手持ちの中にも中央のバーの部分が極端に薄く仕上げられていてやたら細身でスマートな個体等もあり、とても興味深いです。


Posted by cpiblog00738 at 13:50