2022年08月26日

1098Rエンジン修理オーバーホール その3

DSC00116 さて、今回のトラブルが発生した原因についての考察です。いろいろと検証した結果、原因は去年のレースにおける転倒でクラッチカバーを路面に強打したことでした。その時の転倒はレースのスタート時にスタートの失敗で後ろにひっくり返ったというかなりスペクタクルなものでした。その時にエンジン右側のカバーを路面に強打し、その衝撃でクランクケースに取り付けてあるカバーの位置がずれてしまったのです。

DSC00112 このエンジン右側カバーの位置決めはドウェルピン1個とクランクシャフト右端のブッシュの2ヶ所です。画像は取り付けられていたドウェルピンですが明らかに大きく変形しています。かなりの衝撃でカバーの取り付け位置がずれてしまった様子が窺えます。もう片方の位置決めであるクランクシャフト右端もブッシュにかなりの力で押し付けられたままの状態になっていたと想像できます。しかしこれだけカバーの位置がずれても接合面からのオイル漏れは皆無でした。Threebond 1215は優秀です。


DSC00115 その状態のまま乗り続けた結果、ブッシュがこのような状態になってオイルシールを突き破ってハウジングから飛び出してしまい、今回の結果となったということです。今迄転倒でクラッチカバーが路面にこすって傷が付くことは多々ありましたが、このような問題が起ったことはありませんでした。しかしよく考えると今回はクラッチカバーにかかった力の大きさと方向が今までと異なったということですね。経験値がまた一つ増えました。


Posted by cpiblog00738 at 08:04