2023年06月08日

エンジンオーバーホール中 その4

DSC00853 途中をちょっとはしょりましたが、バルブです。バルブシートとのすり合わせと当たりの確認は済んでいます。バルブフェースの白っぽく見える場所が当たり面です。左のバルブは当たりの確認が済んだところ、右のバルブはその状態から当たり面の内側に30度の角度で研磨を施したものです。違いが分かりますか?バルブの当たりは可能な限りの外当たりにしてあります。バルブフェース面は45度ですが、実際に当たっている部分の内側に45度面が無駄に残っているのでその部分に30度の角度でカットを入れたということです。最近のエンジンでは最初からこの加工が施してある場合も目にすることが多いですね。
 それと可能な限りの外当たりについてですが、当たり面の外側の際を実質的なバルブ径と考えると、そうする理由がお判りになると思います。もし当たり面がもっと内側にあったとすると、それは実質的にはバルブの小径化ということになってしまいますよね。

DSC00856 シリンダーヘッドの組み立て中です。このタイプのヘッドは設計が丁寧というか過剰品質の印象を受けます。このエンジンの次世代の1098系はこれの発展型ですが、このエンジンを使用して来て過剰品質と判断したところや無駄と判断したところが刷新されているように見えます。自分としてはこのタイプのヘッドは好きですね。


DSC00857 今回使用するピストンです。ピスタルレーシング製のハイコンプレッションピストンですが、今まで使用していたものと全く同じものの新品です。ピストンは寿命が来ると割れますから、今回はそれなりの走行距離だったために念のため新品に交換します。ちなみにピスタル製だから割れるという訳ではありません。純正ノーマルピストンでもサーキット走行を続けていると同じように割れます。
 ピストンヘッドに記してある数字は重量です。0.1グラム単位まで揃っています。ピスタルレーシングの品質管理は非常に行き届いていると言って良いでしょう。おそらく重量の近いものを選別して2個セットにして出荷していると思われますが、メーカーとしての誠意、良心を感じます。

 続きはまた後程です。





Posted by cpiblog00738 at 20:41