2023年09月10日
DUCATI SUPERMONO スーパーモノ・レストア記 その12
エンジン左側の発電機周りを組み立てます。このエンジンは独特で、フライホイールと発電機が乾式になっています。乾式クラッチと同じような構造で、エンジン左側カバーの外側にフライホイールと発電機が存在して、その外側をまたカバーが覆っています。
発電機のコイルとローターのセットです。純正の新品部品です。チェックするとローターに「KOKUSAN JAPAN」の刻印があります。日本製なのですね。フライホイールを固定するナットやワッシャーも当然ながら専用部品です。
シリンダーヘッド、ピストン、シリンダー等を仮組して、バルブタイミングの計測と調整を行っています。バルブタイミングを指定値に調整してからバルブとピストンのクリアランスをチェックするので、今のところはあくまで仮組です。
バルブタイミングが決まった状態になったところで、一旦シリンダーヘッドを取り外し、バルブリセスに粘土を置いて再び組み立て、クランキングさせます。そうすると画像のようにバルブリセスの中にバルブが入った痕跡が残ります。粘土の厚さがバルブとピストン間のクリアランスということになります。ミニマムクリアランスはINTAKEが2.5mm、EXHAUSTが2.6mmと指定されています。今回は特に問題無い範囲に収まっていました。全てが純正部品で、バルブタイミングも指定値の通りになっていますから、当たり前と言えば当たり前です。しかしパフォーマンスアップを狙って社外ピストンや社外のカムシャフト等を使用した場合は特に注意が必要ですね。
今迄エンジンは仮組でスキッシュクリアランスの調整やバルブタイミングの調整を行っていたので、ヘッドガスケットは今迄使用していた中古品を使用していました。しかし最終的には当然ですが新品のヘッドガスケットを使用します。
クラッチ関係の部品です。クラッチディスクは摩材が焼結タイプの現行モデルの純正部品で、使用する枚数を減らし、全体の厚さを調整して使用します。クラッチドラムは専用品ですが、既存のものを再使用します。
クラッチスプリングは新品で996RS等と共通部品。クラッチプレッシャープレート等は888/926Racingと共通部品で、これも新品を使用します。
クラッチスプリングは新品で996RS等と共通部品。クラッチプレッシャープレート等は888/926Racingと共通部品で、これも新品を使用します。
こちらはオイルクーラーからシリンダーヘッド、クランクケースへと続くオイルラインです。これも新品です。シリンダーヘッドにオイルをデリバリーするのと、その先はクランクケースに繋がっていて、そこではダミーコンロッドのエンジン側のピボットにオイルを供給するようになっています。
Posted by cpiblog00738 at 20:00