2023年09月23日

DUCATI SUPERNOMO スーパーモノ・レストア記 その14

 ここからは車体関係のレポートとなります。基本的にエンジンのレストア作業終了後に着手した作業ですが、中にはエンジンの作業と並行して行っていた作業もありますのでその点はご承知おきください。

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 フロントフォークのオーバーホールです。作業内容としてはバラして部品を綺麗にして不具合が無いかを点検し組み立てる、ということになりますが、一つ問題となるのがフォークシールです。この手のフロントフォークの場合、インナーチューブ径が42mmです。純正オイルシールのサイズは42x54x10.5というサイズです。このサイズのオイルシールは現在なかなか入手が出来ません。今回使用したシールは42x54x11.0というサイズで厚さが0.5mm大きいですが、何とか問題無く使用することが出来ました。しかしこのオイルシールは日本製ではないので経験的に耐久性に難があります。要するにオイル漏れが始まるまでの時間が短い、ということです。まあこれに関しては致し方ないですね。使えるものがあるということだけで感謝しています。 


IMG_2462 エンジンを台に乗せてフレームの載せる準備をしています。







IMG_2464 エンジンを載せる前にフレームの単体重量を計測してみました。その結果は5.82kg、さすがに軽量です。







IMG_2466 エンジンマウントボルトです。これは既存のものにクロメート処理をやり直したものです。錆や腐食の痕跡が残っていますが、これは仕方ありません。






IMG_2467 ステアリングステムの上下です。緑色のアッパーブラケットはマグネシウム製で、純正の新品部品です。ステムベアリング等は勿論新品に交換です。






IMG_2470 フレームのヘッドパイプにステムを取り付けているところです。今のところ順調に作業は進んでいます。







IMG_2474 ハンドルです。何と純正の新品です。








IMG_2475 スイングアーム周りの部品です。マグネシウムの部品には陽極酸化処理、スチールの部品にはクロメート処理を施してあります。






IMG_2479 リアホイールですが、こちらの箱入りの方は何と新品です。この純正のリアホイールサイズは5.00x17です。もう1本、5.25x17というサイズもありまして、こちらはリペイント済みです。当時の指定タイヤサイズは155/60-17というサイズですが、それに近いサイズは現在では160/60サイズとなります。この160/60サイズのタイヤを5.00と5.25のホイールで履き比べてみて、その違いと感触を試してみるということになりますね。


IMG_2482 フロントのアクスルシャフトとナットです。こちらも今迄使用していたものですが、クロメート処理をやり直しました。






IMG_2484 とりあえずバイクとして成り立つのかどうかの確認で車体を仮組しています。







IMG_2485IMG_2487 これはリアブレーキマスターのホルダーです。本来、純正部品はカーボンで製作されているものですが何故かアルミの削り出し部品になっています。削り出しには違いないのですが、どう見てもグラインダーで削り出したと思われる力作?です。これをこのまま使用するのはいくら何でも有り得ない感じです。とはいえ代替え部品はありませんから、何かしらの解決策を考えなければなりません。


IMG_2492IMG_2494 いろいろ考えた結果、グラインダー削り出しのこの部品をフライスで仕上げて使用することにしました。かなり時間と手間がかかって苦労しましたが、これなら及第点という仕上がりになったのでこれを使用することにしました。



IMG_2496 リアフェンダーです。純正部品の新品です。








IMG_2499 メインのワイヤリングハーネスです。純正部品の新品です。







IMG_2501 このハーネスはメーターパネルとメインのハーネスを接続するものです。これも純正部品の新品です。







IMG_2502 こちらはシートスポンジです。純正部品の新品です。







IMG_2512 ラジエーターです。純正部品の新品です。








IMG_2513 ボルテージレギュレーターです。こちらは箱入りではありませんが、やはり純正部品の新品です。







IMG_2514 冷却水ホース、ブリーザーホースです。ここに写っているものは純正部品の新品です。しかし新品を用意できなかったホースもあります。それは既存品を使用するか、似たようなサイズのホースの代替品を探して使用するしかありません。




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 車体を本格的に組み立てています。いろいろな部品を仮組して状況を確認し、問題無ければ正式に取り付け、という手順です。部品を付けたり外したりの繰り返しで、二度手間、三度手間は当たり前、という状況です。

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 例えばインジェクター。やっとエンジン始動テスト迄こぎつけたところで診断機に繋いでインジェクターの動作テストをしたところ、インジェクターが動作しません。
 チェックしたところ、長期間の放置によってインジェクターのバルブが固着したという結論に達し、インジェクターを新品に交換しました。せっかくバイクの形になっているのにまた分解して作業のやり直しです。上記は一つの例ですが、実際にこんな事の繰り返しです。しかしこういったレストア作業にこの手の展開はつきものです。



Posted by cpiblog00738 at 09:15