2023年10月08日
DUCATI SUPERMONO スーパーモノ・レストア記 その16
とりあえずバイクが完成したのが2020年の5月23日のことでした。そして同じく5月30日、エンジンに火が入ります。
特に問題無くエンジン始動確認が終了し、安堵しました。
次はサーキットでの実走行ですが、それはちょっと間が開いて2020年9月19日のことでした。場所は富士スピードウェイです。
スーパーモノのオリジナルカウルにはオイル受けの部分が存在しません。当時はそういったものの装着が義務付けられていなかったからです。その状態で走行可能なのはFISCOのみ、ということで富士スピードウェイに行ってきました。その時の様子は以下です。
この時はまずこのバイクがバイクとして正しく機能するかどうかの確認でした。何かしらのトラブルが起きるのではないかという一抹の不安はありましたが、いざ走行を開始してみると特に問題無く走行出来ました。シケイン等の低速コーナーからの立ち上がりでは明らかに燃調が合っていない症状が認められましたが、FISCOの長いストレートではノーマルのファイナル(15x36)にもかかわらず6速ギアでエンジンは10,000rpm以上回りました。
とにかく大きな問題はなく、概ねOKという結論が出て安心しました。今回の目的はあくまでも完成検査。この時の走行距離は約23kmでした。
まずは素材の入手から始めなくてはなりません。純正と同形状のFRP製のカウルを販売しているショップがアメリカにあり、そこからアッパーカウルと左右のサイドカウルを取り寄せました。この時代のバイクのカウルは搬送の利便性を考えていませんから、いざ段ボール箱でカウルを梱包すると超巨大です。なんじゃこりゃ、というくらい大きな段ボールがアメリカから届きました。商品代金と送料がほぼ同額というちょっと理不尽な感じでした。
それを知り合いの業者さんに持ち込んで加工をお願いしました。左右サイドカウルの底部を繋いでしまい、その代わりサイドカウルを上下分割式に改造してもらいました。繋いだ底部に仕切り板を取り付けてオイル受けになるようにしました。フィッティングを終えてから改めてペイントを施していただき、完成した姿がこの画像です。これでレース出場が可能です。バイクがこの状態まで出来上がったのが2020年の年末のことでした。
開けて2021年になりましたがなかなか走行する機会に恵まれず、やっとその機会が訪れたのは11月23日のことでした。場所は筑波サーキットです。20分の走行枠でしたが、周回数は15周。慣熟走行から少しずつペースを上げ、タイム的には6秒台に入ったくらいでした。
しかし実はこの走行でトラブルが発生してしまいました。それは何かというと、ブレーキをかけてフォークが沈み込むとフロントタイヤがカウルに激しく干渉するのです。ラジエーターの下あたりで左右のカウルが連結しているのですが、その部分にタイヤが干渉します。走行中に強くブレーキをかける場面でフロントからガツガツという突き上げ感があったのですが、原因はそれでした。その対策ですが、このカウルはレース用に製作したもので純正のオリジナルではありませんから、干渉する部分を惜しげもなく切り飛ばして対応しました。
また前回走行したFISCOで感じたタイトコーナー立ち上がりにおける燃調の不具合は、ここ筑波でも明らかに感じられました。ちゃんと走らそうと思うのであれば、シャシダイに載せて燃調のセッティングが必要だと改めて確信しました。
さて、次の走行は2022年6月19日。場所は富士スピードウェイ。MAXのレースです。天候にも恵まれレース日和ではありましたが、場所がFISCOですからスーパーモノで大排気量車と一緒のレースはちょっと厳しいです。とはいっても、今回の目的はスーパーモノがFISCOの長いストレートを全開で走行する姿を皆さんにお披露目したいということなので、レースの結果には全く拘っていませんでした。
グリッドは後ろの方ですが、ストレートが遅いのでスタート直後に後ろから突っ込まれる可能性を考えるとかえって良かったかもしれません。予選タイムは2分7秒台。決勝でも6秒台でした。2分は切れるだろうと思っていたのですが、全くお話になりませんでしたね。以前748Rで1分55秒、空冷DS1100エンジンを748の車体に載せたバイクで1分54秒、くらいのタイムは出ていたので2分は切れるだろうとタカをくくっていたのですが…。FISCOの場合は少なくともエンジン出力が90馬力くらい出ていないと2分は切れないのでしょうか。そのあたりにしきい値があるのかもしれません。
ストレートではスーパーモノの全開走行の排気音をグランドスタンドに響かせて、それを皆さんに聞いてもらうことが出来て良かったです。
やはり今回のレースでもタイトコーナー立ち上がりにおける燃調の不具合をかなり感じました。ということで早急にその問題を解決して、次回の筑波サーキットでのレースにバイクを持ち込みたいと考えました。
Posted by cpiblog00738 at 11:10