2024年06月07日

888SP4 再生 その4

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 クランクケース内部の部品を仮組しています。各部品はシム調整によってその位置が決定されます。クランクシャフトであればコンロッドの位置がシリンダーの中央になるように調整します。ミッションシャフトやシフトドラムであればギアの送り、噛み合い具合等の加減を見ながら最適と思われる位置に各部品を調整します。かなり細かくて面倒な作業ですが、正しく行えばギアチェンジの良好な感触を獲得できます。ただし乱暴なギアチェンジを行ってシフトフォークを曲げたりすればせっかくの調整も元の木阿弥となってしまいます。

DSC01479 DSC01478クランクケース左右を合わせて組み立てたところです。






DSC01481 DSC01485クランクケースの左右を組み立てていきます。







DSC01486 クラッチは今迄ノーマルでしたが、今回はお客様が持ち込まれたスリッパークラッチを使用します。






DSC01488 概ね腰下が組み上がりました。シリンダーとピストンを仮組しておきます。







DSC01489 さて、ここからはシリンダーヘッドの作業に取り掛かります。前バンクは例の腐食による粉問題がありますが、後バンクに関してもいかにも調子が悪かったであろうと思われる見た目です。




DSC01491 シリンダーヘッド内部の部品です。意外と言っては何ですが、特に大きな問題はありません。






DSC01492 とりあえずヘッドを洗って綺麗にしました。







DSC01493 DSC01495ここがポート内に問題があった場所ですが、バルブガイドがおかしなことになっています。割れて欠けた?融けた?状況は確認できましたが何が起ったのかは判りません。ただガイド以外に問題は無さそうなので、ガイド交換を行えば問題なさそうな印象です。


DSC01504 DSC01505ガイド交換はオーバーホール作業に於いてルーティンです。抜いたガイドは銀色のものがインテーク、銅色のものがエキゾーストです。エキゾーストの方が過酷な環境に置かれるので高級な材料で製作されていると思われます。


DSC01507 バルブはリフェースして再使用します。粉事件の起こった場所のバルブの状態も特に問題はありませんでした。左がリフェース前の洗っただけの状態、右がそれにリフェースを施した状態です。


Posted by cpiblog00738 at 08:47