2024年06月26日
888SP4 再生 その6
エンジンが概ね組み上がったところで、バルブタイミングの計測と調整を行っています。この作業はかなり重要です。TFDではバルブタイミングをメーカーの指定値に合わせています。バルブタイミング変更、というようなマイルールの暴挙は行いません。カムの摩耗によって開弁時間が少なくなっているような場合はそれなりに考えた上で最適と思われるタイミングを設定しますが、その場合でも基準となるのはメーカーの指定値です。
さて、エンジン以外の作業に取り掛かります。これはスロットルボディーですが、結構酷い状態です。フューエルホースとクランプ等は新品に交換します。不安なのはインジェクターが正常に作動するかどうかですが、結果的に4個のうちの1個が動作不良を起こしていました。ガム化したガソリンでノズルが固着するというよくあるトラブルです。
車体の組み立てですが、まず最初にエンジンにスイングアームを取り付けます。この時に後方気筒のエキパイを仮付けしておきます。今回使用するこのエキパイは1990年代にWSBで実際に使用されていたもので、純正ノーマルとは太さや形状が異なるため、車体が組み上がった後では取り付け不可能になる可能性があるからです。このエキパイはオーナー様に持ち込んでいただいたもので、アンドレアス・メクロウ号に使われていたもの、ということで入手されたそうです。
WSB仕様のエキパイと組み合わせて使用する目論見で持ち込んでいただいたスリップオンサイレンサー(新品)ですが、残念ながら取り付け角度が全く合いません。そのまま差し込むとこんな感じになってしまいます。これは後から切った貼ったの作業で何とかします。
Posted by cpiblog00738 at 23:06