2024年10月04日

888コルサエンジン再生-6

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 左の写真はメンテナンスのためにセルモーターを分解したところです。セルモーターはTFDに在庫がかなりあるので、その中から時代的に合致するもので程度が良さそうなものを選択しました。
 右の写真はメンテナンスが終了し、組み立てる直前の写真です。コミュテーターは研磨してリフレッシュしました。オイルシール、ブラシセット、オーリング類は新品に交換です。

DSC01964 エンジン左側の部品は一通りメンテナンスが終了したので組み立てました。タイミングギアが軽量穴も無くコルサっぽくないですが、コルサの純正部品なのでそのまま再使用しています。シフトアームとシフトリターンスプリング2個は新品に交換済みですが、これらに関しては調整に苦労します。特にシフトアームは当時の部品と若干形状が変わっていて、そのまま組むとシフトダウンが上手く作動しない例も見受けられます。それについての調整は現物合わせとなり、苦労します。

DSC01969 オイルポンプです。左がS4、右が888コルサの部品です。取り付けや外観はほぼ同一と言って良いですが、細かい相違もあります。ギアの形状が異なるのは一見して判りますが、矢印で示した穴の大きさが違います。この部分はオイルの吸い込み口で、オイル吸い込みの効率を上げて油量を確保しようという意思が現れています。ちなみに内部の通路も広がっています。


DSC01970 こちらは反対側からの眺めですが、こちら側から見た双方の形状は大きく異なります。左のS4の方は凸部分に新たな機構が追加されています。これは油圧のレギュレーターで、油圧が高い場合にリリーフバルブが開いて油圧を適正値にコントロールするようになっています。888コルサ等の当時のエンジンにもこういった機構は存在していましたが、それはクランクケース左右の合わせ面に存在していました。ポンプ本体にこの機構が備わっていた方がメリットが多いのだと思います。

DSC01971 そして今回使用しているクランクケースはS4の部品なので、クランクケースの合わせ面にリリーフバルブは存在しません。ということで今回使用するポンプは必然的にS4の部品ということになります。ギアの取り付けには互換性がありますから、ギアをスワップして対応します。



DSC01972 部品が揃ったのでエンジン右側を組み立てています。オイルポンプ本体はS4の部品になりましたが、オイルポンプギアとクランク1次ギアのセットはコルサ純正部品です。




DSC01974 クラッチ側のカバーはコルサ純正のマグネシウム製カバーをそのまま使用します。しかしオイルポンプの形状が変わってカバーと干渉する部分が出現するので、その点は対策が必要です。矢印の部分がそれです。リューターでちょっと削って対応します。


Posted by cpiblog00738 at 16:51