
シリンダーヘッドの作業を開始します。分解したシリンダーヘッド構成部品です。緑色の陽極酸化処理が施された部分がある部品はマグネシウム製です。ロッカーアームのスリッパー面のメッキ剥離はありませんでした。ただしロッカーアームに関しては外観の色がまちまちで、メッキの剥離のために後から交換されたであろうものも幾つか混在しています。


バルブです。綺麗に磨いた後にリフェース済みです。この当時のコルサのバルブには「C.MENON」の刻印が入っています。憧れの部品でしたね。材質はニモニックと呼ばれる耐熱鋼で、耐熱温度は900〜1,100度と言われています。そういえば昔エンジンダイナモでコルサエンジンを回していた時に、排気温度をモニターしていたら軽く900度は超えていましたからバルブの焼損を避けようと考えるとこういった材質のものが求められたのだと思います。ちなみにバルブの傘径はINがφ36mm、EXがφ31mmです。

バルブシートのリフェース中です。この写真は一番外側の段差になった部分をなだらかになるように切削しているところです。このエンジンのバルブシートはポートの断面積を広く確保する目的のためだと思いますが、特に当たり面の内側に余裕がなくギリギリです。そのためにガイド交換をしてバルブの角度が少しでも変化すると当たり面の確保が難しかったです。

バルブガイドの交換、バルブシートのリフェース、バルブとシートの擦り合わせ&当たりの確認が終了したシリンダーヘッドです。すいません、写真がピンボケでした。

シリンダーヘッドの内部部品を組み立て、ヘッドが完成しました。ヘッド組み立て中の写真も紹介したかったのですが、すいません、撮り忘れました。

ピストンリングです。合口のピン角を黒染め?の色が落ちるくらいに軽く耐水ペーパーで磨きました。左側がオリジナルのまま、右が磨きを行った合口です。ごく稀にですが、このピン角が何かのきっかけでリング溝に食い込んでトラブルが発生した経験があるからです。

これは前述したトラブルの写真です。このエンジンではなく別のエンジンに使用していたピストンです。オイルリングの溝に問題が発生しているのが判ると思います。リング合口のピン角がリング溝に食い込んで行って、その結果リングの合口が重なるという結果になりました。そうするとリングの張力は保てませんから盛大なオイル上がりが発生します。