2024年12月15日

998Rレストア-1

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 現在取り掛かっている大仕事は15〜16年間放置されたバイクのレストアです。そのバイクは998R。オーナー様が仕事の関係で海外を飛び回っているうちに、気付いたらいつの間にかバイクは放置状態になってしまっていたという状況です。海外で活躍されている方の場合、このパターンは多いように感じます。走行距離はたったの7,036km!これは何が何でも綺麗に仕上げないといけません。


DSC01849 入庫したのは数か月前の事でしたが、他の作業はさておき、何よりも優先で行ったのはガソリンタンク内の状態確認です。場合によってはタンク内部に残っていたガソリンが腐って物凄い異臭を発し、内部のホース類は融けて崩壊、ポンプ本体も腐食で再起不能、おまけにタンク内部に施してあるコーティングが腐食して丸ごと剥がれ落ち、と言った悲惨な状態になります。しかし幸運なことに、この個体に関してはそんなに悲惨な状態になってはいませんでした。

DSC01850 DSC01851ガソリンタンク裏のフューエルゲージのナットは当時モノのお約束で割れています。アルミ製のものに交換ですね。
 純正のプラスチック製フューエルコネクタも金属製に交換します。リアのシリンダーヘッドの上にガソリンが滴った痕跡が明らかなので、燃料漏れが発生していると思われます。


DSC02125DSC02124 とりあえずタンクのフランジだけ綺麗に処理しました。その他、燃圧レギュレーター、デガッサー、フューエルゲージ本体、といったところは再使用出来そうですが、それ以外のものは交換になります。 
 タンクの内部は意外に状態は良好で、安心しました。


DSC02127 車体を分解して行くと、まずエアボックス裏に張り付けてある純正のパッドが崩壊しています。不用意に取り扱うと内部のスポンジが粉になって降り注ぐので掃除が大変です。





DSC02128DSC02132 エンジンの前後気筒間のクランクケース上にはこんなものが。
 リアウインカーの配線もかじられています。どうやら放置期間中にネズミさんが出入りしていたようですね。



DSC02133DSC02134 さて、無事にエンジンを降ろしたところで、今回は車体周りのメンテナンスから作業を開始します。



Posted by cpiblog00738 at 14:12