2024年12月21日

998Rレストア-3

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クランクケースを洗浄して点検しています。何も問題はありません。通常モデルの金型のクランクケースと比較すると、砂型のクランクケースは無骨な印象です。



DSC02165 こちらはエンジンの右側に付く部品群です。既にメンテナンス済みで、交換する消耗部品は取り外されています。左下の部品はオイルポンプ本体とカバーですが、カバーの取り付けに問題がありました。それ以外は特に問題はありませんでした。



DSC02167 オイルポンプ本体とそのカバーですが、この個体はカバーの取り付けボルト6本の締め付けが異常に弱かったです。ボルトを緩めた時に受けた印象だと、おそらく締め付けトルクは3Nmくらいだったのではないでしょうか?何が原因でそうなったかは不明ですが、カバーが外れなくて良かったです。カバーが外れかかってオイルがその隙間から逃げるようになると、急激な油圧低下が発生しますから、その結果エンジンに重大なダメージが発生します。

DSC02168 こちらはエンジン左側のカバー類です。特に問題は無く、状態は良いと感じます。冷却水ホースが刺さるスチール製のユニオンはアルミ製の部品に交換します。スチール製の部品は時が経つと必ず腐食して酷い状態になるので苦労が絶えなかったのですが、アルミ製の純正部品が手に入るようになってからは問答無用で交換です。


DSC02161 さて、シリンダーの作業に取り掛かりました。まずはシリンダーヘッドガスケット、というかリング状のシールリングを取り外します。以前の記事で「こういうのはやめてください」みたいなのがあったと思いますが、このガスケットリングをどうやって取り外すかといいますと、私はこのように作業しています。
 リングは内部にガスが封入されている状態なので構造としては中空です。そこでドリルで小さな穴を2ヶ所開けて細い針金を通します。


DSC02162 そして通した針金をプライヤーでつかんで引っ張れば、この通りです。簡単に取り外しが可能です。ちなみに使用しているドリルの径は0.8mm、針金の太さは0.6mmです。





DSC02170 シリンダーとピストンです。状態は良好で問題ありません。ピストンリングも問題無し。このまま再使用します。




Posted by cpiblog00738 at 23:15