2024年12月27日
998Rレストア-4
こちらはクラッチ関係の部品です。スリッパークラッチではなく、ノーマルクラッチです。ノーマルクラッチはクラッチドラムの内部に12個のゴム製ダンパーが存在し、それらによって加減速のショックを吸収する構造になっています。これはこれで優秀です。
ミッションのメインシャフト(クラッチが付くシャフト)です。こちらも特に問題はありません。同様にサークリップと痛んだグルーブワッシャーは交換します。このシャフトのセンターは穴が貫通していてその中をクラッチのプッシュロッドが通ります。そのプッシュロッド用のニードルベアリングとオイルシールも交換です。
クランクシャフトからコンロッドを取り外しました。コンロッドに問題は無く、状態は良好です。しかし大端メタルの状態を確認したところ、こちらはそれなりの消耗具合です。走行距離にしてはメタルの状態は良くありません。原因は不明ですが、使用していたオイルが原因でしょうか?それともメタルクリアランスが正しくなかったのでしょうか?今となっては原因は不明です。
メタル合わせを行い、適正なメタルクリアランスでコンロッドをクランクシャフトに組み付けました。今回のメタルクリアランスは0.051mmと0.050mmでした。レース専用車の場合は0.055〜0.060mmにとりますが、街乗りメインであればこのくらいが適正だと考えています。スチールのコンロッドであればもう少しクリアランスを狭く取りますが、チタンコンロッドの場合は熱膨張が少ないので数値は大きめです。
クランクケースに内部部品を仮組して各シャフトの位置をシム調整によって決定します。どのように調整するかと言いますと、クランクシャフトの場合は適正なイニシャルプリロードがかかった状態でコンロッドがシリンダーの中央に位置するように、ギアシャフトの場合は各ギアのシフト時にドッグの嵌り具合が適切になるようにです。ミッション関係はシフトフォークの曲がりが無いか、曲がっていてもシム調整の範囲で正しく機能させることが出来るかどうか、この辺は経験値がモノを言います。
Posted by cpiblog00738 at 12:14