2024年12月28日

998Rレストア-5

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 さて、これはクランクシャフトギアを取り付けているM24のナットです。こういったナットの表裏って考えたことがありますか?一見表裏の区別は無く見えますし、ぶっちゃけどっちから組み付けても大差ないと言えばその通りです。





DSC02192 でも端面をすり合わせてみると、こちら側はちょっと擦り合わせただけで綺麗に面が出ます。






DSC02193 反対側はというと、あまり平滑とは言えない状態で、ちょっとくらい擦り合わせてもなかなか面が出ません。
 おそらくこうしたナットは元々はとても長いナットで、それを切り落として製作しているのだと思います。端面を仕上げて突っ切りの刃物で切り落とし、端面を仕上げて突っ切りで切り落とし、の繰り返しなのではないでしょうか。端面を仕上げた面が綺麗に仕上がっていて、反対側は切り落としたままの状態、ということではないかと思います。
 何はともあれ、自分の場合はナットの平滑な面を対象物に向けて組みようにしています。実際問題としてはどっちの面を対象物に向けて締めても大差ないと言えば大差ないと思いますし、気持ちの問題と言えばそれまでですけど。


DSC02195 エンジンの右側です。1次ギア、オイルポンプ等が存在します。クランクシャフトギアはクランクシャフトのスプラインに挿入して固定されています。昔のタイプのエンジンはシャフトとギアの穴がお互いテーパーになっていて、ギアを取り付けてナットを締め付ければ勝手にセンターが出ますが、スプラインだとシャフトとギアの間に隙間というかガタがあるので、何も気にせずにナットを締め付けるとギアのセンターが出ません。その結果1次ギア(クランクシャフトギアとその相手側ギア)のバックラッシュが狭いところと広いところが出現してしまい、極端な場合はクランクを回転させると一か所だけ回転が重く回りにくくなる場所が出現します。なのでクランクシャフトギアを締め付ける時はギアのセンターが出ているかどうかを気にしながら作業することになります。


DSC02196 こちらはセルモーターです。走行距離が少ないので問題は無いと思いましたが、念のため分解してチェックします。その結果、ブラシの残りも十分で特に問題はありませんでした。コミュテーターは研磨仕上げ、断面が潰れてきし麺状態になってしまったオーリング類は交換します。




DSC02197 スターターのフリーホイール、ワンウェイクラッチとも呼ばれている部品です。こちらも走行距離が少ないので大したダメージはありませんが、予防整備の観点から新品に交換することにしました。右側が新車時に組まれて今迄使用していたもの、左側が現在の新品です。仕様は時とともに進化していて、形状が異なります。最新の部品の方が性能的にも進歩していると思われる点も、あえて交換する理由です。


DSC02199 エンジン左側も組み上がりました。タイミングギア、フライホイール、シフトコントロールアーム等が存在します。







DSC02202 DSC02203シリンダーヘッドを分解しました。特に問題らしき要素はありません。ただやはりバルブガイド、特にエキゾースト側は低走行にもかかわらずかなり消耗しており、ガイドとバルブステムのクリアランスは大きくなっていました。


Posted by cpiblog00738 at 23:39