2010年03月05日

動力計の上で回してみました

cbadd3f8.JPG排気系を998タイプにしたエンジンですが、動力計の上で比較テストしてみました。全負荷状態で運転したので前回と同様に排気管は真っ赤になり、パイプの色が変わってしまいました。試験前の画像と比較すると良く判ります。排気管が真っ赤になった時の排気温度に興味があったので今回は排気温度計も装着しました。結果は最高温度で800度を少し超えるくらいですね。出力に関しては、やはり排気管が太い方が最高出力が稼げるようです。果たして空冷2バルブエンジンでも同じ結果が出るのか、ちょっと興味あるところです。  

Posted by cpiblog00738 at 12:41

2010年02月13日

再び999のエンジンが動力計に設置されました

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いったん終了した999エンジンの動力計による試験を再開します。今回はフルエキを今までの999用φ57から998用φ50のものに交換し、どのような差があるのかを確かめようと思います。フルエキ以外は何も換えていないので、有意差が出現した場合それは単純にフルエキによるものと判断できます。また、マッピングの数字がどのように変化するかも興味深いところです。

 

  
Posted by cpiblog00738 at 22:56

2010年01月27日

エンジン様ご苦労様でした

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動力計から降ろしたエンジンをエンジンスタンドに載せました。今回どのくらいエンジンを使ったかという目安として、どのくらいガソリンを使ったかということから判断する事にしました。全部で約50リッター弱です。多めに見積もっても走行500kmというところでしょうか?

今回改めて思った事があります。同じ仕様のエンジンでも個々のエンジンやスロットル関係の補機類にはかなりの個体差が有り、そのため、あるエンジンと補機類の組み合わせのマネージメントを詰めてゆくと、その組み合わせ専用とも言えるマネージメントが出来上がります。そう考えると、不特定多数の同じ仕様のエンジンなら何にでも過不足なく使えてしまうメーカー純正のマネージメントというのは本当に素晴らしいもので、ある意味驚異的だと思います。

このままこのエンジンを身請けしてくれる方がいらっしゃればそれはそれで結構なことですが、そうならない場合は引き続きいろいろな事を試してゆこうと思います(時間とお金の余裕があればですが)。どなたかこのエンジンの今後を引き受けていただける方はいらっしゃいませんか?エンジン下取りも歓迎です。いずれにせよこのエンジンは今回のタイミングで腰上を分解点検して内部のチェックを行います。

 

 

 

  
Posted by cpiblog00738 at 00:35

いったん後片付けです

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まだ試したい事は山積みなのですが、動力計に載せるエンジンが後につっかえているのでいったん撤収です。

今回点火時期は触りませんでしたが、次はそこも詰めてみたいです。それには排気温度計とノックセンサーが必要ですね。排気温度計は持っているのであとは取り付け座を排気管に溶接すれば良いのですが、ノックの音を聞く設備はそれを扱う人間ごと借りてくるしかないですね。そんなに神経質にならないで適当にいじっても大丈夫だよ、という人もいますが、私は昔の人間なので何の根拠もなく点火時期を触るのが怖いのです。燃調が外れてもエンジンは壊れませんが、点火時期が外れるとエンジンは一発で壊れるというイメージが頭の中にあります。何しろドゥカティのエンジンは部品が高いので絶対に壊したくないですしね。

  
Posted by cpiblog00738 at 00:10

2010年01月26日

全負荷状態です

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スロットル開度全開、エンジン回転数10,500rpmの全負荷状態を数十秒続けるとこんな状態になります。別にコンピューターグラフィックでエキパイに色をつけたわけではありません。この画像を撮るために動力計室の中に入りましたが、一言では言い表せない環境です。何か事故が起こったら死んじゃうかもしれない、という感じです。でもこの桃色はいつ見ても美しいと思います。

この時に得られた出力はスプロケット軸出力で修正係数を加え、145.5馬力でした。以前行った999Sエンジン+モーテック制御の場合とほぼ同等です。

ついでといっては何ですが、インジェクターをノーマルから749R等に使われている12穴のタイプに交換してどうなるかも試験してみました。双方のインジェクターは容量が異なるのでインジェクターだけ交換してそのままのマップでエンジンをかけるとゲロゲロに濃くなってエンジンにそのパフォーマンスを発揮させる事は不可能ですが、全域にわたってマッピングをやり直し、このインジェクター用のマップも作成しました。パワーチェックも行いましたが、全負荷時の出力はノーマルインジェクターと比較して特に有意差はありませんでした。おそらく動力計でははっきり計測できない中低速域において性能差があるものと思われます。スロットル全開の最高出力付近では、空燃比が合っていれば供給される燃料の霧化状態等に出力は左右されないのでしょうね。

  
Posted by cpiblog00738 at 10:48

マッピング作業中

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動力計の上でエンジンを回しながらマッピングを行っている様子です。EVR-3にはオートマッピングという、指定した空燃比になるように自動的にマップを作成する機能もありますが、とりあえず今回は手堅く手動操作によるマニュアルマッピングで作業を行っています。

マッピングは元々製品にインストールされているマップを元に行っていますが、表示画面の色が赤くなっているところが既に変更された部分です。本来空燃比はパソコン画面上に表示されますが、表示を読み取りにくいので今回は外付けの空燃比計を2個使用しています。テスタストレッタエンジンの場合、テスタグランデのエンジンと比較すると空燃比は薄めの方が調子が良いようです。燃焼室やそれに付随する部分の設計が新しいので、燃焼状態が良いということなのでしょうか?

 

  
Posted by cpiblog00738 at 10:18

EVR-3

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他の仕事に時間を取られてなかなか進まなかったEVR-3の動力計による試験ですが、やっと作業を進展させる事が出来ました。

エンジンの仕様は完全ノーマルで、排気系はテルミφ57mmのフルエキ。スロットルボディーもノーマルで、エアボックスのみ取り付け、ダクトとエアクリーナーは無しです。実際の走行とはいろいろと条件が違いますが、まず動力試験で得られたマップを基本マップとして全ての基準とし、そこから実走行で必要とされるいろいろな補正を加えて行くのがまっとうな方法だと考えています。

しかし今までの経験では、動力試験で得られたマップそのままでサーキットを走行した場合、特に不都合が生じたことはありません。そのままで十分のような気がします。そこから細かく詰めてゆけばかなりの改善の余地はあることも勿論承知しています。でもそこまでやる事を求めるかどうか、それが必須であるかどうかはその人次第だと思います。それに加えてそうした改善を行う場合は、運転手が何を求めていて、その結果何をどうして欲しいのか、ということを正しく伝えてくれないと、どう手を付けて良いのか決定できないということもあります。

  
Posted by cpiblog00738 at 10:00

2009年11月26日

やっと始まりそうです

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やっと準備が整って来ました。フルエキも調達し、ワイヤーハーネスもOK。EVR-3も届き、モノは全て揃いました。

でも作業を進めるごとにいろいろな問題が発生し、それを一つ一つクリアしながらなのでなかなか進みません。一応エンジンはかかったのですが、例えば、ベンチ室の外にPCを置くのでUSBケーブルを延長したら、ノイズを拾うのかPCとの接続が頻繁に途切れます。いろいろと対策を考えたのですが、結局ワイヤーハーネスの方を出来るだけ外の方へ引っ張って、何とか延長ケーブル無しでPCに接続できるようにしました。その他にも、EVR-3のディスプレイにはラムダが表示されるのに、PCの画面にはそれが表示されないとか、いろいろ面倒な事が起こります。

でもそれらの問題も一応クリアし、何とかマッピングが出来る状態にやっと辿り着きました。果たしてこの商品の売りである自動的にマッピングする機能とかはちゃんと機能するのでしょうか。興味のあるところです。それでは続報をお楽しみに。

  
Posted by cpiblog00738 at 22:11

2009年11月21日

エンジンを動力計に設置中です

1f0b0737.JPGベンチテストの準備にかかっています。エンジンを動力計に設置している途中です。排気管の調達がまだですが、その他は大体準備が整いました。もう少しでテストを開始する事が出来そうです。  
Posted by cpiblog00738 at 22:53

2009年11月12日

エンジンが完成しました

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作業の合間を縫って進めていたためにずいぶんと時間がかかってしまいましたが、やっとエンジンが完成しました。次はこのエンジンを動力計に載せ、EVR3のフルコンを使ってマッピングを行う作業になります。

そのためにはフルエキやワイヤリングハーネス等が必要になるのですが、現状ではそれらがまだ揃っていません。部品の調達から始めないといけませんね。

  
Posted by cpiblog00738 at 13:56

バルタイ測定及び調整中です

c09ee0c3.JPGレースやら何やらで更新が滞っていましたが、少しずつ作業は進んでいます。現在エンジンは大方組み上がり、バルブタイミングの測定及び調整の実施中です。  
Posted by cpiblog00738 at 13:50

2009年10月24日

バルブガイド交換

9994cd12.JPG最近他の仕事が忙しくて作業が滞っていましたが、やっと少し進める事が出来ました。バルブガイドの交換です。これから先、暫くの間は時間があまり取れそうに無く、細切れの作業になってしまいそうですが、それでも少しずつ作業は進めてゆきたいと思います。  
Posted by cpiblog00738 at 23:38

2009年10月04日

バルブ

c07bf18a.JPGバルブをクリーニングしてリフェースしました。インテークの方は磨くと完全に綺麗になるのですが、エキゾーストはカーボンなのか焼けなのか、黒い部分が残ってしまう事が多いです。もっと磨き込めばこの汚れを落とす事も可能なのですが、そこまでしても性能的にはあまり変わるとも思えないのでこのくらいにしておきます。  
Posted by cpiblog00738 at 15:19

2009年09月29日

シリンダーヘッド

3d6ddeb8.JPGシリンダーヘッドの作業開始です。ヘッド単体にして、ガイド交換のためにまず既存のガイドを抜き取りました。ガイドの穴の状態は良好です。穴の内径を計測し、それに合ったサイズの新品ガイドに交換します。  
Posted by cpiblog00738 at 00:46

シリンダーを仮組み

732aaffd.JPG組み上がった腰下にピストンシリンダーを仮組みしました。これからヘッドの作業に取り掛かりますが、そっちが出来上がるまでこちらはこのまま暫くお休みです。ヘッドが出来上がったところでスキッシュクリアランスの測定から作業再開の予定です。  
Posted by cpiblog00738 at 00:42

エンジン左サイドです

03a2186c.JPGシフトアームやフライホイール等を組み込み、エンジン左サイドも出来上がりました。  
Posted by cpiblog00738 at 00:38

シフトコントロールアーム

cc05ddd4.JPG分解したシフトコントロールアームです。普段はスプラインの切ってあるシフトシャフトの先だけがエンジンから突き出して見えています。内部には2個のスプリングが使用されていて、どちらか片方でも折れたりするとシフト操作に支障が出ます。具体的には、シフトしたのに次のギアに行かなかったり、次のギアを飛び越してギアがカラカラ言いながら噛み合わず、ニュートラル状態になったりします。その状態からいきなりギアが噛んで危うい事になったりもします。ということで、スプリングとサークリップは交換です。太い方のスプリングを交換すると各部品の位置関係が微妙に変化しますから、アームの途中にあるエキセントリックシャフトを調整して部品が正しく機能するようにする必要があります。これが結構面倒な作業で、完璧を求めるといつまでたっても終わらないということになったりします。  
Posted by cpiblog00738 at 00:35

2009年09月27日

エンジン右サイドです

360fde93.JPGエンジン右側を組み立ててゆきます。この状態でエンジンカバーが取り付けられ、その外側に乾式クラッチが付きます。  
Posted by cpiblog00738 at 01:16

クランクケース組上げ

0272941b.JPGいよいよ左右のクランクケースを合わせて組上げです。  
Posted by cpiblog00738 at 01:14

クランク

8a7facec.JPGクランクケース片側に中身の部品を組み付けました。一番手間がかかるのは、これら内部の部品の左右の位置決めです。シムを使って調整しますが、クランクケースを合わせたり割ったりと何度も何度も繰り返しながら作業を進めてゆきます。地味な作業なんですが、一番神経を使う作業の一つですね。  
Posted by cpiblog00738 at 01:10

シリンダー&ピストン

ab8ce458.JPGシリンダーとピストンです。シリンダーの方も状態は良好です。ピストンがクラスCなので、当然シリンダーもクラスCです。  
Posted by cpiblog00738 at 01:06

クランクケースは

d2269305.JPGクランクケースは鋳込まれた数字から判るとおり、2005年製です。という事は、2006年型のバイクに使用されていたエンジンという事が判ります。このあたりの年式になるとシリンダースタットボルトの座は一段下がっていて、スタッドボルトも座が付いたタイプになっています。  
Posted by cpiblog00738 at 01:03

ミッションメインシャフト

a5734d74.JPGこちらはミッションのメインシャフト、クラッチが付いているほうのシャフトです。カウンターシャフトに比べると簡素な感じがします。こちらも状態は良好です。サークリップとクラッチロッドが通る部分のオイルシール、ニードルベアリングは交換します。  
Posted by cpiblog00738 at 00:59

ミッションカウンターシャフト

284e562a.JPGミッションのカウンターシャフト、スプロケットが付いているシャフトのほうです。状態は良好です。このシャフトはレーシングスタートの負荷などでたまに曲がっている事がありますので、そのチェックも必要です。外したサークリップは新品に交換です。  
Posted by cpiblog00738 at 00:55

ピストンリングについて

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画像はピストンリングのシリンダーと擦れ合っている部分です。判りやすいように2ndリングの画像にしました。画像の上半分が黒色、下半分が金属の地肌が出て銀色になっているのがお判りいただけると思います。新品は全て黒色で、シリンダー壁と馴染んでアタリが付いたところが金属の色になります。この金属の色の部分が一周しないとリングは本来の性能を発揮しません。そしてこのまま使い続けるとアタリがついた部分がどんどん広がり、全面が金属の地肌になってベタ当り状態になります。組んだばかりの状態では全体が黒色で、その状態ではリングが本来のシーリング性能を発揮しないので、はっきり言ってエンジンは遅いです。慣らしが進むに従って当たりがついた部分が細い金属色の線となって現れます。新品のピストンリングを使用すると、アタリがつくまで結構な時間がかかります。丁度画像のような状態が、アタリがついた旬の状態と言えるでしょうか。

という訳で、アタリのついたリングはなかなか交換する気になれません。(少なくても合口隙間がリミットを越えるまでは)新品にすると少なくとも500kmくらい走行しなければリングは本来の性能を発揮しないのです。(これはドゥカティのスーパーバイクの場合です。他の車種の場合はどうだか知りません)全日本をやっている頃、黙ってリングを新品にすると、必ずライダーから「今回のエンジンは遅い!」とクレームがついたものです。ピストンの交換が必要な走行距離になって、でも遅くなるのがどうしても許されない場合は、しょうがないのでピストン本体だけ交換してリングは再使用、なんてこともずいぶんやりました。つまりここだけの話、レース直前にピストンリングを新品にするなんてことは・・・・・。お判りですね?

  
Posted by cpiblog00738 at 00:49

ピストンです

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洗浄が終わったピストンです。状態は良好です。2個ともクラス「C」なので外径は普通より大きめです。99.95mmと99.96mmでした。

ピストンリングの合口隙間も初期値の範囲内に収まっていますので、当然ながらそのまま使用します。

  
Posted by cpiblog00738 at 00:22

2009年09月24日

クランクが組み上がりました

b76e59c4.JPGクランクシャフトが組みあがりました。メタルクリアランスは0.049mmと0.051mmで、レース専用で使う場合よりは若干狭めです。レーシングユースでは殆ど慣らしをしないのでもっと大きな値をとりますが、今回はあくまで街乗りをメインと考えました。  
Posted by cpiblog00738 at 11:15

コンロッドボルト

78f632b9.JPGクランクとコンロッドを組み付けて、コンロッドボルトの締め付け中です。このマイクロメーターは締め付けながらにしてボルトの伸びを計測できるという優れもので、ドゥカティの純正部品です。コの字型の本体部分はチタン製、とても凝った造りで、価格も非常に高価なSSTです。一度購入して使い始めるとこれなくしての作業は考えられません。壊れたりしたらやっぱり無理してでも同じものを買うだろうなあ・・・・。  
Posted by cpiblog00738 at 11:08

コンロッド

58c8625d.JPGこちらはコンロッド、洗浄済みです。チタンコンロッドは使用してゆくに従ってメタルとの接触面に剥離が発生し、それが進行してゆきますが、このコンロッドはまだ剥離も殆ど発生していません。やはり走行距離の少ないエンジンの部品のようですね。

ちなみにボルトとメタルまで含んだ総重量は404.2gと404.4gで殆ど同じです。一般的にチタンコンロッドの場合は切削したりしての重量合わせをしないので、本気で重量合わせをしようとすると、大量のコンロッドを用意してその中から重量の同じものを選出するという方法になります。非現実的です。という訳で、このエンジンの場合は非常にラッキー、良いエンジンになりそうですね。

  
Posted by cpiblog00738 at 11:01

クランクシャフト

b82ce7d0.JPGこちらはクランクシャフト、洗浄済みです。部品取エンジンから持ってきたものですが、状態は非常に良いです。こちらの部品取エンジンもそんなに使われていなかったようですね。  
Posted by cpiblog00738 at 10:51