2019年05月24日

ヘッドガスケット吹き抜け?

 走行の度に冷却水通路の内圧が上がって、走る度に大量の冷却水がキャッチタンクに溜まる場合があります。何らかの理由で燃焼ガスが冷却水通路に吹き抜けているのが原因です。そのために冷却水通路内の内圧が急上昇し、ラジエーターキャップのバルブを押しのけて冷却水が吹いてしまうのです。原因は殆どの場合ヘッドガスケットの吹き抜けです。稀にシリンダ壁にクラックが発生して燃焼室とウォータージャケットが通じてしまったという例も見ています。参考までに、ヘッドガスケットの吹き抜けが原因だった場合、単純にヘッドガスケットを新品に交換しただけでは吹き抜けの症状がすぐに再発すると考えて間違いありません。その理由は、ヘッドガスケットが吹き抜ける場合は多かれ少なかれ既にヘッド面とシリンダ面が歪んでしまっているからです。ということで、ヘッド面とシリンダ面を研磨するなどして平面を出したうえでガスケットの交換を行うことが必須です。
 で、今回のトラブルですが、エンジンは104mmボアの998/999Rです。キャッチタンクに水が戻るので燃焼ガスの吹き抜けは間違いないのですが、このエンジンのヘッドガスケットは一般的な板状のものではなく、Wills Ring とかCooper Ring と呼ばれているタイプのもので、細いリング状の形状をしている部品です。
 付け加えますとドゥカティに使われているこのリングの内部は空洞のドーナツ形で、内部には高圧のガスが充填されている模様です。取り外す時にドリルで細い穴をあけますが、穴が開いた瞬間に「プシュッ」と音がするのでそれは間違いないと思います。
 そして冷却水通路はオーリングでシールしてありますから、燃焼ガスが冷却水通路に侵入する可能性は無いのでは?と考えました。そうするとシリンダのクラックでしょうか?

IMG_1052 実際にヘッドを外してみるとこんなになっていました。冷却水通路のオーリングが内側に吹き抜けています。このタイプのガスケットの場合、街乗りでは特に問題無いのですがレーシングユースでは恒常的に少しづつ燃焼ガスが吹き抜けます。画像のシリンダ上面についた縞模様からもそれを窺い知ることが出来ます。走行時間が何時間かを過ぎるとヘッドとシリンダの接合面からタールのような燃焼ガスとオイルの混合物と思われるものが滲みだしてきます。この症状は当たり前なので特に気にしなくてもOKという認識です。高性能として知られるWills Ringタイプのガスケットですが、ドゥカティに純正採用されたのは後にも先にも998/999Rだけだったというのは、性能的な評価がイマイチ芳しくなかったということでしょうね。良ければ後継モデルにも使用され続けたと思われます。

IMG_1053 で、話を戻しますと、吹き抜けた燃焼ガスの圧力でオーリングが内側に落ちてしまったということです。設計上このオーリングは内側からの水圧に耐えるものであって、外側からの圧力がかかることは想定外だったということでしょう。





IMG_1060 ところが、こちらのシリンダをご覧ください。このシリンダは製造時期が後の対策型と思われるものですがオーリングの溝の形状が異なっています。オーリングが内側に動かないように内側もちゃんと壁になっています。これなら内外両方向からの圧力に対応できます。ちゃんと対策してありますね。初期シリンダーに当たった場合は残念でした、ということでした。(笑)  

Posted by cpiblog00738 at 17:26

2019年05月06日

修復完了です

IMG_0990 派手に逝ったエンジンですが、修復完了しました。あまりにも派手な壊れ方だったので内部部品の破損がそもそもの原因のように見えましたが、分解してみると単純にクランクケースの寿命が尽きて割れてしまった、という結論でした。
 クランク、コンロッド、ミッション等の主要部品は各部の計測を行って状態を確認しましたが、特に問題無いことが確認できました。

IMG_0991 当然ながら割れてしまったものは交換です。クランクケース、ジェネレーターカバー、後方気筒のシリンダ、等は交換しました。結果的にはそんなに大したことが無くて良かったです。もちろんそれなりの重整備になりましたが、最初に感じた「エンジン全損」のイメージからするとラッキーな結果でした。


  
Posted by cpiblog00738 at 20:21

2019年04月21日

こんな事になってます

IMG_0962 分解中ですが、かなり衝撃的な画像ではあります。







IMG_0963 完全に分離しちゃってますね。







IMG_0964 でも心を落ち着けて観察すると、その他の主要部品のダメージは少ないようにも見えます。果たしでどうでしょうか?  
Posted by cpiblog00738 at 10:08

2019年04月19日

派手に逝きましたね・・・・。

IMG_0955 久しぶりに派手な奴がやってきました。







IMG_0960 転倒することもなく、コース上にオイルを撒くこともなく、その危機回避能力は人間業とは思えません。そして何事もなかったようにご帰還。(なわけねーだろ!)




IMG_0958 リアバンクが持ち上がっちゃってますね!クランクケースがリアシリンダの周り1周にわたって分離です。
 中がどうなっているか見るのが楽しみ(不謹慎な発言!!)ですが、実はたいしたことが無いような気もします。

 
続く・・・  
Posted by cpiblog00738 at 13:20

2019年03月04日

926

IMG_0907 926のレストアがどのくらい進んでいるかというと、現在こんな感じです。最近時間が取れずに作業がストップしていましたが、やっと先日入手したキャリパーその他を取り付けました。




IMG_0908 フロント周りですが、フロントホイールもマルケジーニの5本スポークになりました。フォークステムがナロースパンのタイプ用のコルサ専用ホイールは今やなかなか見つかりません。お客様の協力もあって入手することが出来ました。感謝です。こうしてみるとやっぱり格好良いです。とりあえずディスクはφ290mmを装着してあります。

IMG_0910 車体右側の眺めです。当時の状態そのままではなく、若干進化しちゃってます。でもまとまりは決まってますね。もう少ししたらシェイクダウンが出来そうです。  
Posted by cpiblog00738 at 20:29

2018年12月16日

クランクケース合わせボルト

IMG_0744 車種によってクランクケース左右を締結しているM8のボルトの中に中空になっていてオイルラインの働きをしているものが1本あります。ボルトの中心にφ3.5mmほどの穴が開いていて、それがボルトの首下にあるφ2.0mmくらいの穴とつながっていてオイルジェットに行くオイルの通路になっています。  
 このボルトがヤワで締め付ける時にすぐに伸びてしまうんですね。M8のボルトですから締め付けトルクは23〜25Nm位は掛けたいところです。しかしこのボルト、モノによっては20Nm位から伸び始めてしまい、それ以上トルクがかけられなくなることが良くあります。

IMG_0747 左が伸びてしまったボルト、右が正常なボルトです。伸びてしまった方は途中からネジピッチが広がっているのが判ると思います。クランクケース左右の締結にはM8のボルトがほかにも多数使用されていますが、それらは中空では無いので特に問題は起こりません。いずれにせよボルトの強度が足りないのが原因です。


IMG_0750 ボルトの頭に数字が書いてありますね。伸びてしまう方のボルトの頭のペイントを取り除くと8.8という数字が表れます。黒い方(クロモリと呼ばれている材質のボルト)には12.9という数字が見えます。この数字はボルトの強度区分を表しています。最初の数字は最小引っ張り荷重、次の数字が降伏荷重を表します。
 具体的に言うと、8.8は1平方ミリメートル当たり80キロの引っ張り荷重に耐え、80キロの8割の64キロまでは弾性変形で荷重を抜けば元の長さに戻るということです。12.9なら120キロまで切れずに120キロの9割の108キロまでは元に戻る、ということです。この数字を見ればボルトの強度が一目瞭然です。

IMG_0749 で、当然ですが伸びないボルトも製作しています。強度区分12.9のボルトに穴をあけて製作したのがこれです。最近製作を思いついたわけではなく、ずいぶん昔から自分のエンジンにだけ使っています。(笑)今迄多くの使用例がありますが、さすがに伸びた例は皆無です。締め込んでいくときの剛性感が全く違って安心感があります。最近は穴の開いていない方の合わせボルトもこの手のボルトを使い始めました。ただ表面処理が黒染めなので耐食性を考えて競技車両のエンジンにしか使っていませんが。こっちの方が締め込んて行くときの感触に安心感があって良いんです。弱いボルトだと弾性変形内とはいえボルトが伸びてくる感触が雌ネジが壊れて抜けてしまう前触れの感触ではないかと疑ってしまい、精神衛生上非常に良くないのです。










  
Posted by cpiblog00738 at 19:55

2018年12月12日

開けられたことのないエンジン

IMG_0731 手持ちの999R05エンジンですがこれをベースに競技専用のエンジンを製作することになりました。保管している時には気にしていませんでしたが、いざ開けてみると殆ど新車時のままで開けられた形跡があるのはフライホイール側のカバーだけでした。TFDに来る前もレース専用車だったのですけどね。開けられていないかどうかの判断基準は主に液体ガスケットの状態です。新車時のエンジンは各接合面にグレーのシリコンガスケットが過剰に塗布されているのでそのはみ出し方が独特です。そこに透明や黒のシリコンガスケットが使われていたりすれば開けた履歴があるのは一目瞭然ですし、新車時と同じガスケットを使用したとしてもあんなに派手にはみ出すほどは使いません。純正と見分けがつかないようにわざと多く使う人もいるかもしれませんが、その場合は例外ですけど。
 何はともあれ開けられたことのないエンジンには非常に安心感があります。おかしなことをされていないことが保証されますからね。安心して作業を進めることが出来ます。  
Posted by cpiblog00738 at 20:21

2018年11月30日

超音波洗浄機

 先日超音波洗浄機なるものを導入しました。昔眼鏡用のものをどこかで見た記憶がありましたが、それの大きいやつですね。水槽にカーボン落としの洗剤入りの水を入れてヒーターで加熱し、適当な温度になったところで部品を沈めてスイッチオン。その後は30分〜1時間くらい放置です。

IMG_0716 今回は試しにこのピストンとバルブを洗浄してみました。ピストンは888と1198、バルブは996RS2001のINとEXです。888のピストンはリングから下の部分に摺動抵抗を軽くするための黒いペイントが施してあるのですが、それがどうなるのかに興味があってテストに採用しました。



IMG_0718 60分間の洗浄後です。まあ期待通りと言って良いでしょうか。ピストンのカーボンはちゃんと落ちますが、バルブに関してはイマイチです。EXバルブが綺麗に見えるのは既にボール盤で耐水ペーパーを用いて磨いてしまったからです。EXバルブは高熱にさらされた状態でカーボンが焼き付くのであまり綺麗になりませんでした。INバルブの方もイマイチですね。
 興味があった888ピストンのペイントですが、綺麗に落ちてしまいました。洗浄中の様子を目視していると、むしろカーボンよりもペイントの方が早く落ちていく感じでした。
 まあこういった類の道具は「使いよう」ですから、これから洗剤の種類や温度等の条件をいろいろと試してみてより良い効果が得られる条件を探そうと思います。  
Posted by cpiblog00738 at 09:27

2018年11月14日

926のレストア

 IMG_0696久しぶりの更新です。最近何をしているかというと、例の里帰りしてきた926レーシングのレストア作業です。かなり汚い状態だったので通常のオーバーホールよりかなり手間がかかります。先日やっとエンジンが組み上がったので、今日から車体に載せる作業を開始しました。車体周りも各部品を一つずつ洗浄しながらの作業です。
 組み上がったら勿論走行します。レースも出ちゃいます。今から楽しみです。  
Posted by cpiblog00738 at 00:08

2018年09月13日

ピストン割れの次は

IMG_0578 クランクケース割れです。サーキット専用車ですが、走行中に右のハンドルに今迄感じたことが無かった大きな振動を感じるようになり、このまま走行を続けると何かとんでもない事件が起こるのではないかと思って走行を中止したそうです。正しい判断です。人によっては確認のためにとか言って次の走行枠までも走ってしまい、エンジンにトドメを刺した方も少なからずいらっしゃいます。
 エンジンに異常な振動を感じ、そのためにエンジン外観を入念にチェックしても原因が判らない場合があります。そうした場合、私はとりあえずエンジン左側(フライホイール側)のカバーを開けてみます。そうすると原因が判明する場合が結構あります。カバーを取り外した瞬間にその異常な重さでカバーを落としそうになり、びっくりして良く見るとフライホイールが外れていてカバーにくっついて一緒に外れて来ていたなんていう経験は一度や二度ではありません。あとはやはりクランクケースのクラックでしょうか。クランクシャフトからの出力を取り出す1次ギアはエンジン右側にあって、感覚的にはこちら側の方にかかるストレスの方が多そうなのですが、何故かクラックは左側に発生することが多いです。当然ですがクランクケースは交換です。新品はかなり高価なので中古の部品を探してきて交換するのが現実的な選択になります。  
Posted by cpiblog00738 at 19:59

2018年09月10日

ピストン入荷

IMG_3491 先日ピストン割れ事件が発生しましたが、やっと代わりのピストンが入荷しました。本来ならこんなに時間がかかることは無いのですが、イタリアには夏休みというものがありましてこの時ばかりはどうにもなりません。8月中は音沙汰がなかったのに9月に入ると急にレスポンスが良くなります。何はともあれ部品が来たので作業開始です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:17

2018年08月18日

ピストン割れ 最新

IMG_0512 走行開始直後の3周目、いきなりのパワーダウンと白煙。開けてみたらこんなになっていました。






IMG_0515 ピストンを外して裏側から見ると、かなり派手なことになっています。スペアの在庫が有れば交換するのは簡単なのですが。これから部品の手配にかかりますが9月のレースに間に合うかどうかはかなり微妙です。  
Posted by cpiblog00738 at 17:57

2018年06月13日

シャシダイセッティング

 シャシダイセッティング、今回はちょっと古めの996デスモクアトロエンジンです。元々のエンジンはベーシックモデルなのでデカいクランクウェブに鉄コンロッド、カムシャフトも普通の大人しいタイプです。そのエンジンにSPSのクランクとチタンコンロッド、カムもSPS、インテークバルブは748RS、バルブスプリングも748RS、そういった部品を組み込んだエンジンです。それに加えてインジェクターを並列接続してツインインジェクターに変更しました。その理由は、元々のスロットルボディーはシングルインジェクターのため出力が上がるとインジェクターの容量不足が発生する懸念があったからです。最初はこんなに大改造してしまってちゃんとセッティングが出せるのか、正直に言ってちょっと不安でした。

S4R いろいろとやり込んだ結果、そこそこ満足のいく結果が出ました。スロットル全開のパワーチェックです。





S4R-1 中低速域もこの通り。勿論これらの結果はあくまでシャシダイ上でのもので、実走となるとまた変わってくることは承知の上です。それにしても実走してみての結果が大いに気になるところです。  
Posted by cpiblog00738 at 17:46

2018年06月09日

クロモリフレーム

先日フレーム交換のご依頼をいただきました。クロモリフレームを入手したのでスタンダードのフレームと操安性がどう違うのかを体験したいとのことでした。サーキット専用車なのでフレームにも大きな負荷をかけて走行しますから、お客様がどういった違いを感じることが出来るのか私も興味があります。自分の経験でもサーキット走行をするとコルサと街乗り車ではフレームの硬さというか剛性感が明らかに異なることが体感できますから、それと似たような印象となるのでしょうか?

IMG_0145 今回使用するクロモリフレームです。7と40の数字は製造時期で1997年の40週ということです。その後のアルファベット「C」がクロモリ製を表します。このフレームは1998年式の916SPSや748SPSに使用されていたものです。一部の1999年式のバイクにも使用されていたとの情報もありますが、それは実物を見ての判断ということになるでしょうか。ノーマルフレームの場合、材料はALS450と表記されていますがそれがどんなものかはよく判りません。450という数字は引張強さ(N/mm2)を表しているのでしょうか?一方クロモリフレームの方の材料は25CrMo4と表記されています。これはドイツのDIN規格での表示です。日本のJIS規格ではSCM420、もしくはSCM430が相当品であるということなので、引張強さは少なくとも830N/mm2以上ということになります。

IMG_0141 試しにフレームの重量を計測してみました。先に計測したのは今迄使用していたノーマルフレームです。10.14kgということで、結構軽量ですね、という印象です。




IMG_0144 で、次はクロモリフレームの方です。何と、8.93kg。9キロを切っています。構造はほぼ等しいので重量の差は肉厚の差ということになります。






 重量の違いだけで判断しても、形が同じだけでモノとしては別物ということになりますでしょうか?フレーム交換作業はもう終わっていますからあとは実走してみるだけです。どんな違いを感じることが出来るのか、楽しみです。  
Posted by cpiblog00738 at 10:15

2018年05月29日

シャシダイセッティング

 某お客様の1098Rですが、イマイチどころかかなり乗り難い、これはエンジンの出力特性がおかしいのではないか?ということでシャシダイ上でセッティングを施すことになりました。エンジンは基本的にノーマルですがDPのカムが組んであります。ECUはマイクロテックのフルコン(M197)を使用しています。エンジンマネージメントのデータファイルはマイクロテックによる御仕着せのものをそのまま使用しています。以前DP製のECUを使用していた時はエンジン特性に唐突なところは無く特に問題なかったのですが、マイクロテックのECUに交換してから問題が発生した印象がありました。

1098R Before まず現状がどんなものなのか、とりあえず測定した結果です。2番シリンダはまあ許せるとして、1番は酷すぎですね。スロットル開け始めから40%開度迄、6,000〜7,500rpmでA/Fは10に張り付いています。測定可能な範囲が10以上なのでこうなっていますが、実際の数値はもっと低いことが窺い知れます。
 それとは別の問題はスロットル開度100%(全開)時の1番シリンダのA/Fです。8,500rpm近辺でA/Fが15を超えて15.6くらいです。とりあえずこうした問題を是正すべくセッティングを行っていきました。
 その結果、A/Fが濃すぎる問題はクリアできたのですが、例の全開域で薄い状態を改善しようとすると新たな問題が発覚しました。適切な空燃比を得るためにインジェクターからの燃料の噴射時間を増加させていくのですが、そうすると適正な空燃比を得るためには燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。M197の御仕着せのフューエルマップを見ると1番シリンダの8,500rpmの噴射時間は最初から約16ミリセックです。エンジンが8,500rpmで回っているということは、4ストロークエンジンの場合だと60秒÷4,250で1サイクルは約14ミリセックです。まあいろいろな要素が絡むのでこの数字を比較して即「噴きっぱなしだ」と決めつける気はありませんが、それでもほぼ限界に近いことは確かです。
 噴射時間の数字を増やして空燃比を正常な値に近付けていきましたが、やはりこの条件ではムリがあるようです。M197にはダイアグの中に噴射時間がオーバータイムになった回数を記録する欄があり、シャシダイ上で数回テストしただけでその数字が万の単位になります。経験上このまま走らせていくとM197は壊れてしまう可能性が高いと判断しました。噴射時間のオーバータイムが積み重なると回路のトランジスタが焼けてしまい、その結果インジェクターが閉じなくなって燃料が噴きっぱなしになってしまうのです。こうなってしまった場合ECUの修理は不可で、対策としてはECUの交換しかありません。
 ではどうするか?燃圧を上げるという手段もありますが、今回はインジェクターの交換に踏み切りました。1098Rは1気筒当たり2個のインジェクターが使われています。プライマリー側がIWP162(容量329cc/min)、セカンダリ側がIWP189(容量510cc/min)というタイプです。これを両方とも容量の大きいIWP189にしてみました。当然燃調のセッティングは最初からやり直しになりますが。

1098R After 改めてセッティングをやり直した結果がこのグラフです。スロットル開度の大きいところの燃調は合わせやすいのですが、開度の小さいところは気温、湿度、エンジン温度、といった諸条件によって結果が安定し辛いので苦労します。とりあえずこの状態で実走してみて、足りないところや不満がある場合は改めて対応しようと思います。ちなみにインジェクターの開弁時間の最大値は13ミリセック程度に収まりました。セッティング後のオーバータイムの数値も百単位だったので問題無いでしょう。

1098R 100% 最後にスロットル全開のパワーチェックの結果です。180馬力を超えました。この時の気温は26度くらいでしたが、もし冬の気温が一桁のような寒い条件下で測定したら190馬力とか出るような気もします。ちゃんと扱えるかどうかはまた別問題ですけど。
 今時のバイクと異なりこのバイクには特に大した制御が介在することはありません。何時何処でもその気になればこの馬力を出力させることが出来るわけです。当時のA級ライダーのインプレッションを思い出しました。「馬力は売るほどあります。無理に開ければリアが滑るかバイクが上を向くかのどちらかです。(笑)」ある意味最後のバイクらしいバイクとも言えます。今時のバイクは200馬力以上のスペックを持っていても常に何かの制御が介在していて、フルパワーを発揮するシチュエーションは極僅かだと思います。安全ですけど。  
Posted by cpiblog00738 at 11:58

2018年05月28日

ピストン割れ

 怪我をしてからそろそろ1か月半。おかげさまで順調に回復しており、既にフツーに仕事をしています。問題があるとすれば重量物の運搬くらいでしょうか。動くとそれなりに痛いのは仕方がないですが、痛さには慣れてしまうものです。痛み止めの薬も最近は使っていません。骨が完全に付くまでに3ヶ月くらいはかかるのが普通と聞きますから、1か月半としては上々な仕上がり?です。

IMG_3409 ところでまたピストン割れが出現しました。ピストンを使用した距離は約3,200kmとのこと。もちろんサーキット走行専用車両です。経験的にレース用ピストンの耐用距離は大体3,000kmと昔から認識していますから、今回もまさにその通りということになります。運が良ければシリンダは再使用、ピストンの交換のみでエンジンを復活させることが出来るのがドゥカティの凄いところです。  
Posted by cpiblog00738 at 15:29

2018年04月06日

ピストン割れ

 先日ピストン割れの記事を掲載しましたが、その続報です。新品のピストンが入荷したので作業を再開しました。トラブルが起きたのはリアシリンダでしたが、ピストンは当然ながら前後セットで交換します。壊れたのはリアだけなのにセットでの交換はもったいないと思いますか???

IMG_3408 フロントのヘッドを外しました。同じことが起こりつつあります。もしリアだけ交換して走行すれば、おそらく次の走行でこっちも同じことになるでしょう。考えてみれば当然で、前後ピストンにかかるストレスは同等です。今時の製品は製造技術が進んでいるので製品のばらつきは少ないです。従ってこのような結末は容易に予想できます。  
Posted by cpiblog00738 at 16:22

2018年03月22日

トルクレンチ

 以前ブログで紹介したデジタルトルクレンチのお話です。その時は角度締めを行った時にかかったトルクが確認できるので非常に便利ですが、ボルトの伸びとその時のトルクを同時に管理できればもっと良い、と評価しました。
IMG_0084 最近それが出来る方法を発見しました。(今更かよ、という人もいるかもしれませんけど。)トルクレンチの先にこのようなアダプタを取り付けます。このアダプタはセンター間が2インチ(50.8mm)です。そしてこのトルクレンチにはこうしたオフセットに対する補正の機構が存在するのです。頭良いですね。画像のマイクロメーターが指示している0.069という数字はこの状態でのコンロッドボルトの伸びを示しています。

IMG_0086 トルクレンチの表示はこうなっています。OFFSET IN USE と表示されていますが、設定でオフセットは50.8mmと入力してあります。その下の表示は角度ではなくトルクで、この状態だと130Nmが目標値で、そのトルクがかかるとアラームが作動しますが、この使用方法の場合この数字は大きめに適当に設定してあります。


IMG_0087 そこでマイクロメーターの数字を見ながら目標の伸びが得られるまでボルトを締め込んでいきます。例えば今回の目標値は0.155mmで、そこまで絞め込んだところでトルクレンチへの入力を緩めるとその時のトルクが表示されます。
 今回はボルトが0.155mm伸びるところまで締め付けを行い、その時に要したトルクは88.9Nmだったということです。例えばメーカーが、ボルトの伸びが0.155±0.005mmでその時要したトルクは55〜95Nmの範囲にあること、と指定しているのであれば、今回の締め付けはその範囲内にあり適正であったと判断できます。
 今迄は伸びもしくはトルクのどちらか片方しか管理できなかったのですが、これでコンロッドボルトの締め付けに関する管理は完璧ですね。





  
Posted by cpiblog00738 at 19:57

2018年03月18日

これですか・・・。

 今日も絶好調だぜ!!とレーストラックを爆走中に突然のエンジンストール。持ち込まれたバイクを一見しても特に問題は無さそうで、セルを回すと異音もなく普通にクランキングします。そこでまずは電気関係を疑ってみます。プラグを換えればOKでしょう、と安易に考えていたのですが、全くダメ。そこでギアを入れて後輪を回してみたところ、片側気筒の圧縮がありません。

IMG_3401 そこで改めてプラグホールの奥を注視してみると・・・・。明らかに普通じゃないですね。






IMG_3403 ヘッドを外してみるとこんなになっていました。このパターンは何度か経験済みですが、要するにピストンの寿命だと私は認識しています。






IMG_2592 このように燃焼ガスの圧力がピストントップ全体にかかるのですが、それを支えるのはピストンピンなので、1本の線で支えているようなものです。ピストンピンの位置を中心にピストンには曲げ応力がかかります。で、ピストンに寿命が来ると真ん中から折れてしまう、私はこのように認識しています。 
 特定銘柄の社外ピストンだからこうなるという訳ではなく、勿論他社の社外製品でもこうなった経験はありますし、純正ノーマルピストンでも同様なことを経験しています。要するに「使い切ったぜ!」ということなので、開け切った勲章みたいなものだと思ってください。  
Posted by cpiblog00738 at 11:25

2017年11月20日

シャーシダイナモが稼動しました

IMG_3106 シャシダイ本体の設置はずいぶん前に終わっていたのですが、付帯設備を整えるのに予想以上の時間とお金がかかってしまいました。今日やっとのことでめでたくシェイクダウンの運びとなりました。
 まだ少ししか触っていないのですが、今時のシャシダイは優秀ですね。その性能にびっくりしました。基本的な造りは昔から変わっていないと思いますが、負荷装置が装着されたことと、当時と比較してPCソフトが驚異的な進化を遂げたことによって今まで使用していたエンジンダイナモを上回るパフォーマンスを持っていると感じました。

IMG_3107 そしてこれがTFDのシャシダイの売り(だと私は思っています)である、冷却システムです。エンジンの冷却に車載のラジエーターを使用しません。エンジンダイナモで使用していた既存の冷却システムを利用してエンジンを直接冷却します。この冷却システムは屋外に設置してある巨大な水タンクからポンプによって水が循環するようになっており、サーモスタットも装備しているので水温が非常に安定します。バイクのメーターであるAIMのディスプレイ上の表示で水温68度でサーモスタットが作動しますが、暖機してこの温度に到達した後は何をやってもほぼ70度で水温が安定します。
 今日はいろいろなテストを連続して行いましたが、水温は68度から72度の間しか変動しませんでした。もちろん真夏のような季節になればもう少し水温は上がると思いますが、エンジンダイナモを使用していた時の経験に照らし合わせると真夏でも80度は超えないと思います。この冷却システムがあってこそ、このシャシダイの性能を発揮させることが出来ると考えます。 
 ただエンジンダイナモの時は人間は部屋の外にいますが、シャシダイの場合は人間もダイナモ室の中ですから、換気を始めると今の季節はとても寒いし、エキパイのそばの足は火傷しそうに暑いし、音は大きくてうるさいし、体力的な負担はありますね。それと凄い勢いでリアホイールが回っているのも結構怖いです。実際にバイクに乗っているときは気にならないのにちょっと不思議です。(笑)
 ちなみにダイナモ室の換気システムもかなり完璧ですから、ダイナモ室の中でテストを連続して行っていても、ガス臭いとか息苦しいとか目がチカチカするとか、そういった状況とは全く無縁です。  
Posted by cpiblog00738 at 20:35

2017年10月19日

ダイナモ入れ替え

 この度TFDの工場内にシャーシダイナモを導入する運びとなりました。今迄はエンジンダイナモが活躍していたのですが、最近稼働する機会がめっきり減り、あまりにも効率が悪くなってきたのでこの際思い切っての入れ替えです。エンジンダイナモだとエンジンを単体にして機械にセットする必要がありましたが、シャーシダイナモならバイクをそのまま載せるだけですから稼働率は段違いになると思います。

IMG_3038 本体の設置作業はほぼ終了したのですが、実際に稼働させるにはまだいろいろと作業が必要です。来月の初めくらいにはシェイクダウンしたいですね。  
Posted by cpiblog00738 at 20:27

2017年08月06日

暖機中にギアが入って・・・。

 エンジンを暖機するために空ぶかしをしていたら突然ギアが入って後輪が空転し、タイヤウォーマーがちぎれ飛ぶ、という光景をサーキットでたまに目にすることがあります。状況によってはチェーンが部分的に伸びてしまったり、酷い時にはスプロケットシャフトまでもが曲がってしまうことさえあります。何故そんなことが起きるのでしょうか?
 勿論暖機中にシフトレバーを何かのはずみで押したりしてしまったとすればそれは論外ですが、そうでない場合の原因はギアが本来のニュートラルではなく、俗に言うハーフニュートラル、というような状態にあるからです。

IMG_2823 ギアシフトはシフトドラムという部品が回転することによってシフトフォークが動作して行われます。例えばこの状態は2速に入った状態です。ドラムの端は画像のような形状になっていて、ローラーがアームによって窪み部分に押し付けられる構造になっており、ドラムがむやみに回転しないようになっています。ドラムが回転して次の窪みがローラーのところにやって来れば、次のギアにシフトされたということになります。窪みと窪みの中間の山の部分にはそれぞれギアがかみ合っていないニュートラルになるところがあります。

IMG_2822 この状態が1速と2速の間にある「ホンモノ」のニュートラルです。ドラムの山はここだけ平らになってローラーが落ち着きやすいようになっています。





IMG_2825 「ホンモノ」のニュートラルの時は、それに加えてドラムの反対側ではこのようにドラムの窪みにスチールのボールがスプリングの力で押し付けられる構造になっています。要するにドラムのニュートラルの位置はしっかり固定されてドラムがむやみに回ったりしないようになっているということです。



IMG_2824 それで例えばこの状態ですが、これは2速と3速の中間のニュートラルになっている状態です。俗にハーフニュートラルとかと呼ばれたりします。確かにこの状態ではギアは全くかみ合っていませんからニュートラルと言えばニュートラルですが、押し付けられているローラーの位置はドラムの山の頂点ですから何かの拍子にドラムがちょっと回ってローラーが窪みの部分に移動しやすいことは理解しやすいと思います。そしてローラーが窪みの部分に来るということはギアが入った状態になるということです。
 つまりこのようなハーフニュートラルと呼ばれる状態で暖機運転をしていると、エンジンの振動等の要因でドラムがちょっと回転してギアが入ってしまうということが非常に起こりやすいと言えます。
 という訳で、暖機する前にギアが「ホンモノ」のニュートラルの位置になっているかどうかを必ず確認することで、この事故は防止することが出来ます。


  
Posted by cpiblog00738 at 01:14

2017年06月16日

クランクケース

IMG_2679 φ104mmボア用の砂型クランクケース、新品です。出物があったのでまた仕入れちゃいました。見つけたら買う!ですね。実際に必要な状況になってから探してもなかなか見つかるものではありませんし、かといって新品をそのまま定価で購入するのは普通の感覚ではムリだと思います。  
Posted by cpiblog00738 at 11:39

2017年05月19日

初めて見ました

IMG_2634 これ何だか判りますか?







IMG_2633 元の形状に戻すように合わせるとこうなります。バルブアジャストシムのクローズ側ですね。こんなになったのはさすがに初めて見ました。この場所のクローズ側ロッカーアームも折損してヘッドはえらいことになっていました。
 しかしロッカーアームが折れたのと、シムが割れたのと、果たしてどちらの事象が先に起こったのか?判断が難しいです。シムが割れたためにロッカーアームが折れたのか?ロッカーアームが折れたためにシムが割れたのか?どっちなんでしょう?  
Posted by cpiblog00738 at 13:09

2017年04月27日

トルクレンチ

 先日トルクレンチを購入しました。デジタル方式で角度締めにも対応しているタイプです。早速テストしてみましたが、はっきり言ってこれは便利です。とは言うものの、使用するのはコンロッドボルトの締め付け限定になりそうですけど。
 例えばスチールのコンロッドボルトの場合、最初に20Nm、次が35Nm、ここから角度で65度±1度締め付けるという方法を取ります。その時の最終的なトルクが70〜103Nmの範囲にあることが必要です。要するに65度回したときに必要だったトルクがこの範囲内になければいけないということです。ですが実際問題として一般的な工具では角度とトルクの両方を管理することは難しいので、通常は角度のみを頼りに締め付けてトルクに関しては目をつぶるというのが当たり前でした。
 しかしこのトルクレンチはその両方を管理できます。

IMG_2583 実際にやってみますが、まずトルクレンチの設定を65度の角度に合わせます。
 





IMG_2585 そこから締め込んでいきますが、締め込み途中の角度が表示されています。今54度まで締め込みました。角度の認識はトルクレンチ内のジャイロセンサーによるものだそうです。自分の常識で考えると殆どブラックボックスですね。




IMG_2586 目標の65度まで締め込むとインジケーターランプが緑色に点灯し、アラーム音とともにトルクレンチが振動してそれを作業者に教えてくれます。






IMG_2590 そこで工具にかけていた力を抜くと、今の締め付けに要したトルクが表示されます。今回は97.1Nmでした。締め付けに要したトルクも指定値の範囲内だということが確認できました。
 しかし締め付け角度で管理するのはスチールのコンロッドに使用されているボルトだけで、チタンコンロッドのボルトは角度ではなく伸びで管理します。ボルトの伸びとその時のトルクを同時に管理できるトルクレンチは今のところまだ無さそうですね。あったら買うと思いますが、お値段は如何程になるんでしょう?高そう!



   
Posted by cpiblog00738 at 20:00

2017年04月14日

ホースバンド

IMG_2561 今回はホースバンドのお話です。右が純正品です。左はメーカーは判りませんがステンレス製と思われ、造りも軽量に出来ているように見えます。双方の大きな違いはバンドのネジへの引っ掛り部分で、純正は山形に盛り上がっていて、社外品の方はバンドに開いた穴になっています。ここにネジの山がかかって絞めたり緩めたり出来るということになります。


IMG_2562 一見すると社外品の方が良さげに見えたりするのですが、実はこの手のホースバンドは場合によっては大きな問題が起こることがあります。
 画像は純正ホースよりも高級品と言われている最近よく使われるシリコン系のホースに使用した例ですが、ご覧になるとわかるようにちょっとおかしなことになっています。


IMG_2564 拡大するとこんなです。ホースバンドを締め付けるとバンドの穴の端面でホースが切れて穴の中から切れたホースがムニムニと出て来てしまっています。まるで花が咲いたみたいな状態です。
 なのでホースバンドを交換する場合はこういったことも考慮してモノを選ぶのが良いと思います。

   
Posted by cpiblog00738 at 19:56

2017年03月31日

エンジンのペイント

 空冷エンジンは走行距離が進むとどうしても汚れが目立つようになります。特にフロントバンクのヘッドやシリンダは真っ黒になってどうやっても汚れが落ちなくなります。それに加えて、例えば現在作業中のDS1000のエンジン等はエンジンが粉体塗装によるペイントなので、エンジンの発熱によって塗膜がブツブツと沸いた状態になったり剥離してしまったりします。なんでエンジンに粉体塗装なんかするのか、理由がよく解りませんが・・・。

IMG_2529 で、エンジンのオールペンです。ドゥカティのエンジンはこうしてみると部品点数が多いです。画像では、クランクケースには既にベアリングやスタッドボルト等が組み付けられて元の状態になっていますが、ペイントの時にはそういったものは全て取り外した状態になります。かなりの手間と部品が必要になります。
 外したものは基本的に新品に交換になります。例えばベアリング等は再使用出来ないこともなさそうですが、ここまでやったらやはり新品を使いたいですよね。
    
Posted by cpiblog00738 at 17:15

2017年03月23日

エンジンオーバーホール 結局3個イチエンジン

IMG_2499 デスモクアトロエンジンのオーバーホール中です。916SPS、サーキット専用車両です。でもこのエンジン、分解して行けば行くほどヤバい感じです。







IMG_2500 例えばシリンダ。リングが接触していた部分はピカピカで、ほとんど鏡面仕上げです。ここが鏡面仕上げになっていてもねえ・・・・、困ったもんです。






IMG_2503 ピストンのピンボスです。カジッちゃってますね。







IMG_2504 ピストンピンです。思いっきり段差がついてます。







 これだけではなく、分解してチェックししていくとその他にもいろいろな問題はどんどん出現してきます。というわけで、このエンジンダメなんですけど、とお伝えしたところ、それではということでスペアでお持ちだったSPSのエンジン2基が新たに持ち込まれました。
 最初はその中で一番年式が新しいエンジンで行こうかと思い、とりあえずバラしましたがイマイチ怪しい感じが・・・。で、結局もう一台もバラし、現在エンジンが3基バラバラです。
 最後にバラしたエンジンの程度が一番良いので基本的にこのエンジンで行くことにしましたが、せっかくエンジン3基がバラバラなので、その中から一番良い状態の部品を選択しながら作業を進めていくことになりました。ある意味非常に贅沢なオーバーホールです。
 
   
Posted by cpiblog00738 at 18:15

2017年03月04日

ヘッドの重量

 先日の続きで、それではということでヘッドの重量を計測してみました。

IMG_2425 まずはDS1000のシリンダヘッドAssy、リア側です。重いのか軽いのか?果たしてどうなんでしょう?ちなみにフロント側はこれよりも約0.5kg程度軽量です。






IMG_2424 こちらは1198のシリンダヘッドAssyです。 カムシャフトが2本、バルブが4本、ロッカーアームその他の部品もその数は空冷の倍です。それにしては空冷と大差ない?
 次回は機会があればエンジン丸ごとの重量を比較してみたいですね。   
Posted by cpiblog00738 at 22:39

2017年02月22日

空冷エンジンのシリンダ

IMG_2409 空冷エンジンのオーバーホール中ですが、いつも感じるのが空冷エンジンのシリンダの重さです。冷却用のフィンもアルミとはいえ金属なので、かなりの重量になるようです。手に持つとかなりズッシリと来ます。エンジンはDS1000です。思い付きでリアシリンダの重量を計測してみました。その結果、2779.4グラム。 


IMG_2410 当然ながらそれでは水冷のシリンダの重量は如何に?ということになりますよね。1198のシリンダの重量を計測してみました。その結果、1398.9グラム。ほぼ半分の重さです。
 空冷の方のフロントシリンダの重量はリアのそれほどは重くないのですが、そちらも計測してみた結果 、DS1000のシリンダの重量は前後合わせて5299.5グラムでした。水冷の1198の方も計測したところ、こちらは前後合わせて2798.8グラム。その差は2500.7グラムということになります。1198の冷却水の容量は2.3±0.5リットルということになっていますから、冷却水の重量を加えても空冷シリンダの方がまだ重いということになりますね。
 シリンダヘッドの重量も今度機会があれば計測してみたいと思います。   
Posted by cpiblog00738 at 20:25