2023年06月09日
エンジンオーバーホール中 その5


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20:37
2023年06月08日
エンジンオーバーホール中 その4

それと可能な限りの外当たりについてですが、当たり面の外側の際を実質的なバルブ径と考えると、そうする理由がお判りになると思います。もし当たり面がもっと内側にあったとすると、それは実質的にはバルブの小径化ということになってしまいますよね。


ピストンヘッドに記してある数字は重量です。0.1グラム単位まで揃っています。ピスタルレーシングの品質管理は非常に行き届いていると言って良いでしょう。おそらく重量の近いものを選別して2個セットにして出荷していると思われますが、メーカーとしての誠意、良心を感じます。
続きはまた後程です。
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20:41
2023年06月07日
エンジンオーバーホール中 その3
更新が滞っていましたが続きです。



ミッション関係に関しては、ギアが入った時のドッグのかかりしろを調整するために左右のシムを調整します。6速あるギアの全てのドッグのかかりしろが同じようになるように調整します。このような目的で調整が終わると実走行でのシフトフィーリングは非常に良いものとなりますが、派手なシフトミスでシフトフォークを曲げてしまうと一発で台無しになってしまいます。自分にとっては砂上の楼閣のイメージがあります。
昔全日本をやっていた時の事に話はそれますが、当時は毎回レースの前にエンジンをオーバーホールして考えられる中で最高の状態にしてレースに持っていっていました。そしてレースから帰ってくると当然ながらエンジンや車体は例外なく消耗しています。それをまた最高の状態になるようにオーバーホールして次のレースに持っていきます。この繰り返しがレースです。当時の全日本は年間11戦とかでしたから、物凄いストレスです。一生懸命積み木を積んで、やっと積み終わったところでそれを崩され、また最初から積み直す、の繰り返し。ある意味拷問とも言えます。

問うことで今回はここまで。続きはまた後程です。
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09:06
2023年05月23日
エンジンオーバーホール中 その2



このハーフメタルの新品は全体的に色が真っ黒で何かの表面処理が施されているように見えますから、そのあたりに何かしらの秘密があるのでしょうか?
続きはまた後程。
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09:52
2023年05月14日
エンジンオーバーホール中

それと今日は筑波サーキットでTOTのレースがありました。私は筑波に行きませんでしたが、YouTubeでレースの様子はチェックしていました。TFDのお客さん関係も複数名走っていましたが、皆さん無事にレースを終えたのが確認できて良かったです。現地でお手伝いしていただいたTFD関係者の皆さん、ありがとうございます、お疲れさまでした。私がYouTubeを見ているだろうということで、スターティンググリッドで「名越さ〜ん」と呼び掛けてくれた方々、ちゃんと聞こえてましたよ。ちょっと感動しました。また、TFD関係者だけでなくこのレースに携わっていた方々皆さんにも感謝です。お疲れさまでした。これからも、もっともっとみんなで盛り上げていきましょう。
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19:40
2023年05月05日
近況

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12:08
2023年02月12日
4速が無い?!
とあるコーナーを立ち上がって全開で加速し、シフトアップしていきます。2速から3速へ。次に3速から4速へ。しかし4速に入らず空ぶかし状態に。慌ててもう一度シフトアップ操作をすると5速に入ってしまいます。そこで4速に入れようとしてシフトダウンをするとギアが入らずにニュートラル状態に。そこでもう一度シフトダウン操作をしてみると3速に入ってしまいます。おかしいと思ってシフトをガチャガチャやっているとだんだん状況が飲み込めてきます。出た結論は「4速が無い!」です。

勿論対策は部品交換しかありません。それも現在入手できる新品への交換が推奨されます。部品取りエンジンから外した中古品は勿論問題無く使えますが、可能であるならば新品が進めです。

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09:25
2023年02月07日
Super Mono シャシダイセッティング

しかし空燃比を計測するためにはエキパイに空燃比センサーの取り付けボスを取り付ける必要があります。でもオリジナルのエキパイに溶接してセンサーボスを取り付けるのには抵抗がありました。オリジナル状態を保ちたかったからです。そこでエンジン真下付近のエキパイの接続部にセンサーボスが付いたアダプターのパイプを製作して割り込ませるという方法でその問題をクリアしました。


最高出力は64〜65馬力というところでした。最高出力を発生する回転数は9,000rpm弱なので、やはりそんなに高回転型のエンジンではありませんね。550ccの単気筒でボアストロークが100x70mmですから妥当なところでしょうか。オリジナルファイルの回転リミッターは11,000rpmで介入しますが、9,000rpmを超えると明らかに馬力は落ち込んでいきます。
今年も最低1回はこのバイクでレースに出ようと考えていますが、あまり高回転まで回さずに優しく運転するように心がけようと思います。
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22:24
2022年10月03日
996RS TFD号
夏休み中に修理とオーバーホールを終えた996RS(エンジンは1098R)ですが、先日FISCOにて完成検査を行い、概ね問題が無いことを確認していました。その後ファイナルの見直しその他の細かいセッティングの変更を行い、今日その結果の確認のために再度FISCOを走らせてきました。それと走行のもう一つの目的は、先日の筑波TTの決勝レース中に転倒して怪我をした自分の体がサーキット走行出来るレベルまで回復しているかどうかの確認でした。


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19:47
2022年09月03日
2022年08月29日
エンジンブロー
お客様のエンジンが筑波サーキット走行中にブローアップ。私もその場所に居合わせており、急遽バイクを持ち帰り修理となりました。パッと見てオイル受けのカウルに冷却水が溜まっていて、ふとエンジンの下から上を見上げると前側気筒のシリンダーが割れている、、、。出場予定の筑波TTのレースまで約2週間ちょっと。果たしてエンジンの中はいかなる状態になっているのでしょうか?

状況が判明したところでどのような方向性でレースに間に合わせるのかを検討したところ、部品取りのエンジン部品を使用してこのエンジンを修理することになりました。この時代のドゥカティエンジンの凄いところはこんな壊れ方をしても結構使える部分が多いということです。自分はそれが当たり前だと認識しているのですが、他メーカーのエンジンの事情を聞くとどうもそうでも無いようで、こんな壊れ方をしたらエンジンは全損で何も使えないのが普通らしいです。
で、概要ですがクランクは計測したところ特に問題無いので再使用。前側気筒のコンロッドは流石に曲がりがあるので中古品に交換。壊れたピストンとシリンダーは中古品に交換。前側気筒のシリンダヘッドは丸ごと中古品に交換。そんな感じで作業しました。
つつがなく作業は終了して、先程シャシダイに載せて10分間ほど検査試運転を行い不安要素も払拭しました。あとはこのエンジンにレースで頑張ってもらうだけです。
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17:38
2022年08月25日
1098Rエンジン修理オーバーホール その2


ちなみにこれだけの軽傷で済んだのはとにかく異常を感じた瞬間にエンジンを止めたからにほかなりません。あと1周の走行が致命傷になっていた可能性は非常に高いです。
以前実際にあったTFDのベテランのお客様の事例ですが、筑波の最終コーナーの立ち上がりで全開にしたら一瞬だけどエンジンブレーキがかかったような感触があったので即走行を中止し、エンジンを開けてくれ、とリクエストされたことがありました。エンジンを開けた結果、今回と全く同様な結果でクランクピンを磨いてメタルの交換をしたのみでエンジンが復活しました。
それとは逆に、走行中に違和感を感じたにもかかわらず、確認のためと称して次の走行枠に出走してエンジンに止めを刺した方もいらっしゃいます。
確かにエンジン損傷の復旧には高額な費用が必要になりますから、感じた違和感は気のせいでエンジンに問題は無いと信じたい気持ちは非常に良く判ります。実際にその違和感は気のせいであることもありますしそうでないこともあります。本当にトラブルが発生していればそのまま走らせるとエンジンに止めを刺すことになりますが、実際はただの気のせいだった場合は無駄な出費だったということになります。正しい判断は難しいです。
そう考えてみると何となくサーキット走行のリスク管理にも似ていますね。あそこでもう少し無理をすればタイムアップしそうと思える場合、それを実行して上手く行けばタイムアップ、上手く行かなければ転倒してバイクが壊れる。結局は自己責任ということになりますが、自分の場合は違和感を感じたら即走行中止です。走りの方は結構転ぶのでそうでは無いみたいですが。(笑)ちなみにどのようなものを違和感と感じるかというと、自分の場合は「いつもと違う何か」です。

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07:50
2022年08月23日
1098Rエンジン修理オーバーホール その1
自分がレースで使用している996RS01の車体に1098Rのエンジンを載せた車両のお話です。今年のレースもこの車両を使用する予定でしたが、今年(2022年)のシーズンが始まった3月の筑波サーキット初走行時にエンジントラブルが発生し、それからしばらくの間放置状態になっていました。
その時の状況ですが、コースインして13周目の最終コーナーをスロットル全開で立ち上がったところ通常と異なる違和感のある振動を一瞬だけですがエンジンから感じました。しかしその後1コーナーに侵入しインフィールドを走行すると何の違和感もありません。その時は先程の症状は単なる気のせいかとも思いましたが、そのまま2ヘアをクリアして立ち上がりでスロットルを全開にしたところ、先程と全く同じ違和感を感じました。その時点で即走行を中止しピットイン。持ち帰ったバイクは仕事のスケジュール上触ることも出来ずそのまま保管状態となりました。
それから半年近く経過し、やっと仕事が落ち着いてきて時間が取れるようになったので、お盆休みを利用して原因究明と修理オーバーホールを行うこととなりました。


そこでとりあえずクランクケースを分解してクランクシャフトを取り出しました。クランクにコンロッドを組んだままの状態でコンロッドを動かしてみると縦方向、横方向共に過大なガタも無く違和感はありません。そこでコンロッドを取り外そうとコンロッドボルトを緩めると、片側のコンロッドの動きが悪くなりました。


こうなるとトラブルが発生した方のコンロッドが再使用可能かどうかが問題ですが、今回は問題無いと判断しました。経験上メタルがコンロッド大端の中で回転してしまうとコンロッド側も摩耗してしまいNGですが、今回はそうなっていませんでした。
そして何より一番の懸念はクランクシャフトのクランクピン部分です。1098Rのクランクシャフトは既に入手不可という状況になっていますので、既にお金で解決できる問題ではありません。
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10:19
2022年08月15日
工具


例えば「2」の方は自分がこの業界に入ったばかりの時に購入した工具のうちの一つです。値段も覚えていますが、確か1本¥5,500-だったと記憶しています。今考えても非常に高価ですね。当時のスナップオンのスパナは小さいサイズでも¥5,000-くらい、大きいサイズだと大雑把に言って1万円くらいというイメージでした。10mmサイズは使用頻度が非常に高いのでスペアが必要と考えて2年後に追加購入したのが「4」の方です。
使用し始めてから40年、そう考えると凄いですね。このサイズは仕事をしていればほぼ毎日必ず使用します。ピカピカだったメッキもそれなりに曇り始めてはいますが機能的に全く問題無いままですし、メッキの剥がれなどは皆無です。この頃のメッキは材質が良いのでしょうね。裏を返せば非常に環境に対して悪影響を及ぼすようなメッキ処理が許されていた時代だったということもあるのでしょうか?自分的にはこういった類のものが本当に良いモノ、本物と呼べるもの、だと思います。面白いのはこの時代のスパナに関して言えば同じ品番でも一つ一つ微妙に形状が異なります。職人さんが一つ一つを手作業で削って整形していたのだと思われます。手持ちの中にも中央のバーの部分が極端に薄く仕上げられていてやたら細身でスマートな個体等もあり、とても興味深いです。
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13:50
2022年06月08日
チタンバルブ
先日エンジンブローしたエンジンはチタン製のバルブを使用しています。一般的にチタンバルブをリフェースするのはNGということになっていますが、その理由は硬質な酸化被膜がリフェースにより除去されてしまい、その結果バルブフェースの摩耗が著しく進行するからだと理解しています。


私がリフェースしたチタンバルブを使用して組んだエンジンの数は相当数ありますが、この状況は初めての経験です。いろいろと原因を調べたところ、今まで問題無かったエンジンの使用状況と一つだけ明らかに異なる条件でこのエンジンは使用されていました。それはガソリン添加剤の使用です。おそらく添加剤の優秀な洗浄作用でバルブフェースが常にクリーンな状態に保たれ、その結果酸化被膜のようなものが生成されなかったのではないでしょうか。
ところで私がチタンバルブまでリフェースしてしまう理由ですが、それはあくまでバルブフェースとバルブシートの当たりを最優先しているからです。新品バルブを使用すれば良いじゃないかという声も聞こえますが、例えば999Rのチタンバルブの価格は1本約5万円、1098Rであれば約8万円です。8本全部交換したらと考えると、全く現実的では無いと思います。それに加えて私の経験上、新品バルブといえども全数が完全無欠の状態であるとは言えないのです。新品なのにセンターが出ていなくて振れがあるバルブも実際に存在します。新品バルブを使用する場合、それがスチール製であれば私はたいていの場合まず最初にバルブリフェーサーでリフェースしてしまいます。チタンの新品の場合は流石に躊躇して考えに考えた末にどうするか決定しますが。言えることは優先されるのはバルブとシートの当たりが正しく出ているかで、バルブフェースに荒れや振れが有る場合にそのまま再使用する選択肢は有り得ない、というのが私の認識です。あ、それはあくまで使用目的がレースの場合で、バルブとシートの当たりが多少おかしくてもバイクはそれなりに走りますから街乗りの場合は持ち主の考え方次第ではあります。
Posted by cpiblog00738 at
11:33
2022年05月08日
エンジンブローその2

この手のエンジンのクランクシャフトは基本的に非常に丈夫に出来ていて、例えば走行500kmごとに多種類の部品交換が指定されているコルサやRSに於いてもクランクシャフトは定期交換部品に指定されていませんでした。そんな部品がこのような状況に陥るということは製造時に何かの問題が発生していたのでしょうね。
Posted by cpiblog00738 at
08:46
2022年05月06日
エンジンブローその1

何かの原因でクランクシャフトが振れてエンジン左側カバーを破壊したと思われますが、いったい何が起ったのでしょうか?

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08:27
2022年04月03日
748Sエンジンオーバーホールその5


まだちょっと腐食跡が散見されますが、機能的と精神衛生的に問題無い範囲なので深追いはしません。



Posted by cpiblog00738 at
09:17
2022年03月31日
748Sエンジンオーバーホールその4
諸事情によりちょっと間が開きましたが作業再開しました。



エンジン左側にはフライホイール、タイミングギア、ギアチェンジ機構、等が存在します。


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20:29
2022年03月21日
748Sエンジンオーバーホールその3







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08:33
2022年03月18日
748Sエンジンオーバーホールその1

Posted by cpiblog00738 at
08:41
2022年03月09日
目指せFISCO1分45秒エンジン-1
富士スピードウェイで1分45秒のラップタイムを目指してエンジンの仕様変更を行っています。(運転手は私ではありません)何とかしてあと2秒タイムを詰めたいという訳です。ちなみに私も今年はFISCOでの走行の機会を増やそうと思っていますが、私の場合の目標はひとまず50秒切からです。

Posted by cpiblog00738 at
00:00
2022年02月15日
996F00エンジン-5

バルブシートはすり合わせとシートカットによりバルブとの当たりを取り直してあります。このエンジンは走行時間が進むと特にインテークバルブの当たりが悪くなるので頻繁にその確認と修正を行っています。具体的に言うとインテーク側のスパークプラグの傍とスタッドボルト穴の傍の2ヶ所でバルブとシートが当たらなくなります。あくまで冷間で部品単体での確認ですから、実際にエンジンが稼動している状態でどうなっているのかは知る由もありませんが、さりとてそのまま組むわけにもいきませんのでバルブとシートがちゃんと当たるように修正を行っています。
バルブシートを追い込みたくないのでシートカットを行わずにすり合わせのみで対応出来れば理想的なのですが、なかなかそうはいきません。今回はEX側はすり合わせでの確認のみで済みました。しかしIN側はすり合わせで何とかアタリを付けることは出来ましたが、すり合わせ量が多かったために当たり幅が広くなってしまいました。そこで当たり面の内側と外側に適量のシートカットを施すことによって当たり幅を是正しました。

インテークバルブ周辺をよく観察すると、バルブの中心とバルブシートの中心が若干ずれていることが判ると思います。バルブシートの見える部分の幅が均一ではないのでそう判断できます。理由は不明ですが、わざわざそうするのですから明らかな理由が有るのでしょう。
Posted by cpiblog00738 at
10:13
2022年02月14日
996F00エンジン-4


AMAのレースレギュレーションでセルフスタートが可能であること、という項目が当時あったため、AMA用としてこうしたキットが一時出回りました。

Posted by cpiblog00738 at
14:32
2022年02月13日
996F00エンジン-3


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09:38
2022年02月05日
996F00エンジン-2
こういったレース専用エンジンの場合、セルフスターターは最初から装着されていません。エンジンスタートは押し掛けもしくはリアホイールスターターを使用するのが前提です。そのためにこのクランクにはストリートバイクのクランクシャフトにはもれなく存在しているセルフスターター用ワンウェイクラッチを潤滑するためのオイル通路がありません。今回このエンジンはセルフスターターを取り付けて使用するのでオイル通路を設ける加工が必要となります。


Posted by cpiblog00738 at
22:58
2022年02月04日
996F'00エンジン-1
996F00エンジンのオーバーホールを行っています。Fはファクトリーの略です。要するに2000年型996ファクトリーエンジン、ワークスエンジンとも言います。TFDでは2002年にF00のエンジンを3基購入しましたが、そのうちの一台です。前回のオーバーホールが2006年の暮れでしたから、約15年ほど眠っていたことになります。今回縁あってこのエンジンを再び走らせることとなり、そのためのオーバーホールです。

このエンジンは2000年シーズンの終了後にファクトリーから放出され、2001年シーズンはイギリスのGSEレーシングというチームが使用していました。そのエンジンが2001年シーズン終了後に放出され、それをTFDが入手したという訳です。3基のエンジンはそれぞれ微妙に仕様が異なり、手堅い仕様、イッパツ仕様、その中間、みたいな感じなので、ファクトリーから放出された翌年に手を加えられたのかもしれませんね。いずれにせよGSEレーシングというところはエンジンの管理が常識外れに行き届いていて、それはエンジンを分解してみると直ぐに理解できます。部品の交換はファクトリーの指示通りの走行距離のサイクルで行われていますし、各部品にはそれがどのエンジンの部品なのか識別できるように印が付いています。

今後オーバーホールの様子をかいつまんで紹介していきたいと思います。
Posted by cpiblog00738 at
20:09
2022年01月22日
ハーフメタル

この状態でもエンジンは普通に動いていたようです。焼損は発生していませんでした。クランクピンは流石に良好な状態とは言えませんでしたが、再使用が憚れる状態でもなかったので再使用しました。コンロッドも当然ながら再使用しましたが、メタルクリアランスが0.050mmとなるようにメタル合わせを行った結果、使用したメタルの厚さは1.480〜1.488mmとなりました。
画像のメタルの厚さを計測したところ、本体側が1.408mmと1.410mm、キャップ側が1.463mmと1.464mmでした。取り外したメタルと新品メタルの厚さの差から計算すると、分解前のメタルクリアランスは0.14mm前後であったと考えられ、この数字でもエンジンは機能するのだとちょっと驚きました。とは言え、このまま走行していたらとても近い将来にコンロッド大端部の焼損という事態になったと考えられます。
Posted by cpiblog00738 at
09:09
2022年01月07日
クラッチ

Posted by cpiblog00738 at
07:48
2022年01月06日
タイミングベルト

このエンジンの場合はテンショナベアリングの破損です。テンションプーリーのベアリングが分解してしまってプーリーが脱落、→それによってバルブタイミングが狂ってバルブとピストンが衝突、→バルブが曲がってカムシャフトの回転が止まってロック、→ベルトが無理に引っ張られて破壊、という順番だと推測されます。もちろんすべては一瞬のうちですけど。

一般的にタイミングベルトの交換を行う場合、ベルトとともにテンショナベアリングも同時に交換するのが望ましいですが、ベルトのみの交換で済ませている場合が多いようです。例えばクルマの場合はベルトとテンショナベアリングの交換はセットで行う、というのが常識になっていますが、機構的には全く同様ですからね。
1990年代のドゥカティの市販レーシングマシンだったコルサの場合、メーカーが指定していたベルトとテンショナベアリングの交換サイクルは共に走行500kmごとでした。ベルトは市販ストリートバイクと同じ部品、ベアリングは同サイズながら値段が何倍もする高級品だったにもかかわらずです。
ベルト交換を行う時はベアリングに状態も気にしてほしいですね。プーリーを手で回してみれば、その感触でその良否はある程度判別できると思います。また、作業者はその程度のスキルは持っているべきだと思います。
Posted by cpiblog00738 at
09:30