2017年06月16日

クランクケース

IMG_2679 φ104mmボア用の砂型クランクケース、新品です。出物があったのでまた仕入れちゃいました。見つけたら買う!ですね。実際に必要な状況になってから探してもなかなか見つかるものではありませんし、かといって新品をそのまま定価で購入するのは普通の感覚ではムリだと思います。  

Posted by cpiblog00738 at 11:39

2017年05月19日

初めて見ました

IMG_2634 これ何だか判りますか?







IMG_2633 元の形状に戻すように合わせるとこうなります。バルブアジャストシムのクローズ側ですね。こんなになったのはさすがに初めて見ました。この場所のクローズ側ロッカーアームも折損してヘッドはえらいことになっていました。
 しかしロッカーアームが折れたのと、シムが割れたのと、果たしてどちらの事象が先に起こったのか?判断が難しいです。シムが割れたためにロッカーアームが折れたのか?ロッカーアームが折れたためにシムが割れたのか?どっちなんでしょう?  
Posted by cpiblog00738 at 13:09

2017年04月27日

トルクレンチ

 先日トルクレンチを購入しました。デジタル方式で角度締めにも対応しているタイプです。早速テストしてみましたが、はっきり言ってこれは便利です。とは言うものの、使用するのはコンロッドボルトの締め付け限定になりそうですけど。
 例えばスチールのコンロッドボルトの場合、最初に20Nm、次が35Nm、ここから角度で65度±1度締め付けるという方法を取ります。その時の最終的なトルクが70〜103Nmの範囲にあることが必要です。要するに65度回したときに必要だったトルクがこの範囲内になければいけないということです。ですが実際問題として一般的な工具では角度とトルクの両方を管理することは難しいので、通常は角度のみを頼りに締め付けてトルクに関しては目をつぶるというのが当たり前でした。
 しかしこのトルクレンチはその両方を管理できます。

IMG_2583 実際にやってみますが、まずトルクレンチの設定を65度の角度に合わせます。
 





IMG_2585 そこから締め込んでいきますが、締め込み途中の角度が表示されています。今54度まで締め込みました。角度の認識はトルクレンチ内のジャイロセンサーによるものだそうです。自分の常識で考えると殆どブラックボックスですね。




IMG_2586 目標の65度まで締め込むとインジケーターランプが緑色に点灯し、アラーム音とともにトルクレンチが振動してそれを作業者に教えてくれます。






IMG_2590 そこで工具にかけていた力を抜くと、今の締め付けに要したトルクが表示されます。今回は97.1Nmでした。締め付けに要したトルクも指定値の範囲内だということが確認できました。
 しかし締め付け角度で管理するのはスチールのコンロッドに使用されているボルトだけで、チタンコンロッドのボルトは角度ではなく伸びで管理します。ボルトの伸びとその時のトルクを同時に管理できるトルクレンチは今のところまだ無さそうですね。あったら買うと思いますが、お値段は如何程になるんでしょう?高そう!



   
Posted by cpiblog00738 at 20:00

2017年04月14日

ホースバンド

IMG_2561 今回はホースバンドのお話です。右が純正品です。左はメーカーは判りませんがステンレス製と思われ、造りも軽量に出来ているように見えます。双方の大きな違いはバンドのネジへの引っ掛り部分で、純正は山形に盛り上がっていて、社外品の方はバンドに開いた穴になっています。ここにネジの山がかかって絞めたり緩めたり出来るということになります。


IMG_2562 一見すると社外品の方が良さげに見えたりするのですが、実はこの手のホースバンドは場合によっては大きな問題が起こることがあります。
 画像は純正ホースよりも高級品と言われている最近よく使われるシリコン系のホースに使用した例ですが、ご覧になるとわかるようにちょっとおかしなことになっています。


IMG_2564 拡大するとこんなです。ホースバンドを締め付けるとバンドの穴の端面でホースが切れて穴の中から切れたホースがムニムニと出て来てしまっています。まるで花が咲いたみたいな状態です。
 なのでホースバンドを交換する場合はこういったことも考慮してモノを選ぶのが良いと思います。

   
Posted by cpiblog00738 at 19:56

2017年03月31日

エンジンのペイント

 空冷エンジンは走行距離が進むとどうしても汚れが目立つようになります。特にフロントバンクのヘッドやシリンダは真っ黒になってどうやっても汚れが落ちなくなります。それに加えて、例えば現在作業中のDS1000のエンジン等はエンジンが粉体塗装によるペイントなので、エンジンの発熱によって塗膜がブツブツと沸いた状態になったり剥離してしまったりします。なんでエンジンに粉体塗装なんかするのか、理由がよく解りませんが・・・。

IMG_2529 で、エンジンのオールペンです。ドゥカティのエンジンはこうしてみると部品点数が多いです。画像では、クランクケースには既にベアリングやスタッドボルト等が組み付けられて元の状態になっていますが、ペイントの時にはそういったものは全て取り外した状態になります。かなりの手間と部品が必要になります。
 外したものは基本的に新品に交換になります。例えばベアリング等は再使用出来ないこともなさそうですが、ここまでやったらやはり新品を使いたいですよね。
    
Posted by cpiblog00738 at 17:15

2017年03月23日

エンジンオーバーホール 結局3個イチエンジン

IMG_2499 デスモクアトロエンジンのオーバーホール中です。916SPS、サーキット専用車両です。でもこのエンジン、分解して行けば行くほどヤバい感じです。







IMG_2500 例えばシリンダ。リングが接触していた部分はピカピカで、ほとんど鏡面仕上げです。ここが鏡面仕上げになっていてもねえ・・・・、困ったもんです。






IMG_2503 ピストンのピンボスです。カジッちゃってますね。







IMG_2504 ピストンピンです。思いっきり段差がついてます。







 これだけではなく、分解してチェックししていくとその他にもいろいろな問題はどんどん出現してきます。というわけで、このエンジンダメなんですけど、とお伝えしたところ、それではということでスペアでお持ちだったSPSのエンジン2基が新たに持ち込まれました。
 最初はその中で一番年式が新しいエンジンで行こうかと思い、とりあえずバラしましたがイマイチ怪しい感じが・・・。で、結局もう一台もバラし、現在エンジンが3基バラバラです。
 最後にバラしたエンジンの程度が一番良いので基本的にこのエンジンで行くことにしましたが、せっかくエンジン3基がバラバラなので、その中から一番良い状態の部品を選択しながら作業を進めていくことになりました。ある意味非常に贅沢なオーバーホールです。
 
   
Posted by cpiblog00738 at 18:15

2017年03月04日

ヘッドの重量

 先日の続きで、それではということでヘッドの重量を計測してみました。

IMG_2425 まずはDS1000のシリンダヘッドAssy、リア側です。重いのか軽いのか?果たしてどうなんでしょう?ちなみにフロント側はこれよりも約0.5kg程度軽量です。






IMG_2424 こちらは1198のシリンダヘッドAssyです。 カムシャフトが2本、バルブが4本、ロッカーアームその他の部品もその数は空冷の倍です。それにしては空冷と大差ない?
 次回は機会があればエンジン丸ごとの重量を比較してみたいですね。   
Posted by cpiblog00738 at 22:39

2017年02月22日

空冷エンジンのシリンダ

IMG_2409 空冷エンジンのオーバーホール中ですが、いつも感じるのが空冷エンジンのシリンダの重さです。冷却用のフィンもアルミとはいえ金属なので、かなりの重量になるようです。手に持つとかなりズッシリと来ます。エンジンはDS1000です。思い付きでリアシリンダの重量を計測してみました。その結果、2779.4グラム。 


IMG_2410 当然ながらそれでは水冷のシリンダの重量は如何に?ということになりますよね。1198のシリンダの重量を計測してみました。その結果、1398.9グラム。ほぼ半分の重さです。
 空冷の方のフロントシリンダの重量はリアのそれほどは重くないのですが、そちらも計測してみた結果 、DS1000のシリンダの重量は前後合わせて5299.5グラムでした。水冷の1198の方も計測したところ、こちらは前後合わせて2798.8グラム。その差は2500.7グラムということになります。1198の冷却水の容量は2.3±0.5リットルということになっていますから、冷却水の重量を加えても空冷シリンダの方がまだ重いということになりますね。
 シリンダヘッドの重量も今度機会があれば計測してみたいと思います。   
Posted by cpiblog00738 at 20:25

2017年02月14日

近況

IMG_2365 有難いことに最近やることがいっぱいで、とてもブログの記事を考えている場合ではありません。お客様には入庫をお待ちいただいている状態ですが、決してサボっているわけでもありません。
 工場内に入庫しているバイクはご覧の通り、 何時ものように車種は偏っています。この後入れ替わりで入って来るバイクも998と996です。別に車種限定でやっているつもりはないのですが、趣味性が高いお客様が乗っているのはちょっと前の世代のバイクが多いということですね。
 このままあっという間に春になって、レースの準備でバタバタするのが目に見えるようです。   
Posted by cpiblog00738 at 17:41

2016年12月22日

砂型ケースだって割れます。最新版

 レース中に異音が発生してしまったエンジンですが、原因はクランクケースのクラックでした。
 BOTTのレースは最近特にレベルアップが激しいのですが、その中でトップ争いをするとなると、以前と比較してエンジン車体ともにストレスは大きいようです。このエンジンのクランクケースは強度的に優れた砂型ですが、やはり割れる時は割れるということです。

IMG_2208 左上の穴から右上のシフトドラムの穴まで、横方向にクラックは繋がっています。縦方向はクランクベアリングまでですね。もう少しで分解か?という感じですが、ここまでクラックが進むと振動もすごいでしょうし、エンジン回転に合わせて割れ目がバクバク開いたり閉じたりして異音も発生するということです。
 



 IMG_2210 このようにクラックはオイルジェットの穴に絡むことが非常に多いです。ストレスがかかるところに穴があったりキズがあったりするのは良く無いと大昔から言われていますが、まさにその通りということです。  
Posted by cpiblog00738 at 20:32

2016年11月18日

オフセットキー

 パンタ系のエンジンからテスタストレッタ以前までのエンジンでは、バルブタイミングの調整をオフセットキーを使用して行ってきました。タイミングプーリーはキーを介してカムシャフトに取り付けられますが、このキーを段付きにすることでプーリーの取り付け角度を変更してタイミングを調整するということです。
 このキーには2度から16度まで、2度刻みで8種類のものが存在していましたが、 今となっては全てが廃番で入手が困難となっています。TFDではその全てをそれなりの数在庫してきましたが、さすがに最近 種類によってはストックが底をつきそうなものも出てきました。
 そこで今回この部品を独自に試作してみました。

IMG_2154 画像が試作した製品で、変更角度は2度です。 製作工程の都合により、端面がピン角になっていて下手をすると手が切れそうですが、そのあたりはご愛敬ということで。必要とあれば後は手作業で対処することにします。
 さすがにこういった物を単品で製作するとなるとコストがかかりますが、私としては「もう無い」では済まされないものなのでしょうがないですね。   
Posted by cpiblog00738 at 10:06

2016年11月17日

メタルトラブル

IMG_2136最近よく見る光景です。
コンロッド大端のメタルですが、エンジン運転中は通常であればクランクピンとメタルの間にはオイルが存在し、部品同士が直接接触することは基本的にありません。
何かの拍子にお互いが直接接触することがあっても、それが軽微であれば問題はありません。例えば久しぶりにエンジンを始動した時などがこれに当てはまると思われます。
しかしエンジンの負荷が大きい時に直接の接触が起こると、加速度的にダメージが進んでこんな状態になってしまいます。
ちなみに一番手前のメタルが使用済みの状態が良いものです。
メタルがこのようにダメージを受けてしまうと、当然のことですがクランクとコンロッドは使い物にならなくなります。
おまけにメタルクリアランスが1mm超とかになってしまうと、ピストンがその分上昇するのでピストン上部とヘッドが接触します。
場合によってはピストンの下部がクランクウェブに当たる場合もあります。
とにかく見たくない光景ですね。
   
Posted by cpiblog00738 at 10:34

2016年09月12日

あちゃ〜

IMG_1997エンジンからの異音の原因は、、、、。  
Posted by cpiblog00738 at 15:31

2016年09月06日

皆さんお疲れです

IMG_1981自分が乗っている996は走行毎にクラッチのメンテを行っていますが、今回分解してみるとスパイダースプリングの様子がいつもと違ってちょっと変です。
部品を取り外した時は外見上特に問題は無さそうだったのですが、スプリングを押さえている段付きワッシャーとの当たりが部分的に当たっていないところが有ります。
最初は乾式のモリブデン被膜に埋もれてはっきり確認できなかったのですが、スプリングを手で曲げ伸ばしをしてみると線が現れてきました。


IMG_1982やっぱりスプリングが割れちゃってます。
何時から使っていたかは覚えていません。
使用頻度はそんなに高くなかったと思うのですが、部品の寿命が来たということですね。
今週末は筑波でレースですから、レース当日のタイミングで発覚しなくてよかったです。


IMG_1983こちらはまた違うエンジンですが、原因不明のオイル漏れが起こるようになったのが事の発端でした。
クラックチェックをしてみたらタイミングシャフトの付け根にクラックを発見。
クラックはエンジンの内側に発生して徐々に進行していきますが、それがエンジンの外部まで届いたということでオイル漏れが発生します。
内部のクラックはかなり進行していると思われます。
対策はケース交換ということになります。
溶接したのも見たことがありますが、ストレスがかかって割れる場所なのでダメですね。
私が見たことがあるものは例外なく全く同じところが割れています。
おそらく溶接修理した後の初走行で、同じ場所が秒殺で割れてしまうのだと思います。



  
Posted by cpiblog00738 at 11:52

2016年08月06日

砂型クランクケース

IMG_1918φ104mm用の砂型クランクケースです。
また新品を仕入れてしまいました。
使うアテが有るのかと言われると困りますが、そのうち自分で使うのではないかと思っています。
必要な方は言ってください。(笑)
   
Posted by cpiblog00738 at 12:35

2016年06月06日

ソケットが、、、。

IMG_1737とんでもないトルクで締め付けられたと思われる緩まないエンジンマウントボルトのナットを緩めようとして、工具を壊してしまいました。
最初はいつものように12角のボックスソケットを使ったのですが、既にナットの角がナメ気味だったので6角のソケットを使用しました。
で、緩めようとしたらこの結果です。




IMG_1738こいつはスナップオンのソケットで、刻印からわかるように1981年製です。
自分が駆け出しの頃に新品で購入し、それから今まで35年間使い続けてきた工具でした。
こういった工具の寿命はそれを使用する人間の寿命よりも長いだろうと今まで思っていましたが、どうもそうとは限らないようです。




それでその先の話がありまして、その緩まないナットを緩めないことには作業が進まないのでとりあえず代替えの工具を調達にここからすぐ近くのホームセンターに行きました。
ホームセンターですから、当然ながら置いてある工具は大したことはありません。
6
角のソケットは1種類しかありませんでした。
税込み¥321-というシロモノです。
こんなんでイケるのか?と思いましたが、ダメもとでそれを購入。
帰って早速作業続行すると、何と!ナットは普通に緩みました。
かなり複雑な気分になりました。
321-の激安工具がほぼビンテージのスナップオンよりも優れているという事実。
それは35年という時代の変遷による技術の進歩と理解すればよいのでしょうか?
そしてまだ続く衝撃の事実。
買って来たソケットと同じものをネット通販で検索してみると、このソケット、8mm19mm8個セットで税込み¥794-で売ってます!
世の中どうなってんだ?
勿論買ったりしませんよ。
翌日工具屋さんに出かけて行ってハゼット製の製品を買ってきました。

  
Posted by cpiblog00738 at 10:32

2016年05月29日

現在のガレージ内

BlogPaint現在のガレージ内の眺めです。
何故か車種が片寄っちゃってますね。(笑)
   
Posted by cpiblog00738 at 16:30

ミッショントラブル

007う〜ん、なかなか激しいですね〜。
あまり見たくない光景です。   
Posted by cpiblog00738 at 16:15

2016年05月06日

エンジンのペイント

連休中はいつものことながら外出などせず、仕事一筋です。(笑)
来客も無く静かなので、この時とばかりになかなか手を付けられなかったバイクに取り掛かりました。

014パンタ系のエンジンです。
Pカムが入っているやつです。
ほぼレストアです。
エンジンのペイントを行うので各部品を分解しました。
通常のオーバーホールでは分解しないところまでバラすので結構な手間がかかります。
こうして見ると結構な部品点数ですね。
分解組立も大変ですが、ペイントする人も大変でしょう。   
Posted by cpiblog00738 at 20:28

2016年02月20日

必要に迫られて購入

004こちらも必要に迫られて買ってきました。
ビモータのハンドル、新品です。
こればっかりは新たに製作、というわけにはいきませんでした。
新品が見つかってラッキーです。
   
Posted by cpiblog00738 at 11:54

2016年02月17日

必要に迫られて製作

003必要に迫られて製作しました。
db1のフロントアクスルナットです。
今迄使用していたオリジナル(左)にキズが付いてしまいました。
当然ながら新品部品などは手に入りません。
唯一残された手段は製作です。
というわけで製作したのが右のナットです。
オリジナルより出来が良いのはご愛嬌でしょうか。
材質は7075で表面処理は硬質アルマイトです。

001こちらは同じく製作したカウルファスナーです。
やはり今回幾つか壊れてしまっていたので何とかする必要があったのですが、やはり残された手段は製作でした。
ただし幾つかある構成部品のうち、スプリングとワッシャーはオリジナルを再使用し、アルミのフランジ、スチールのリテーナー、ピンを新たに製作しました。
再使用部品もクロメートの表面処理をかけ直したので見た目は新品です。
アルミフランジの材質は7075で表面処理は硬質アルマイトです。

こちらはファスナーの残骸です。002
要するにここに有るものを新たに製作したわけです。
特にオリジナルのスチール製リテーナーはプレス加工で製作してあるので、アルミフランジに引っかかる部分の造りがいい加減で、アルミフランジから抜けてしまうことが多いです。
新たに製作したものはスチールの削り出しなのでそのあたりの精度と強度が優れており、7075で製作したアルミフランジとの組み合わせで抜けたりするトラブルは無くなると思います。

   
Posted by cpiblog00738 at 13:41

2016年02月16日

砂型ケース交換中 その2

009クランクケースを交換するに当たって、当然ながらピストンヘッドとシリンダヘッド面との隙間(スキッシュクリアランス)も再計測し、調整をやり直します。
調整は厚み違いのシリンダベースガスケットを用いて行います。
通常ベースガスケットは1種類しか存在しない事が殆どですが、TFDではRSの部品や特注で製作した部品を 使っています。
今回のケース交換では、ケース交換前と後のスキッシュの値を計測したところ、その差は前後とも約0.1mm ありました。
要するにクランクケースのクランクシャフト中心からシリンダ取付面までの寸法が、今迄のクランクケースと新しいクランクケースでは0.1mm程度異なるということになります。
この値が大きいか小さいか、どう判断するべきか、難しいところだとは思います。

参考までに。
例えば998Rの場合、スキッシュクリアランスが1.03mmと仮定すると、燃焼室の容量は 44.15mlとなります。
燃焼室容量はビューレットを使用して計測した実測値です。
この数値を基に圧縮比を計算すると、12.3となります。 
スキッシュクリアランスが0.1mm大きい1.13mmであったらどうなるか?
燃焼室の容量は44.99mlとなり、圧縮比を計算すると12.1となります。
この差は小さくないと思います。   
Posted by cpiblog00738 at 10:24

2016年02月11日

砂型ケース交換中

007クランクケースの交換中です。
何も考えずに中身を入れ替えてそれでお終いなら話は簡単なのですが・・・・。 
新品といえどもケースには若干の寸法差が存在し、そのためにやはり内部部品のシム調整が必要です。
部品を製作する場合は寸法許容差というものが有るので当然と言えば当然です。
また、通常クランクケースは使用し続けると簡単に言えばクランクケースの幅が広がってゆきます。
そのためにオーバーホールをする場合、広がった分を元に戻すためにシムが追加されることが多いです。

008このエンジンも以前TFDでオーバーホールしていますから、そんな状態にあります。
とりあえず様子を見るために内部部品をそのまま組んでケースを閉じてみると、やはりミッションシャフトはきつくて手では回らなくなります。
クランクも同様です。
新品ケースを使ったのでケースの幅が詰まった分だけシムを減らさなくてはなりません。
シム調整の基本的な考え方は内部部品のクランクケース内での位置決めですが、ミッションシャフトならギアのドッグの噛み具合が各ギア均等になるように、とか、クランクならコンロッドがシリンダの中心に位置するように、を優先して調整します。
ミッションの場合はフォークの曲がり加減も関係してきますからなかなかややこしいです。


   
Posted by cpiblog00738 at 20:07

2016年02月10日

砂型ケースだって割れます・その2

002先日入荷した砂型ケースはこのエンジン用でした。
こんなところにまでクラックが発生しています。
内部はさぞかし派手なことになってるでしょう。





003左のケースカバーを外し、フライホイール等の部品も外すとこんな感じです。







005今更ですが撮影用に染色浸透探傷剤を使用してみました。
この画像はケースの内側です。






006こちらはケースの外側です。
あまりにも派手なクラックなので探傷剤の色が派手に出過ぎてかえって判りにくいような状況です。
もう少しすると本当にバラバラになってしまいそうな勢いです。
何はともあれこのエンジンは新品ケースで生き返ります。
   
Posted by cpiblog00738 at 01:20

2016年01月30日

1993年型888コルサエンジン

014ご無沙汰していた例の1993年型888コルサエンジンです。
ヘッドを内燃機屋さんに出してバルブシートの交換をお願いしていたものが出来上がって来ました。





015バルブシートの材質はベリリウム銅です、当然ながら。
シート形状の加工はTFDで行うので、今回はとりあえずシートリングの交換だけをお願いしました。
なので出来上がって来た燃焼室はまだこんな感じで全く未完成です。
まあ急ぐものでもないので、これから暇を見て仕上げて行きます。



016ところでヘッドには必ず固有の刻印があります。
このヘッドの場合は「S」です。
この刻印は、このヘッドは1993年型888レーシングのヘッドですよ、ということを表しています。
他のモデルに関しても同様で、例えば851は「D」、888SP4と916Sには「M」、916SPは「B」、996SPSには「9C」か「T1」、というように刻印されています。
刻印が同じであればヘッドの仕様は同一と考えても良いみたいなので、その辺を調べていくとなかなか面白かったりします。
ちなみにこの件に関してメーカーは何も公表していないようなので、あくまでメーカー内部で識別のために非公式に使われているものなのでしょう。

   
Posted by cpiblog00738 at 09:32

2016年01月23日

996Rのクランクケース

砂型クランクケースの話題が出たところで面白いお話を一つ。
テスタストレッタエンジンの初号機が996Rで、このモデルのクランクケースは全て砂型が採用されていました。

005これは2001年式の996Rに付いていたセルモーターです。 
ボディーにキズがありますね。
実はこのキズはクランクケースに干渉して出来たものなのです。
当時996Rにはセルモーターの取り付け座からオイル漏れする個体が多々存在しました。
対策のつもりか、セルモーターの取り付けボルトに強力なネジロックを使用してある個体もいまだに見られますが、無駄な事です。
原因は明らかで、セルモーターボディーがクランクケースに干渉するため傾いてしまい、いくら取り付けボルトを締めつけたところで、物理的にセルモーターが取り付け座面に密着しないのです。 
オイルが漏れて当然です。 

003-1対策はこうするしかありません。 
楕円で囲んだ部分が対策した場所ですが、要するに干渉する部分をちょっと削ってやるということです。





後日談ですが、この事象の原因が明らかになりました。
メーカーにはこの砂型ケースを製作するための型だったか治具だったかが3個存在していて、それらをフルに使ってケースを製作していたのですが、 何故かそのうちの1個だけに不具合があり、それを使用して製作されたケースだけにこのようなトラブルが起こったそうです。
ということは単純に考えて996Rの3台に1台はこのトラブルを抱えているということになりますね。 
もし今お乗りのご自分の996Rを確認してみたければ、何かしらの紙切れで短冊状のものを作ってセルモーターの周りに通してみればすぐ判ります。
紙が何事もなく通れば問題無しです。

002ちなみにこれは先日入荷した砂型クランクケースですが、それ以降の砂型クランクケースはもれなくこのように最初から機械加工で対策が施されています。
   
Posted by cpiblog00738 at 21:25

2016年01月22日

もう一個来ました

014先日104mmボア用の砂型クランクケースを仕入れましたが、調子に乗ってもう1個買っちゃいました。
何せもう無いものですし、見つけたら買っとけ、ですね。
使う予定は今のところ無いですが、 このケースを使ったエンジンで走っているお客さんがいる限り、TFDとしては1個くらいの予備を確保しておくべきだと思っています。  
Posted by cpiblog00738 at 10:00

2016年01月21日

そしてバルブだって割れます

008オーバーホール中にリフェースしたバルブの当たりを点検していた時に気付きました。
右上に気になる線があります。
肉眼ではなかなか判断できませんが、私にはキズではなくクラックに見えました。 
ルーペで観察するとますますその思いが強まります。




009でも反対側を見るとそんなことも無いような・・・・。







011そこで染色浸透探傷剤の登場です。 
やっぱりクラックでしたね。
以前バルブの傘の端が二等辺三角形状に欠けているのを見たことがありますが、この手のクラックがその始まりだと確信しました。   
Posted by cpiblog00738 at 12:49

2016年01月20日

砂型クランクケースだって割れます

001抜群の信頼性を誇るスーパーバイクエンジン用の砂型クランクケースですが、それでもやっぱり割れる時は割れます。
昔の916SPのクランクケースは訳があってケースが割れやすく、街乗りしかしていないのに新車から走行6,000kmでクランクケースが割れ、リアバンクが丸ごとクランクケースから分離してしまった、というのを見たこともあります。
その頃と比較すると現在ではそうしたトラブルは皆無で、街乗りで使用する限りはまずこうした問題は起こらないと思って良いでしょう。
でもサーキット走行をメインにするとケース割れのトラブルは不可避ですね。
砂型のクランクケースは丈夫で、今迄の経験からすると、スタンダードの金型クランクケースに比べれば砂型のそれは走行距離にして約4倍ほどは耐久性が高いと思われます。
でも寿命はあるということですね。   
Posted by cpiblog00738 at 10:21

2016年01月19日

添加剤?

001テスタストレッタ系エンジンのオイルインテークのネットフィルターです。
ゼリー状というかプリン状というか、そんな物体がたくさん張り付いています。
クランクケースも分解しましたが、ケースの底(というか下面)は3mm位の厚さでこの物体に覆われています。
どう考えても良いことは無いはずです。
どんな銘柄のエンジンオイルを入れていたとしても、エンジンオイルだけではこんな事にはなりそうもありません。
おそらく原因はエンジンオイルに入れる添加剤でしょうね。
エンジン内部はそう簡単に覗けませんから、内部がこんなことになっていても気付くことはなかなか難しいです。   
Posted by cpiblog00738 at 09:07