2022年07月25日
筑波TT

思えば私がアマチュアレースに参加し始めたのは20代の頃でした。生まれて初めて筑波を走った時のバイクはベベルでしたが、実際にレースに参加した際はパンタ系のバイクからでした。そしてアマチュアレースに参加し続けて長い年月が経過し、生れて初めて筑波で公式に1分を切るタイムを記録したのは私が48歳の時でした。アマチュアレーサーにとって筑波の1分切りは夢のような遠い目標だったので、これで自分のレースはアガリ。これからあとはオマケだ、と本気で思いました。
しかしそれから10年後の58歳の時にこのタイムを更新しました。この時のタイムが自分の生涯におけるベストタイムです。(今のところ、と言っちゃいます)その翌年は59歳59秒台を目標に走行して、レースの予選や決勝で2回その目標を達成できました。これで本当にアガリだと思っていたのですが、その5年後の去年の筑波選手権において再度1分切りのタイムを記録することが出来ました。今更ながら「継続は力なり」という言葉の重みを噛み締めることとなっています。レースに限らず何事においても、こうしたい、こうありたい、と思うことがまず最初にありきだと思いますが、まさにその通りだと思います。強く欲して、それに向かって自分なりに努力し続けること、となりますでしょうか。

そういえばこんな話を聞いたことがあります。ちょっと昔のことですが、アメリカのデイトナウィークに行われた旧車レースでヤマハのTD-3というバイクで人生初優勝を遂げたおじいちゃんライダーがいたそうです。この方は若い頃にTD-3を新車で購入してレースに参加するようになりましたが、なかなか結果が付いてこなかったらしいです。ちなみにTD-3とは1970年代前半に販売されていたヤマハの市販レーシングマシンでTZ250の前身です。そのバイク一筋でレースを続けていくうちに時は流れていつの間にか最新の市販レーサーだったTD-3が思いっきり旧車になってしまったんですね。それでとうとう優勝する順番が回ってきた。良い話だと思います。
まあレースというのは結局その時に走っていた周りのメンバー次第という要素が大きいと自分は思っています。その時に自分より速いメンバーがいなければ自分が優勝、そうでなければそれなりの順位、ということです。もちろん複雑なあらゆる要素が絡み合ったうえでのレース結果ではありますからそう簡単に結論付けることは出来ませんが、自分は上記のように単純に考えることが多いです。長くレースを続けていると良く判りますが、自分より明らかに速い人が沢山存在するという事実から目をそらすことは不可能です。そうすると始まる前から優勝の可能性がないレースはつまらないじゃないか、という話になりますが、そんなことは決してありません。レースは自分との戦いに帰結すると自分は考えています。例えばあるレースでぶっちぎりの優勝を遂げたとしてもタイムが自己ベストには全く届かなかったとすれば、優勝は嬉しくてもその喜びはそれなりで大したことはありません。逆にレベルの非常に高いレースに参戦して結果は周回遅れになってしまったとしても、それまでの自己ベストを大幅に更新できた、というような状況となれば自分としてはその方が嬉しさ、達成感、満足度、次回へのモチベーション、その他あらゆる要素に於いてぶっちぎりに上です。そういった意味で自分よりも速い人と一緒に走りたいという欲望が強いです。レースという場は大げさに言えば自分の限界を高めることが出来る現在においては非常に稀有な場所です。若い頃は勢いで行っちゃうような状況も散見されてその結果転倒したりすることも多いですが、この歳になると転倒ははっきり「悪」だと言い切れますから、かえって自分を高めるハードルは若い時よりも高いと思います。
自分の場合は何はともあれ体が言うことを聞くうちは走り続けるつもりです。
Posted by cpiblog00738 at
10:53
2022年06月20日
Supermono

ところでSupermonoは今となっては非常に珍しいバイクで、写真は見たことがあるが実物を見るのはこれが初めてです、という声も随分いただきました。我々のピットにこのバイクを見にいろいろな方が訪れてくれたのですが、一点だけ気になることがあったので書かせていただきます。
世間一般の常識では見ず知らずの人のバイクを写真撮影する時には通常「写真撮っても構いませんか?」という感じで一言声をかけるのが当たり前ですよね。少なくとも私の認識ではそうです。ところが何の断りも挨拶もなしで勝手にバシャバシャ写真を撮って去っていく人が沢山いて、驚くとともにそのことで自分は結構不機嫌になってしまいました。悲しいことに印象としてはどちらかというとそういった人の割合の方が多かったかもしれません。自分的には信じられません。日本人ってこんなだったっけ?それともバイクが好きな人は個性が強い人が多いのでこんななの?中には何の断りもなくいきなりバイクに張り付いて長時間にわたって舐めるように接写状態で詳細な写真を撮り続ける人まで出現しました。さすがにこの人には一言声をかけさせていただきましたけど。着ているシャツからこの人が何処のショップのお客さんかは何となく想像が付きましたが、こんな行為をしていてはそのショップの品格迄貶めてしまいますよ。TFDのお客さんの中には旧知の仲なのに、SNSには出しません、あくまで自分だけで見て楽しみますから写真撮って良いですか?と聞いて下さる方さえもいらっしゃいます。うちはお客様に恵まれていて幸せです。感謝しかないですね。
また別件ですが、今回もFISCOの長いストレートでの接触事故が発生しました。原因は明らかで、追い抜かれる側のストレートでの進路変更です。FISCOのストレートでは速いバイクの場合300km/hに近いスピードが出ます。このスピードでスロットル全開の走行をしていると急な進路変更は不可能です。追い越す寸前で追い抜かれる方のバイクが進路変更して自分の進路に入ってきたらそれを避けることはほぼ不可能です。速度の遅い側の言い分としては、自分は後が見えないのだから避ける義務は追い越す側にある、と言うかもしれませんが、それは完全な間違えです。相対的に速度が速いバイクもそうですが、特に相対的に遅いバイクの場合はストレートでの進路変更は厳禁ですとあえて言います。それは何より自分の身を守るためにそうする必要があるということです。例えば自分のバイクの最高速200km/hでその時にFISCOを走行しているバイクの中では遅い方だとしても、その走行時間には50ccの最高速100km/hが精一杯のレーサーも走っていて、それがストレートエンドで前にいて不自然な進路変更をしそうな怪しい動きをしているという状況を想像してみて下さい。私の言っていることが判ると思います。
また特に最高速のあまり速くないバイクの場合、FISCOの最終コーナーを立ち上がってバイクが直立したらその時のラインを守ったまま1コーナーを目指してください。自分のバイクはあまり速くないと認識しているのにたまたまアウトいっぱいで立ち上がってしまったとしても、あわてて走行ラインをイン側に振る必要はありません。それはかえって危険極まる行為となります。後ろの速いバイクはインから抜きにかかりますから接触の可能性が非常に高いです。この場合はアウト一杯のまま1コーナーまで走るのが一番安全です。速いバイクはストレート上でイン側から勝手に追い抜いて行ってくれます。また、ストレートで真ん中あたりのラインを走り続けた後にブレーキングポイント近くになってラインをアウトに振る行為もよく見かけますが、これも非常に危険です。後ろから来る速いバイクが300km/hくらいのスピードからフルブレーキングで侵入してくる場合、当然ながらその状況での進路変更は不可能です。前にいる追い越すバイクがそれまでストレートの中央を走行しているのを見てアウトから進入していたとすると、いきなりその前に出てこられたら100%突っ込みます。
サーキット走行での常識は一般公道のそれとは大きく異なる場合も多いです。自分が突っ込まれたり突っ込んだりしないためにはどのようなことを心掛けるべきなのか、相手の立場になったつもりで考えれば解りやすいと思います。サーキットなので目的は速く走ることです。それを前提とした上でいかに自分の身を守るかを考えて欲しいと思います。それは自分だけでなく相手の身を守る事にもなります。サーキットでの事故が多いとサーキットに対する世間一般の印象が悪くなります。サーキットを走行したいと考える人の新規参入も妨げます。我々はレースもするけどそれは趣味で、目的は楽しむことです。速く走る事だけではなく、安全に楽しむことが大切です。
Posted by cpiblog00738 at
20:23
2022年04月29日
28年前ですか
こんなのあるよ、とイタリアの友人から連絡が来ました。
5:33あたりですね。若いです!
当時は何とも思わなかったんですが、今改めて考えてみるといろいろな意味で凄いところにいますね。今まで誰も知らなかったポット出のプライベートチームとライダーです。
第1ヒートのレースでは1周目、2周目ともに6位で帰って来て3周目に転倒、再スタート。ほぼ最後尾の36位から21位まで追い上げてチェッカー。帰ってきたバイクを見たら転倒時に左のステップバーが無くなっていて、シフトレバーも曲がってあらぬ方向を向いていました。「左足はサイレンサーの上に置いて、シフトは曲がったレバーを蹴り込んだり蹴り上げたりして運転してたッス」とのことでした。あきれ返るほど凄いヤツでした。
レースウィークの練習走行時にコース上で初めて芳賀選手に遭遇したフォガティ選手に、「あいつは誰だ!」と言わしめた、という逸話を思い出しました。
Posted by cpiblog00738 at
08:27
2021年10月09日
59秒台

今日のレースではこの後マシントラブルが発生したために18周のレースの12周目でリタイヤとなってしまいましたが、またこのタイムに返り咲いたということでモチベーションアップしました。私の今年のレースはこれで終了ですが、来年のレースが待ち遠しいです。やるべきことは山積みですが、仕事の合間にいかにしてそれを消化するかが一番の課題でしょうか?まだまだ頑張りますよ!
Posted by cpiblog00738 at
19:58
2020年12月27日
Supermono レース用カウル

バイクは既に9月にFISCOで初走行を済ませています。FISCOはオイル受けがどうのこうのとか、うるさいことを言いません。古き良き時代の要素を残した私が一番好きなサーキットです。来春からは筑波でも走行してみようと思っています。
Posted by cpiblog00738 at
00:56
2020年11月21日
新品スイングアーム

純正マグネシウムスイングアームには前期型と後期型があって、2001年の996RSまでが前期型、2002年の998RSからが後期型です。どこが違うかというと、当時の流れでタイヤの外径と幅が大きくなる傾向に対応してそうした大型化したタイヤに対応する形状に変わりました。今となってはそれでも大きさが全く足りないのですが。
Posted by cpiblog00738 at
19:05
2019年08月26日
8枚羽のフライホイール


電気周りに関してはOKならOK 、NGならNG、と物事がはっきりしている印象が有りますが、今迄OKだったものがある時を境にNGになってしまう、ということを極稀に経験します。今回もその一連の出来事だったのでしょうか?しかし今まで4枚羽で問題無かったのが8枚羽の部品を入手したタイミングで問題発生という、何か不思議な出来事でした。
Posted by cpiblog00738 at
13:20
2019年07月05日
レーシングパーツ


ピックアップ用のトリガー(羽)の数も通常とは異なります。普通は4枚羽なのですがこの部品は倍の8枚羽です。これについては使用しているECUが対応出来なければ使いようが無いのですが、こうすることによってより細かな制御が可能となります。自分のバイクはMotec制御なのでこの辺は何とでもなります。そのうち付け替えて試してみますが、果たして私がその違いを体感できるのでしょうか?
Posted by cpiblog00738 at
11:18
2019年01月31日
鍛造ビッグブレンボ
レストア中の926レーシング用にキャリパーを調達しました。元々の純正は40mmピッチ削り出しの2ピースビッグブレンボだったのですが、当時はこのブレーキシステムがデリバリーが開始されて間もないタイミングで、使用しているといろいろと初期トラブルが出現しました。主に問題はキャリパーではなくローター側に発生していたのですが、その対策としてキャリパーとローターを普通のレーシングキャリパーと鋳鉄ローターの組み合わせにしてレースをしていました。という訳で926レーシングのオリジナル状態に戻すためにはとりあえず2ピースビッグブレンボのキャリパーが必要となったわけです。通常であればこの手の中古部品は在庫していることが多いのですが、今回はたまたまそういったものが無かったので新たに調達する必要がありました。
最初は新品を購入しようとも考えましたが、たまたまヤフオクでこのキャリパーを見つけて購入し、ブレンボジャパンにオーバーホールに出して先日戻ってきたところです。
これが今回調達したキャリパーです。鍛造品の2ピースビッグブレンボです。モノとしてはかなりのレアアイテムです。元々はホンダの市販レーシングマシンであるNSR500Vというマシンの純正部品として企画設計されたものですが、鍛造時に鍛造の型にかかるストレスが半端ではなく、型がすぐにダメになってしまうので型を製造する業者がお手上げしてしまい実際に生産された製品の数量はかなり少量だそうです。ブレンボの人によると生産したのはせいぜい100セット程度ではないかということです。当時は削り出し製品とは異なるのっぺりとした質感やプリントによるブレンボのロゴが不評で、不人気アイテムだったそうです。しかし鍛造ボディーですから剛性の高さも相俟って性能は文句無し。今回は良いものを入手できたと思っています。
最初は新品を購入しようとも考えましたが、たまたまヤフオクでこのキャリパーを見つけて購入し、ブレンボジャパンにオーバーホールに出して先日戻ってきたところです。

Posted by cpiblog00738 at
11:59
2018年08月21日
リアハブ周りの部品を刷新しました。

Posted by cpiblog00738 at
22:10
2018年07月19日
筑波TT

無理せずに大事にしてくださいという温かいお言葉を沢山いただいて感謝の極みではありましたが、年齢的にのんびりしていると後がどんどん押して来るのでそんなわけにはいきませんでした。
で、レース当日はとにかく暑かったです。一時は路面温度が64度ということで、人間はもちろんですがどんなタイヤも正常に機能しない状況です。そんな環境でツナギやヘルメット等の装備を装着した状態でいるのは殆ど拷問でした。表彰台の自分を見ても額の血管がブチ切れそうになっていますね。(笑)
後日動画サイトで当日のレースのオンボード映像をいろいろと鑑賞しましたが、面白いことに気付きました。トップグループの人達は別ですが、中段以降の人達の場合は全10周のレースのうちの7周目あたりから急に「止めた」ような走りになるんですね。動画を見ていて、今チェッカーが降られたのか、と思うのですがそのまま次の周も走り続けるのです。あ、まだチェッカーじゃないんだ、という感じで、要するにライダーの電池切れ状態です。いかに過酷な環境であったかということですね。そんな中、トップグループの人達は全くペースが落ちません。変態です。
Posted by cpiblog00738 at
20:16
2018年03月13日
自分用競技車両
随分前にクランク、コンロッド、ピストン、という主要部品3点は用意できていたのですが、そのまま暫く放置状態が続いていました。2018年シーズンの開幕までに完成を間に合わせることが出来るかどうか自信が無かったのです。最悪の場合は去年までのバイクのままで行くしかないのですが、新しいエンジンは今までのエンジンの部品もかなり流用するので、作業を開始すると今まで使用していたエンジンもバラバラになります。つまり元の状態には戻れない、作業を開始した場合後戻りは出来ないということです。
しかし自身の年齢を考えるとのんびりしている余裕はありません。やるしかないです。ということで作業に着手しました。おかげでここ最近はこれにかなりの時間を費やすことになり、他の仕事が手に付きませんでした。
作業の様子を以下に紹介します。ちなみにベースエンジンは1098Rです。
クランクシャフトです。1098Rの部品ではなく普通の1098の部品ですからストロークは64.7mm。ヘビーウエイト入りのバランス取りが施されています。
コンロッドです。パンクル製の削り出しチタンコンロッド。61と62の数字はクランクピンとのメタルクリアランスで、それぞれ0.061mmと0.062mmということです。992や994といった数字は使用することになったハーフベアリングの厚さで、例えば992なら1.992mmということです。通常目にするノーマルのハーフベアリングの厚さは1.5mmですから、これらの2mmという厚みはかなり特殊です。昔のRSの部品です。クランクピンの直径は42mmで変わりありませんから、コンロッドのビッグエンドの内径が大きいということですね。それに伴いコンロッドボルト2本のピッチも若干広くなっています。
クランクにコンロッドを組んだところです。今この時点ではこれらの部品の組み合わせでエンジンが成立するのかどうか、まだ不確定要素があります。
とりあえずクランクケースの中にピストン、コンロッド、クランクを仮組してみて問題なく回転するかどうか確認していますが、やはり干渉する部分が存在しました。クランクケースとシリンダは1098Rの部品です。1098Rのクランクシャフトはウェブの径が若干小さいということですね。ここまで来たら後戻りは出来ないので今回はシリンダ側を削ってしまいます。次回、同仕様のエンジンを製作する機会があるとすれば、クランクのバランスをとる前にウェブの方を削ることになりますが。
クランクケースを組み立てる下準備が整いました。。使用するミッションはDP部品としても販売されていた1098RSのレーシングミッションです。従来のレーシングミッションとギア比は同一ですが各部に改良が施されています。ドッグの形状が変わっていますし、かなりの軽量化も施されています。
エンジン右側です。こちらはかなりノーマル然としています。
エンジン左側です。こちらはノーマルとはかなり眺めが異なります。Motecによってエンジンの制御を行いますからエンジンの回転信号とカムタイミングを別々のピックアップで拾うためにピックアップが2個必要で、その結果このようになります。
ヘッドの作業に取り掛かります。まずはバルブガイドをTFDオリジナルのベリ銅製に交換し、その後バルブシートをリフェースしています。手前のシートは加工前でオリジナル状態、右奥がリフェース中、左奥がリフェース終了した状態です。TFDの場合当たり幅はオリジナルより狭くしています。
ヘッドが完成し、組み立て前の状態です。ヘッドは1098Rの部品なので組み込むバルブは6mmステムのチタンバルブです。通常チタンバルブの場合はバルブフェースのリフェースはおろか、バルブシートとのすり合わせも厳禁とされています。その理由はそうした行為を行うとチタンバルに施されている硬質の酸化皮膜が削れて無くなってしまうからです。
しかし私の場合はレース仕様の場合に限り、バルブの状態に少しでも疑問があれば躊躇なくリフェースを施してしまいます。その場合バルブの酸化皮膜は当然ながら削り落とされてチタンの材質そのものが露出して直接バルブシートに当たるようになりますが、そんなことはお構いなしです。バルブとシートがちゃんと当たることこそが本来の目的です。
これをやってしまうとバルブスプリングを用いたエンジンではバルブフェースがバルブシートに激しく叩きつけられるようで硬質酸化被膜が無いバルブフェースは急速に摩耗が進むと聞きますが、私の経験上ドゥカティのデスモドロミックの場合はどうもそんなことは無いようで、オーバーホール時に確認しても大したダメージが見受けられないことが多いのです。例えば1999年以降ドゥカティの市販レーシングマシンにはチタンバルブが使用されていましたが、1999、2000、2001年型のチタンバルブには表面のコーティングがありませんでした。表面はチタンそのものです。それでも定期的なオーバーホールで状態を確認しながら継続使用していましたが特に問題が起こることは無く、チタンバルブといえども普通の感覚でハンドリング出来ていました。
ちょっと飛びますが、既にエンジンは大体組み上がりバルブタイミングの調整も済んでいます。カムはレースキット用のカムなので基本的にノーマルの1098R用とプロフィールは同一のはずですがノーマルとは指定されているバルブタイミングが若干異なります。簡単に言えばオーバーラップを大きくとるようなタイミングです。このエンジンはストロークも本来と異なるのでバルブリセスとバルブのクリアランスを確認しました。バルブリセスに粘土を付けてエンジンを組み、クランクを回転させてみるという原始的な方法です。黄色い粘土にバルブの跡が付いていますが、さすがに問題はありませんね。
1098Rのストロークダウン仕様なので当然ですが圧縮比も確認しています。燃焼室容量とピストン上面の容量を実測し、スキッシュの容量も含めて計算します。その結果圧縮比は13.5前後でした。予想よりもかなり高いです。通常単純にストロークダウンしただけだと圧縮比はかなり落ちますからね。ちなみにこのエンジンに1098Rのノーマルピストンを組んだと仮定して計算すると圧縮比は12.8となりました。また今回使用したピスタルのピストンをノーマル状態の1098R(1198cc)に組んだらどうなるかと計算してみたところ、その場合はなんと圧縮比は14.2です。
ただし実のところベースとして今回使用した中古の1098Rエンジンですが、既にヘッドの面研が施されていたであろうと私は認識しています。それは目視でのヘッド面の風合いと上記の圧縮比の件からそう思っています。
さて、エンジンが完成し、車体にも載った状態になったのでシャシダイを使用してマッピングに取り掛かります。ニューエンジンのマッピングをイチから始める場合、通常はまずエンジンが始動するまでに高いハードルがあります。初爆を得るまでが大変で、一旦エンジンがかかるようになってしまえば一安心なのです。特にドゥカティの場合はエンジンがかかりにくい状態でいろいろトライしているとスターターのワンウェイクラッチがすぐに壊れてしまいます。この件を当初からかなり不安に思っていたので、エンジンのかかりが良さそうなマップを製作したりして用意周到な状態でエンジンの始動にチャレンジしました。とりあえずは今迄使用していたマップを基に作業開始しましたが、幸運なことにあっけなくエンジンの始動に成功し、マッピングを順調にこなすことが出来ました。
シャシダイセッティングのグラフですが、3段あるうちの上段が馬力、中段が1番シリンダの空燃比、下段が2番シリンダの空燃比です。このグラフはこんなもんだろうという最初に作成したフューエルマップでの結果です。%の表示はスロットル開度です。もっとひどい結果になると予想していましたが意外とちゃんとしています。このままでも走れそうです。スロットル開度によっては馬力のグラフの線が鋸歯のようにギザギザしていますが、これはシャシダイが自動で負荷をかけたり抜いたりして回転上昇をコントロールしているためにこういった表示になります。当然ですが馬力を正しく表示していません。
何度かマップに修正を施した後に計測したグラフです。空燃比はかなり揃ってきています。
最後にスロットル全開のグラフです。去年まで使用していたエンジンと今回のエンジンの比較です。青線が去年まで使っていたエンジン、赤線が今回製作したエンジンです。表示されている馬力の数字が本当に正確かどうかはさておき、単純に言えることは去年のエンジンよりも最高出力が15馬力増えた、ということです。この後はとりあえず実走して詰めていくことになります。
ここで新たな不安が頭をもたげてきました。最新バイクと違ってトラクションコントロールややウイリーコントロールなんかは存在しない野獣のようなバイクです。果たして俺にちゃんと扱えるのだろうか?
しかし自身の年齢を考えるとのんびりしている余裕はありません。やるしかないです。ということで作業に着手しました。おかげでここ最近はこれにかなりの時間を費やすことになり、他の仕事が手に付きませんでした。
作業の様子を以下に紹介します。ちなみにベースエンジンは1098Rです。









しかし私の場合はレース仕様の場合に限り、バルブの状態に少しでも疑問があれば躊躇なくリフェースを施してしまいます。その場合バルブの酸化皮膜は当然ながら削り落とされてチタンの材質そのものが露出して直接バルブシートに当たるようになりますが、そんなことはお構いなしです。バルブとシートがちゃんと当たることこそが本来の目的です。
これをやってしまうとバルブスプリングを用いたエンジンではバルブフェースがバルブシートに激しく叩きつけられるようで硬質酸化被膜が無いバルブフェースは急速に摩耗が進むと聞きますが、私の経験上ドゥカティのデスモドロミックの場合はどうもそんなことは無いようで、オーバーホール時に確認しても大したダメージが見受けられないことが多いのです。例えば1999年以降ドゥカティの市販レーシングマシンにはチタンバルブが使用されていましたが、1999、2000、2001年型のチタンバルブには表面のコーティングがありませんでした。表面はチタンそのものです。それでも定期的なオーバーホールで状態を確認しながら継続使用していましたが特に問題が起こることは無く、チタンバルブといえども普通の感覚でハンドリング出来ていました。

1098Rのストロークダウン仕様なので当然ですが圧縮比も確認しています。燃焼室容量とピストン上面の容量を実測し、スキッシュの容量も含めて計算します。その結果圧縮比は13.5前後でした。予想よりもかなり高いです。通常単純にストロークダウンしただけだと圧縮比はかなり落ちますからね。ちなみにこのエンジンに1098Rのノーマルピストンを組んだと仮定して計算すると圧縮比は12.8となりました。また今回使用したピスタルのピストンをノーマル状態の1098R(1198cc)に組んだらどうなるかと計算してみたところ、その場合はなんと圧縮比は14.2です。
ただし実のところベースとして今回使用した中古の1098Rエンジンですが、既にヘッドの面研が施されていたであろうと私は認識しています。それは目視でのヘッド面の風合いと上記の圧縮比の件からそう思っています。




ここで新たな不安が頭をもたげてきました。最新バイクと違ってトラクションコントロールややウイリーコントロールなんかは存在しない野獣のようなバイクです。果たして俺にちゃんと扱えるのだろうか?
Posted by cpiblog00738 at
16:23
2017年09月11日
筑波TT

で、肝心のレースですが、なんとスタートでエンスト!!!後ろの方々に追突されてもおかしくないような状況だったのですが、皆さんうまいこと避けていってくださって大感謝です。心からお礼を申し上げます。次からはこのようなことが無いようにしますのでご勘弁を!
レースは結果的に総合で5位だったのですが、当然ながらトップは遥か彼方です。トップグループの人たちと一緒に走りたかった・・・・。
Posted by cpiblog00738 at
19:41
2017年06月26日
自分用NEWエンジン
先日筑波TTのレースがありました。今回のレースはBOTTクラスとMIPクラスが混走だったので、4気筒の外車勢も一緒です。1000ccの4気筒ですから速いんですね、そのバイク達。いったん前に出られるとパスすることはなかなか難しいものがあります。
自分のレーススタイルを正直に申し上げると、「コーナーを抜かれない程度に走って直線で前に出る!」というものですから、自分のバイクよりも直線が速いバイクがいると非常に困ったことになるわけです。(笑)自分の走行技術のレベルはせいぜい「並み」程度と自覚していますが、商売柄?自分のバイクを速くすることは出来ます。なので同じ2気筒同士であればこの自分のスタイルはそれなりに通用することが多いです。しかし4気筒が相手となると・・・・。今回もS1000にはてこずりました。
ということで、以前から温めていたエンジングレードアップの計画を実行に移そうと思っているところです。あとは実行する時間がとれるかどうかが一番大きな問題ですが。
とりあえずエンジンの主要部品であるクランク、コンロッド、ピストンは揃いました。クランクは1098純正を加工したヘビーウェイト入り。ピストン、コンロッドに合わせてバランス取りが完了しています。ピストンはピスタル製の1098R用φ106mm。コンロッドはパンクル製。削り出しのチタンコンロッドで、通常のモデルと異なり2mm厚のハーフベアリングを使用するタイプです。経験的にハーフベアリングが厚い方がコンロッドとメタルが接触する面のダメージが小さいので、それを期待しています。
ベースエンジンは1098Rですが、今回製作するエンジンの仕様を判りやすく言うと「1098のボアアップ仕様」もしくは「1098Rのストロークダウン仕様」ということになります。1098Rのままではイマイチ面白くないのと、1098Rのエンジン特性は下からパワーがありすぎて自分の腕では扱える自信が無いからです。
続きは乞うご期待、ということで。
自分のレーススタイルを正直に申し上げると、「コーナーを抜かれない程度に走って直線で前に出る!」というものですから、自分のバイクよりも直線が速いバイクがいると非常に困ったことになるわけです。(笑)自分の走行技術のレベルはせいぜい「並み」程度と自覚していますが、商売柄?自分のバイクを速くすることは出来ます。なので同じ2気筒同士であればこの自分のスタイルはそれなりに通用することが多いです。しかし4気筒が相手となると・・・・。今回もS1000にはてこずりました。
ということで、以前から温めていたエンジングレードアップの計画を実行に移そうと思っているところです。あとは実行する時間がとれるかどうかが一番大きな問題ですが。

ベースエンジンは1098Rですが、今回製作するエンジンの仕様を判りやすく言うと「1098のボアアップ仕様」もしくは「1098Rのストロークダウン仕様」ということになります。1098Rのままではイマイチ面白くないのと、1098Rのエンジン特性は下からパワーがありすぎて自分の腕では扱える自信が無いからです。
続きは乞うご期待、ということで。
Posted by cpiblog00738 at
13:01
2017年04月24日
筑波TT

今日はお天気もまあまあ。レース日和と言えるでしょう。もちろん私もBOTTのWCTクラスにエントリーです。目標は順位よりもタイムで59秒台を記録すること。エイジシュートです。

さて、参加者の皆さんがそろそろ予選が始まるということで準備に取り掛かり始めた頃です。コース上で行われた他クラスの予選が赤旗中断。何が起こったかと情報を確認すると、オイルを撒いて1周以上走行したヤツがいて転倒車両続出。コース清掃のためしばらく予選中断とのこと。
いきなり参加者全員のテンションが下がって不機嫌状態に。自分の場合も目標はタイムを出すことなので、コース全周オイル処理ではいきなりやる気ゼロです。
そんな中でWCTクラスの予選が始まりましたが、やはりコース上には要所要所に石灰やおが屑のオイル処理跡があってまともなラインを走れません。とりあえず予防線を張ってということでしょうが、全てのポストでオイルフラッグを振っています。「全ポストでオイルフラッグを振るんだったらそんな状態で予選なんか走らせるんじゃねえよ!」みたいな精神状態での予選開始でした。まともなタイムを出そうとすると何処かで必ずオイル処理跡を横断することになるのですが、何処を通れば安全ではないにしろ大丈夫なのか、それが最重要課題の走行です。しかしそんな状況でもタイムを出す人はちゃんと出すんですよね。特殊な才能だと思いますが、それを持ち合わせていない我々にとってはなかなか理解できません。悔しまぎれにそういう人たちを「アタマの悪い人」と呼んだり「予選順位は頭の悪い順」などとおちゃらけては大変失礼ではありますが、自分もちょっとはそういう人たちの仲間に入りたいと思ったりもします。無理だけど。
自分の予選タイムは0秒台真ん中くらいであのコースコンディションにしては上出来でした。 終わってみれば結構グリップ有ったよね、という印象で、それは実はオフィシャルの方々が一生懸命オイル処理をしてくれたおかげなわけで、今度は感謝です。感情がコロコロ変わります。(笑)
で、次は決勝レースです。もうコース上のオイルもそれなりにこなれて気にしなくても良い状態になった感じで、よし頑張るぞ、という感じだったのですが、ウォームアップラップでまた事件が発生です。数台前を走っていた1台がダンロップの右で派手にスリップダウン。あの転び方は何かに乗って滑ったという転倒でした。おまけにそのあと後ろの方で裏ストレートでも転倒があり、結局スタートディレイに。「ただいまオイル処理中です」というアナウンスにまたテンションが下がります。
そこで再開を待っている間に何気なく 1コーナー方面に目をやると、何やらオフィシャルの方々が忙しく働いています。何をしているのかよく見ると、何と皆でデッキブラシを使ってコースをゴシゴシ清掃しているではないですか!「えええ!!今あそこに滑るものがいっぱいあるってこと!?今から俺たちレーススタートしてそこに突っ込んでいくんだぜえ!?」これは精神的に結構効きましたね。
おかげでレースのスタートは失敗で何台かに抜かれ、おまけに1コーナーの進入速度もかなり控えたのでそこでも何台かにかわされ、1コーナーを立ち上がったら順位は9位でした。周りのみんな、頭悪すぎです。(笑)
やっと頭がレースモードになったところで順位を取り戻すべく頑張って走り、決勝レースの結果は総合で4位でした。決勝中のベストラップはかろうじて1分を切ったので、今回も目標達成です。めでたしめでたしの結果で良かったです。
後で思ったのですが、スタート前1コーナーでの オフィシャルのデッキブラシパフォーマンス、結果的にスタート直後に有りがちな1コーナーでの多重クラッシュを防いだかもしれません。全員少しは抑えて1コーナーに入っていったような気がしますから。スタート直後の1コーナーでのクラッシュ防止にはデッキブラシパフォーマンスが有効かも?でも何時もやっていたら効果は無くなるどころか、今度は1コーナーは路面がきれいだから思いっきり行ってOK、となるかもしれませんね。(笑)

Posted by cpiblog00738 at
12:02
2016年12月28日
帰って来た926

随分前から買い戻したいと思ってはいたのですがなかなか思ったようにいかず、今回やっと念願叶ったというわけです。
ただ、やはり長期間放置されただけあって状態ははっきり言って良くありません。何から何まで全てをフルオーバーホールというか、フルレストアする必要があります。しかし言い方を変えれば、保存状態は悪かったとはいえ20年間所持していてくれただけでも感謝するべきとも言えます。
完璧に蘇らせた暁には、まずは自分が乗ってレースに出るのが目標です。当時芳賀選手はこのバイクで筑波のベストが58秒台でしたから、自分的には1分1秒台くらいが目標でしょうか?

当時のことを思い出してみると、94年の全日本では93年型888レーシングとこの94年型926レーシングの2台を使ってレースをしていました。ただライダーがよく転んでバイクを壊すもので修復が間に合わず、実質的にはこの2台を2個イチにしたバイク1台でレースをしていたように思います。シーズン終了後に時間が出来たところで各々1台ずつをちゃんと復活させて2台とも売却しました。93年型の方はその後も全日本等のレースに出ているのをよく目にしていましたが、そのうち何処かへ売却され、行方が分からなくなってしまいました。あろうことか一度何とヤフオクで出品されている変わり果てた姿を目にした記憶がありましたが、それでもあの時買っておけば良かったと今でも思います。
Posted by cpiblog00738 at
01:22
2016年10月30日
20161029筑波選手権 TC-Formula

筑波選手権の最終戦、クラスはTC-Formula、要するに何でもアリのクラスです。
何時もならこのクラスはJSB等との混走になるのですが、何故か今回はエントリーが多くて単独開催のクラスとなりました。
バイクは何でもアリで縛りが無いクラスなのに、何故かタイヤだけ溝付きという縛りがあって、そのためにスリックタイヤで走る自分は賞典外出走ということになりました。
バイクが何でもアリならタイヤだって何でもアリでいいじゃん、と思うのは私だけでしょうか?
国産溝付きプロダクションレース用タイヤはしかるべき所でしかるべき手続きを行わないと購入が出来ませんが、スリックタイヤなら例えばネット通販でも入手可能なくらいで誰でも購入が可能です。
そういった意味で入手に関してはスリックタイヤの方が格段に容易です。
公平性に拘るが故のレギュレーションであるなら、完全に時代遅れというか間違いですね。
そもそも現代のプロダクションレース用溝付きタイヤというものは完全にレース専用としてメーカーが製作しているシロモノで、公道用ではありません。
国産メーカー製品の場合、この類のタイヤ購入に関しては、何時何処のサーキットで何に使用する、ということを申請することが必要なことからも、メーカーが自ら認めている程それは明らかです。
元々公道用のタイヤが必要に迫られて特殊な進化を遂げた「奇形タイヤ」ですね。
だったら最初からレース専用のスリックタイヤの方が潔いし、カッコ良いと思うアマチュアライダーも多いと思います。
それに例えば自分程度のアマチュアレベルではスリックだろうと溝付きだろうとタイムに大差は無いと思います。
いい歳をしたおっさんの趣味なんだから好きなタイヤを履かせてくれたっていいじゃん、というのが自分の正直な想いです。
レースの主催者側には依然として「初心者は公道用溝付きタイヤ、スリックは上級者のみが使用できる」みたいな,TT100のタイヤ時代のままの意識があって、いまだにそういったことに拘るんでしょうね。
でも昔ならエントリーさえ受け付けられなかったでしょうが、今は章典外とはいえ走らせてくれるのですから感謝してもいますけど。
その辺のことはさておき、今回のレースの最も大きな目標はエイジシュートのタイムを記録することです。
(要するに59歳で59秒台を出すということです)
でもこの日は路面コンディションがあまり良く無いようでした。
直前に行われていた国際ライセンスのライダーが走るJSBクラスの予選タイムを見てもそれは明らかで、タイムは何時もより少なくとも0.5秒以上は落ちているようでした。
正直に言って目標達成はちょっと厳しいかな、と思いました。

59秒963
かろうじて59秒台にかすりました。(笑)
それでも59秒台は59秒台。
立派に目標達成です!
「よーし、今日はこれにて終了、みんな、飲みに行くぞ!」
自分的にはそんな気分ではあったのですが。(笑)
一応真面目に決勝レースに備えます。

決勝の後半は一台の後続車にピッタリと付かれて、いつ抜かれてもおかしくない状態だったのですが、当の本人はそれに全く気付いていませんでした。
自分の場合レース中に後ろを振り返って確認することは皆無で、唯一2ヘアの立ち上がりで視野の右端に2ヘアに進入してくるバイクが見えるのが唯一の後方の情報です。
この時はそれが見えなかったので後続はそれなりに離れているのだろうと思っていましたが、実は直後にピタリと張り付いていたので視野に入らなかったのですね。
そういえば思い返してみると自分の排気音に不協和音が混じるように感じたことが何度かありました。
最近のR1は排気音が低いので自分のバイクの排気音と混じって不協和音として聞こえたのでしょう。
15周目あたりでしょうか、確か1ヘアを立ち上がってのダンロップの侵入だったと思いますが、アウトから横に並ばれて初めて後続車の存在に気付いてびっくり!
横に並ばれた瞬間、そのライダーから「こらー、おせーぞ!ちゃんと走れー!!!」とこっちを向いて気合を入れられた気がして、いきなり心が引き締まりました。
それまでは前との差も縮まらないし、後ろも居なさそうだし、と、ある意味気の抜けた巡行走行状態だったのですが、いきなり緊急事態を認識しました。
このレースでのベストラップは次の16周目でした。
やはり人間追い詰められないとダメみたいです。
おかげで何とか順位をキープしてゴール出来ました。
話は変わりますが、自分が趣味でレースを始めてから既に30年、その中で今が一番充実しているし結果も出ていると思います。
その要因は長年の経験や、積み重ねてきたハードウェアに関する技術によるものがあるのは勿論ですが、その上にある一番大きなものは「追い詰められている」ことではないかと最近思ったりします。
6月のレースでこの年齢になって1分切りを達成した時、人間というのは追い詰められればこのくらいのことは出来るもんだ、と改めて思い直しました。
何に追い詰められているかというと、それは「自分の年齢」です。
僅か10年前には考えもしなかったことですが、今は自分に残された時間というものをとても意識します。
あと何年レースが出来るのか、1年に3回レースに出れたとして5年でたった15回。
そもそもあと5年も体力的にレースが出来るのか?
そう思うと何事に関しても、やりたいこと、やらなければならないこと、は今やらないと、という思いを強くします。
そして大事なことのためには犠牲にしなければいけないことが存在することも理解する必要があります。
またそれに伴って周囲に対する感謝の思いも大きくなります。
今の年齢でまだレースが出来るような肉体を与えてくれた神様と両親に感謝しています。
レース活動は周囲の人たちに支えられて初めて出来るものなので、関わりあう人々にも感謝です。
こんな自分を支えてくれて好きにさせてくれるパートナーにも感謝です。
そして直接私が大きく支えられているのは何といってもお客様であることは間違いありません。
特にレースをやっているお客様に関しては、皆さんが今の自分の心境になるもっと先まで、サポートし続けることが出来るように精進したいと思いを新たにするこの頃です。
Posted by cpiblog00738 at
12:51
2016年09月14日
殿堂ページをアップしました。
先日行われた筑波TTレースに於いて、コースレコード樹立とともに見事優勝を飾った辻林選手を殿堂ページにアップしました。
是非ご覧ください。
是非ご覧ください。
Posted by cpiblog00738 at
20:07
2016年09月11日
筑波TT
9/10に秋の筑波TTが開催されました。
最近天候が不順な日々が続いたのでどうなることかと思っていたのですが、幸いなことに当日は好天に恵まれました。
というか、好天過ぎて路面温度は50度を遥かに超越し、かなり過酷なコンディション。
テントの下でもバイクを触ると、まだ朝だというのに、エンジンをかけて暖機もしていないのに強烈な紫外線の影響なのでしょうか、カーボン製のタンクもシートカウルもアッチッチッ状態になる始末。
そんな状況下でツナギとヘルメットその他の装備を着込んで、まるでフライパンの上のような状態のコース上を走るというのは、殆ど変態的な行為のような気がしたのは自分だけでしょうか?
そんな中で行われた予選、自分は感触が今一つでタイムも伸び悩み、0秒542で予選順位は6番手でした。
そしてポールポジションを獲得したのは我らがツジバ選手。
この過酷なコンディションの中、999を駆り59秒164という驚異的なタイムを叩き出し、コースレコードを樹立です!
ツジバ選手のポテンシャルが本領を発揮して大きくものを言ったのは間違いありませんが、それに加えてコースレコードホルダーが999という13年落ちのバイクであるという事実!
これこそホビーレースの神髄ではないでしょうか?
ただ一言、素晴らしいと思います!
自分的には今回も59秒台のタイムを記録することを目標としてレースに臨んだのですが、その目標はかないませんでした。
今回の状況が前回6月のコースコンディションと 大きく異なることはさておき、バイクの感触がどうもしっくりこない感じで、その原因が掴めないままレースが終わってしまった感は否めません。
まあそんな事は良くあることで、前回の走行で良いタイムが出て、何一つ変更せずに臨んだ筈の次回の走行では 全くうまく行かない、という経験は良くある事で、レースをかじっていれば日常茶飯事のような気がします。
自分の場合はコースインして1周すれば、その感触で今回はイケるかイケないかは、大体判別できます。
その原因まですぐに判別できれば言うこと無しなのですが、その能力は全く有りません。
そのあたりのことをああでもないこうでもないといろいろ考えるのが楽しいところでもあるのですが。
今回の場合はリアタイヤの仕様に若干の変更があったのが大きな要因の一つだったのは確かだと思います。
これに関してはハード面で明らかに前回と異なる要素だったので、間違いは有りません。
とりあえず事前の練習で一度は試していたのですが、レースの予選や決勝のような本気モードで走らないと本質が見えてこないというのが自分の場合は確かなところです。
プロのライダーはテスト走行でそのあたりのことを正しく判断できますが、それがプロのプロたる所以です。
自分なりに考えた結果、新型の方がグリップが若干高くなっていると思われるので、その結果プッシングアンダーの傾向が出ているのではないかという結論に達しました。
決勝レースに向けて、こうすれば良くなるのでは?と思う本当に些細な変更を施しました。
それと暑い日が続く中で良く判らなくなってしまったのがタイヤの空気圧です。
最近はタイヤウォーマーを十分にかけてタイヤが完全に温まったと思われる状態で空気圧を測定し、その時の値を基準にしていました。
そして走行直後に空気圧を測定しますが、そうすると大雑把に言えば、寒い季節では走行前より空気圧は高くなっています。
もう少し暖かい季節になると、走行の前後での空気圧は同じ値になってきます。
そして暑い季節になると、走行後の空気圧の方が低くなってきます。
どうも今のような暑い季節の場合、タイヤウォーマーが効きすぎて温度が高くなりすぎるのではないでしょうか?
今回もタイヤウォーマーをかけたタイヤは強烈に温まって、ホイールが素手で持てなくなるくらいの高温になっていました。
そんな状態で基準値に空気圧を合わせて走行し、走行翌日のタイヤが常温に戻った状態でもう一度空気圧を測定すると、空気圧はびっくりする位低い値になっています。
こうしたことを考えると、空気圧の件はもう少しちゃんとした基準を決めて管理する必要があるように思いました。
決勝レースは結果的には面白く楽しめました。
今回のレース、予選も決勝も前後新品タイヤという超贅沢な仕様で臨んだのですが、少なくとも決勝では新品タイヤの恩恵をそれなりに受けることが出来たようです。
KTM勢との3位争いを何とか凌ぐことが出来て、レースの内容的には今の自分としてはベストな結果だったと思います。
でも過酷なコンディションの中、決勝レースではほぼ全員のタイムが伸び悩む中において、ツジバただ一人だけが予選とほぼ同じタイムを出して堂々の優勝を飾ったのには脱帽です。
何だかんだ言っても今日は「ツジバの日」だったのは間違いありません。
また次も頑張るぞ!
最近天候が不順な日々が続いたのでどうなることかと思っていたのですが、幸いなことに当日は好天に恵まれました。
というか、好天過ぎて路面温度は50度を遥かに超越し、かなり過酷なコンディション。
テントの下でもバイクを触ると、まだ朝だというのに、エンジンをかけて暖機もしていないのに強烈な紫外線の影響なのでしょうか、カーボン製のタンクもシートカウルもアッチッチッ状態になる始末。
そんな状況下でツナギとヘルメットその他の装備を着込んで、まるでフライパンの上のような状態のコース上を走るというのは、殆ど変態的な行為のような気がしたのは自分だけでしょうか?
そんな中で行われた予選、自分は感触が今一つでタイムも伸び悩み、0秒542で予選順位は6番手でした。
そしてポールポジションを獲得したのは我らがツジバ選手。
この過酷なコンディションの中、999を駆り59秒164という驚異的なタイムを叩き出し、コースレコードを樹立です!
ツジバ選手のポテンシャルが本領を発揮して大きくものを言ったのは間違いありませんが、それに加えてコースレコードホルダーが999という13年落ちのバイクであるという事実!
これこそホビーレースの神髄ではないでしょうか?
ただ一言、素晴らしいと思います!
自分的には今回も59秒台のタイムを記録することを目標としてレースに臨んだのですが、その目標はかないませんでした。
今回の状況が前回6月のコースコンディションと 大きく異なることはさておき、バイクの感触がどうもしっくりこない感じで、その原因が掴めないままレースが終わってしまった感は否めません。
まあそんな事は良くあることで、前回の走行で良いタイムが出て、何一つ変更せずに臨んだ筈の次回の走行では 全くうまく行かない、という経験は良くある事で、レースをかじっていれば日常茶飯事のような気がします。
自分の場合はコースインして1周すれば、その感触で今回はイケるかイケないかは、大体判別できます。
その原因まですぐに判別できれば言うこと無しなのですが、その能力は全く有りません。
そのあたりのことをああでもないこうでもないといろいろ考えるのが楽しいところでもあるのですが。
今回の場合はリアタイヤの仕様に若干の変更があったのが大きな要因の一つだったのは確かだと思います。
これに関してはハード面で明らかに前回と異なる要素だったので、間違いは有りません。
とりあえず事前の練習で一度は試していたのですが、レースの予選や決勝のような本気モードで走らないと本質が見えてこないというのが自分の場合は確かなところです。
プロのライダーはテスト走行でそのあたりのことを正しく判断できますが、それがプロのプロたる所以です。
自分なりに考えた結果、新型の方がグリップが若干高くなっていると思われるので、その結果プッシングアンダーの傾向が出ているのではないかという結論に達しました。
決勝レースに向けて、こうすれば良くなるのでは?と思う本当に些細な変更を施しました。
それと暑い日が続く中で良く判らなくなってしまったのがタイヤの空気圧です。
最近はタイヤウォーマーを十分にかけてタイヤが完全に温まったと思われる状態で空気圧を測定し、その時の値を基準にしていました。
そして走行直後に空気圧を測定しますが、そうすると大雑把に言えば、寒い季節では走行前より空気圧は高くなっています。
もう少し暖かい季節になると、走行の前後での空気圧は同じ値になってきます。
そして暑い季節になると、走行後の空気圧の方が低くなってきます。
どうも今のような暑い季節の場合、タイヤウォーマーが効きすぎて温度が高くなりすぎるのではないでしょうか?
今回もタイヤウォーマーをかけたタイヤは強烈に温まって、ホイールが素手で持てなくなるくらいの高温になっていました。
そんな状態で基準値に空気圧を合わせて走行し、走行翌日のタイヤが常温に戻った状態でもう一度空気圧を測定すると、空気圧はびっくりする位低い値になっています。
こうしたことを考えると、空気圧の件はもう少しちゃんとした基準を決めて管理する必要があるように思いました。

今回のレース、予選も決勝も前後新品タイヤという超贅沢な仕様で臨んだのですが、少なくとも決勝では新品タイヤの恩恵をそれなりに受けることが出来たようです。
KTM勢との3位争いを何とか凌ぐことが出来て、レースの内容的には今の自分としてはベストな結果だったと思います。
でも過酷なコンディションの中、決勝レースではほぼ全員のタイムが伸び悩む中において、ツジバただ一人だけが予選とほぼ同じタイムを出して堂々の優勝を飾ったのには脱帽です。
何だかんだ言っても今日は「ツジバの日」だったのは間違いありません。
また次も頑張るぞ!
Posted by cpiblog00738 at
07:38
2016年07月28日
速いエンジンの仕様 (テスタストレッタ編)

そういった自他ともに「速い」と認められているエンジンは、果たしてどのような仕様になっているのでしょうか?
ここではそういった「速い」エンジンの仕様を、TFDで製作した998/999系のテスタストレッタエンジンを例に解説してみます。
当然ながら排気量のアップはパワーアップに直結しますが、ひとまずここではそれは置いておいて、それ以外の要素について解説します。

現時点での定番はピスタル製のハイコンプレッションピストンです。
画像は仕様違いで両方とも998/999用ですが、左が現在一般的なもの、右は一昔前に出回ったものです。
左の方が重量的にいえば圧倒的に軽量ですし、基本的にそのまま組めます。
ただしトップとヘッドの干渉の有無の確認は必要です。
右のものは重量がノーマルに近いですし、そのまま組むとトップが部分的にヘッドと明らかに干渉するので燃焼室の形状を対策する必要が生じます。
ただ左のピストンも、何故かピン上の高さがノーマルより若干高く製作されており、そのまま組むとスキッシュの値が「私の基準では狭すぎ」という感じになります。
そのため私が組む時はシリンダベースのガスケットの厚さを調整して、スキッシュの値が私が思う適正な数値になるように調整しています。
また、重量が圧倒的に軽量ということで本来の性能を発揮させるためにはクランクバランスのとり直しが必須となります。
ちなみに998ノーマルピストンの重量は一般的に475グラム前後、ピスタル製ピストン(左側)の重量は同じく425グラム前後です。

これはPANKL製の削り出しタイプのチタンコンロッドです。
これを使用出来ればベストですが、何しろ高価なのでなかなかそうは行きません。
(参考重量:329.9グラム)

ドゥカティ純正のPANKL製チタンコンロッドです。
削り出しではなく「型モノ」ですが、性能は必要十分だと思います。
マトモに買うとこれもとんでもなく高価ですが、上級車種にはもともと使われていますから多くの場合は新たに購入の必要はありませんし、たとえ新たに入手する必要が生じても中古品を比較的容易に安価で手に入れることが出来ると思います。
(参考重量:377.4グラム)

(参考重量:528.2グラム)

ピストンとコンロッドに合わせてバランスを取るとこんな姿になります。

こういったクランクシャフトの素材であるスチールよりも質量が大きい素材をクランクの中心よりも可能な限り遠くへ配置することによって、バランスが取れた状態のクランクシャフト本体の質量を軽くすることが出来ます。
要するにコンパクトなクランクシャフトになります。


「速いエンジン」の基本的なキモは基本的に以上の要素だけです。
カムやバルブはノーマルのまま、吸気系もノーマルのままです。
ECUも基本的にドゥカティパフォーマンスのレース用ECUで全く問題ありません。
エキゾースト系に関しては、ドゥカティの場合は基本的にエキパイが太いほどパワーアップする傾向が有るので、 可能であれば「出来るだけ太いフルエキ」を入手したいところです。
ブランドとしてはやはりテルミニョーニが無難で、性能が保証されています。
実績のないメーカーのものや一品製作品の場合、太いけどパワーが出ないとか、過渡特製がイマイチとか、振動が多い等の問題が有るものも見受けられるようです。
それと言い忘れましたが、テルミの998用φ54mmフルエキはエキパイがスイングアームの下側に干渉するので対策が必要です。(なぜこんなことが起きるのかは不明ですが)
街乗りであればリアの車高を下げる(スイングアームの角度を寝かせる)ことで干渉を防げますが、サーキット走行でそれをするのは致命的ですから エキパイを切った貼ったして何とかしなくてはなりません。
以下は上記以外の細かいことですが、場合によっては非常に重要になることもある要素です。

画像は1次ギアとスターターのインターミディエイトギアです。
昔は単純に機械加工で穴を開けていましたが、現在は放電加工で施工しています。
特にインターミディエイトギアは硬質なので、機械加工では刃物の歯が立たないので加工は無理、と言われたことも過去にはありました。

左が一般的に使われているノーマル部品。
右が749Rや999Sの2005年モデル以降に使われている純正部品です。

エンジンに装着されているピックアップの位置からも窺い知れるように、ギアの横方向から信号を拾っています。
この方式の場合、ピックアップが拾う信号が非常に不安定になる場合が有ります。
一般的に多く見られる不具合の症状としては、エンジンが高回転で失火するということが有ります。
ノーマルのギアで全く問題無くエンジンが作動する場合も多いですが、そうでない場合は何をやってもダメで、その場合はギアを画像左の後期型に交換すると症状はピタリと改善します。
良く見るとギアの歯に凝った加工が施してあります。
後期型がこの仕様になったということはメーカーもこの問題を認めて対策したということですね。
(ちなみに現在はピックアップの位置を変更し、ギアの上側から信号を拾うようになっています)
レースで使用する場合はこのタイプのタイミングギアを使用することを強く推奨します。
とりあえず今回はこの辺で終わりにしますが、最後に一つ。
以上の仕様はあくまでサーキットを全開で走るという限定された状況において「調子が良くて速い」となる仕様です。
公道では全くと言ってよいほどそのアドバンテージを発揮することはないと思われ、かえって中低速のパーシャル域ではギクシャクして「不調」となる可能性が高いので念のため。
公道からサーキットまで、オールマイティーに調子よいエンジンは、やはりメーカーが製作したノーマルエンジンであることは間違いが無いと思います。
Posted by cpiblog00738 at
12:40
2016年06月30日
59秒台出ました。 おまけ

自分が本気で美味いと思う料理はやはり日本食ですね。
こういったものを食しながらの日本酒は本当に最高です。
温泉で腰痛を治療、ゆっくり骨休み、という目的もあったのですが、実はメインの目的は他にありました。

渓流の中に大岩が有って、その上にしめ縄で囲まれたスポットがあります。
ここは伊豆の某所で、結構メジャーな観光スポットでもあります。

3個のうちの1個でもそのスポットに載せることが出来れば、願い事が叶うと言われています。
これを「大願成就」にかけて「大岩上受」と呼ぶそうです。

その時に咄嗟に口をついて唱えたお願いが、「筑波で59秒お願いします!」だったんです。
何故か 「ナナマルのバスを釣らせて下さい!」では無かったので、自分の心の奥の本心では筑波59秒の優先順位が特別に高かったんだと後から思った記憶があります。
願い事が叶った時は必ずその年のうちにこの岩に手を合わせに来るのが礼儀となっているそうなので、今回はお礼と報告と、新たな石乗せ挑戦にやって来たというわけです。
私はこういった一連の出来事を特に信じたりする人間ではありませんけど、今回の流れの出来事が現実として起こったことは事実なので、将来的に私は定期的にここを訪れることを避けられそうにありません。(笑)
ちなみに今回も3個の石のうちの1個を載せることに成功しました!
Posted by cpiblog00738 at
10:16
2016年06月23日
59秒台出ました。その3
肝心の決勝レースはあっけなく転倒リタイヤとなってしまいましたが、一応その顛末を。
レースはスタートが肝心ですが、私はスタートが下手です。
大抵は予選結果より順位を落として1コーナーに入ることになります。
今回はまだマシな方で、1コーナーへの進入は3番目でした。
しかしいつも感心することですが、上位の皆さんは スタートが上手ですね。
自分的には80点くらいのスタートだったので上出来ではあったのですが、
それでは太刀打ちできません。
上位陣の予選タイムの差なんてせいぜいコンマ数秒ですから、レースになると抜いたり抜かれたりなんてことはなかなか起こりません。
今回スタートで自分の前に出た選手はレース関係者ならだれでも知っている選手権上がりの有名な猛者だったので、いったんその選手に前に出られてしまったら、まず自分の順位を上げることは不可能でしょう、と思っていました。
その後は前走者の後ろについて周回を重ねることになりますが、 でもそうしているうちに相手より自分が早いところ、自分が遅いところが見えてくるのです。
幸運なことに今回は自分のバイクの方がストレートの伸びがちょっと上回っていましたね。
2ヘアを立ち上がって加速していくとストレートエンドで並びかけることが出来ました。
とはいえ、並んで飛び込む勇気というか、そんな事をする気は最初から全くありません。
何せ相手は歴戦の猛者ですからね、こっちは完全にビビってしまっていて、横に並びかけるくらいが関の山です。
ストレートエンドで並びかけることを3〜4回 繰り返して、まあ今回はこんなもんか、と思っていたところ、次の周回の2ヘアの立ち上がりで前との差が今までより明らかに接近しました。
この差ならストレートエンドまでに完全に前に出て安全にパスできる、という確信が生まれたので、 この時ばかりは頑張ってパスさせてもらいました。
そうすると1位を走る選手はもうだいぶ先に行ってしまっていたので、自分の前はもうクリアです。
これでやっと自分のラインで走れるという状態になりました。
それまでは前走者の直後を走るためにどうしても走行ラインを前走者のそれよりも1本外に取らざるを得なかったからです。
で、2ヘアに差し掛かりました。
自分の本来のラインを通ると、後から聞きましたがそこに直前のレース(ピレリカップ)の赤旗の時に出たオイル処理の跡が有ったんですね。
自分は全く知りませんでしたが、判って走っている人もいたので自分に足りないところが有ったということです。
ブレーキを離して加速に移る直前の、所謂何もしていない時に、フロントタイヤがスローモーションで内側に切れて行っての転倒です。
えっ、俺このまま転ぶの?という感じでした。
1位の選手には追い付きそうもないので残りの周回は無難に消化して、と思っていた矢先で、特に攻めているわけでもなく、タイヤからのインフォーメーションも危険を知らせるものは何もなかったので、自分としては意外な転倒でした。
そんな地面との落差ゼロの転倒なので、自分は肘と膝周辺でアスファルトの上を数メートル滑っただけ。
転がりもしませんでした。
あ〜あ、良いことばかりは続きませんね、とその時思いました。
神様に次回も頑張りなさいと言われたみたいです。
レースはスタートが肝心ですが、私はスタートが下手です。
大抵は予選結果より順位を落として1コーナーに入ることになります。
今回はまだマシな方で、1コーナーへの進入は3番目でした。
しかしいつも感心することですが、上位の皆さんは スタートが上手ですね。
自分的には80点くらいのスタートだったので上出来ではあったのですが、
それでは太刀打ちできません。
上位陣の予選タイムの差なんてせいぜいコンマ数秒ですから、レースになると抜いたり抜かれたりなんてことはなかなか起こりません。
今回スタートで自分の前に出た選手はレース関係者ならだれでも知っている選手権上がりの有名な猛者だったので、いったんその選手に前に出られてしまったら、まず自分の順位を上げることは不可能でしょう、と思っていました。
その後は前走者の後ろについて周回を重ねることになりますが、 でもそうしているうちに相手より自分が早いところ、自分が遅いところが見えてくるのです。
幸運なことに今回は自分のバイクの方がストレートの伸びがちょっと上回っていましたね。
2ヘアを立ち上がって加速していくとストレートエンドで並びかけることが出来ました。
とはいえ、並んで飛び込む勇気というか、そんな事をする気は最初から全くありません。
何せ相手は歴戦の猛者ですからね、こっちは完全にビビってしまっていて、横に並びかけるくらいが関の山です。
ストレートエンドで並びかけることを3〜4回 繰り返して、まあ今回はこんなもんか、と思っていたところ、次の周回の2ヘアの立ち上がりで前との差が今までより明らかに接近しました。
この差ならストレートエンドまでに完全に前に出て安全にパスできる、という確信が生まれたので、 この時ばかりは頑張ってパスさせてもらいました。
そうすると1位を走る選手はもうだいぶ先に行ってしまっていたので、自分の前はもうクリアです。
これでやっと自分のラインで走れるという状態になりました。
それまでは前走者の直後を走るためにどうしても走行ラインを前走者のそれよりも1本外に取らざるを得なかったからです。
で、2ヘアに差し掛かりました。
自分の本来のラインを通ると、後から聞きましたがそこに直前のレース(ピレリカップ)の赤旗の時に出たオイル処理の跡が有ったんですね。
自分は全く知りませんでしたが、判って走っている人もいたので自分に足りないところが有ったということです。
ブレーキを離して加速に移る直前の、所謂何もしていない時に、フロントタイヤがスローモーションで内側に切れて行っての転倒です。
えっ、俺このまま転ぶの?という感じでした。
1位の選手には追い付きそうもないので残りの周回は無難に消化して、と思っていた矢先で、特に攻めているわけでもなく、タイヤからのインフォーメーションも危険を知らせるものは何もなかったので、自分としては意外な転倒でした。
そんな地面との落差ゼロの転倒なので、自分は肘と膝周辺でアスファルトの上を数メートル滑っただけ。
転がりもしませんでした。
あ〜あ、良いことばかりは続きませんね、とその時思いました。
神様に次回も頑張りなさいと言われたみたいです。
Posted by cpiblog00738 at
10:09
2016年06月21日
59秒台出ました。その2

季節的には梅雨時なので天気の心配がありましたが、幸運なことに降雨の気配はなく、そこそこのレース日和でした。
ゼッケン94番が私のバイクです。
このバイクのレースデビューは4月の筑波TTでした。
その時はやはりタイヤを始めとする各要素のバランスが今一つではありましたが、それでもベストタイムは0秒319だったので、今回こそはと期待を込めて筑波に乗り込みました。
朝はテントの設営や荷物の配置等が落ち着くまではそれなりに忙しいものなのですが、ところがそんな状況下で個人的に予想もしなかった事件が起こってしまいました。
荷物の配置を整えようとちょっと重めの箱を持ち上げた時に腰に「ビキッ」と強烈な痛みというか衝撃が!
ぎっくり腰です!!!

正直なところ神を呪いましたね。(笑)←(今だからこう書ける)
この画像はポジションを確認中、ではなく、オレ、本当にバイクに乗れるのか?の確認をしているところです。
闘志に燃えて目が三角になっているわけでは決してありません!
痛みに耐えるが故の表情です。(笑)
努めて平静を保っていましたが、一時は立っているのが精一杯、後ずさりも出来ません、というような情けない状態だったのです。
まあ人間の体というのは良く出来たもので、いったんバイクに跨ってコースに出てしまえば走行中は何とかなるだろうと予想はしていましたが。
(骨が折れているわけではないですからね)
でも走行後にバイクから降りるのが大変そうだなという想像までしていました。
で、私の個人的な事情には全くお構いなしに予選が開始されました。
ここからはメーターダッシュのディスプレイに残されたデータから予選の状況を再現してみます。
説明は自分の記憶によるものなのでかなり曖昧なところがありますがそれはご勘弁を。

各数字はその周に記録された最高値を示しています。

補足説明しますと、この周のラップタイムは1分2秒24、スロットルポジションの最高値は100%(全開ということですが、アウトラップの画像では100%まで開けていないですよね)、水温の最高値が71度、最高速が229km/h、エンジン回転数の最高値が10,779rpm、ということです。
ラップタイムはダッシュ左上にマジックテープで止まっているGPSセンサーによる計測です。
当然ながら公式に記録されるラップタイムとは若干の誤差があります。
タイヤは新品で出て行ってますからまだ様子見で、タイヤの皮むきと言われる状態です。

まだ様子見ですが、そろそろ行ってもいいかなという雰囲気になってきたところです。

とりあえず行ってみますか〜、となった時です。
早くも59秒台に突入です。
私の場合、新品のタイヤを履いてコースインするとタイヤの皮むきが終わった4周目あたりでポンと良いタイムが出ます。
その後頑張って走ってもそのタイムを更新できないこともあったりします。
この事実の裏に、より速く走るためのヒントが隠されているような気がします。
今後の課題ですね。
正直なところ今回の走行中はディスプレイを全く見なかったので(そんな余裕はありませんでした)、この時にとりあえずの目標を達成したことは知りませんでした。

周りのバイクと絡んでいますね。

頑張って前のバイクを抜きながら走っていると思われます。

前周回と同じ状況だと思われます。

転倒者がいてそれに気を取られ、ギアを1速間違えて走行してしまい、加速中にエンジン回転をリミッターに当ててしまった周があったのを記憶していましたが、それがこの周だったようです。
お察しの通り、このエンジンの回転リミットは11,900rpmに設定してあります。
998RSだとメーカーが決めた回転リミットは13,000rpm、996RSでも12,600rpmですから、それらと比較すると低めの設定です。
このエンジンは基本的にノーマルですからそんなに上まで回してもメリットは無いし、エンジンの寿命やノーマルエンジン故の中低速トルクの太さが有るのでこうした設定にしてあります。

実を言うとこの周まで前走者が抜けずに悶々とした状態で、なかなか思ったような走りが出来ずにいました。
そのバイクは4気筒だったので直線は当然ながら恐ろしい速さで、かといってインフィールドも遅いわけではなくてそれなりに速く、ちょっとパスするのは無理かなと判断し、いったん後ろに下がって前のスペースを空けてからアタックしようと考えました。
そこでそれを実行に移そうと念のために後続を確認すると、後ろには何台も後続車が続いています。
それを見て、この方たちを全員前に出してそれからクリアを見つけるのも大変だと思い直しました。
前の1台を抜けばその前はかなり遠くまでクリアだったからです。

前走者を何とかパスし、クリアが取れたので頑張ってみました。

結果的にこの周がベストタイムです。
公式には59秒605でした。

何と!トップではないですか!
本人はそんなことは全く知らずに走行していました。

まだ59秒台です。

まだ頑張っています。

ここで前走者の存在がちょっと前に見えてきました。
アタックを止めたわけではありませんが、やはりそう簡単にはパス出来そうにはありません。

前走者にグッと近づいたところでチェッカーが出ました。

なので自分がどのくらいのタイムを出せたか、果たして1分を切れたのか、全く見当が付きませんでした。
で、チェッカー後1コーナーを回ったところでコントロールタワー上の表示を確認しました。
ここにはトップから6番目か7番目までが表示されます。
おそらく自分のゼッケン94番はここに有るはずだという確信はありましたが、速い人がいっぱい走っているクラスですから何時もの習性で下から確認していきました。
すると何と上から2番目に94番の表示があります。
この時初めて、自分は59秒台を出せたんだ、と確信できました。
11年前のタイムは出てしまったタイム。
今回は出そうと思って出したタイム。
この差は大きいと思います。
これから先ももうちょっと頑張ってみようと思える展開でした。
ぎっくり腰で余分な力を入れられなかったのが良かったのか、結果的にぎっくり腰になったことに感謝するべきなのか、今本気で迷っています。(笑)
Posted by cpiblog00738 at
12:53
59秒台出ました!その1
筑波サーキットにおける今迄の私の公式ベストタイムは59秒988でした。
これは2005年3月21日に行われたBOTTのエキスパートツインクラスの予選で記録したものです。
もう11年も前のことになりますね。
バイクは998RS2003、タイヤはダンロップのスリック(16.5インチ)でした。
(このバイクはもちろんまだ所有しています。そのうちまた走らせてやろうと思っていますが、なかなかその機会が、、、)
その時の車載Pラップがこれです。
(当然ですが公式に計測されたタイムとPラップで計測されたタイムには若干の相違があります)
それ迄の自分のベストタイムは確か1秒台だったと記憶していますが、この時は直前の練習走行で 0秒台が何度か出て、その次の走行だったBOTTの予選でこのタイムが出ました。
この時は僅か1週間ほどの期間で自分のベストタイムが2秒近く縮んだんですね。
タイヤ、サスのセッティング、自分の走り、その他、あらゆる要素のバランスが偶然にも出会い頭でバッチリハマったのだと思います。
その後は、その時使用していたタイヤがモデルチェンジして入手出来なくなってしまい、代替えのタイヤでバイク全体のバランスが崩れたのでしょう、いくら頑張ってもせいぜい0秒台真ん中から後半のタイムを2〜3回記録しただけでした。
今考えるとこの時のタイムは「出てしまった」タイムでしたね。
出そうとして出したタイムではなかったのです。
それでもやはり1分切りはアマチュアレーサーにとっては絶対的な区切りですから(当時も今も)、自分の一生の目標を達成した気持ちになって、「これから先のレースは自分にとってはオマケみたいなもんだ」と本気で思いました。
私は1957年生まれなので、年齢的、肉体的にレースが出来る期間もあと数年かな、と思い始めたのは最近のことです。
そこで11年前の出来事を思い出して良く考えてみると、今なら当時よりも走りに関しては多少賢くなっているし、バイクもタイヤも良くなっている、便利なフルコンも持っている。
もう一度59秒台を真面目に目指して行動すれば今ならまだ何とかなるのではないか?
もう一回頑張ってみる価値はあるんじゃないか?(でもただの勘違いかも?)
そう思って行動に移ったのが去年の秋も深まった頃です。
今乗っている996RS2001の車体に1098エンジンを載せた競技車両の製作を始めました。
これは2005年3月21日に行われたBOTTのエキスパートツインクラスの予選で記録したものです。
もう11年も前のことになりますね。
バイクは998RS2003、タイヤはダンロップのスリック(16.5インチ)でした。
(このバイクはもちろんまだ所有しています。そのうちまた走らせてやろうと思っていますが、なかなかその機会が、、、)

(当然ですが公式に計測されたタイムとPラップで計測されたタイムには若干の相違があります)
それ迄の自分のベストタイムは確か1秒台だったと記憶していますが、この時は直前の練習走行で 0秒台が何度か出て、その次の走行だったBOTTの予選でこのタイムが出ました。
この時は僅か1週間ほどの期間で自分のベストタイムが2秒近く縮んだんですね。
タイヤ、サスのセッティング、自分の走り、その他、あらゆる要素のバランスが偶然にも出会い頭でバッチリハマったのだと思います。
その後は、その時使用していたタイヤがモデルチェンジして入手出来なくなってしまい、代替えのタイヤでバイク全体のバランスが崩れたのでしょう、いくら頑張ってもせいぜい0秒台真ん中から後半のタイムを2〜3回記録しただけでした。
今考えるとこの時のタイムは「出てしまった」タイムでしたね。
出そうとして出したタイムではなかったのです。
それでもやはり1分切りはアマチュアレーサーにとっては絶対的な区切りですから(当時も今も)、自分の一生の目標を達成した気持ちになって、「これから先のレースは自分にとってはオマケみたいなもんだ」と本気で思いました。
私は1957年生まれなので、年齢的、肉体的にレースが出来る期間もあと数年かな、と思い始めたのは最近のことです。
そこで11年前の出来事を思い出して良く考えてみると、今なら当時よりも走りに関しては多少賢くなっているし、バイクもタイヤも良くなっている、便利なフルコンも持っている。
もう一度59秒台を真面目に目指して行動すれば今ならまだ何とかなるのではないか?
もう一回頑張ってみる価値はあるんじゃないか?(でもただの勘違いかも?)
そう思って行動に移ったのが去年の秋も深まった頃です。
今乗っている996RS2001の車体に1098エンジンを載せた競技車両の製作を始めました。
Posted by cpiblog00738 at
09:54
2016年04月24日
筑波TT
4/23(土)筑波TTが開催されました。
今年は例年より開催時期が約1ヶ月遅かったので、良好なコンディションの中でレースをすることが出来ました。
BOTTクラスのエントラントの皆様は私を始めとして若くない方が殆どなので、今迄の3月ではない4月の開催は非常にありがたいですね。
歳をとるにつれて人間の方の始動性が悪くなる傾向になるのは仕方がないのでしょうか?(笑)
TFD関係のエントラントが集まったテント内です。
少なくとも皆最新バイクではないですね〜。
でも裏を返せばこういったバイクで遊び続けている人が、今迄やり続けて来て、これからもやり続けていくだろうという事実が有るわけです。
勿論これらのバイクはキャブレターを使っているわけではなくフューエルインジェクションですから、そんなに旧車というわけではありませんが、今の最新バイクと比較するとかなりアナログなバイクだと言えます。
でもね、バイクって基本的にアナログな乗り物ですよ。
何せ止まると倒れてしまうようなシロモノですからね。
で、それを使ってレースみたいな遊びをする人も、 一般の常識からするとかなりアナログチックな人々だと思います。
それにプロフェッショナルなレースはさておき、サンデーレースレベルでは少なくとも90年代以降のバイクならタイム的に最新バイクに対して遜色が有りません。
やり方によっては十分勝てます。
このあたりもバイクの存在自体がアナログだということでしょう。
で、自分のレースですが、今回新たに製作したバイクで臨んで、期待外れの面もあり、期待通りの面もあり、それなりにいろいろと感じることが有りました。
新作のバイクと言っても15年前の車体に8年前のエンジンを載せた物ですが、機能的にはほぼ思い通りに動作してくれました。
エンジン的には今迄主に使用していた916レーシングよりも明らかに速いです。
最初は少し戸惑いましたが、何回か走り込むうちにパワーには慣れてくるものですね。
レース当日使用する筈のタイヤが筑波のサービスガレージに無くてそこに有るタイヤしか選択肢が無かったのは全くの想定外でしたが、そんな条件でも今回のレース、自分的な採点は60点くらいで少なくとも赤点では無かったです。
レース中のベストタイムは自分の生涯でのセカンドベストでした。
(勿論ベストタイムの更新が目標なので残念な結果ではあります)
4周目あたりまではトップグループの尻尾として前に付いて行けていたのですが、それ以降は付いて行けず大きく離されてしまいました。
でもこのレベルの高いレースで最後まで遥か彼方にとはいえトップグループが目に見える位置で走れたのは素直に嬉しかったです。
今年は例年より開催時期が約1ヶ月遅かったので、良好なコンディションの中でレースをすることが出来ました。
BOTTクラスのエントラントの皆様は私を始めとして若くない方が殆どなので、今迄の3月ではない4月の開催は非常にありがたいですね。
歳をとるにつれて人間の方の始動性が悪くなる傾向になるのは仕方がないのでしょうか?(笑)
TFD関係のエントラントが集まったテント内です。

少なくとも皆最新バイクではないですね〜。
でも裏を返せばこういったバイクで遊び続けている人が、今迄やり続けて来て、これからもやり続けていくだろうという事実が有るわけです。
勿論これらのバイクはキャブレターを使っているわけではなくフューエルインジェクションですから、そんなに旧車というわけではありませんが、今の最新バイクと比較するとかなりアナログなバイクだと言えます。
でもね、バイクって基本的にアナログな乗り物ですよ。
何せ止まると倒れてしまうようなシロモノですからね。
で、それを使ってレースみたいな遊びをする人も、 一般の常識からするとかなりアナログチックな人々だと思います。
それにプロフェッショナルなレースはさておき、サンデーレースレベルでは少なくとも90年代以降のバイクならタイム的に最新バイクに対して遜色が有りません。
やり方によっては十分勝てます。
このあたりもバイクの存在自体がアナログだということでしょう。

新作のバイクと言っても15年前の車体に8年前のエンジンを載せた物ですが、機能的にはほぼ思い通りに動作してくれました。
エンジン的には今迄主に使用していた916レーシングよりも明らかに速いです。
最初は少し戸惑いましたが、何回か走り込むうちにパワーには慣れてくるものですね。
レース当日使用する筈のタイヤが筑波のサービスガレージに無くてそこに有るタイヤしか選択肢が無かったのは全くの想定外でしたが、そんな条件でも今回のレース、自分的な採点は60点くらいで少なくとも赤点では無かったです。
レース中のベストタイムは自分の生涯でのセカンドベストでした。
(勿論ベストタイムの更新が目標なので残念な結果ではあります)
4周目あたりまではトップグループの尻尾として前に付いて行けていたのですが、それ以降は付いて行けず大きく離されてしまいました。
でもこのレベルの高いレースで最後まで遥か彼方にとはいえトップグループが目に見える位置で走れたのは素直に嬉しかったです。
Posted by cpiblog00738 at
11:19
2014年10月09日
MotoGP用部品

Posted by cpiblog00738 at
19:44
2014年09月25日
とうとうついに

Posted by cpiblog00738 at
16:52